みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(7点検索)】
4.《ネタバレ》 原節子。この人の貼り付いたような笑顔はいつも僕を戦慄させます。説明的描写が少ないところが素晴らしい。菊子がなかなか子供ができないことを実は悩んでいたことや、遺書を書こうとしていることなど、直接的ではなくさりげなく語られます。 また、映像の面でも小津作品よりも開放的というか、ロケ撮影が多いです。木漏れ日の当たる細い道を二人が歩くシーンは何度も出てくるし、ラストシーンもロケです。セット撮影であっても外とのつながりを重視しているように見えます。少なくともいきなり屋内、というシーンはあまり無いような気がします。一つの成瀬映画の特徴と言ってよいでしょう。そして屋内の移動の描写が多いです。小津は一室一室のカットが多いのに対し、成瀬は部屋から部屋への移動や庭を挟んでの移動、小道から家へ入る移動、廊下から部屋への移動、事務室のドアから部屋への移動、というように空間の移動が殊更意識されているように見えます。「家」そのものを描写しようとしているかのようです。 堕胎はまるで自殺だぞ! という台詞が強烈でした。堕胎の前に心中の話題を出し、伏線を張っておいてのこの台詞は素晴らしい。明るい笑顔ばかりを見せていた菊子が、その心中の話を義母に聞かされたところで初めて思い詰めた顔をするのも効果的です。 目線だけで人物の移動を表現する手法も多用されており、所々に成瀬節のようなものを感じました。日本間のタテの線の美しさも感じられ、非常に質が高い映画です。 【Balrog】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-07-24 22:51:51) 3.息子の嫁(原節子)を気遣う、継父(山村聡)の気持ち・・・ 【白い男】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2009-06-21 13:20:05) 2.《ネタバレ》 これは成瀬作品としては比較的、異端の部類に入るのではないか。 最後は「離婚」という形で終わる。 これが珍しい。 なんやかんや言って、夫婦や男女というものは、おとなしく納まるっていうのが、成瀬作品の大半を占めている中で、これは珍しい。 しかも、未来に希望をつなぐ形、つまりは発展的な意味合いで離婚というものをラストに持ってきている。 本作には、それほど魅力的な登場人物が出てこない。 しかし、逆に言えば、人間臭い矛盾と弱さに充ちた登場人物たちばかりなのだ。 現実の世の中は綺麗ごとばかりじゃないし、裏と表の顔を、人間なら誰しも持っている。 そういった意味では、人間の本質を鋭く捉えた作品だといえよう。 【にじばぶ】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2008-09-29 00:48:44) 1.【まぶぜたろう】様の素晴らしきレビューの後に何を書けばよいのか・・・。勉強させて頂きました。ありがとうございます。実際の川端康成邸を模写した家のセットなどのキチッとした美しさに見とれつつ、秘書が能面をかぶるシーンの異様さ等にハッとさせられ、悲しい結果にも関わらずラストシーンの広々とした公園の風景がどこか優しくて、そんな映像の美しさを堪能しました。ただ、ストーリーに関しては妊娠や堕胎についての扱いがどうにも居心地が悪くて・・。未読ですが原作に基づくものであり、またそういう時代なんでしょうけど、特にこの作品ではそれが「道具」みたく軽く扱われているように感じられてちょっとひっかかりました。 【黒猫クロマティ】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2005-05-09 16:14:04)
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