みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(7点検索)】
8.感情移入は出来ないものの、観続けてしまう映画。 物語の展開に意外性は感じないが、演技が素晴らしい。特にこの女優は他では一体どんな感じなのか興味が出る。 【simple】さん [インターネット(字幕)] 7点(2023-09-09 12:13:36) 7.《ネタバレ》 ラブストーリーのヒロインが障害者の設定というのは今までに何度もあった。耳や目が不自由だったり、車椅子だったり。 でも、重度の脳性麻痺患者というのは記憶にない。描き方がとても難しいし、タブー視されてきたことに踏み込んだチャレンジ精神は素晴らしい。日本でなら企画段階で通らないに違いない。 脳性麻痺の患者は知能まで低いと思われることもあるが、全然そんなことはない。以前に一度、将棋が趣味の脳性麻痺患者と将棋をする機会があり、あまり負けたことのない私は内心困った。勝っても気まずいので手加減しようかどうしようかと迷いながら指し始めたものの、めちゃくちゃ強くて完敗。ビックリしたと同時に、自分の無知と偏見を思い知らされた。 コンジュがいるのに性行為を始めた隣室の夫婦は、コンジュを知性のある人間と見なしてなかったからこそそんなマネができたのだろう。 コンジュの兄夫婦は、コンジュのための住居の優遇措置を利用して、自分たちだけでその新しい家に移住。コンジュを古いアパートに残し、その世話は隣人にお金を払って任せている。 ジュンドゥの兄も自分の轢き逃げをジュンドゥに身代わりになってもらいながら、出所したジュンドゥに偉そうに説教している。 どちらも厚顔無恥で、心の不自由な人達。これが世間を代表しているように見える。韓国らしいシンプルに二極化した描き方とも言えるが、現実には障害者にも某有名人のような裏の顔を持つ勘違い野郎はいるし、健常者にも偏見のない純粋な人はいっぱいいる。 そういうことも含めてニュートラルに描いている映画もあるのだが、わかりやすさでいうとシンプルに二極化したほうが効果的なのかもしれない。 ジョンドゥも身体こそ健常だが発達障害を抱えているように見える。落ち着きがない、人の話を聞けない、空気は読めない、周りが見えない、自分のやりたいことしか頭になく他人の気持ちがわからない。前科持ちで家族からも厄介者として嫌われて、義姉にも面と向かっていないほうがいいようなことを言われている。 実際こんな奴とは絶対関わり合いになりたくないと思わせるくらい、嫌悪感を催すシーンが続いて大嫌いになる。 この誰もに嫌われる厄介者が、コンジュにとってだけは違う。コンジュを人として見てくれたのはジュンドゥだけ。 コンジュを強姦しそうになったのには呆れたが、コンジュにとってトラウマにならなかったのは幸いだった。とはいえ、それも結果オーライだっただけで、自分勝手な強姦未遂と変わりはない行為。 その報いか、愛情で結ばれた性行為が障害者に対する強姦として逮捕されたのは皮肉な結末。 それでも暗いラストにならなかったのは、二人が互いに必要としていることが確かな光明として見えるからだろう。 どんなに周りから厄介者扱いされても、誰かに必要とされる、居場所があるということは、それだけで大きな救いになるのだから。 時々コンジュの願いをイメージにしたようなシーンが挿入されるが、微笑ましいカップルの姿が印象に残る。そして、役者も上手い。 【飛鳥】さん [DVD(字幕)] 7点(2017-10-14 23:33:54) 6.韓国映画は時々とんでもない作品が出てくる。そのうちの一本である本作。 主演2人の演技は凄まじい。このテーマを映画化しようとした監督も日本じゃ有り得ない。忘れてはいけないのが、主役の男が前科持ちである以前に軽度の知的障害者であること。最後のシーンでは泣けた。 【おーる】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-02-08 13:21:45) 5.ソル・ギョングを強烈に印象づけた一本だった。これ本当に『ペパーミント・キャンディ』の人? と疑ったもんね。インテリの苦悩という純文学的主人公をじっとり演じたあの人が、強姦未遂の前科持ちという大衆文学の脇役的人物を、本当にそれらしく演じる。こういうのいるよ。へらへら笑ってて、洟を始終すすってて、なんか落ち着きがなくて、映画で似たのと言えばパゾリーニ映画の常連だったニネット・ダボリをちょっと思い出す。でもニネット・ダボリはおそらくインテリの苦悩は演じられない。恐るべき俳優だ。疎外されたもの同士のいたわりあい、というと、日本だともっと弱者性が前に出て、見物するには心地よい悲劇の舞台を作ってしまうのだけど、この映画はこっちを挑発してくる。この主演二人の凄味が大きい。 【なんのかんの】さん [映画館(字幕)] 7点(2008-05-05 12:20:54) 4.《ネタバレ》 クライマックスが近づくにつれて暗澹たる思いになり、観たことを後悔した。枝を切る場面では不覚にも泣きそうになる。喚きながらひたすら鋸を引くジョンドゥと、ラジオの音量をあげることで答を返すコンジュ。こんなにもロマンティックな雰囲気から程遠く、しかし力強く切実な愛の表現はみたことがない。 けれどもほんとうに衝撃的だったのはラストの手紙だ。刑務所を出たら、おいしいものをごちそういたしまする、などとのんきにのたまうジョンドゥ。明るい日差しの中で一心に掃除を続けるコンジュと、とぼけた音楽。冤罪の悲劇なんて、どこ吹く風といった雰囲気。気が抜けて、思わず笑ってしまった。ああ、この二人は「無敵」なんだな、と思った。誰であれどんな出来事であれ、二人を引き裂くことはできないんなだと。 思えばジョンドゥは最初からそうで、常識に捕われずに自分のやり方を押し通していた(それゆえの危うさもあるけれど)。コンジュを連れて周囲から冷ややかな視線を浴びても平気。ジョンドゥを強姦容疑で取り調べた警官は「彼女を見ろ、欲情なんてできるか? お前は人間じゃない」などと言い放ったが、ほんとうに残酷なのはそっちのほうだ。ジョンドゥには一切の常識もなければ、偏見もない。彼にとって確かな事実は、「コンジュは可愛い」、それだけ。障害に対する差別どころか同情すらもなく、完璧にまっさらな目でひとりの女性として見つめている。「差別」どころか「区別」しているどうかも怪しい。 この結末は暗いと捉えるのが普通だろうけど、二人は(とくにジョンドゥは)、たぶん全然そう思っていない。きっと周囲の思いとはまったくかけ離れたところで、彼らは彼らなりの幸福をつかむ。どんな場所であれ、二人がそこにあると思った場所に“オアシス”は存在するのだろう。 【no one】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2007-06-26 00:36:13)(良:1票) 3.《ネタバレ》 ほとんど予備知識ナシに拝見したので、女性は障害者本人が演技しているのかと思っていた。電車の中、あの瞬間は驚嘆しました。健常者も障害者も、生きていく支えに愛が必要であるという見事な指摘で描いた佳作。周りの人々の労苦も描いていて、主人公一方に偏っていないのも良かった。一生の中で自らのオアシスに辿り着くためには、運という強い見方が必要だ。 【チューン】さん [DVD(字幕)] 7点(2006-02-24 14:25:21) 2.窓から僅かに差し込む陽光を、手鏡で天井や壁に反射させるコンジュ。薄暗い部屋の中を光がキラキラと乱舞する描写は夢幻の美しさであるが、健常者にとっては実に他愛ないものでもある。それでも体の自由が利かない障害のある彼女にとっては、ひとりぼっちの寂しさを慰めてくれる楽しみのひとつなのだろう。苦しい現実から逃れ、夢と自由を追い求めたいという願望を抱いている彼女を、端的に表現した序盤の名シーンだと言える。身障者を演ずるムン・ソリも実に巧みだが、ソル・ギョングの、鼻を啜りキョロキョロと視線の定まらない独特の演技は、この男の性格や生きざまが鮮やかに透けて見えるほどの説得力があり、おそらく彼なくしては本作が成立し得なかったのではないだろうか。この二人に引っ張られるように、他の共演者たちも押し並べて好演であり、韓国の演技人の層の厚さを感じずにはいられない。ただ、社会の一般常識を諭す健常者たちと、言わば一般社会からの爪弾き者といった構図は、いかにも常套的であり過ぎるように思う。作者が主人公カップルに焦点を充てて肩入れして描いているのは当然としても、彼らの周囲の人間は戯画化されて、あたかも悪であるかのような描き方に感じるのは、私が健常者だからだろうか。むしろこのカップルには生きていくことでは健常者以上に貪欲であり、とりわけ、体が不自由であっても精神的には決して負けていないコンジュにしたたかさを感じるし、またそうでなければ生きてはいけないのだから。それは恋人と語り合ったり愛し合ったりといった、他の女性が普通に出来る行為を自ら夢想するシーンに的確に描写されている訳だが、正直この突然の彼女の“変身”で、それまでに浸っていた映画の世界から現実の世界へと引き戻されてしまったようになり、以降、映画にのめり込む事ができなくなてしまった。(客席ではあちらこちらで失笑が洩れていた)彼女の演技があまりに巧みなだけに余計そう感じたのは、実に皮肉なハナシであり、なんとも惜しいような気もする。 【ドラえもん】さん [映画館(字幕)] 7点(2005-04-07 01:16:23) 1.何の予備知識もなかったので、あのポスターに騙されました。このような題材の映画だとは思ってなかったです。この映画、庶民の生活が映し出されるあたり、初めは現実的なのかと思いきや、実はそうではない。だだの寓話です。現実的な話に見せかけた寓話です。ただ、寓話であるのに現実的に思わせるところは、やはり演技の力でしょう。最初、ほんまもんかと思ったもんね…。途中、「この映画ってアリなの?」と思い、何度も目をそらした。それも、私が映画に娯楽を求める傾向が強いからでしょう。だた、監督の言いたいことはよく伝わったと思う。映画館を出てからも、今の映画は何だったんだろうと考えさせられる作品でした。良くも悪くも、新たな手法の恋愛映画であると思うし、感動もそこそこ与え、観客に考えさせるテーマになっていると思います。娯楽作品としては失格だけど、映画としては及第点の作品ではないでしょうか?私にとっての救いは、たまたま1人で見に行ったことですね。これが、彼女と見に行ったとなると…。 【T橋.COM】さん 7点(2004-02-09 01:13:16)
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