みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(7点検索)】
23.《ネタバレ》 非情に、厭な後味の残る、快作ならぬ怪作ですね。作者の狙いどおりだと思います。冒頭、荒野でおばちゃんが変な踊りを踊り出したのには、どうしたものかと思いましたが、これが後で、どすんと効いてきます。最初の方は、ベッタベタな笑いを入れてきて、どうしたものかと思いましたが、こなれてきて、便器の蓋が当たるあたりではクスリときました。この作品を見終わった後で、気づかされたのは、これまで、私は登場人物の生きざまの中にある美学が好きで、それを見出しては感動して泣いたりしていたのだなぁということです。本作品の登場人物の行動は、衝動に任せるままで、自分をコントロールすべく信条を、美学をまったく持っていないように写るので、行動は凄まじいのですが、共感はしないし、カタルシスもない。あえて共感するとすれば心の闇のみ。結果、いや~な後味だけが残るのだと思います。この手の変化球を投げた場合、ベースの技術がしっかりしていないと、へなちょこボールになってしまうのですが、そこのところはしっかりとしていて、なかなか、うまいです。妥協がありません。 【camuson】さん [DVD(字幕)] 7点(2024-09-09 18:35:17) 22.《ネタバレ》 むむ、これは推理物としてあなどれない面白さがある。始めはどうでもよい思わせぶりな描写が多く気疲れする。見る事を後悔し始めたちょうど中間から意外な展開でなぞ解きを畳み込む。うまい作りだ。終わってみれば、なぞ解き以外の要素は飽くまで風景程度のものでありあまり考えなくて良いと思った。 【ほとはら】さん [DVD(吹替)] 7点(2024-04-09 09:34:39) 21.《ネタバレ》 成人の息子の母親が主人公というのも珍しい。その母親が謎を解いていくという今乗りに乗っているポン・ジュノの前の作品。やっぱり彼独自のナラティブは引き込まれるし、謎解きも物語の推進力として機能し、最後までダレずに見ることができる安定の実力。彼の作品ってなんか登場人物に得も言われぬおかしみがあるんですよね。ダウンタウンの松本が言うように悲惨さの中にある笑い(彼が具体例で挙げた父親がブリーフに「お父さんの」と書いて銭湯で笑われるというエピソードが非常にわかりやすい)。個人的に微笑ましく感じたのは自分を容疑者にしようとした母親を何事もなかったかのよう助けてあげるジンテとか。やっぱり独特の世界観がある人の作品は強い。 【エリア加算】さん [インターネット(字幕)] 7点(2020-09-23 00:10:40) 20.《ネタバレ》 知的障害を持つ我が息子がある日、女子高生を殺害した罪で逮捕された。かなり深酒した息子が、夜道を歩いていた見ず知らずの少女を廃屋へと引きずり込み、暴行を加えようとしたが反撃された末の犯行だという。「こんなことあり得ない。あの子は虫も殺せないような優しい子なのよ」――。息子の潔白を信じて疑わない母親は、無罪を求めてそう世間に訴えかける。だが、出てくるのは息子に不利な証拠ばかり。警察も弁護士もマスコミもほとほと役に立たない。追い詰められた母親は、独自に調査を開始するのだった。泥酔しその夜の記憶が曖昧な息子、息子とは腐れ縁の地元のチンピラ、奔放な生活を送っていた被害少女、そして少女に弱みを握られていたという地元の有力者たち。少女を殺したのは、果たして誰なのか?事件に隠された深い闇へと踏み込んでいった母親は、やがて衝撃の真実を知ることに……。外国語映画として初めてアカデミー作品賞を受賞し今、ノリにノッているポン・ジュノ監督の代表作と言えるそんな本作、今更ながら今回鑑賞してみました。終始陰鬱で観れば観るほど気が滅入るようなお話ながら、なかなか完成度の高いダークミステリーの逸品に仕上がっていましたね、これ。二転三転するストーリー展開、母親役を演じた女優のナチュラルな演技、回想シーンの中で妖艶な魅力を放つ被害少女と、監督の才気溢れる演出にラストまでまさに一気呵成。中盤以降、もはや誰もが怪しいとしか思えない中、最後に明らかにされる衝撃的な真実。後味は最悪ながら、かなり濃密で充実した映画体験をさせていただきました。自分の子供のために母親が本当になすべきこととは何なのか?貧困の負の連鎖は永遠に続くのか?誰もが何かしら思わずにはいられない極めて深いテーマを扱った、良質の社会派ミステリー。この監督の他の作品も観てみようと思います。 【かたゆき】さん [DVD(吹替)] 7点(2020-03-27 13:40:19) 19.《ネタバレ》 盲目的な母親の愛情を描いた映画だけど、当然それだけで終わるわけもなく、えぇーそういうオチか!ってのが楽しめる一本だった。 【おとばん】さん [インターネット(字幕)] 7点(2020-01-19 22:16:51)(良:1票) 18.「殺人の追憶」並みに重く、やるせない話だった。 しかも、こちらはユーモラスなシーンなど微塵も無く、常にシリアスな展開な為余計に疲れてしまった。 テーマ的には母親の子を思う気持ちというか、究極の親バカ映画というか、モンスターペアレント映画というか。 ポン・ジュノ監督らしい理不尽さと底辺に生きる人々がもがいて行く様は一貫してどこまでも不快にさせてくれる。 ふとした視点の転換により、作品のジャンルすら自在に操る様は相変わらず只者ではないと感じさせてくれる。 【ヴレア】さん [インターネット(字幕)] 7点(2020-01-12 19:22:15) 17.《ネタバレ》 この鬱陶しさ、盲目さ。 まさに母親そのものが描き出されている映画でした。 それも母親の嫌な面、見たくない面を まざまざと突きつけられたような不快さが見終えて しばらく経っても心の奥にわだかまっているようです。 例え殺人を犯してでも、我が子を守る。 母親故の狂気とでもいうか。 ただし、ポン・ジュノは上手い。上手すぎる。 あまりに理路整然とした物語構成のせいで、ご都合主義的な タイミングで新情報がポンポンと出てくるので、随所に作為を 感じてしまうのが残念な部分。 とはいえ、韓国映画の泥臭さ、脂臭さが ギトギトと漂う名作です。 結末や真相は視聴者の想像に委ねる、などという甘さはこの映画に 存在しないので、体調が良く、体力が充実している時に見るのがお勧めです。 【kirie】さん [インターネット(字幕)] 7点(2018-03-17 23:09:20) 16.《ネタバレ》 母親の一方的な愛にとんでもない不快感を抱く。 終始不安な気持ちを抱かせる独特な雰囲気を醸し出すことに成功している。 それにしても、この作品のカメラワークと母親を演じたキムへジャには拍手喝采。 最後、狂ったように踊る母親をブレブレのカメラで必死にフレームの中に 捉えようとするシーンにはとんでもないパワーを感じた。 【鈴木】さん [インターネット(字幕)] 7点(2017-12-30 17:44:16) 15.素直にこれは許せないと思う気持ちもあり 向こうでも賛否両論あったそうだけど観ておいて良かったと思います。 【TAKI】さん [DVD(字幕)] 7点(2017-08-25 01:31:50) 14.最近、韓国映画を観るにつけ、韓国映画にはジャンルのカテゴライズを決められない映画が多いなーと思います。これはある意味、ハリウッドの作品にならされた僕なんかは、観ていて、どーいった感情で観ればいいか決めかねて、居心地を悪くさせる傾向にさせます。特にその傾向が強いのが、ポン・ジュノ監督の作品でありまして、「殺人の追憶」も「グエムル」も観ていて、戸惑うばかり、でも作品自体のレベルが高いのか、結局は面白いと納得してしまうとこがすごい監督さんだなーと。そんな監督の作品ですから、ある程度覚悟はしていたんですが、今回のは特に、なんじゃこりゃああ!でした。そのジャンル越えはもうすでに冒頭から始まっていて、草が生えた広々としたところで踊る年配の女性、笑っていいのか、すがすがしい気持ちになっていいのか、しかし、かすかに蠅の飛ぶ音がしており、禍々しさも感じるのです。それは特に印象に残ったシーンである、ウォンビンの携帯パカパカシーンも同じで、生々しいリアルな仕草で、めちゃくちゃ怖くも感じ、知恵おくれとゆう背景で切ない気持ちにもなり、笑ってしまいそうにもなるのです。どんなモードで観ていいかわからなくなり、思考停止で冷めた目で引いて見てしまった部分がかなりありました。でも、かなりドキドキするシーンもあります。母がある部屋からこっそり抜け出るシーン。とにかく、全体的にすごい作品であることはなんとなくわかります。観てる間は、前のめりでした。でも、観終わってから、どんな気持ちになればいいのか理解できないのです。あ、そうか、ただ狂ったように踊ればいいんだ。 【なにわ君】さん [DVD(字幕)] 7点(2015-07-08 03:46:44) 13.「母」とはどうしてこうも愚かな生き物なのだろうかというステレオタイプなテーマではあるが、これを観て確信した。言い方は良くないが「母」とは一種の病気なのだと。はらみ産み落とした後に女が患う病。この病気には個人差があり、過干渉、過保護、過剰愛、逆にその重責から現実逃避思考に陥るニグレクト。それぞれどうかしてると思うが、仕方がないのだ。母という病を患っているのだから。かといって許されることではないという事は、言うまでもない。 【ちゃか】さん [映画館(字幕)] 7点(2015-03-19 14:43:40)(良:1票) 12.知的障害を持つ息子の殺人の容疑を晴らす為に奔走する母親の姿を描いたサスペンス映画。こうしてあらすじだけ書くとなにやらハートウォーミングな雰囲気だが、その実体は近親相姦ギリギリの母子関係を延々と見せられるという嫌がらせの様な変態映画である。なんで映画を観るのにこんないたたまれない理不尽な思いをしながら観なきゃいかんのか、と被害者意識に苛まれながらも最後まで観賞。これを純粋にエンターテイメントとして楽しめる人って相当に歪んだ性向の持ち主だと思うのだが、そう考えるとここでの異様な高評価っぷりは薄気味が悪いとしか言い様がない。「母の愛は海より深し」とはよく言うが、海より深い愛というのはもはや狂気と紙一重という事なのか。ラストの“ええじゃないか・エンディング”には驚愕。こんなんアリかよ。傑作であるかどうかはともかくとして、少なくとも日本のメジャー資本では絶対に作れない映画である事は間違いない。 【オルタナ野郎】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2013-03-06 23:07:04) 11.久しぶりに自分が求めるイヤ~な韓国映画(褒め言葉)が見れて嬉しかった。中でもこの映画は、誰一人感情移入出来ないところも特徴か。イヤ~な事が淡々と綴られていき、少しづつ、少しづつ、裏切られ、また明らかになり、そして少しイヤな結末。。。こういう映画は時間が経つとまたもう一度見たくなる・・・かな。 【masaov】さん [インターネット(字幕)] 7点(2012-01-05 01:24:07) 10.《ネタバレ》 うわーっと寒気のするようなある種ホラー。気持ち悪いんですよ、ポンジュノの映画は。これ褒め言葉です。 【長谷川アーリオ・オーリオ】さん [DVD(吹替)] 7点(2011-06-15 13:26:46) 9.《ネタバレ》 見応えのある重厚な人間ドラマですね。母の我が子への愛は、真実さえ、社会正義さえ突き飛ばしてしまう。客観的に理解出来ないことはありません。でも、感情移入はどうしても出来ない。ここで描かれる母の愛は、多くの人の共感は得られても、決して社会の中では賛同を得られないでしょう。少なくとも、およそ法治国家と呼ばれるものを形成しているのである限り、やはり罪は罪。「死人に口なし」をまかり通らせる訳にはいかないでしょう。 「あなたの息子への愛は素晴らしい。決して、おいそれと真似出来るものではない。そして、警察は結果オーライの捜査を許されるべきではない。真実を追究し解明すべきだ。しかし、あなたも息子さんも正義に生きるべきです。自分たちだけの世界で完結することは許されない。何も知らずに亡くなった少女のためにも、そして老人のためにも。」 これが私の答えです。 ちなみに、韓国作品に見られる陰惨な中に散りばめられたユーモアは、どうにも受け付けられないなぁ…。 それと、関係ないけど、世界中には自分と瓜二つの人間が2人は居るって言いますが、殺された女子高生の友だち役の彼女、「いとうあさこ」に似過ぎてませんか?本人かと思った…。 【タコ太(ぺいぺい)】さん [DVD(字幕)] 7点(2011-04-10 12:59:08)(良:1票) 8.《ネタバレ》 好きだと言った時に嫌いだと言ってもらえたのなら納得できるし、あきらめもつきます。好きだといった時に聞こえないふりで、はぐらかされたり曖昧な返事で引き延ばされる、蛇の生殺しの状態が一番辛いし残酷です。 赤の他人ならまだしもそれが切っても切れない親子の間で何十年も続いたとしたら。 人を殺してまで表現している愛の形が伝わること、報われる事がないとしたら。 ラストシーンはそんな閉塞しきった愛からの開放の踊りか、そんな事実を全て受け入れてまでも無償の愛を与え、道化のように踊り続けるという決意のようにも見えました。 【ちゃじじ】さん [DVD(字幕)] 7点(2011-03-15 02:32:24) 7.《ネタバレ》 無実を晴らそうとするのが母の愛なら、無実の演出に人を殺すのも母の愛、そして無実の青年に罪を着せるのも母の愛。つまり、そこに正義や道徳はありません。そんなものは、母の愛の前には二の次の論理なのである。道徳観や倫理観は人が社会を形成する際に、必要に応じて後天的に作られた価値観。それに対して「母の愛」は人が子孫を残すために備わっている本能を、行動的に類似した部分が多い「愛」で代替形容したものだと本作を見ていて思う。どちらが強いかって言ったら、そりゃ後者ってことになる。ご丁寧に「バカな子ほど可愛い」というオプションまで付けてある。その母の愛に対照させるのが息子の感情。コメディ要素だったはずの「バカな子」が、後半になると心情にベールを掛ける役割を果たす。廃品回収じいさんの焼死の真相に気付いていることを匂わせ、さらに気付いても忘れそうな記憶力の無さはサスペンス&ミステリーとして機能するが、なにより母の想いを素通りさせているような不透明さが、母を不安にさせ、母の愛を孤立させて行く。一方通行の行き着く場の無い本能的な愛。それは誰も見ていない原っぱで一人で踊る虚しさに等しい。ありふれた日常に隣接する非日常を軽々と残酷に切り取る芸当はこの監督の確固としたオリジナリティ。本作でもそれを確認させてもらいました。 【アンドレ・タカシ】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2011-01-04 15:00:05)(良:2票) 6.《ネタバレ》 必死な母と対極に、何を考えているかわからん息子にもやもや。後半の展開は「ぬう、そう来るか」と唸らされた。 【すべから】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-12-25 18:02:16) 5.《ネタバレ》 韓国映画って狂気に満ちた作品が目に付く。 本当に狂ってるように見える。この分野では勝てん気がする。 【虎王】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-08-13 12:22:43) 4.《ネタバレ》 母の周囲は克明に描かれる、それ以外は曖昧渾沌。その曖昧渾沌に対して母は挑戦し、ある種の充実に包まれる。探偵の興奮、忍び込みの冒険、発見と推理、この充実の果てにたどり着いた野が映画の冒頭シーンだ。この映画驚かすところは多々あるが(被害者の奇妙な姿勢、不意の鼻血、話の思わぬ展開…)、この冒頭はかなりびっくりした。普通の実写シーンの背後に音楽が聞こえてきて、それに合わせて踊り出す、ってのは、ミュージカル映画でダンスに入る瞬間のスリルそのもので、日常から非日常へのジャンプするあの興奮がこう使われ得るとは思わなかった。ミュージカルでは平凡な日常から、たとえば恋を歌い上げる非日常へとジャンプするわけだが、ここでは探偵の充実した時間から、非日常へジャンプした空虚を描いていたと後で分かる。母と子と立場が逆転してしまい、あの充実が抜け落ちていく、「しっかりしなきゃ」という心構えが必要なくなってしまう。そして罪の重さだけがのしかかってくる。あのラスト(併走する車から撮影し続けたのか)、本当に達成できるのかどうか定かでない忘却へ向かって、非日常を疾走するダンスで締められると、なんか物語としてはスッキリできなくとも、映画としてはきれいに決まったな、と得心させられてしまった。被害者を街から丸見えの場所に置いたんだよ、と悪友が推理するあたり、そういう方向(社会の悪意)に話が収斂していくのかと思ったのだが、そうでもなかったみたい。あの夜景のカットはかなりゾクゾクしたんだけど。 【なんのかんの】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-07-30 10:14:41)
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