みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(7点検索)】
4.《ネタバレ》 「栴檀は双葉より芳し」を地でゆくようなホウ・シャオシェン監督の初期作品。鐘鎮濤(ケニー・ビー)を主演に迎えたこの作品は多分アイドル映画としての企画であったと思われる点、話の筋に多少の破綻はあるかもしれないがそういった経緯を超えた「ホウ監督の若さ溢れる、彼にとっての理想をフィルムに映しだした」映像の数々を堪能できた事が私にとっては好印象でこの点数。日本でも(そして現在の台湾でも)失われてしまったであろう想い出の風景。好きな映画=特に小津安二郎とジョン・フォードへのオマージュ。そして何より彼のアイデンティティたる台湾の外省人/本省人問題(後年傑作「悲情城市」で取り上げられる)等、この時点で見受けられるのが目に付く。機会があれば。というより先に「冬冬の夏休み(84年)」を見てからの方が、いいかな。主人公がディーゼル列車でやって来て、ヒロインと一緒にもと来た列車で帰ってゆく。素敵じゃないか。 【Nbu2】さん [映画館(字幕)] 7点(2021-04-28 17:17:27) 3.《ネタバレ》 いちおう主人公は青年教師なんだろうが、子どもが主でそっちは添えものと思えばいい。トンネルから出てくる汽車を合図にかけっこする下校の子どもたち。ブンブン袋を振り回して橋から落としたりしちゃう。後ろの女の子も橋ぎわに寄って見る。ここらだけでもういい気分に包まれてくる。家にも学校にも所属していない子どもの時間。遅れそうになって走り、小さな階段から校庭の朝礼の列に入っていくワンカットなども、ノビノビしていてよろしい。検便のエピソード、なんかさくらももこにも通じる視線。新鮮さを保つために冷蔵庫にしまっとくやつ、容器を落として箱に入れてくるやつ。遠雷が聞こえる広がりや、ゆったりとした斜面も好きみたい。安定したものよりも不安定なものを、はっきりしたものよりもまだ曖昧なものを、という好みが、青年の恋愛より少年の感情のおもむきにカメラを向わせる。やがてそういう姿勢は『冬冬の夏休み』や『童年往事』でより充実した成果を見せ、さらに歴史を扱っても、それを包む想い出のほうにカメラを向わせていくことになるわけだ。 【なんのかんの】さん [映画館(字幕)] 7点(2011-01-29 10:25:27) 2.80年代のホウ・シャオシェンの映画には瑞々しい魅力があふれている。本作もそれを冒頭から感じる事が出来る。今の日本から見ても懐かしさを感じさせる田舎町の風景、優しさを感じさせる音楽と自然光の温かみと柔らかさ。何気ない冒頭の風景描写から画面に釘付けにさせられるのです。 「童年往時」や「恋恋風塵」といった80年代の傑作群でも感じる事ですが、音楽と台詞の無いシーンの使い方が実に上手い。映画ではなく本当に台湾のどこかの田舎町の風景を切り取ったかのような何気ない日常に、俳優ではなくそこで遊んでいる子ども達やそこで暮らす人々を捉えたような表情には演技を感じさせない、いい生活感がある。 例えば頻繁に登場する川や教室でのシーン。河原で戯れる子ども達や教室の隅に座っている台詞の無い子ども達に至るまで表情が実に生き生きとしている。全ての子ども達に語りかけるように演技指導をしているホウ・シャオシェンの姿が目に浮かぶようです。そんな中彼が描くのは子供の頃、若い頃といった人生の大切な一時期の日常とその等身大の姿。それは彼のその頃の思い出の風景なのか。ゆったりとした気分で楽しむことが出来る映画です。 【とらや】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-05-08 21:53:01) 1.内容はベタだし、最後は都合良くまとめ過ぎだし、題名通り「青臭い」内容なんですが、これがまた心がとても和む作品です。 まるで『男はつらいよ』シリーズを観ている時の様な、落ち着いた良い気分になれます。 やはりホウ監督の作品は音楽が良いです。 台湾の田舎を舞台に爽やかな人々の日常風景が映し出され、そこに爽やかな音楽がタイミング良く流れます。 ホウ監督は後に作風を変えますが、ホウ監督初期のこういった作品群もまた別の意味で良いですね。 【にじばぶ】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2008-04-10 17:26:22)
【点数情報】
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