みんなのシネマレビュー

ある子供

The Child
(L' Enfant)
2005年【ベルギー・仏】 上映時間:95分
ドラマ犯罪ものロマンス
[アルコドモ]
新規登録(2005-10-15)【rothschild】さん
タイトル情報更新(2009-03-09)【+】さん
公開開始日(2005-12-10)


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監督ジャン=ピエール・ダルデンヌ
リュック・ダルデンヌ
キャストジェレミー・レニエ(男優)ブリュノ
デボラ・フランソワ(女優)ソニア
ファブリツィオ・ロンジョーネ(男優)若いチンピラ
オリヴィエ・グルメ(男優)私服の刑事
脚本ジャン=ピエール・ダルデンヌ
リュック・ダルデンヌ
撮影アラン・マルクーン
製作ジャン=ピエール・ダルデンヌ
リュック・ダルデンヌ
配給ビターズ・エンド
あらすじ
定職にもつかず、盗品を売ってその日暮らしの生活に明け暮れるニートの青年ブリュノが父親になった。彼はお金に困っていたので軽い気持ちで自分の子供を売ってしまう。妻には「また次の子供をつくればいいさ」と言い訳したが、彼女はショックのあまり倒れてしまう。そのとき初めてブリュノは自分のしたことの重大さに気がつく。親になりきれない幼い若者を描いた社会色の濃いパルムドーム受賞作品。

花守湖】さん(2006-05-24)
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【クチコミ・感想(7点検索)】

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14.いつものぶっきらぼうな・人物にしか興味を示さないカメラワークは同じで、主人公が盗んだ箱を河に投げりゃ、カメラは箱を追いたくなるだろうに、投げた当人から離れない。箱を追わない。やたらカメラを振り回されるよりは嬉しい。救いようのない奴に救いはあるのか、という話で、ブニュエルの『忘れられた人々』に比べると詰めが甘いようにも思えたが、重いテーマではある。子供を売ったら妻にダメージがいくか、なんて考えっこない人物。弟分とオナラしたとかじゃれ合ってるのが似合いの人物。そいつが冷たい水に漬かって、弱って、逃げないでとか言われて、変化したのか。ワルに毎週金せびられるのに疲れ切ってもいた。分かりやすい理由は与えてくれない。ただぶっきらぼうなカメラが見たものだけを提示される。淡々と警察署へ面会に行くあたり、いい。 なんのかんのさん [DVD(字幕)] 7点(2013-10-06 09:16:03)

13.《ネタバレ》 タイトルの子供ってブリュノのことを指すのだろうか。およそ計画性とか堅実といった言葉から遠ーく離れてるコイツ。社会性が育ってなくてやってることといえば怪しい下請け的な見張りにこそ泥、子分は中学生かい!目先の金のために、なんと我が子を売っ払う、この心の欠落ぶりにはちょっと呆然とする。ただ困ったことに、こいつ性根が酷薄なわけじゃないんだよ。奥さんが倒れたら取り乱し、取り返したわが子を抱える腕の大事そうなこと。ほとんどがダメで構成されてるのに、時々垣間見える可愛げの部分に女はほだされる。ダメには目を瞑ってしまう。なんかわかるなあ(独り言)。この二人、また似たようなこと繰り返すんだろうな。奥さん、苦労やねえ。 tottokoさん [CS・衛星(字幕)] 7点(2011-11-19 01:36:55)

12.《ネタバレ》 物乞いに対してシカトしている人のように私はこういった人に目を背けがちで、ある意味で現実よりリアルなものを見せられた思いだ。ブリュノの自然でかつ軽薄すぎる行動の数々で抱かされた失望感が社会について考えることを要求する。ドキュメンタリーのような映画だ。
最後の無理矢理ねじ込んだ感のあるソニアの許しは貴重で救われた思いになった。これらの出来事を経たことでブリュノが大人になる道に立ったと信じたくなった。また彼らが涙を流しそこで終わるという方法をとったことで、見ている者は想像力をかき立てられ作品を豊かなものにせしめた。 さわきさん [CS・衛星(字幕)] 7点(2011-05-29 01:40:06)(良:1票)

11.《ネタバレ》 ブリュノは永遠に子供だ。生まれたとき、どこかに何かを落としてしまった。彼がもう少し賢ければ、死と金の狭間を漂いもう少し裕福かもしれない。もう少し愚かであれば緩やかに、長い時間を掛けて破滅するのだろう。

心に道徳や倫理という概念を持たない人間を子供であるとすれば、子供という人間は道徳や倫理を持たないだろうか。そうか、多くの子供は確かにそれらを全て持ちはしない。赤ん坊から子供になったその瞬間の何も備えていないまっさらな「子供」がそれらを持たない。少しずつ人間の心の肝心なものが理解できてくるにしたがい、大人びてくる。
どうやら二元的な判断はできない。こうなると大人の定義とはなんなのか。という背面にある事実に我々大人はたじろぐ。が、きっと身体が成熟していることや老成していると言うことではそれはあり得ない、と断ずることが出来ればまずは自分が子供寄りではないんだろうという安心感は得られる。

安堵感、この映画がもつ強すぎる情調に不快感や不安感を持つことに気づくと同時にそこに至る。きっと好転しないであろうブリュノの人生に、哀れみを感じつつも白眼視するこの感情も大人のもつまっとうな正直な感覚だと思う。周縁に哀れみや寂しさだけしか彼に向けない、彼と同じように何かを落としてきてしまった人間達が永遠に彼らのような子供達を再生産し続ける。叱責や黙殺のような浄化機能をそれこそ道徳や倫理にしたがって正常に使いこなす社会は、それを作るのは大人達であって彼ら子供達ではない。

そして子供達が身体だけ成熟して作り上げたコミュニティは、とても社会とは言い難い裏社会のような共棲集団であるが、それはこの映画の中の絵空事ではない。子供達は永遠に子供達を作り続ける。きっと抜け出すことが出来ないであろうその輪が、この社会のみえにくいどこかにあることを思い出すことが出来た。

と言うわけでなかなか面白い。 黒猫クックさん [DVD(字幕)] 7点(2010-08-12 01:22:25)

10.《ネタバレ》 人は成長過程でどうやって「道徳心」を持つに至るのか?
これは「道徳心の育たなかった人間は、社会で生きていけるのか」という実験的な映画に思える。
ブリュノは金髪で青い目、標準の知能と健康な体を持たされているが、これは偶然じゃないと思う。
「他人と同程度かちょっと上」くらいの条件を与えられていても、「道徳心」が欠如していた場合は人間社会で生きるに困難である、ということのためのあえての条件なのだ。
どういう理由からか、ブリュノには道徳心が育たなかった。
で、ブリュノは「他人の持つ道徳心」があまりよく理解できないので、他人が「怒ったり」「泣いたり」するタイミングが予測できない。だから、彼はしばしば「急に怒る他人」とか「急に泣く他人」とか「急に無視する他人」とかに驚かされてきた。
そして、他人の反応を「学習」して、それに対処しながら生きてきた。「嘘がバレた時は他人は怒る」「自分の物を盗まれた時は他人は怒る」「借りた金を返さなかった時は他人は怒る」とかいう具合にだ。だから、「嘘をついた相手には会わないようにするか、またはさらに嘘をつく」「盗んだ相手からはひたすら逃げる」「金を借りた相手には会わないようにする」とかいう、彼なりの対処をしてきたのだ。
けれど、「子供を取り上げて売ったら怒る」かどうかは、彼のこれまでの経験には無かった。学んでいなかったから、知らなかっただけ。
ブリュノが自首した理由は、「スクーターのガソリンがなくなって」「ごはんが食べられず」「寝るところがなく」「シャバに居れば日曜日ごとに借金取りにオカマを掘られる」のと、ムショ暮らしを天秤にかけたからである。道徳心がないかわりにケチな損得勘定ばかりが発達している彼は、「ムショ」のほうがマシだと判断した。共犯の少年のためならもっと早く自首している。
さて作り手はブリュレをムショに放り込んだところで映画を終わらせる。ブリュレも彼女も泣いている。なぜ?お互いの未熟さが情けなくて?今後はどうなるの?
私の予想はこうだ。ブリュレはひとつ学んだ。「母親から子供を取り上げて売ったら怒る」ということを。次の時は、子供がさらわれたことにしたらどうかな。いや、雑踏に連れて行ったら迷子になったっていうのはどうだろう。彼女を怒らせないために、次はうまくやらなくちゃ。
道徳心が急に育つものなら誰も苦労しないのだ。 パブロン中毒さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2008-06-20 15:59:59)(良:1票)

9.これはすごいな。何の飾り気もないくせに最後まで魅せられた。相当暗いし、共感できる登場人物なんて皆無なのに、「で、次はどうするんだ?」という好奇心が先行した。あまりこういう社会派の映画は見ないので評価の仕方は正直わからないが、監督の力量は大したものだと思った。 さん [DVD(字幕)] 7点(2007-05-26 15:53:13)

8.この映画を素直に面白いと感じたのは自分が成長したからだろうか?2年以上前にロゼッタを鑑賞したとき、その淡々とした内容に退屈せずにはいられなかった。しかし同時にダルデンヌ兄弟にとても大きな興味をもった。この映画も淡々としているが、退屈には感じなかった。演技に迫力があり、まるでドキュメンタリーを見ているような錯覚に陥るほどである。(赤ちゃんがあまりに泣かないのは違和感あったが)今度はロゼッタも再鑑賞したい。 こまごまさん [DVD(字幕)] 7点(2007-03-24 00:43:30)

7.フランスの文芸映画は私には肌に合わないものが多く、この映画も観るかどうか躊躇しましたが、これは楽しめました。なんか、妙に現実的というかシュールなんです。特にスクーターでひったくりを犯した後の逃亡劇の一コマ一コマがよく出来ている。オーシャンズ11や24なんかを観ていると、映画の世界だなぁ、テレビの世界だなぁって思うわけですが、この映画はとことん現実的。まるでドキュメンタリーを観ているかのような、ある意味「映画らしくない」ありきたりのシーンの連続なのですが、それでいて退屈しないのが凄いわけです。唐突な終わり方にも意表を突かれました。 (^o^)y-~~~さん [DVD(字幕)] 7点(2007-02-12 03:46:40)

6.《ネタバレ》 自分の赤ん坊を売り払い、妻に警察に連絡されたら言い訳に「自分の子供じゃない。妻が浮気したいがために嘘をついた」と弁明。仲間の子供たちに窃盗させたり、お金を借りまくって逃げてたり、ブリュノの甲斐性なしぶりはすごすぎて、関わる人の方が愚かに見えてしまうほど。なのに不思議と嫌悪感を感じなかったのは、甲斐性なしなりに生き抜くすべを持って行動しているからかもしれない。持ち物をなんでも金に換えるし、変な意味で生活力がある。ラストで警察に捕まった子供の代わりに自首して、面会に来た妻と頭を寄せて泣き合うけど、ブリュノは刑務所をでたら、また同じことをしそう。こんな男に惚れたら女はたいへんだろうな。映画は登場人物に距離を置いて描いている分、いろいろな立場に興味を持って見ることができる。同じ甲斐性なしでも「エビちゅ」のご主人様の甲斐性なしより、まだましだと思いました。 omutさん [CS・衛星(字幕)] 7点(2007-01-25 04:40:38)

5.《ネタバレ》 折々に見せる暇つぶしの仕草、その場しのぎの金の使い方、彼女が憤るのはわかりきっていたはずなのに、いざ反対にあったらすぐに赤ん坊を連れ戻しにいく行動など、まったく先のことに考えが及ばない、子供にしか見えないブリュノ。刑務所に入っただけで更生するなどという話はまずないだろうとは思うが、いつかそうなる可能性は確かにあるはずだ。彼が出頭したのは、回収人から逃れるためかなとも思ったが、考えたらそこまで頭が回る人間じゃない。彼には悪いが(笑)。責任というものの片鱗がそこには見え始めたんじゃないか。格差が与える教育への影響は甚大なものがあるそうだ。日本でも底辺校の生徒の家庭を調べてみると、進学校及び中堅の学校と比べて圧倒的に経済的格差がある。単に学力だけでなく、問題行動を起こすなど適応能力等も実際に劣っている。そうするとその子も子供ができたとき、自分の親と同じような職業に就くしかなく、悪い環境に追いやってしまう。そう、この状況は循環するのだ。これは決して外国の話ではなく、日本の話でもあることをしっかり心に留めないといけないと思った。あの赤ん坊がそうはならないことを願うばかり。頼むよ、ブリュノ。 透き通るBlueさん [DVD(字幕)] 7点(2006-11-18 06:10:13)(良:1票)

4.《ネタバレ》 ブリュノはきっとまた同じことを繰り返していくと思う。もしあれで厚生できたのなら、自分の子供を売り、ソニアが倒れ、子供を取り戻した時点で罪の意識を感じるはずだし、その後のひったくりの犯罪もしなかったと思う。「ある子供」って観る前は赤ちゃんのことだと思っていたけど、ブリュノのことだったんだね。赤ちゃんと言えば、エンドロールに子役の名前が20人くらい書いてあったんだけど、赤ちゃん役でこの人数を使うというのは珍しいな。決して派手な映画ではないけれど、人間として持つべき大切なことを教えてくれる、そんな映画だった。 アンナさん [DVD(字幕)] 7点(2006-11-04 12:09:25)

3.《ネタバレ》 彼は本当に成長したのでしょうか?どこに逃げてもお金を回収に来られるし、どうせバレると思って自首したのではないでしょうか?人間そう簡単には変わりません。だけど、目が離せない映画でした。 さらさん [DVD(字幕)] 7点(2006-08-28 09:48:58)

2.《ネタバレ》 信じられないほど子供ですね、彼は。親になる資格なんてない。愛しているとはどういうことなのか?彼にとって大切なものとは何なんだろう?最後には、ようやく彼にも少しはそれらのことがわかったように感じた。多分、現代には本当にこんな大人になれない人々が増えているんだろう。そんな人々にこの映画を観てもらって、どう感じるのか聴いてみたい。でも、どこがおかしいのかわからないとか言われたらどうしよう・・・。 にゃ~さん [映画館(字幕)] 7点(2006-05-24 22:52:49)

1.男と女って…。 たまさん [映画館(字幕)] 7点(2005-12-28 19:41:21)

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マーク説明
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【点数情報】

Review人数 34人
平均点数 6.35点
000.00% line
100.00% line
212.94% line
325.88% line
425.88% line
525.88% line
6720.59% line
71441.18% line
8514.71% line
900.00% line
1012.94% line

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 6.66点 Review3人
2 ストーリー評価 6.00点 Review3人
3 鑑賞後の後味 3.33点 Review3人
4 音楽評価 2.50点 Review2人
5 感泣評価 5.00点 Review2人

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