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【クチコミ・感想(8点検索)】
6.《ネタバレ》 干拓地という、言ってみれば”海の生物の墓場”が、美しく撮られていたことにまず感動した。そして、鬼ケンと茜は、生き物の匂いを充満させていて、その殺伐とした雰囲気に良い味を添えていたと思う。
シュウジにとって、沖で出会った人たちとのふれあいと、その地を踏みしめて走る瞬間だけは、生の実感に溢れていたのではないか。
この映画における、学校で起こるいじめと、社会で起こっている部落差別には差がないと思う。暴力の執行者である、いじめっ子、ヤクザ。それらを静観するクラスメート、噂をする住人。犯罪者の弟だからとか、沖に住んでいる人だからとか、そんな理由で暴力がまかり通る。閉塞した土地では、それほどに血や土地は重く、自分より、上なのか下なのかで暴力の方向は決まる。人類史とは、血とともに、暴力を継承してきた歴史でもあるのだと思う。
ではそのような暴力に立ち向かうためには、どうすればいいのか。シュウイチのように下層に継承するか、シュウジのように上の階層の人間を殺すのか、はたまたエリのように心を殺して耐え抜くのか。神父の弟が問うたように、己の肉体を殺すという選択肢もある。しかし、その答えは、これだけではないはずだ。人間と犬は、きっと違う。
兄が家を出て行く瞬間の、「早く家に入らないと風ひくぞ」のシーンはぞっとするほど怖い。兄との繋がりが断ち切られた瞬間を、シュウジが皮膚感覚として感じる瞬間だから。同時に、両親との別れがほぼ描かれないことも怖い。言語を捨てたシュウジの放った遠吠えは、観賞後もずっと頭の中を反芻して離れなかった。 【Nujabest】さん [DVD(邦画)] 8点(2010-10-30 18:12:05)
5.《ネタバレ》 ■ズシリと心に来る重い内容。SABU監督の、これまでの軽いイメージを覆す作だと思う。
■最初からこれでもかとばかりに「不条理」と「人間の負の面」が描かれていく。序盤、校則より好き嫌いを優先し、シュウジの選任に「嫌だから」反対票を投じるエリは、まさに「社会で生きていくため」に我々が普段封殺している「負の心」だろう。その意味で、エリは一見ひねくれているようだが、それは道徳とか社会通念とか規則とかを突き抜けているからであって、実はきわめて自分の心に正直なのだ。
■街における差別、犯罪者の親類への差別。それは学校や親から「してはいけないこと」として習い、いつの間にかそう刷り込まれていくものだが、しかし本来的な心情としては「なんか嫌だ」「お前も殺人犯の仲間だ」という思いは消せない。それを露骨に表すのが、被差別地域に放火し、神父を興味本位で見に行くシュウイチだ。
■やがてシュウジの家庭はバラバラになる。神父の弟に「お前は俺と一緒だ」と言われ、逃げ出すようにしてアカネのもとへ向かう。この「一緒だ」というのは、己の負の感情に耐えきれずに、それを外側(他の人)に発露させてしまうということを表しているのだろう。
■追いつめられていたシュウジは、性行為や飲酒など、半ば自暴自棄に自らが悪に転落することでその抜け道を探そうとするが、結局殺人へと至る。そして東京で人を刺し、地元で来た警察にナイフを持って走っていき、撃たれて死ぬ。
■ここがエリとの差異で、エリは自分の負の感情を自分の中に最後まで閉じ込め続ける。彼女は周りに何かをするでもなく、ただ自分のうちに閉じこもり、それを終わらせようとする。「殺して下さい」が「殺す/殺される」の非対称な関係にあるのに対し、シュウジに「一緒に生きる」が相互対象な関係にあるのも、自分の負の面を自分に押しとどめるか外に出すかの差だ。そしてそれは神父もまたそう。彼も自らの負の面を自らの中にとどめている。「神父/弟」「エリ/シュウジ」というセットがあると解釈すると、ここは見通しがよくなる。 【θ】さん [DVD(邦画)] 8点(2010-07-24 02:02:17)
4.《ネタバレ》 原作のあまりの強烈さに打ちのめされた後に本作を見ました。
小説の映画化作品を先に原作を見てしまうと映画にがっかりすることが多いのですが、本作はうまく原作を映像化して時間も120分に収めることに成功できた例だと思います。
シュウジとエリの思いである「誰かとつながりたい」「殺して欲しい」を描く上で、シュウジ、エリ、宮原(兄)にスポットを当ててまわりの人間関係の表現はかなり思いきって省略をしたのですが、なかなかうまい処理だと思いました。
また、彼らをそこまでも追い詰めた運命の数々も表現を抑制した結果、原作にあった強烈さよりも悲しみの表現を深めてくれています。
それに見ていて私の神経が耐えられる範囲だったと思います。
10代の子供にこのような運命を背負わせたのは、大人のせいでした。本作は子供の心が壊れたことが原因でしたが、運命が壊れる原因は事故のようなものでもありえることです。
幸せを失う恐怖、将来を失うという絶望、それらを突きつけている本作にはずいぶん考えさせられました。キャスティングについてもかなりイメージにぴったりで、特にトヨエツはこのような影のある役柄をやると本当にすごく光りますね。
それにカメラワークというか構図もセンスがあるなと思いました。見てよかったです。
【飴おじさん】さん [DVD(邦画)] 8点(2008-09-14 13:09:04)
3.《ネタバレ》 SABU監督が少年問題についてどう描くか興味深々であったが、想像以上に重い話であった。先ず冒頭からSABU映画全開、寺島進は短いシーンで最大限にインパクトを残している。実は最初、中谷美紀だと全く気付かなかった、どんな役でも演じきる本当に素晴らしい女優である。主役の少年と少女もなかなか良い雰囲気で良かった、今の子供らしく感情を表に出さないのが、大人からすると何を考えているのか分からず怖い。この作品は、犯罪者の家族がどうなるのかが良く描かれている。放火魔の家族がああなるのは当然である、テレビは抑止力としてこういうのを放映すればいいのである。私は子供の頃から、犯罪者の家族がどうなるかを教わってきた。自暴自棄になったり、カッとして人を傷つけようとしても家族の事を考えれば普通止まる筈。不幸にして家族がいない人でも、何らか恩を受けた人がいるだろう。近年嫌なニュースが多いが、もう少し想像力を働かせて欲しいと思う。不満は、ヤクザの登場イコール安直に生き死にのやりとりになる所と、最後ナイフを持っただけの少年を撃ち殺すという最低の終わり方をした点である。主役が死に、代わりに子供がというパターンは多いが、まさかこの若さであるとは思わなかった、本当に驚きである。最後に、こういう良作こそもっと多くの人に観てもらう機会を増やすべきだと思う。
【まさサイトー】さん [DVD(字幕)] 8点(2006-12-24 17:11:09)
2.《ネタバレ》 日本社会の暗部がこれでもかとばかりに出てきて非常にヘヴィな内容ですが、題名の通り疾走感があり見応えのある作品でした。。
しかし、犯罪者の家族の苦しみというのは想像を絶するものがありますね。毎日のように、日本のどこかで新たな「シュウジの一家」が生まれているのかと思うと、非常にやるせないです。
原作も読んでみたいと思います。 【TM】さん [DVD(邦画)] 8点(2006-09-22 10:39:33)
1.《ネタバレ》 かなり前から原作を読んでいて、映画の方もずっと気になっていた作品です。原作の雰囲気を損ねずに、映画を描けていたと思います。疾走というタイトルのごとく短い生を走るよいに過ごしていく様が切なかったですね。またこの映画の音楽も、非常に良かったです。
【ソウリ】さん [DVD(邦画)] 8点(2006-06-03 23:48:14)
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【点数情報】
Review人数 |
22人 |
平均点数 |
7.18点 |
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【その他点数情報】
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