みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(7点検索)】
6.感情が主人公になるなんて、じつによく考えられたアイデアだ。 頭の中の感情がどのように働いて影響を及ぼしているのかとか、大切な思い出などの記憶についてのストーリーも興味深い。 子供向けなのか、中盤かなりドタバタと騒がしいのは個人的には好きじゃないが、それを差し置いてもとても惹かれる映画ではある。 まぁ現実の人のアタマのなかでは、感情は意識の中からほぼ自動的に作られるものであって主役でもないし、居座っているものでもないところに注意したい。多くのところ、感覚をつかさどる右脳と言語をつかさどる左脳が司令塔に居座っていて、膨大な表層意識と無意識から感情が生まれる。 ヨロコビはポジティブで前向きでいいことづくめなので、他の感情が浮かんできたらなるべく切り替えることが望ましい。 のだが、でもじつはカナシミやビビリなども自分にとっては守ってくれる重要な存在であることに気づく。そんな感情を大切にでき、きちんと相手に伝えられる人こそ実は強くてたくましい。 感情や重要な記憶こそがわたし自身という人間のキャラクターを作っている。 ネガティヴな感情もきちんと受け止めることが大切。でもそれにいつまでも引っ張られないでヨロコビに戻るのがハッピーに生きる秘訣かと、そんなことを考えながら見ていた。 【mhiro】さん [地上波(吹替)] 7点(2017-06-21 19:42:13) 5.《ネタバレ》 一人の少女が、家族から離れて、家族の元に戻ってくるという限りなく抽象化された成長物語。その結末に導く過程が凄い。 支離滅裂な展開がなく、現実と頭の中の物語がしっかりとシンクロしているので、互いが互いに及ぼす影響力。心と体というものは切っても切り離せないという事が、原因と結果、結果の連続による経験の集積、その集積から作られる人格、肉体。それら全てを通して出来る一人の人間。という、筋道を通して、納得できる形になっている。 そして物語を作るそれぞれの物やキャラクターの描写も細かく、画期的で、映像表現としても凄いものとなっている。 生物学、心理学、哲学を、映像で分かりやすく、それでいて、とても上質に見せてもらった感覚になった。 そして何より、全てを含めて、全てがあるからこそ、人生は切なく哀しく美しく、素晴らしい。 その事を、理にかなった作りで無理なく感じさせてくれた。 今までの人生、これからの人生を間違いなく、味わい深いものにしてくれる作品だった。 【ちゃじじ】さん [DVD(吹替)] 7点(2016-02-20 16:43:38) 4.《ネタバレ》 抽象化されて2Dになるとか、前半はなんともシュールな映画だなぁと思いながら見てたのですが、 後半からはグッとくるシーンが多くて、素敵な思い出が色あせてしまったりゴミ捨て場のところでヨロコビが途方にくれたり、 両親の思いとは裏腹にどんどんと心が死んでいくライリーとか、そして3人でぎゅっと抱きしめるラストとか、 どのシーンも目に焼きつきましたねなみなみ。そして自分の子供の頃の記憶が蘇ってきて、そういうのと重ね合わせて見て切なくなったり。 なかなか心揺さぶられましたよ。カナシミは必要なんだと。悲しんでいる時に慰めてもらったり共感しあえたりすることで、 より素晴らしい思い出に昇華する。いいメッセージです。誰かを慰めてあげたい!って思わせてくれる。 【あろえりーな】さん [ブルーレイ(吹替)] 7点(2015-12-15 22:02:47) 3.単なる子供向け映画ではなく、むしろ大人向けの映画ですね。外面ばかりに気を使い、ストレスの溜まる日々。そんな大人たちへのメッセージのように感じました。かくいう私も、自分の感情を半ば押し殺すように人付き合いをしています。それが大人だと思うから。感情任せでは波風立ち放題だから。でもね、限度もあると思うんですよ。まるっきり自分を捨てちゃったら自分でなくなる。それでいいのかと。「個人」とは「個性」ある「人」ではないでしょうか。個性のない人間なんてつまらない。誰もがもっと自分らしくありたいと思ってるはず。個性と社会適合のバラスをいかにとるか。それができるのが魅力ある大人、なんでしょうね。と、こんな深いことを考えさせてくれたこの映画、大したもんです。はい。 【Dream kerokero】さん [DVD(字幕)] 7点(2015-12-14 20:49:12) 2.《ネタバレ》 申し訳ないけど、冒頭のドリカムで減点だ。ああいうのは嫌悪感を覚える。DVD発売してもあれ載るのかしら、だとしたら写真が採用された人にとっては心地よいことなんだろうな、僕にとっては崖の底に捨てたい記憶。まあいいです、これが日本の限界なんでしょう。情けない。僕はあのときなるべく目を閉じていた。ヒトんちのガキの泣き顔なんて見たくない!ましてジジイなんてもってのほか! さて、内容について。 少女ライリーだけの物語であれば、25分で終わる。引っ越して、生活が苦しくなって、いろいろうまくいかなくて、家出未遂して、和解するだけの話。こんなに退屈なストーリーである。であるんだけども、擬人化された各感情や各思い出たちのやり取りのドラマが、ファンタジーでありアドベンチャーであり、それらがどうやら僕自身のインサイドにもあったことなんだろうなと思うと、どうすればこんな映画が撮れるんだろうかと舌を巻いた。監督のインサイドヘッドはどうなってるんだろう。 ビンボーが消滅するのではなく、最後復活しないかと期待したんだけど、それは叶わなかった。この時もしビンボーが復活していたら、僕のインサイドではヨロコビが大はしゃぎしていたことだろう。しかし今、僕のインサイドでは、カナシミがしっとりと体育座りをしている。この映画は、ビンボーをあえて消滅させることで、観客のヨロコビでなく、カナシミの存在とそのあたたかさを思い出させる。 でも、よく思い出すと、ビンボー、最後一瞬だけ、ライリーの夢に登場していたではないか。決してライリーはビンボーを忘れ去ってなんかいなかった。 もし映画終わった後にドリカムが始まっていたら、僕はイカリに支配されただろう。 【no_the_war】さん [映画館(吹替)] 7点(2015-08-19 23:01:49) 1.人間の感情を擬人化して可視化してしまおうという、野心的というか無鉄砲というかヒネリ過ぎというか、とにかくぶっ飛んだ設定の作品。ということもあって、わかりにくくなってしまうことを恐れてか、「この作品の設定はカクカクシカジカなのです」ということを作中で何かと説明してしまう。これだけ得体の知れない設定の作品ではやむを得ない面もあるのかも知れないけれど、ちょっと勿体ないですね。視覚イメージとして十分に伝わるものはあるし、十分に楽しめるのにね。ここには「忘却」というものの残酷さもあり、だからこそ「思い出」の大切さというものを感じさせてもくれます。ただ、最後の「悲しい時は我慢せずに泣いたらいいんだよ」というメッセージが、ストレート過ぎる(必ずしも視覚イメージに昇華されていない)かな、とも。ところでもし本作同様に、私の頭の中を映像化しようとしたら、それはそれはもうエロい事だらけで、映像化不可能ということになるかと思います。 【鱗歌】さん [映画館(吹替)] 7点(2015-08-03 22:25:49)
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