みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(7点検索)】
9.《ネタバレ》 エジプトの人々がイスラエルに来て地元民の世話になる映画である。製作時点より少し昔の話ということで、少なくとも1988年より後の90年代という想定かも知れない。エジプトは1979年にアラブ諸国で初めてイスラエルを承認し、大使館もあったわけだが感情的な反発は残っていたようで、IMDbの公開情報によればこの映画もエジプトでは公開されていないようだった。あくまでイスラエル側からの思いを表現した映画だったことになる。 出演者によれば台詞はないが政治性のある場面が若干あるとのことで、自分の見た限りでは序盤で壁に写真がかかっていた場面のことかと思われる。ここでの写真の人物は、1993年の「オスロ合意」でノーベル平和賞を受賞したが1995年に暗殺されたラビン首相ではないか(自信なし)。この映画ではエジプトを扱っているが、脚本兼監督の考えとしてはパレスチナ人との共存も志向していたのだろうと想像する。出演者はイスラエルの役者だが団長役はなぜかバグダッドの出身、他のアラビア語(多分)を話す役はパレスチナ人だったらしい。 人間ドラマでは、若者の恋愛指南とか作曲上のインスピレーションを得るなど一晩でかなり深めの人的交流ができていたようである。また食堂の店主は、昔の映画体験を通じてそもそもエジプトに憧れのようなものがあったらしく、初対面時にエジプトをEgyptでなくわざわざマスルと言ったり、宿泊の受け入れを決めたりしたのもそのことが動機と思われる。映画人たる監督としては、音楽だけでなく映画も境界を越えて人の心を伝えることを表現したかったかも知れない。 店主の思いとしては、団長との間でオマー・シャリフとその妻のような宗教を乗り越えた愛を願ったのかも知れないが、団長が乗って来ないのでその場にいた若い男で一晩間に合わせたということか。また団長の立場からは、年長者として若い者に任せるべきところは任せた形になっていたかも知れない。さすがに年齢もかなり上で(演者で17歳差)人生の段階も違うという思いはあったようで、個人的にもこの団長には共感させられるものがあった。 その他雑事として、地名の中に出ていたHATIKVAという言葉はイスラエル国歌の題名にもなっているので、日本でも知っている人がなくはない単語と思われる。また全くどうでもいいことだがせっかくイスラエル映画を見たので、終わってからYouTubeでMayim Mayimを聞いていたらやめられなくなった。 【かっぱ堰】さん [DVD(字幕)] 7点(2023-10-28 10:26:35) 8.《ネタバレ》 導入部分に顕著な絶妙な「間」と、横並びを多用した構図、そして堅苦しい制服や重そうな楽器と荒涼とした風景のギャップだけで、コメディとしては完成しているわけです。あえて一足飛びに関係を発展させることなく、ぎこちなく礼儀正しく交わされる会話にも、何ともいえない味があります。その中でも、最低限の台詞で登場人物の心理の揺れを表し切っている脚本が、よく見ると凄く練られています。また、ユダヤとアラブの対立背景を全部削ぎ落とした潔さも、かえって作品世界に緊張感を与えています。 【Olias】さん [DVD(字幕)] 7点(2017-07-09 22:53:18) 7.地味だが良作。 偶然の一晩の中で、それぞれが抱える心の中の一端を見せながら、それでも今後の人生がこれまで通りに(でも多少は変化しながら?)続いていく...そんな風景を観た。 【simple】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2016-11-05 21:01:07) 6.女主人が魅力的でした。全体的におもしろかった。 【ホットチョコレート】さん [ビデオ(邦画)] 7点(2011-12-23 22:51:10) 5.これも、知らない者同士がひょんなことでの一夜を過す羽目に。何とも言えないぎこちなさがまた面白く、非常に愛想のいい食堂の女主人は魅力的でいい感じなんですが、こういう人を奥さんにしたら何かと心配事が増えそう?雰囲気や設定が「ククーシュカ ラップランドの妖精」のように暖かくて優しい大変心地いい映画でした。人間っていいですね!! 【白い男】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2010-04-28 13:01:00) 4.淡々とした地味な内容だけど一気に観れた。会話の微妙な空気が良い。 【ベルガー】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-10-18 13:19:03) 3.《ネタバレ》 真正面からおさえるキッチリした構図、ときどき入る無人の街の光景も幾何学的、そうした中で描かれるのが“人と人との気まずさ”なので、その対照が生きてくる。気まずさ、ってのは否定的なものではないんだな、と思う。思いやり、の変形なんだ。気まずい食卓の場、みんなで陰気に歌うセントルイス・ブルース、あのあともっと暗くなったかもしれないけど、でもみんなで歌ったという記憶はけっして陰気には残らないだろう。それでいいんじゃないか。無理にはしゃいで作られるワキアイアイより。恋の伝授の長回しの場、あれだって“気まずさ”の克服のモチーフだ。エジプト側からすれば迷子だが、イスラエル側からすれば一種のマレビト、恋を成就してくれた神々。ムッツリとごろごろ楽器を引っぱっている神々。イスラエル側からエジプト側に与えたプレゼントは、クラリネット協奏曲のエンディングの示唆だ。赤ちゃんが眠る小さな部屋のような終わり方なんて、うまいことを言う。 【なんのかんの】さん [DVD(字幕)] 7点(2008-11-18 12:17:43)(良:1票) 2.《ネタバレ》 国同士が敵対していたとしても人間同士はわかり合えるんだというメッセージを感じさせる良作です。独特な間が時折ユーモラスでもあり、非常に地味なストーリー展開ではありますが退屈することはありませんでした。 【TM】さん [DVD(字幕)] 7点(2008-08-25 19:02:54) 1.アゴ割れ俳優出すぎですよ、気になっちゃって気になっちゃって(笑)まぁそんなことはどうでもいいんですが、ちょっと地味な感じがしてマイナー映画大好きの東京国際映画祭グランプリ取っちゃうなこれはと思わせる出来でした。runtimeが短いのでパピの恋愛だったり楽団のその後だったりが気になるんですが、大部分が人間関係に重点がおかれててそれが物凄く巧みな感じがしました。光ゲンジを思い出すローラスケートのダンスバーが出てきたり、公衆電話を大切に使う、どことなく昔懐かしさが出てきたり。暗い雰囲気以外全然イスラエル映画だと感じなかったのが一番の意外でした。 【M・R・サイケデリコン】さん [映画館(字幕)] 7点(2008-01-29 20:38:27)
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