みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(7点検索)】
3.《ネタバレ》 ジャックとしてのピュアでシャイな少年像を見せたうえで、同一人物のはずのエリックがなぜ過去に残虐な殺人に加担したのか、そのへんを観客に納得させることにはとても気を使っていると思う。 エリックという家庭環境の不幸な子供がいました。勉強もできず、いじめっ子に殴られる日々。ある日、エリックよりもっともっと不幸なフィリップがいじめっ子からエリックを守ってくれました。エリックにとって信じられるのは、フィリップただ1人となって、フィリップにどこまでもついていこうと思いました。 疎外された少年たちが固い絆に結ばれて、絆を守ることがすべてに優先されて、エリックの年齢では善悪の判断がつかなかった。…そういうふうに説明していると思う。 が、カッターを握りしめて少女を追うエリックと、出所後のジャックには、同一人物とは考えられないほどのギャップがありますから「(追い詰められて自殺してしまうような)ピュアなジャック像」というのが先にあって、上の説明は後から考えたものなんじゃないかと。 テリーが情報管理にもっと注意したうえ息子に優しくしていたら、息子が金に目が眩んで密告しなかったら、白鯨ちゃんが新聞に写真を売らなかったら、クリスが電話でジャックを見捨てるようなことを言わなかったら、この中の一つでもなければ、ジャックは生きていた…と思われます。皆が少しずつジャックの自殺に加担しているわけですから誰ひとりこの件について「無罪」ではないということになります。 周囲のみんなが、少しずつジャックを死に追いやったのだ。 この人たちは罪を問われることはないが、ジャックはいつまでも憎まれたではないか…ってそら、やったことがやったことですから。そういう比べ方(をしているように見えるが)もヘンじゃないでしょうか。 エリック=ジャックという少年は邪悪ではなかったのだ、というふうに描かれていますけど、じゃあフィリップはどうなのかというと兄に虐待されなければ邪悪ではなかったので、ジャックを自殺に追い込んだ人たちも特に邪悪なわけではないのに結果的にそういうことをしてしまっていて、つまり全体を流れる思想は、誰ももともと邪悪じゃないけど誰もが少しずつ過ちを犯しているのだということで。 罪を犯していない者だけが石を投げよ、というふうに見えます。それだと本当に罪を裁けるのは神様だけということになります。またこんな感じ…。 【パブロン中毒】さん [地上波(字幕)] 7点(2010-06-21 20:59:46) 2.《ネタバレ》 罪は一生赦されないのか? という疑問がずっと離れなかった。 主人公の立場から見れば、更正して生まれ変わったかのように人生をやり直し始めていて。 仕事や友情や恋に触れ、ささやかながら順調に進んでいて。 でも世間から見たら彼は元・少年犯罪者でしかない。 関わった人の反応は仕方がないものだと思う。 だからこそ悲しく、苦しい。 お互いに。 なぜ少女を殺したのか、確たるものが見えないからこそ余計にその罪が悔やまれる。 アンドリュー・ガーフィールドの繊細な演技と、音楽、そして映像のほの明るさ。 最後の遊園地が思いの外明るい色彩で、余計哀しさを覚える。 【えこー】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-02-21 14:02:01) 1.イギリス映画。少年Aまたは悪魔の子どもと呼ばれたエリックは、ジャックという新しい名前のもと人生をスタートさせる。ジャックは仕事を始め、友人も恋人もできる。順風満帆な第2の人生のスタートを切った。しかし、いつもジャックの心には罪悪感があり、苦しんでいた。それは、自分が人殺しであるという悲しい過去による…。如何なる理由においても殺人は許されることではない。けれども、更生して新たな人生をスタートさせようとしている青年を、死に追いやる権利は社会にはない。更生したと言ってもどのくらい心を入れ替えたかなんて、誰にもわからないけれど、少年Aが一人の責任で殺人を犯したわけじゃないから。子どもの責任は親にあると思うし、環境的要因が子どもの犯罪の場合多くを占めている、と思う。彼が両親と悲しい境遇にあることは断片的に描かれていたし、両親が逮捕後に彼と関わっている様子が全く描かれていなかったことからも彼の成育環境が決して恵まれたものではなかったことがうかがえる。ただ、両親の代わりにソーシャルワーカーのテリーが親代わりとしてジャックを励ましながら見守り続けていることは救いであった。子どもによる重大犯罪においては少年Aとその周りの人それぞれが真摯に過去を受け止めなくてはならない。本人だけの問題ではないのだから。重く深く考えさせられる映画だった。 【kaneko】さん [映画館(字幕)] 7点(2009-11-18 21:48:30)
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