みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(7点検索)】
5.《ネタバレ》 東映の任侠映画をいろいろ見ていると実は忠臣蔵に近いものがあるのではと思えてくるのだが、本作に出て来る大石内蔵助(堤真一)をはじめとする赤穂浪士たちは関西弁で喋り、ガラも良くないというのが、いよいよ任侠映画を思わせていて、それが変にリアリティーを感じさせているし、時々抱いていた、美談としての忠臣蔵に対する違和感も赤穂浪士をこういうふうに描いていれば、それに対する答えも出ているように思う。中村義洋監督の映画としては「殿、利息でござる」と同様に歴史学者(今回も磯田道史原作かと思ってしまうところだが、違うのね。)が原作で、経済的な面から見た忠臣蔵が描かれているが「殿、利息でござる」同様に軍資金を現代のお金に換算して表現しているので分かりやすいし、面白く、だんだん減っていく残金をちゃんと計算機のような形で表示して見せてくれるのも良い。吉本興業メインの映画ということもあって、吉本芸人が大量に出演していて、笑いの部分がちょっと濃いかなあとは思うものの、それほど気になるということもなかった。勘定方 矢頭長介を演じる岡村がなかなか良い味を出していて、浪士たちを「無駄遣いするなよ」と咎めるところなどちゃんと見ている観客側の立場に立ったキャラになっているのも良かった。この長介が死ぬところが中盤の山場となっているが、公開時の宣伝では堤真一とW主演のように言われていたので、けっこう早くに出番が終わってしまったように感じたのが意外で、それが残念と言えば残念。忠臣蔵といえばクライマックスは討ち入りと決まっているのだが、本作はあくまで赤穂浪士の予算のやり繰りを描くということを徹底していて、討ち入りが予算内に収まるか否かの会議をクライマックスに据えていて、討ち入り場面はシミュレーションだけという形をとっており、それも本作らしいところだが、本作は忠臣蔵でありながら吉良上野介(およびその周辺)が一切登場しないという異色さになっていて、これがかなり新鮮に感じた。大石の妻であるりくを中村監督作品では常連の竹内結子が演じているのだが、山科の別れのシーンでりくが大石に言う最後のセリフが今となっては何だかさびしく感じてしまう。 【イニシャルK】さん [DVD(邦画)] 7点(2024-03-18 17:37:00)(良:1票) 4.《ネタバレ》 関西弁で話す赤穂浪士と、やたら柄の悪い大石内蔵助。 それらに対し、最初は戸惑いが大きかったのですが…… (要するにコレは、ヤクザ映画なんだ)と気付いてからは、問題無く楽しめましたね。 現代人が忠臣蔵を観賞する際にネックとなる「浅野は加害者で吉良は被害者であり、赤穂浪士は逆恨みしてるだけ」って部分に関しても「親分の死後、残った組員が面子を守る為に復讐した」と考えれば、分かり易い。 「よう見とけ、赤穂の浪人共がする事を」と大石が静かに呟く場面も印象的であり、この映画では主人公達を立派な「赤穂義士」ではなく、庶民的なヤクザとしての「赤穂の浪人共」として描いているんです。 極端に美化された忠臣蔵より、ずっと感情移入し易い作りになってるし、この路線で仕上げたのは、正解だったんじゃないかと。 それだけでなく「経済的に見た忠臣蔵」という魅力が、しっかり描かれているのも良い。 「籠城すべきか否か」を、退職金の多寡で決める序盤の時点で、もう面白かったし、最初に軍資金が幾らあるかを分かり易く現代の価値換算で示し、それが徐々に減っていく様を数字で見せる演出にしたのも、上手かったですね。 地元と江戸を行き来するだけでも旅費が掛かるのに、何度も無駄足を重ねてる様とかもう、本当に観ていて「無駄遣いすんなよ!」って気持ちにさせられる。 そんな観客の想いを、勘定方の面々が代弁し、劇中で実際に文句を言ってくれるんだから、非常に痛快。 我らは戦の担当だからと言い訳し、勘定方を見下す同僚に対し「戦なんぞ、一度もした事無いやろが!」と大野九郎兵衛が啖呵を切る場面なんかは、特に良かったですね。 観客の喜ばせ方を知ってるなと、嬉しくなっちゃいました。 そんな勘定方の代表である矢頭長助の死を、中盤の山場として用意してあるから観ていてダレないし、吉良邸への討ち入り場面を省略し「討ち入り前の、予算内に収まるかどうかの葛藤」をクライマックスに据えたのも、結果的には良かったかと。 一応、演習として討ち入る姿を大石達が思い浮かべる形になっており、観客としても「どんな風に討ち入ったのか」を、自然と想像出来るバランスになっていましたからね。 この辺り「太鼓じゃなく銅鑼を叩くのか」と落胆しちゃう大石を描いたりして「討ち入りの際には、太鼓を叩く大石内蔵助」を期待していた観客と、主人公の心情とをシンクロさせていたのも上手い。 確実に勝利する為「一向二離(一人が相手と向き合ってる隙に、他の二人が回り込んで相手を仕留める)」の兵法を用いる事に対し「それは卑怯では?」と問う者に対し「これは戦や」と返す場面なんかも「忠臣蔵」(1990年)が大好きな自分としては、嬉しくなっちゃう部分。 赤い着物ではなく、火消し用の着物を選ぶ場面とか「経費を節約出来た時の快感」を描いているのも良いですね。 限られた予算が減っていくという、マイナスの焦燥感だけでなく、プラスの充足感も味わえる作りにしたのは、本当に上手い。 そんな節約が「討ち入り後の、残された者達を救う工作資金」に繋がるというのも、ハッピーエンド色を強める効果があって、お見事でした。 難点としては…… コメディ色が強い作りゆえか、ピー音を連発する場面なんかは、ちょっと雰囲気を壊してる感じがして、微妙に思えた事。 良い味を出していた矢頭長助が、死後は回想シーンなどでも一切姿を見せないので、寂しく思えちゃう事。 そして、忠臣蔵を代表する人気者の堀部安兵衛が、徹底的に情けなくて、良い所も無く終わっちゃうのが残念とか、そのくらいになるでしょうか。 幸い、それらの点を自分は「決定的な傷」とは思わなかった訳だけど、これを駄作と断ずる人の気持ちも、分かるような気がします。 でもまぁ、2019年にもなって「面白い忠臣蔵」を撮ってくれたという、その事に対する感謝の方が、ずっと大きいですね。 忠臣蔵という鉱脈は、まだまだ掘れるんだ、面白く出来るんだって事を証明してみせたという意味でも、非常に価値ある一本だと思います。 【ゆき】さん [DVD(邦画)] 7点(2023-02-03 20:40:51)(良:3票) 3.楽しくみれましたが、最後のほうで少し グダグダしてくるのが残念。 【紫電】さん [ブルーレイ(邦画)] 7点(2021-11-29 20:47:33) 2.忠臣蔵を お金の面から描いた異色作、かつ コメディーテイストでありながら いたって真面目に描かれてた作品..私的に嫌いではない..昼行灯といわれた大石が 番方で気が短く喧嘩早いってのが面白い.. 【コナンが一番】さん [DVD(邦画)] 7点(2021-01-31 12:03:39) 1.マジメな忠臣蔵の討ち入りの話ではなく、 討ち入りにかかるお金の面から描いたコメディ作。 娯楽作としては面白かったです。 みんな、いいキャラしてます。 そこかしこに漂う吉本臭は少し鼻につく。 【愛野弾丸】さん [試写会(邦画)] 7点(2020-09-22 21:42:59)
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