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【クチコミ・感想(7点検索)】
3.《ネタバレ》 娘がお百度参りしているあたりから後半に、映画に濃密な空気を感じだす。特別構図が凝っているわけでもなく、ろうそくなどもっと装飾的に使う監督もいるだろうが、一つ一つの図柄の的確さが濃密な空気を醸している。理屈をつければ、治郎吉が彼女への同情を決定的にした瞬間で、つまりこの場にいないお仙のラストの悲劇がカチリと始動した瞬間だった、という運命的な見方をすることも出来る(もちろん観客はまだ知らないんだけど)。このあと彼女の不幸が自分のせいだと知る治郎吉、だから自分で自分の始末を付けるということでもあるんだが、そも「輪」からはみ出されていくお仙の意地っていうのが絡んできて、重厚。「あたしを忘れさせないからね」っていうのは、怖い。 【なんのかんの】さん [映画館(邦画)] 7点(2013-02-22 09:55:13)
2.貴重なフィルムということらしいが全く古さを感じなかった。お話はありがちではあるんだけど場面の展開がスムーズというか・・、ある場所からある場所への移動シーンが端折られていて、そのうえサイレントにありがちな説明字幕も入れずにそれでも混乱させずに見せてしまうってのは相当に練られた脚本と編集の賜物なんじゃなかろうか。会話字幕も簡潔にして出すタイミングも出されている時間も適当に良く、こういうところでも映画のリズムを作っているんだろうかとすら思った。一階から二階に続く階段がまさに一階と二階のシーンをうまく繋ぎ合わせる。と同時に二階の部屋から出るにはその階段を使う以外は窓から出るしかないということを分りやすく提示してもいるのだが、その二階の窓から出るという状況をも何気に二階からの眺めを時折挟むことで観客に示唆しているのだ。と思う。そういう細やかな配慮があるからフィルムの劣化を超えて映画を楽しめるのだと思う。 【R&A】さん [映画館(邦画)] 7点(2008-11-05 17:26:34)
1.これこそ弁士の名調子に酔いながら、「よっ!日本一!」などとスクリーンに声をかけつつ、大勢で肩を揺らしながら観るべき劇映画ではないでしょうか。とは言っても、こうした古き良き時代の雰囲気を、現在、体験出来る機会はまずないと言っていいでしょう。ですから、僕達には、本作の「本当の魅力」を知るすべはないのかも知れません。伊藤大輔、唐沢弘光の名コンビが生み出した傑作時代劇(チャンバラ)は、大部分がすでに消失してしまっていますが、そのほとんどが、弁士の存在を想定して創られたもの。そうゆう意味では、松田春翠氏の尽力によって発掘された本作にしても、もはや「幻の名画」と言えるのではないでしょうか。小津監督らの同時代のフィルムと比べると、「イドウダイスキ」、伊藤ー唐沢のコンビが生み出す画面は実に動的です。しかし、この激しいキャメラの動作(時に乱暴なまでに)が、決してアクションのみに奉仕しているのではないところが、この名コンビの素晴らしいところ。小津監督が、その静的なキャメラで、どんな現実をも受け入れていく「包容力」という心情を表現しているなら、伊藤ー唐沢コンビのキャメラは、自身を縛り付けようとする過去や、あるいは縛り付けるであろう未来に対して、徹底的に立ち向かう「意地」という心情を見事に表現しています。真逆のようですが、キャメラが心を表現するという意味においては、やはり共通点があります。伊藤ー唐沢のキャメラは、その激しさ故に、いつも僕に現実を打破していく「意地」のようなものを感じさせます。そしてこの心を読み解けば、後に彼が、男の意地をとことん描き出した『王将』(48)という傑作を世に送り出すという系譜が、実に納得のいくところとなるのです。八尾の朝吉さんは実に羨ましいのですが、未見の方は、ぜひ、松田春翠氏の活弁トーキー版ビデオでどうぞ。 【スロウボート】さん 7点(2005-01-28 22:49:52)(良:1票)
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【点数情報】
Review人数 |
5人 |
平均点数 |
7.00点 |
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7 | 3 | 60.00% |
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8 | 0 | 0.00% |
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9 | 1 | 20.00% |
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10 | 0 | 0.00% |
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【その他点数情報】
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