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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です!
【クチコミ・感想(7点検索)】
3.《ネタバレ》 この映画を思い出すとき、私は暖かな情感に包まれる。それは本作の持つポップな色彩と、男女の幼い恋がどこかノスタルジックな感傷をもたらすせいだろう。ブレッソンの演出はいつも通りで、スマートな画面とリズミカルなカッティングが申し分なく楽しめる。特にヒロインと下宿人の彼との回想のシークエンスは、ドアの開閉の応酬とヒロインの一挙手一投足(そして裸体)に魅了され、ブレッソン映画が凝縮されていると感じた。あざとい音楽の演出と、黒色が潰れてしまっている夜のシーンが残念ではあったが、それでも本作は、鑑賞から一ヶ月以上経った今でも映画のワンシーンが突拍子もなく頭をよぎったりするほどに、私の内的世界に小さいながらも確固とした領土を得ている。衝撃はないが、長く愛していける本作のような映画には中々出会えない。 主人公はこの青い恋劇を通して愛というものを学んでいく。ヒロインがもたらしてくれた愛情への感謝。「君がくれた幸せに祝福あれ」この台詞に尽きる。 【吉田善作】さん [映画館(字幕)] 7点(2012-12-20 02:11:07)
2.《ネタバレ》 全体を通してみるとなかなか自分好みの映画なのですが、序盤を振り返ると妙な違和感を感じます。 ヒッチハイクをしているシーンでカメラがパッと引いてみると他にも大勢の人が路上に立っていて笑ってしまうようなショットが入っていたり、花畑の中を鼻歌を歌いながら歩く主人公を見る人たちを捉えるカメラも主人公の男を滑稽に描いている感が出ているので、中盤以降では感じられなかったものの、映画を見終わってからの結論としては、女に振り回されたりして「男ってやっぱり馬鹿な生き物」という映画だったのかもしれません。 また、ロケーション撮影が多くそれだけで心地よさが感じられ、雨で濡れた道の光の反射具合や窓ガラスに映り込む街灯の光など、自然で微細な光が画面を慎ましく彩っていて現実的なイメージが感じられる一方、BGMは楽曲と一緒にミュージシャンたちも同時にス~ッとタイミング良く入り込んできたりしていたりと、逆にこちらは非現実的で御伽噺っぽさが出ていたので、不思議な演出をする映画だなぁと思いました。 最後は、下宿人が出てくるのはわかって見ていましたが、雑踏の中に紛れて現れるという過度に劇的な登場の仕方ではなかったのがかえって良かったですし、二人に対してのキスの仕方に差をつけるところなんか、いかにもフランス映画らしさが出ていて面白いですね。 街を行き交う女の尻を追っかけたりと本業が疎かになり、同じような所を描いていた主人公でしたが、ラストで色が塗られていない所に筆を入れる姿で幕を閉じていたのは、馬鹿な生き物ではあるけども、人生の再出発を感じさせる終わり方で感動的ですらあります。 【もっつぁれら】さん [映画館(字幕)] 7点(2012-11-18 15:32:35)(良:1票)
1.なんて言うんだろう、針金だけでできているような映画。人物に厚みがない(これ普通はけなすときに使うんだけど、そうじゃないんだ)。現実を慎重に薄~く切った結果なのか。憑かれているものの薄さとも言える。抽象画の友人の忠告に対して、こちらは古城のロマネスクに徹してる。女性を追いかけるのも、なにかに憑かれている感じ。だから全体から見ると消極的な生き方なのだが、その「一筋」に関しては豊かこの上ないわけ。実にぶっきらぼうな唐突性のなかに、あのボサノバの船がゆったりと流れていく豊かさと照合できますか。この人の映画は、針金の鋭さで描き切るのが多いけど、本作ではその針金を通して、豊かでロマネスクなものが匂い立っている。こういう世界も隠し持っていたのか。ドアの開閉のリズムなんかに抑えに抑えた美しさがあって。テープに「マルト」と吹き込んで、バスの中でかけたりして、ほんとなら突き放したくなっちゃう主人公なんだけど、ブレッソンの文脈の中だと、憑かれた崇高さが出てくるから不思議。 【なんのかんの】さん [映画館(字幕)] 7点(2010-09-26 10:11:16)
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【点数情報】
Review人数 |
5人 |
平均点数 |
6.80点 |
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【その他点数情報】
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