みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(7点検索)】
3.冒頭の音楽や新聞記事、東京裁判の映像など見ていると、まるで新藤兼人か山本薩夫の社会派ドラマを思わせる。しかしそれはあくまで時代背景を表したもので、中身は戦争未亡人と二人の子どもの心情劇。親の心子知らずというか、世の中の変化に対応しきれない愚かな親心というか、やはり木下恵介ならでは物語である。 不幸は起こるべきして起こったとも思えるし、こういう不幸が拡がらないようにという願いにも思える。 しかし映画を正しく理解するにはやはり時代背景をもっと知らなければならないだろう。戦争の悲劇は多くの人の死だけではない。物資の不足は不法なヤミ商売を生み出した。配給だけでは食べていけないギリギリの生活、だますかだまされるかで運不運が分かれる戦後の混乱期。その不幸な時代に起こった悲劇の一つだということを認識しなければならないだろう。 【ESPERANZA】さん [DVD(邦画)] 7点(2012-07-16 23:23:40) 2.《ネタバレ》 生きていくためには自分を育ててくれた親をも捨て、男や金持ちの許に走る・・・・。これは、まさに敗戦によって過去を捨て去り、アメリカの傘下で生まれ変わろうとしていた当時の日本の姿そのもののように思えます。 正直言って、この子供たちは薄情でひどいし、母親は本当に可哀想です。でも、あれだけ支配欲が強いと子供たちが逃げたくなる気持ちもわからないではないですね。何ともやりきれない後味が残りました(最後の佐田啓二のセリフがまた無情でなんともまあ・・・・) 。 【TM】さん [DVD(邦画)] 7点(2008-09-07 21:18:38) 1.《ネタバレ》 木下恵介監督と言えば日本人の優しさ、情感豊な作品が多いが、これはそんな木下恵介監督作品らしさの全く感じない何とも非情な作品です。ここまで徹底して非情に成り切っているのには深い訳がなくてはなれないであろうと観ていて感じるほどの冷たさ、とにかく出てくる人物がどこまでも冷たい。大事に育ててきた二人の子供に見捨てられる母、望月優子の演技の凄さ、子供達の為にしてきたことが子供達から反感の眼で見られ、挙句の果てに子供達に見捨てられる。こういう事は実際に、世の中にはあるであろう事実として、まずは考えさせられる。子供達に裏切られる母の苦しみを本当に理解していた者は果たしていたのか?佐田啓二だけが理解していたのか?人間なんて生きものは所詮は自分のことで頭の中はいっぱいなんだ。例え親だろうが、子だろうが親と子の関係など単なる親と子でしかないのだろうか?と我々に対して、訴えている。問いかけを行なっているような何とも観ていても人間の惨酷な一面が見えてやれきれない思いになる。時折、流れるニュース映像がまるでドキュメンタリー映画でも観ているようなリアリティーを生んでいることだけは間違いなだろうし、そういう映像を流すことで人間の人生なんて、ドキュメンタリーのようなものである。あの母親の人生、列車の中に飛び込み、自殺をはかり死んで行く母の人生の厳しさ、木下恵介監督が本当に言いたかったことは、人生は楽なことばかりではない。むしろ、苦しいことの方が圧倒的に多いのだ。望月優子演じる母親の自殺は我々、全ての人間に苦しくても自殺などしたらそれで終わりである。自殺したからって、何も報われはしないとこの映画を通して伝えたかったのではないでしょうか! 【青観】さん [ビデオ(邦画)] 7点(2008-05-22 21:23:56)
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