みんなのシネマレビュー |
|
|
|
ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(7点検索)】
9.《ネタバレ》 是枝裕和監督による家族ドラマ。今作ではブンガクもどきのオイラ、人生の鬱憤をギャンブルにぶつける。そんな元夫に愛想をつかせるヨーコちゃん、冷めたオンナを好演。台風が来て、やむなくオイラの実家に一泊することになった元一家。ここからが、それぞれの本音が滲み出る是枝タイム。ちょっととぼけながら深~いコトバをこぼすキリンお母ちゃん。それでも戻らねえ元夫婦仲。風雨が強まる中、近所の公園のタコの中で全てが終わったと悟り、思わずちょちょ切れちまうオイラ。「歩いても歩いても」に比べてちょっと説教クサさはあるが、中身に深さがある。良作。 【獅子-平常心】さん [DVD(邦画)] 7点(2024-01-21 05:33:20) 8.歩き方まで研究しているのでしょうね、もとモデルと思えないたらたらの歩き方がいい。 「歩いても、歩いても」と同じ役名「良多」で出演する阿部寛さん、樹木希林さんとの掛け合いが絶妙ですばらしいです。 親戚か近所さんになったかのような感覚でこの家族を追いたくなる。 家族のかたちは色々あれど、幸せになってほしい。 【HRM36】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2021-01-13 08:21:33) 7.《ネタバレ》 近年の是枝監督作品はかつての小津監督の映画を彷彿させます。共通していることは、「家族」がテーマであることはもちろんですが、特にその時代を象徴する家族の姿を適格に、少しの哀愁を以て描いていること。本作で言うなら、もはや珍しくもないバツイチ 、低収入の中年男、ダンナより稼ぐ女性などは、今よりもむしろ何十年か経ってから、あの当時はこんな家庭が多かったなあ、としみじみ感じさせるような、そんな予感がするのです。 阿部寛の小悪党のようでもあるが、まったく憎めない魅力的なキャラを含めて、登場人物全員、人生の成功者ではないが人間味のある描き方をされていて、それはとても好感が持てました。 人生にも「台風」があるとすれば、それはたぶん離婚だったり死別であったりします。(要するにあまりよい出来事ではないということ) 台風の最中、深い海の底に潜むタコの姿は、彼が今人生のどん底であることを示唆しています。でも台風一過に覗いた晴れ間は明るくて、暗闇を抜けた先に見えた一筋の光明 (アカルイミライ) にも見えました。 彼は父親になれなかったのではなくて、愛はあったがお金が足りなくて父親稼業に失敗しただけ。だから彼のために一言だけ言わせてもらおう。「失敗も、一度は許そう、父親稼業」 ・・どうか彼の第二、、いや第三の人生に幸あれ。 【タケノコ】さん [映画館(邦画)] 7点(2020-11-20 16:03:55)(良:2票) 6.市井の人のありふれた日常生活の一部を切り取りましたという感じ。ドラマチックな展開は何もなく、そのへんの家庭にカメラを据えたらこういう映像が撮れるだろうと思わせるほどリアル。それがかえってあざとい感じもしますが。 老いた親とか離婚とか子どもの養育とか、あるいは不安定かつ低収入な職業による生活苦とか、誰もが直面するかもしれない、しかも事態は悪くなる一方の問題を俎上に乗せているわけですが、危なっかしさを漂わせつつ暗くならないところがいい。「こういうもんだよね」と達観しながら見るのが正解かもしれません。 まったく余談ながら、何も気にせずに電車やバスに乗り、喫茶店で人と「密接」し、人が「密集」する競艇場で騒ぎ、台風によって「密閉」された狭い団地で語らう等々のシーンは、たいへんうらやましく見えます。こんな「ありふれた日常生活」が早く戻ってくればいいなと。 【眉山】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2020-04-02 04:09:44) 5.主人公はダメな男でたいした成長もなく、大きな出来事も起こらない。けどセリフの一つひとつがかなり良かった。台風の夜の元夫婦、老いた母と息子、義母と嫁の会話が素晴らしかった。 【noji】さん [インターネット(邦画)] 7点(2020-02-23 19:35:58) 4.不器用でクズで結婚に向いてない男を演じさせたら右に出る者の居ない?阿部寛がとにかくハマり役で良かった。 馬鹿だなぁと思いつつも、何処か共感できるし憎めない男だ。また、全てを達観して息子に人生論を諭す樹木希林演じる母親がとにかく凄い存在感だった。 【ヴレア】さん [DVD(邦画)] 7点(2016-11-28 21:50:44) 3.《ネタバレ》 家族の変化、とりわけ父親像の変化。昔なら成り立っていた家族の形が現代では成り立たなくなっている。(それは不満はありながらも、死別するまで夫に添い遂げた樹木希林と阿部寛との別れを選んだ真木よう子の対比に象徴される) そして昔よりも、家庭を持たない個人を許容する事になった社会。 それらを、肯定も否定もすることなく、ただ今ある現実として描き続ける。 是枝監督の映画において「歩く」という行為は大きな意味を持つ。一人で歩くか、誰かと一緒に歩くか、またその時の相手との距離感、歩き方など。 それはそのまま人物の心情、状況、他者との関係性を表す。 今作においても、冒頭一人で歩いていた道を終盤息子と歩く阿部寛。それぞれのシーンのカットは同じアングルから捉えられる。遊具を見るショットも反復して映される。しかし、阿部寛の思いや視点は最初のそれとは全く変わっている。それは、子供の視点から親の視点への変化ともとれる。 食事のシーンにおいては、家族全員が椅子に座り、食卓を囲むシーンはない。ここにも家族の形の変化が見て取れる。そしてうどんを食べるシーンでは、阿部寛は真木よう子の方を向いているが、その反対はない。それは元夫婦の心の距離感、心の向きを表しているように見える。 そして自分なりの夢の形(宝くじ)を、息子に託す父親。 台風という不可逆的で否応なく巻き込まれ、いつの間にか過ぎ去っていくものを人生と置き換えるなら、嵐が過ぎ去った後は晴れるという考え方は、あまりにも都合がよすぎるのだろうか。 【ちゃじじ】さん [映画館(邦画)] 7点(2016-06-05 23:29:27)(良:3票) 2.《ネタバレ》 「幸せとは云々」といった如何にも名言、的な人生訓を樹木希林らに語らせるのだが、阿部寛が小説書きという設定はそれらに対する照れ隠しのようにも 見える。幸い彼女の軽妙な芝居のおかげで、嫌味がない。 阿部寛の愛嬌ある表情変化や身振りも達者で、姉弟・母子・元夫婦同士の掛け合いもちょっとした台詞の妙で笑わせる。 台風の夜にしては、音響・視覚共に少し物足りなさを感じるが、これでいいのだろうか。 嵐の静かな高揚感をもう少し感じさせてほしい。 公園のシーンのロングショットでは『台風クラブ』を少し感じさせたが。 遊具の中で、懐中電灯のライトを反射した光を小さく宿す阿部の眼が艶めかしい。 【ユーカラ】さん [映画館(邦画)] 7点(2016-05-26 21:45:49) 1.いつものクオリティを期待して早速見に行ったけど、 奇跡、そして父になる、海街〜の完成度と比べると一段階落ちる出来栄え。 いつもはっとする映像の美しさに出会うのに、今回はそれが見られなかったのが残念だった。 とは言っても、じっくり映画の世界を堪能させてはくれるところはさすが是枝さん。 【aimihcimuim】さん [映画館(邦画)] 7点(2016-05-22 23:43:22)(良:1票)
【点数情報】
【その他点数情報】
|
Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS