みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(8点検索)】
12.《ネタバレ》 偶然ホテルに宿泊して居合わせた五人の出会いと別れを描く群像劇。医者から余命幾許と知らされ、残りの人生を楽しむために来た老人クリンゲライン。経営悪化した会社を合併によって乗り切ろうと画策する社長プライジング。人気低迷に悩むプリマドンナ、グルシンスカヤ。薄給を嘆く秘書フレムヘン。紳士だが、借金があり盗みを働く自称男爵。 それぞれの人生が最初は精妙に、やがて濃密に絡まりあってゆく。 クリンゲラインの勤める会社の社長がプライジング、プライジングの雇って秘書がフレムヘン、フレムヘンが好意を抱いたのが男爵、男爵の盗みの対称がグルシンスカヤの真珠、グルシンスカヤが恋に落ちたのが男爵。そして最後には劇的な展開を迎える。プライジンガが男爵を殺害し、フレムヘンとクリンゲラインが一緒にパリに旅立ち、グルシンスカヤが男爵の死を知らされないまま去る。ひと騒動もふた騒動もあったのに、ホテルは何事もなかったかのように存在し、次々とやってくる新しい客を受け入れる。ホテルは神の視座だ。神の視座から、複数の人生の縮図を鮮やかに写し出して見せたのが本作の長所だ。人物描写が丁寧で判り易く、場面展開がなめらかなのも良い。 庶民の羨やむ一流ホテルに泊まる人も不幸を抱えているという視点が当時は斬新だったのだろう。このような凄まじい人生劇を見せられた視聴者は心を動かされ、自らを顧みることになる。人生を考える暗示が詰まっている。人によって、共感する人物、共感出来ない人物、様々だろうが、誰か一人には共感するだろう。それが群像劇の強みだ。 本作の肝は、男爵がグルシンスカヤに惚れることだ。真珠を盗みに入った部屋で女が絶望の淵に沈む姿を見て、正体を現し、真珠を返し、愛を告白する。これで物語が大きく動き出し、このことが最終的に男爵の息の根を止める結果になるという悲劇の端緒となる。突然の告白に戸惑いながらも、夢見るような眼差しをする女優は印象的だが、男優の演技はどこか冷めていて、情熱が伝わらなかった。中年の恋はどうしても色眼鏡で見てしまう。 最初と最後に給仕長の男子誕生の挿話がある。人生の縮図の象徴であり、本当によく出来た脚本だと思う。名作の名に恥じない。ただし、クリンゲラインの大袈裟な酔っぱらいの演技が鼻についた。 【よしのぶ】さん [DVD(字幕)] 8点(2014-12-09 02:12:11) 11.群像劇というだけでもう期待してしまうのですが、期待に応えるなかなかの傑作でした。 グランドホテルの音楽が止まったって、なんてドラマティックなセリフ。 もっとばらばらの話が最後に絡み合うっというのがほんとは好きでしたが、 男爵の存在感がそれを補っていました。 また観たい一本です。 【Skycrawler】さん [地上波(字幕)] 8点(2012-03-10 01:55:05) 10.メインが5人という人数で、それほどテンポが早くないため、無理なくついていけました。 正直言って前半は退屈でしたが、後半に登場人物が次々と絡みだしてからはかなり楽しめました。 特に、5人の中でも最も幹になっていたと思われる「男爵」が、あのようになってしまったのは意外で、古典なのに斬新に思えました。 さりげなく流してますが、実は、かなり思い切った展開ではないでしょうか? 逆に、あのインパクトにかなり持っていかれてしまった感があります。 展開にこれといった仕掛けの妙といったものは感じませんでしたが、群集劇の元祖だけに入門テキストとしては最高ではないかと思います。 【午の若丸】さん [DVD(字幕)] 8点(2011-02-16 23:19:35) 9.ジョーン・クロフォード、かっこよすぎる。容姿も声も。彼女に見とれ、病気のバリモアさんに癒されてる間に終わった。 【Michael.K】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2007-01-18 23:07:05) 8.《ネタバレ》 ガルボ観たさでビデオを借りたのですが、クロフォードの方が目立ってました。最後にあの病気の人が幸せになれてホントに嬉しかったです。彼が酒場でルイジアナ・フリップを連呼する場面は見ていて辛かったですから。 【HOPUKO】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2006-12-26 14:11:15) 7.古い映画なのに話がとってもいい!!病気のおじさんがマジでいい感じ!! 【はりマン】さん 8点(2005-02-23 00:16:13) 6.《ネタバレ》 グランド・ホテルの回転ドア(この時代にもうあるのね)をくぐると、それに呼応するかのように、それぞれの人生も回転します。社長は犯罪者へ、帳簿係は絶望から希望へ、踊り子は陰鬱から高揚へ、タイピストはお金から情へ、盗人は恋を覚え、生から死へ。そして、元の回転ドアをくぐり戻っていきます。犯罪者は横の戸口から、死者は裏口から出ていくのもどこか暗示的。その様子を何事もなく眺めるような円形ロビーの俯瞰ショットが「人生はめぐる、いい事があれば悪いこともあるさ」とささやいているようでなんとも象徴的でした。形式としてその名を残すだけでも誉れ高い作品です。 【彦馬】さん 8点(2004-05-04 16:39:28)(良:3票) 5.感じの良い男爵が泥棒、ニコニコしているおじさんが余命わずか、美しいダンサーは落ち目、偉そうな社長は仕事でピンチと、外見とは裏腹な設定に社会の表面的な部分への軽い皮肉を感じた。登場人物それぞれのドラマはとても面白かったのですが、冒頭とラストに出てくる、ドクターの芝居がかったセリフが野暮でした。 【ラーション】さん 8点(2004-04-07 16:30:11) 4.途中途中画像がとぶのが気になったけど(古い映画だから仕方ありませんが・・)、内容は面白かった! 【法子】さん 8点(2004-04-07 15:02:20) 3.(高嶋政伸風に)『姉さん、事件です。さすが元祖、プラトンより「高級」ホテルです。』 【STYX21】さん 8点(2003-11-13 06:41:11) 2.《ネタバレ》 たまたまのある日、ベルリンの一流ホテルに集まったいろんな人々の人生模様を描いてみせる。高名な悩めるプリマ、お金に困っている男爵、死を宣告されているしがない労働者。美しい秘書、危なくなっている会社の社長、それにホテルの従業員も。話は男爵を中心に回っているように思えるが、彼は思わぬ最後となる。「グランドホテル、人々が訪れては去っていくところ」その限られた舞台で生と死、喜びや悲しみ、怒りや希望、人間の欲望や高潔さ、と様々なドラマが凝縮されている。印象的なのは死を宣告されて絶望の淵にいたライオネル・バリモアが、秘書のJ・クロフォードと希望を持って旅立つ姿と、男爵の困窮してもぎりぎり踏みとどまり人間の気高さを失わない生き方。多くの登場人物をきっちり描いて、彼らのそれぞれに考えさせられるドラマがあるのが素晴らしい。ここでもガルボは美しく魅力的。 【キリコ】さん 8点(2003-10-21 14:30:10)(良:2票) 1.様々な人生が集まって少しずつ重なっていくホテルはいつも変わらない・・・。すごく良いドラマですね。話の内容もさることながら、出演者がみんな見事でした。ガルボの美しさはもちろんだし、クロフォードも様々な表情を見せて、とても魅力的でした。特に私の印象に残ったのはライオネル・バリモア扮する死期が近いので残りの人生を謳歌しにやってきた男です。何だかとっても可愛らしかったです。 【Letter】さん 8点(2003-05-03 22:13:06)
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