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【クチコミ・感想(8点検索)】
3.《ネタバレ》 合衆国最初の銀行強盗であり列車強盗でもあるジェシー・ジェームズと、彼に憧れる若者ロバート・フォードの愛憎劇。派手なアクションはなく、渋めの人間ドラマに仕上がっている。冴えない青年暗殺者フォードは、ジョン・レノン殺害犯のチャールズ・ホイットマンを髣髴とさせる。
個人的には波長が合っていたのでそんなに気にならなかったけれど、この淡々とした語り口は冗長と批判されても仕方がないだろう。西部開拓時代の寒々とした空気が美しく表現されており、とくに列車の灯が暗闇を切り裂いて近づいてくる場面では、どんな傑作が始まるのかとわくわくした。
しかし脚本がちょっと、問題ありだった。ある部分では必要以上に丁寧に描写し、その割りに変なところを説明だけですませる。端的にいえば下手。なので別に複雑な話でもないのにすんなり入ってこない。主人公の心情を、それもクライマックスだというのに第三者のモノローグで説明してしまうのには、ちょっと呆れた。
それでも作品に見応えを与えているのは、素晴らしい俳優陣のおかげだろう。ブラッド・ピットは台詞のない場面でも表情と仕草だけでジェシー・ジェームズを創り上げている。アフレックの演技は冒頭ではちょっとわざとらしい気もしたけれど、ストーカー気質の青年の薄気味の悪さはよく出ていた。この映画のやたらと長い間がすべて成功しているとは思わないが、良いと思える場面では必ず役者が貢献している。
タイトルになっている暗殺の場面は痛ましい。恐怖と焦燥感に背中を押されるように引き金を引くボブ、人を疑うことに疲れ、半ば覚悟して背中を向けるジェシー・ジェームズ。英雄と称えられた男の最後を、寂しいくらいに人間らしく描いている(ただ、子どもを出すのはちょっぴりあざといと思った)。
欠点も目立つが、ブラッド・ピットに敬意を表してちょっと甘めの8点。 【no one】さん [DVD(字幕)] 8点(2008-09-07 11:32:48)
2.《ネタバレ》 見応えありました。
結末(ジェシーがボブに背中から撃たれる)が分かっていながら、時間の長さを感じなかった。
映画で描かれる時間はそれほど長い軸ではなく、その中から登場人物のカラーを知るのは演技のみ。ブラッド・ピットのジェシー、語られるだけのことはあるような気がしました。 【familysale】さん [映画館(字幕)] 8点(2008-01-15 18:25:23)
1.《ネタバレ》 誰かがいつ撃たれてもおかしくない、そんな凄まじいまでの緊張感が保たれている。この緊張感を保ち続けた技量には感服する。視覚的な構図など、非常にセンスを感じさせるので、そういった視点からも相当楽しめた。工夫されて撮影されており、撮影者はただものではない。
本作に描かれているジェシー・ジェームズ自体は意外と大した男ではないのかもしれない。常に疑心暗鬼に襲われ、仲間を疑い、仲間を背後から撃ち殺す。そんなどうしようもない男だ。決して「伝説」になるような立派な男ではない。
「現実」とは異なり、「伝説」は一人歩きして大きく膨らんでいくものだ。ボブは、その「伝説」に魅了されていた一人の男だ。しかし、アイドルはしょせん偶像である。
憧れていた男が実は全然大したことがないと分かったら、どうするだろうかという点が劇的ではないが、きちんと描かれていたと思う。
尊敬に値しなければ、自らがその「伝説」に終止符を打ち、自らが「伝説」を継承しようと考えたのではないか。または、愛情が深い余りに、「伝説」が虚構だとバレる前に「伝説」のままで幕を閉じさせたかったのかもしれない。
影が光を憧れるという構図としては、少々「リプリー」にも通じるところがある。
しかし、「現実」というものは冷たいものだ。
自らもその虚構の「伝説」に憧れたように、人々もその「伝説」に憧れている。
ボブは賞賛されるべき立派な“英雄”ではなく、「伝説の英雄」を殺した“裏切り者”“卑怯者”扱いされるのが、実にアイロニカルで面白いと感じさせた。
ジェシー・ジェームズも仲間を背後から撃ち殺していたが、彼は英雄であり、同じようなことをしたボブは裏切り者と蔑まされるのである。
面白いと感じたのは、ジェシー・ジェームズの最後の行動だ。
疑心暗鬼の塊だった彼が最後にソファーに銃を置いたのは、最後に仲間を信じてみたくなったからではないか。裏切られると思う自分の心が嫌になり、仲間を信じる気持ちに賭けてみたくなったように感じられた。
ジェシー・ジェームズがこのように「裏切り」に絶えず怯えていたとするのならば、ボブもまた「裏切り者」というレッテルを貼られるのを恐れていたのではないか。
だからこそ、観客のヤジに過敏に反応したのだろう。
「伝説」と「現実」、「理想」と「現実」、このギャップの溝にジェシー・ジェームズもボブも嵌まりこんだような気がする。 【六本木ソルジャー】さん [映画館(字幕)] 8点(2008-01-15 00:34:45)
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【点数情報】
Review人数 |
27人 |
平均点数 |
5.11点 |
0 | 1 | 3.70% |
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4 | 4 | 14.81% |
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5 | 8 | 29.63% |
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【その他点数情報】
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