みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(7点検索)】
9.《ネタバレ》 シリーズ25作目。ここらで半分折り返しです。オープニング、華麗な身のこなしをするねずみ小僧。寅の役をスタントマン(だよね?)が演じるのは本作が初じゃないだろうか? 前作でひっそりと初の海外ロケをした寅さんシリーズ。本作はいよいよ沖縄。飛行機嫌いの虎さんも沖縄は初上陸。まだ戦争の名残りが感じられる米軍基地と、チンプンカンプンな琉球語。日本であっても異国情緒が色濃く出た作品です。 ここ最近(個人的に)低空飛行だった寅さん。もしかしたら、この辺でシリーズをお終いにする考えがあったんじゃないでしょうか?そうなるともう、寅に一番近いマドンナ・リリーに再登場願うしかなかったのかなぁ?って。本作を含めてリリー3部作と呼ばれているそうですが、前作“相合い傘 ”で、十分綺麗にまとまっていたと思えます。 リリーとは、最北の北海道で出会い、最南の沖縄県で再会するのは上手な〆方です。またTVシリーズの最終回も沖縄だったとのことで、益々最終回感を強く感じます。寅と一番相性のいいリリー。夫婦のような同棲生活をするふたり。リゾート感満載の沖縄での生活は、まさに夢のようなひと時。現実世界では消して結ばれることのない、でも相思相愛のふたりにとって、本作自体が夢物語のようなポジション、リリー前後編の番外編ポジションのように思えます。 悲しいのは、この同棲の中でも、寅は一人でふらりと遊び歩く毎日。終いには些細なことで大喧嘩してしまいます。夢の世界でさえ上手く行かないふたり。当然、現実世界で上手くいく筈もありません。 「リリー、俺と所帯持つか?」寅がこれほどしっかりと、言葉に責任を持って、真剣に告白するのって、本シリーズ初じゃないでしょうか?冗談として返すリリーが“相合い傘”のアンサーにもなってますが、このシリーズ全体の寅次郎の結末にも思えます。 旅先のバス停。爽やかでカラッとした心地よい再会が、寅とリリーにとって結ばれる以上に幸せな関係に思えてしまう。 こんなの観せられると、これでシリーズが終わりだとすると「あぁ、綺麗に終わったなぁ」って思えたことでしょう。 だけどシリーズはもう半分続きます。そして私も観続けます。 数え間違いじゃなければ、本作まで観続けてるレビュワーさん、私含め16名。さぁこれからも楽しもう! 【K&K】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2023-11-04 00:23:52) 8.《ネタバレ》 いつも思うのだが、寅さんは余所の人(特に困っている人)にはすごく優しいし、気を遣うのに、 とらやの面々を始めとした「身内」には手のひらを返したようにわがままだし、厳しく当たる人だ。 今作では、沖縄で療養中のリリーと半同居生活をすることになった寅さんが、ふとしたことから痴話げんかになり、 ついリリーに憎まれ口を叩き、リリーのちゃぶ台返しにあってしまう。 ここまで寅さんの「身内エリア」に入り、寅さんと対等にやりあったマドンナはリリーが初めてではないだろうか。 ここに至って、リリーは寅さんの「身内」になることの難しさを知り、終盤の寅さんのプロポーズを冗談と笑い飛ばしたのだ。 ※ちなみにこのシーンは前作「相合い傘」でのリリーが示した本音に対して寅さんが笑い飛ばしたのと対をなしている。 ラストシーンの爽やかさは、こうした二人のすれ違いを経て、一番いい距離感を表現していたからなのだろう。 【田吾作】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2020-09-23 14:48:14)(良:2票) 7.《ネタバレ》 「忘れな草」と「相合い傘」で作り上げたキャラクターを再利用するだけだったらどうしようかと思っていたのですが、そんなことはなく、物語はさらにその先を行っていました。ただ「病室に駆けつけるだけ」という単純な展開がもたらす強力な情感。食事補助の際、リリーが腕を取ろうとするのをさりげなく払いよける寅の切なさ(これは後でとらやでも同様のアクションがある)。若い男女がそれぞれに絡んでくることでさらに重なる心理の綾。リリーのちゃぶ台返しの直後に、暗色に照らされる寅の険しい表情。この世で最も悲しい寅の「プロポーズ」。話が終わったと見せかけて、さらにもう一歩先の2人の進んだ関係を凝縮してみせたラスト。演出が冴えに冴えています。 【Olias】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2016-09-21 02:51:30) 6.リリーと寅さんの絶妙なプロポーズも結局はすれ違う...自分の人生の一部を観ているよな恥ずかしさもあった。 沖縄での幸せな生活はやはり夢だったんだろうか、と最後にそう思わせる。 このシリーズの定番進行もあるが、お互いの道を譲らずに、どうしても同じところを歩けない、そういう物語が芯になっていて、それで寅さんと(寅さんを好きになる)マドンナは絶対に幸せになれない、その運命がちょっと哀しい。 【simple】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2015-07-04 21:59:52) 5.相思相愛の男女であっても結ばれるとは限らない。寅さんとリリー、誰が見てもぴったりと思える仲なのにちょっとした食い違いですれ違う。その心理のあやがうまく描かれた映画だと思う。だがたとえ夫婦にならなくても、寅さんとリリーはしっかりした絆で結ばれている。男女間の友情というものだろうか。この映画の終盤はすがすがしく後味良い。 【ESPERANZA】さん [DVD(邦画)] 7点(2015-05-07 06:26:20) 4.《ネタバレ》 いわばリリー三部作の三作目。この長いシリーズでもこういう展開はとても珍しい。「所帯をもつか?」のセリフには思わずギョっとして固まってしまったよ・・・。でもある意味このシリーズにはやっぱり似合わない展開と言えばそうな訳で・・・。でもそんな何とも言えない複雑な気持ちを爽快なラストで吹っ飛ばしてくれましたね(グッジョブ山田監督) 寅さんはこうでなくっちゃね!と何故か少し安心した次第でゴザイマスハイ 【Kaname】さん [DVD(邦画)] 7点(2014-08-01 09:31:48) 3.《ネタバレ》 リリー三部作第三部(だいぶ後に再出演されますが敢えて)。今回は当時はまだまだ遠い感じだった沖縄が舞台でプロモーションフィルム的な感じもある。リリーの為に遠くまで行ったのにこの結果。まぁ寅さんが心底コンプレックスの塊でまさか俺に惚れる女などいない気満々だから仕方ないですな。リリーの方が一枚上手(うわて)でこの関係のまま方が彼と私の為だと悟ったご様子。寅さんも毎度新鮮な恋を楽しみたいかもね。 【movie海馬】さん [地上波(邦画)] 7点(2012-09-29 23:25:00) 2.リリーさんと言えば北海道、しかし今回は正反対の舞台、沖縄へ! というわけで、南国のギラギラ照り付ける太陽の下、実に色彩的な映画となってます → なーんとなく、沖縄行く前の、柴又の光景すら、いつになく鮮烈な色合いになってる気がする! しかし、内容的にはいささか不満。前回リリーさんが登場した『相合い傘』、アレは私のお気に入りで、どうにも弱いんですけども、その『相合い傘』で言わば決着した寅さんとリリーさんの関係を、無理矢理蒸し返して、しかもなーんと同棲までしちゃうとは、どーいうことだ、寅さんよ(しかも同棲しておきながら、リリーとは怪しい関係じゃないとかなんとか、普通、そんな言い訳通らんよなあ)。→前回、“相合い傘”というモノに象徴させた二人の関係、本作ではその二人の関係の描き方が直接的すぎて、どうもイマイチ気分が乗らない。とは言え、前半の沖縄の光景の鮮烈さ(別世界っぽさ)と、ラスト近くの、柴又駅での別れの寂しさ(寅さんが「見送る」というのも珍しい光景では?)、その対比は、よく活かされていたのではないでしょうか。ところで気になる点 (1)沖縄に行ったまま音信不通の寅さんについて、おばちゃんのセリフ「ハブにでも噛まれて死んだんじゃないの?」は、‘テレビ版寅さん’を意識したセリフ、ですよね? では(2)沖縄から飲まず喰わずで帰ってきてフラフラの寅さんに、鰻重を用意するおばちゃん、そしてそれを夢遊病者のようにガッつく寅さん。でも昔、どの作品だったか、「鰻は嫌い」と言ってた気がするが? 果たしてこれは、「嫌いな鰻ですら食べちゃうほど飢えていた」という意味なのか、それとも脚本のミスか? 【鱗歌】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2006-08-08 22:21:41) 1.《ネタバレ》 「俺と所帯を持つか」という寅の言葉を、故意に冗談にして受け流すりりー、お互いあんなに惹かれあっているのに…。「寅さんみたいに自由に生きたいなあ」などという人は多いけど、彼ら(寅とリリー)がその自由と引き換えにしているものをその時観客は目の前に突きつけられるんですね。 最後のシーンはものすごく救われるいいシーン。やっぱり名作です。 【ウェルテル】さん [DVD(邦画)] 7点(2006-06-17 21:54:48)
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