みんなのシネマレビュー |
|
|
|
ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(7点検索)】
14.《ネタバレ》 大みそか~元旦に架けてのタイミングで観たい映画でした。この度、願い叶っての視聴でしたが、心地よい眠りに落ちてました。。。で、新年に再視聴。 雪深い港町。場末の居酒屋で美人の女将とNHKで紅白観て、八代亜紀の舟歌、そして深夜の初詣…日本人の心にじんわりと沁みますねぇ。でも“演歌”って、遡ると昭和40年代から昭和末期までの、20年ちょっとブームになった、当時の流行歌だったんです。ある程度年齢を重ねた男女の歌。身勝手な男と泣かされる女の、しみったれた関係を歌った、この“日本人の心=演歌”という一大ムーブメントは、この映画の頃がピークだったと思います。この映画は、そんな演歌のイメージビデオのような作品でした。 ロケーションが絶妙でした。日本海・増毛という終着駅が舞台です。そこから船で行く御冬。当時、海路でしか行けない陸の孤島でした。作中、伯父さんが語ったように、御冬は国道231号で陸路が繋がります。便利になった反面、単なる通過点の田舎町になってしまいましたが… 吉松を捕まえる上砂川駅の線路の多さに驚きです。この映画のすぐ後に炭鉱が閉山し廃線。人口も激減し、民家が点在するだけの集落と化しています。今も昔も札幌の街はにぎわってますね。パルコや西11丁目駅が懐かしい。留萌に人が溢れてて、まだ映画館があるのが時代を感じます。 北海道って札幌のようなオリンピックで急発展した都会があって、田舎は田舎のままで懐かしさを感じさせ、寂れた港町に炭鉱に陸の孤島が、まだある。徐々に近代化が進み、失われつつある懐かしい日本の風景。演歌と共に、これぞ日本人の心!ってイメージを創りあげてます。 ストーリーは、刑事ものとして森岡を追う映画かと思いきや、英次の目を通して、その時々の3人(3.5人?)の“女”の生き様を観せる映画でした。でも最初の女二人が映画の尺としては短めで、続く桐子がメインなため、一本の映画としてはバランスが悪い印象を受けます。 元妻・直子。彼女の浮気が原因らしいが、そもそも家庭を顧みない(と思われる)英次に三下り半を突き付けられる。涙を流し、笑顔で敬礼する直子…もうエンディングの画ですよね。夫婦の物語の、エンディングから、この映画は始まります。 犯罪者五郎の妹・すず子。兄思いの彼女を、自分の妹・冬子にだぶらせる。地元に置いてきた冬子が、兄とずっと暮らしてるすず子に似ているのではなく、カッとなる性格という部分が、自分と五郎をだぶらせる。すず子を使い捨てて、アッサリ他の女と一緒になる雪夫の“どのツラ下げて”感。まさに演歌の『弄ばれて捨てられた女』ですね。 そして場末の居酒屋の女将・桐子。帰る場所(家庭)の無い、英次のような男が行き着く場所として、最高の舞台です。歌登出身の桐子が、増毛で居酒屋を始めた理由は不明です。続けてる理由は何となく…でもこんな客が来ない店、当時も続かなかったろうな。英次が立ち寄るためだけに、ポツンと存在する居酒屋。ふつうこんな、独り身の美人女将の店なら、スケベオヤジが居座るか、常連のたまり場になってるか。まぁそんな連中も年越しは家族のモトに帰るんですね。 星座で相性の良さを伝える桐子。御冬神社のお守りを渡す英次。最果ての街から、ぼんやりと新しい人生を歩み出せそうな二人の悲しい結末。この時の、事情を知らない倍賞千恵子の演技の素晴らしさ。前の男が居るタイミングで新しい男が来てしまったバツの悪さから、英次が森岡を知っていることに驚き、森岡から英次(桐子は営林署の人と思ってる)を守ろうとしたところ、森岡の方が撃たれる。全てを察した桐子の「…そういうことか」で終わる二人の新しい人生。 出会い、愛を育み、別れる。三度流れる舟歌の使い方が素晴らしい。終着の増毛から留萌へと向かう汽車(電車か)。見送る人のいない出発。あぁ、日本の心・演歌の世界。 後半、お笑いパートを挟んでくるのが素晴らしい。武田鉄矢との“添い寝”はニヤニヤが止まらなかったです。劇中唯一の英次の心の声『樺太まで聞こえるかと思ったぜ』も、おしとやかな倍賞千恵子のギャップ&不器用な影でそんなコト思ってた健さんのギャップがサイコーでした。 でもね私が一番吹き出しそうになったのは、札幌へ帰る英次を桐子が駅で見送るシーンです。「まだ時間あるぜ」「…じゃね!」のあと、桐子が閉めた出口の扉が、勝手に開くのです!!倍賞千恵子が閉めたけど閉まりきらず、5cmほど隙間のあったアルミサッシの扉が、自然とスーーっと開くんです。その扉から高倉健が「桐ちゃん!」と出ていきます。あぁ扉の裏でスタッフが隠れて開けたのが、映っちゃったんでしょうね。“健さんに扉開けなんて雑用させられない”なんて、スター俳優様の扱い。なんか、凄い時代だったんですね。 【K&K】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2025-01-06 02:23:48) 13.《ネタバレ》 演歌を地で行く世界。 これを見ると演歌もいいものだなぁ、と感じる。 倍賞千恵子が営む居酒屋でのシーン。 高倉健と倍賞千恵子の俳優と女優とのぶつかり合い。 お互いの人間味が弾けんばかりに静かに対峙する。 尺の長さ、前半の無意味なシーン、倍賞千恵子の愛人が実は指名手配犯だったというオチ、テレビ役者が多すぎ、とマイナス点は見受けられるものの、全体としてはなかなか良い雰囲気になっていたのではないだろうか。 【にじばぶ】さん [ビデオ(邦画)] 7点(2024-05-19 09:46:31) 12.この頃からだよなあ、北海道を舞台に降旗監督と山田洋次監督による高倉健さんの争奪戦が始まったのは (笑) 前半の犯罪サスペンスに対して、後半はワケあり中年男女による北の国からさすらい恋慕情編、、となっていて、よくよく考えれば無茶苦茶なストーリーですが、高倉健さんを観て、何かしらを感じるべき映画、もうそれだけでいいのかもしれません。特に、名カメラマン木村大作氏による駅舎の寒々しくも美しい雪の風景が、健さん (の孤独、力強さ) を十分に引き立てています。 その健さんと倍賞千恵子さんが赤提灯でしみじみ飲めば、まさに演歌の世界ですね。私は、2022年の大晦日に観ましたが、年の瀬に鑑賞してよかったとしみじみ思えます。 【タケノコ】さん [インターネット(邦画)] 7点(2023-01-05 21:53:12) 11.《ネタバレ》 八代演歌の舟歌の世界。大人のメロドラマ。女優陣が良い。倍賞さんはいうに及ばず、いしだあゆみが雪の駅で敬礼しているシーンが好き。 【にけ】さん [映画館(邦画)] 7点(2019-01-23 16:41:10) 10.ドラマとしてはまあ「健さんの映画」な訳で日本的情緒山盛りだが、組織の中で自らの矜持を持ちつつも揺れ動く男の気持ちがよくでていたと思います。倍賞千恵子、烏丸せつ子、宇崎竜童といった脇役陣も非常に良かったです。 全編季節感に溢れた北海道の風景が美しく、画的に良いシーンがたくさんあった。この時代北海道が舞台の映画?TVが多かったような気がするが、流行らせようとしてたのかな? 本作の舞台の一つであった増毛駅も雄冬との連絡船も今はもうなくなりました。 【クリプトポネ】さん [DVD(邦画)] 7点(2017-08-21 21:21:16) 9.《ネタバレ》 あゆみさん、烏丸さん、古手川さんの短編集がそれぞれあり、最後の倍賞さんで、一応話が繋がる構成。見終わった後は倍賞編しか全く記憶に残らない程、最初の3本が薄っぺらい。倍賞千恵子はどこか危うい影があり、健さんに惚れていくのも、太い様で細いところが非常に魅力的だ。だから、健さんも最後まで身分を明かすことがないのだろう。短編集的な構成は何とかならなかったのだろうか。悲しい作品ですが、最後が良かっただけに惜しいです。 【SUPISUTA】さん [DVD(邦画)] 7点(2016-09-03 18:44:51) 8.《ネタバレ》 健さん追悼番組で再見。希望の無い重く悲しい物語。直子の過ちを許せず離婚。すずこを気にかけるが彼女の人生に関与して助けてやるわけでもなく、運命的な出逢いをする桐子とも宿命的に別れ、自分の仕事に疑問を感じ続けてるのに辞めることが出来ない。そんな物語だから、救いや癒しや希望は無い。だが心に重く響くものがある。 演者がいい。雪が降りしきる銭函駅での冒頭のシーンで、直子を演じるいしだあゆみが、まるで映画のクライマックスかと勘違いさせるような演技を見せる。桐子を演じる倍賞千恵子もいい。健さんが初めて居酒屋を訪れる時のワンシーンワンカットの演技が素晴らしい。完全に高倉健を喰っている。根津甚八は30秒くらいしか登場しないが、めちゃめちゃかっこいい。大滝秀次は相変わらず渋いし、宇崎竜童のチンピラ風情もいい味出している。 駅STATIONは、間違いなく名作の挌印が押されている映画だが、改めて観て違和感もあった。健さんが雪の中に渋く佇んでいる。健さんファンなら、実はもうそれだけで満足で、僕もほぼ満足なのだが、この映画には、謂わば高倉健的指向性とでも云うべき過剰な情緒があって、この雰囲気を味わうべしと云う暗黙の強制を感じてしまうのだ。これが映画の本質であってはならない。いしだあゆみや倍賞千恵子がいい演技をしてたと云ったが、それは情緒を醸していたからではなく、彼女らはこの物語の特定の設定に相応しい素晴らしい演技をしていたからだ。 【ヒロポン】さん [地上波(邦画)] 7点(2014-12-01 04:01:22) 7.何はともあれ、健さんが出ているだけで映画は締りがある。いしだあゆみもうつくしい。楽しめました。 【竜ヶ沢中段】さん [DVD(邦画)] 7点(2013-06-15 11:09:38) 6.誇りと信念を持って職責を果たす三上刑事。その職責は、他人の命を絶つ事の苦しみを伴い、男女の情よりも重い。そんなやるせなさを「舟唄」流れる空間がかきたてます。 【The Grey Heron】さん [ビデオ(邦画)] 7点(2011-01-05 01:42:00) 5.健さんの寡黙さは定番なんですけど、そんな中でボソリとお笑い言って笑わせてくれると効きますなぁ。普段寡黙な人のひと言が重いように、寡黙な人のお笑いもまたインパクトがあるというワケで。海、雪、汽車、酒、演歌、男と女。大変にベタなキーワードから作られているような映画ではありますが、これぞニッポンの映画。いしだあゆみが、いい表情見せてくれます。 【あにやん🌈】さん [映画館(邦画)] 7点(2009-06-26 00:45:41) 4.まぁ良くも悪くも健さんワールド全開って作品かな。 何だろこの人の魅力って。 喋りはややどもってて聞き取りづらく、 動きはギクシャクしたロボットの様な素人さ。 演技だけを見れば大根ギリギリ線なんだけど ・・・顔と背中の演技だけは超一流! UPでOK!引きでOK! 喜怒哀楽を顔と背中で演じ切れる日本で唯一の、 いや世界で唯一の役者だと思う。 いやぁ~感服致しました。 おぉーっとレビューし忘れるところだった。 主人公英次の運命の3女神(何か…変。)とも言うべき【直子】【すず子】【桐子】が オムニバス的に登場しストーリーの主軸となる警官殺しの犯人逮捕へと帰結する話。 それぞれの舞台が全て【駅】で括られており主題の整合性を保っている。 とにかくこの作品、往年の名優達が目白押しで 若き日の姿が懐古的且つ叙情的感情を押し上げつつ堪能できる。 特に3人の女優の中の桐子を演じた倍賞千恵子の 気風のいい飲み屋の女将さん振りには正直惚れた。 あぁー熱燗呑みたくなってキタ━━━(゚∀゚)━━━!!!!! 【sting★IGGY】さん [DVD(字幕)] 7点(2005-10-01 23:47:01) 3.小学生の時観にいきました。一緒に行った母に「どうしていしだゆみは高倉健と別れるの?」と質問したら「高倉健は観るだけでいい。夫婦にはなりたくないなあ。結婚するなら菅原文太がいい」などと、意味不明の回答をされた記憶があります。 ちなみに、いしだあゆみは「北の国から」では敬礼ではなく、手を振っていますね。脚本は同じ人だけど。ところで、高倉健扮する三上刑事はこのあと武田鉄矢の後任として沼津に転勤になるのはご存知でしょうか?「刑事物語」でご確認を。 【東京50km圏道路地図】さん 7点(2004-02-21 04:52:20)(良:1票) (笑:2票) 2.これ、結構好きです。それも八代亜紀の舟唄がぐ~んと効いてます。雪深い北国、大晦日の恒例歌番組、ひっそりした居酒屋、熱燗!寂しい男女が向かい合ってる、、、もうこの場面だけでこの点数です。無口な健さんと雪・というシュチュエーションの作品は多いけど、中ではこれが一番好き。 【キリコ】さん 7点(2003-12-25 17:10:02) 1.常連の集まる居酒屋に,新参者がフラり来てしまった気分で恐縮ですが… 五感をイイ具合に刺激される映画だと思います。銭函には最近寄りました。あそこは雪深い土地のようですよ。北海道と健さん+倍賞さん,ホントお似合いです。 【ロウル】さん 7点(2003-12-20 23:37:57)
【点数情報】
【その他点数情報】
|
Copyright(C) 1997-2025 JTNEWS