みんなのシネマレビュー

月に囚われた男

Moon
2009年【英】 上映時間:97分
ドラマサスペンスSFミステリー
[ツキニトラワレタオトコ]
新規登録(2010-04-12)【M・R・サイケデリコン】さん
タイトル情報更新(2023-03-15)【イニシャルK】さん
公開開始日(2010-04-10)
公開終了日(2010-08-11)


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監督ダンカン・ジョーンズ〔監督〕
キャストサム・ロックウェル(男優)サム・ベル
カヤ・スコデラーリオ(女優)イヴ・ベル
ベネディクト・ウォン(男優)トンプソン
ケヴィン・スペイシーガーティ
平田広明サム・ベル(日本語吹き替え版)
石塚運昇ガーティ(日本語吹き替え版)
嶋村侑イヴ・ベル(日本語吹き替え版)
原作ダンカン・ジョーンズ〔監督〕(原案)
音楽クリント・マンセル
製作トルーディ・スタイラー
配給ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメント
特撮シネサイト社(視覚効果)
あらすじ
未来の地球。月は重要な資源の供給源であった。資源調達のため、3年契約で独り資源採掘の任務に就いているサム。あと2週間で地球に帰れる、愛妻と愛娘の元に帰れる、そんなある日、サムは採掘現場で事故を起こしてしまう。そして気がつけば、彼は基地のベッドの上に。しかし彼の傍らには信じられない光景があった。自分と瓜二つの男。一体その男はどこから来たのか?そして誰なのか?

タコ太(ぺいぺい)】さん(2011-03-20)
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【クチコミ・感想(8点検索)】

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23.《ネタバレ》 2009年の映画を全部見たわけではないが、これよりは第9地区のほうが上だと思ってはしまうが、 それでも第二位にはこの作品は来るだろう。 また、第9地区が低予算(今見たらMOONの6倍)とはいえ、CGバリバリだったのに対して、これのCGはオープニングのテロップ表示など ごくごく小さな部分に抑えられている。 つまり超超低予算の本格SFというわけだ。 SFはリアリティを出すために金をかけねばならんが、これは月の密室であるという舞台、 また月を走る車をラジコンにする(これはこれで重力の軽い月ではリアリティがある)など工夫が見られる。 何より、登場人物が少ない。 メインは主人公、あとロボット、その他いくつかのナレーションの声や家族の声、これのみである。 最初のプロモーションビデオや家族のビデオを除いて主人公以外に動いてるキャラはいない。 いや、人物の人数と面白さは関係ないのは当然で、最低二人いればいい、いや一人でもいいはず。 この作品はロボットと「主人公」の「二人」だけしか出てこない。 その中でこれだけの話が作れるのである。 なんだかネタバレなしレビューっぽくなるが、 状況としては月にあるヘリウム3の採掘に成功した会社が、 人を一人送り込んでヘリウム3を採掘させる、退屈させない、不自由させないためにロボットを置く、というもの。 SFファンにとってヘリウム3はメタンハイドレート以上に夢の気体であることはわかるはず。 簡単にいえばヘリウム3かメタンが自由に取り出せれば石油社会は終了するってことです。 そんな重大ながらも孤独な仕事に疲れている彼はある日休憩所から採掘所まで行く間に事故を起こし怪我をし、、、 という話。ここからネタバレ。 要するに彼はコピー、「主人公」が死ねば次の同じ人間が同じ記憶でまたはじめる繰り返しを 主人公のオリジナルの人間が会社と契約を交わした。 この映画の「主人公」が何代目かはわからないが、少なくとも彼のコピーは何十体も仕舞われていたし、 ビデオでは3歳くらいに見える娘は少なくとも成人はしているだろう。 20年として「主人公」一体の契約が最大3年として7代目ソウルブラザーズ以上であることは間違いない。 というところが途中経過。 そこから怪我をした「主人公」と「次の主人公」二人のバディものになっていく。 さらにはいかにもそんなことをしたらこちらを攻撃してきそうなロボットはロボット三原則に忠実なのかこちらの良き理解者になるのもものすごくいい。 話は最後、ニュースのナレーションだけで終わるが、それだけで何が起きたかわかるし、 オリジナルが今何歳でどういう状況かとか、「主人公」が地球でどんな扱われ方をされるか、とか そんな内容ははっきりいってヤボすぎるだろってもんで、書いててめちゃめちゃ傑作だよこれと思ったが それでも第9地区と比べると第9地区のほうが上であちらが9点か10点なのでこれは8点。 9点あげてもいい8点と思ってください。 あと日本語タイトルは「月に囚われた男」、原題は「MOON」。 英語を少したしなんでるんでMOONも悪くはないですが、いかにもやぼったい古き良きSF的タイトルのこれは好きです。 にんじんさん [DVD(吹替)] 8点(2019-11-29 13:15:46)

22.《ネタバレ》 イギリス映画なんですね、イギリス映画はそれがSFでも風刺とユーモアとペーソスに溢れた映画になるんですね、SFは好まないけどすんなり観られました。邦題がサエてると感じたのも本当に久しぶりです。 別にクローンに作業させることはいいんですよ、でもなぜあのような記憶を?なにかとても残酷じゃないですか?ひとりめのサムが「帰りたい」といって泣くシーンは切なすぎてもらい泣きしそうでした。 宇宙飛行士ではなく、月で採掘作業をする労働者階級なんですよね。こんなところもイギリスらしいです。音楽も好みでした。 ラストは企業が告発されるんですが少々ストレートすぎかな、もうひと捻りあるとよかったです。 ガーティは通り一遍じゃない泣かせるいいヤツでした、声はケヴィン・スペイシーなんですね。 コレいい映画だと思います。 envyさん [CS・衛星(字幕)] 8点(2019-05-18 21:47:40)

21.《ネタバレ》 ●物語進行の舞台はずっと月。地球の場面は小さなモニターに映されるときだけ。主人公が帰りたいのに帰れない場所という感覚が伝わりました。●ばれたらまずいらしいクローン技術など使わず、普通に人員交代したらいいのでは?と疑問に思います。●ロボット、絶対裏切るだろうと身構えていましたが、案外いい奴でした。心が温まる気分です。 次郎丸三郎さん [DVD(吹替)] 8点(2018-05-20 22:38:20)

20.プロット・展開・表現(見せ方)・監督の価値観、どれも素晴らしいものでしたが、、なんだか地味。派手なだけのバカ映画が氾濫する昨今、本作のような大人向け映画は非常に貴重で、確かにホンモノの香りがする作品なのは事実ですがやはり多少の派手さも必要なんだなと改めて感じました。馬鹿っぽさとは違う、何かこう、ワクワクさせる派手なシーンが一つでも差し込まれていたらもっと高得点だったかもしれません。 ストーリー自体はかなりよく練られていて、目立った破綻はありません。”設定がザル”という意見も見られますが、確かにルナ産業的には完全犯罪を行うならもっと月を完全隔離するくらいの勢いで周到に周りを固めるべきでしたが、まあ周到に固めたとしてもほころびは出るもんです。 ガーディ役のケヴィン・スペイシーが作品の出来を見てから後半合流だったそうですが、声がアフレコで単独録りだったのかが気になりました。アフレコ&単独録りでこの雰囲気を醸し出していたとすれば、作品をかなり深く理解している証拠です。地味に凄い。また、特典映像で確認できますが、サム・ベル役のサム・ロックウェルの演技も何気に凄い。仕組みとしては一人二役を別撮りで合成している訳ですが、演技から合成した感じが全く感じ取れない。監督が凄いのか、撮影技術者が凄いのか、サムが凄いのかよく判らないくらいに凄いですが、おそらくサムがかなりシビアにタイミングを合わせながら演技したものと思われます。とにかく違和感が全くなくて自然なのは賞賛に値します。 救いのないストーリー展開と結末が許容できれば名作認定できると思いますが、、なかなか人には勧めにくい映画でもあります。二度目の鑑賞でより深く理解できましたので少し点数をアップすることにしました。 アラジン2014さん [ブルーレイ(字幕)] 8点(2015-01-02 13:45:52)(良:1票)

19.《ネタバレ》 サム・ロックウェルだから良く見れた映画になったのだと感じる。 ♯34さん [DVD(字幕)] 8点(2014-12-18 01:05:10)

18.《ネタバレ》 とても静かな展開のなかにさりげなく忍ばせている静寂・孤独・希望。ハリウッドビッグバジェット作品では絶対だせない「味」が全編に渡って漂う良質なSF映画ですね。無機質なコンピューター「ガーティ」がやはり某映画のHALを彷彿させますが、そこもいい意味での予想を覆してくれて・・・なんかとても良かった、あんなコンピューター欲しい(笑)。強いて言えば最後があっさりかな?とか思ったけどアレコレいうのもいらぬ世話ということで、8点! Kanameさん [DVD(字幕)] 8点(2014-02-25 09:44:46)

17.内容はSFにSFを重ねたかなり突拍子もない話なのですが、そのSF要素を総動員し、ひたすら一人の男の苦悩や感情・心の触れ合いを描いていて心に迫ります。感情移入しまくりでした。静かですが熱い映画です。『月に囚われた男』というタイトル、見る前はキャッチーな印象を与え、見た後にはこれしかないってくらいぴったりなタイトルだということがわかる、すばらしい邦題です。原題は『MOON』ですか。邦題つけた人いい仕事しすぎ! デルモゾールG軟膏さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2012-10-10 01:57:00)

16.《ネタバレ》 こういう映画、自分は好きですね~。月面を移動していく場面は、往年のSFTVドラマを見ているようで懐かしさがこみ上げてきます。基地内での出来事も、分からないことがテンポ良く段々と分かってきて飽きませんでした。クローンものであることは事前に分かっていましたが、クローンに頼っていないストーリーが良かったです。そしてヒューマンドラマに仕上げていたので、心に染み入ってきました。コンピューターの心変わりについては「謎」と言うことにしておきましょう。 Banjojoさん [映画館(字幕)] 8点(2012-09-30 16:07:49)

15.《ネタバレ》 先ほど観終わりました。かなり面白かったです。 この映画の秀逸な所は基本設定や場面設定 そしてプロットを徹底的に練り込んで有ると言う事です。 それでいて、作品の世界観や背景などは冒頭にザッと説明するのみで 殆ど明らかにされていない。 ある意味ではSFの定番で地味な話なのに 観ている者をこれだけグイグイと物語に引き込んで行くのは 上に書いた事柄(基本設定、場面設定、プロット)を 相当徹底的に練り込み、その過程で余計な物をそぎ落としたからこそ 全然違和感無く、これだけの作品に仕上がったのだと思いました。 私は昨今のド派手な演出ばかりで、粗を隠そうともしないハリウッド映画も この作品を見習って欲しいと思いますね。 この作品もやはり、あのブレードランナーを手本に取って作ってある映画で ある意味、レプリカント達が働いていたとされる 植民地星の実情に思いを馳せ、空想し、それを基にして1本の物語にしたかの様に 悲しく、重厚で、深いシナリオの中に 心洗われる余韻を残しつつ、最後まで痛快に見る事の出来た作品です。 作品の内容は 要するに莫大なエネルギーを生み出す月面の新エネルギーの採掘には 高レベルの放射能により、人間が重度の被爆に冒されてしまうというリスクが有った。 その為に採掘会社は違法なクローンを作り出し、偽の記憶を植え付けた上で 月の採掘基地に閉じ込め 3年の任期(実は重度の被爆により寿命が3年程度しか持たない)を課して 偽りのローテーションを繰り返させていた。 つまり、3年でクローンを廃棄処分にしてまた新しいクローンに交換し 採掘業務を延々と継続させ、金儲けしていた。 この映画の新しい所は作品に登場する会社側の管理AI つまり、会社が騙しているクローンを監視し管理するコンピューターに 性格や許容性、そしてある種の感情を持たせている所です。 結果的にこのAIが主人公達を助けた事で、物語が大きく展開して行く。 惜しい所は時間の関係なのか、予算の関係か分かりませんが クローンである主人公が脱出ポッドで脱出した後の話が 非常に駆け足で、ちょっと尻切れトンボに終わっている事です。 この最後をキッチリ落とせていれば 私は10点でも足りないぐらいの作品だと思いました。 8点と付けましたが、限りなく9点に近い。 どちらにせよ、1度見て損は無い作品です。 一般人さん [DVD(字幕)] 8点(2012-08-16 19:34:33)(良:1票)

14.《ネタバレ》 予告ではホラー映画かと思っていたが、久しぶりにSFらしいSF映画を見た。 SFの衣を着た戦争映画やホラー映画も悪くないが、この映画は本当の意味でのサイエンス・フィクションだ。 観念的になりすぎず、不可解になりすぎず、一人(二人?)の人間の悲しさ、自問もじっくり描かれ、ハッピーエンドでもバッドエンドでもない。そのサジ加減が実にバランス良くできてます。 サイエンスとして突っ込みたいのは重力が明らかに1Gであることぐらいか。(1/6の重力のピンポンを観たいという興味もあるが、映画の筋と関係ないので) マニアックに感動したのは特撮。全CGではなく、ミニチュアをCGで補完するという古き良き特撮の使い方が味を出してます。あの車の微妙な揺れやタイヤのたるみ加減が出す重量感、砂塵の立ち方はどんなにCGで計算して作っても出せない味です。サンダーバードを生んだイギリス人ならではのアプローチです。 日本でもこういう映画を作る才能がいるはずなのに、決して日本の映画界では作れない悔しさも感じてしまいました。この映画の黒幕が韓国(北ではなかろう)というのも時代を感じます。経済大国のメタファーとしても今や日本は認められていないのです。 「少し先にはこういうことがありうるんではないか?」自分にとってこれがSFです。 「少し先には宇宙人が侵略してくるんではないか?」というのはSFではありません。 久しぶりに本当のSF映画を楽しめました。 どっぐすさん [ブルーレイ(字幕)] 8点(2012-05-10 23:24:34)(良:1票)

13.《ネタバレ》 SFをほぼ見ない自分でも思いだしたのは「ガタカ」。受け手への自分とは何か、という疑問の投げ方がうまい。もう一点思ったのは3.11後の原発処理。単純に自分がコントロール出来ない環境へ身を置くということがどういうことなのか、ということへの恐怖を想起させられた。最後の地球での報道は蛇足だと思うが迷っての8点 楊秀清さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2012-01-17 18:46:29)

12.《ネタバレ》 月が好きなのは、ハインラインの「大宇宙の少年」が好きだったから。 大気はなく太陽光が遮るものもなく照りつける白と黒の地表を月面作業車が孤独に動き回る、寂寥漂うミステリー。 一番身近な天体である月が舞台の映画はあまりない。 邦題はデヴィッド・ボウイの「地球に落ちてきた男」にひっかけたと思われ、息子ダンカン・ジョーンズはミドルネームのゾーイの方で記憶にある。 古典的SF映画の空気で俳優はアメリカ人でも、セカンド・サムのキャラクターやラストはイギリス的な捻ったユーモア。 「2001年」のHALを思わせるガーティには、人工知能が人間らしい心を持つことを夢想する人間の夢が托され、ケヴィン・スペイシーの声がロボットの見えない奥の変心を伝え、サム・ロックウェルはコミカルな役を多く見てきたけれどシリアスな役を切なく演じきる。 「ガタカ」のように、自分でなくとも代わりとなる者が果たしてくれれば、人は満足して死んでゆけるのだろう。 レインさん [CS・衛星(字幕)] 8点(2011-12-01 07:00:00)(良:1票)

11.《ネタバレ》 すごくシンプルでありながらヒューマンな感じ。 人間の尊厳と自他。設定が狭い範囲でありながら充分表現できていたと思う。 壮大なSFでは無いが、お手頃SFヒューマンってとこだと。 あんまり機械でハラハラさせなかったのは良かったと思うよ。そっちに行くと物足りなく なるからね。 こじんまりの割に良かったと思う。 結果、本当に尊厳を持っていたのは誰なのか・・・。 森のpoohさんさん [CS・衛星(字幕)] 8点(2011-09-28 22:05:09)(良:1票)

10.《ネタバレ》 サム・ロックウェルが良かったです。三年前、三年後の二人の差がうまく表現されています。ガーティに関しては狙ってやってるな。裏切りそうで…。低予算ながら良質のSF作品。 みぢこさん [ブルーレイ(字幕)] 8点(2011-08-20 12:41:45)(良:1票)

9.まずサントラが最高。いまだにたまに聞きたくなります。(3曲ぐらいを使いまわしてるだけですけど。) そしてセット。良く出来て入て、近未来っぽい感じがよく出てます。(ガタカみたいな感じ) Sam Rockwellも良かったですが、Kevin Spaceyって本当良い声。感情の無い感じがピッタリです。 ストーリーも星新一のシリアスなSF短編のような現実的かつ破滅的。なのに希望にあふれている。良いです! 惜しむらくはあまり多くの人に映画の存在すら浸透しなかったこと・・・。 邦題はSimpleに「月」で良かったんじゃないかなあと思いますが。 近未来SFファンには必見です! ronronvideoさん [DVD(字幕なし「原語」)] 8点(2011-05-09 04:42:16)(良:1票)

8.《ネタバレ》 どこか古典的な香りのする正統派SF作品ですね。派手なアクション主体のSFとは一線を画したこの雰囲気。私は好きです。 自らがクローンだと思い至った時、精神までもが複製されていると言う前提であれば、人はその現実に耐えられないだろうなぁ… タコ太(ぺいぺい)さん [DVD(字幕)] 8点(2011-03-20 19:39:42)

7.ストーリーなど詳細を全く知らないまま鑑賞したのだが、それも奏功したか非常に面白かった。 ハヤカワSF文庫の良質なSF短編を読んでいるような興奮と充実感を味わえる。 全体としては低予算で、CG全盛の昨今ミニチュア特撮もうまく利用した月面シーンや、出演者も実質サム・ロックウェルひとりだけという制約された条件なのに脚本・演出次第でここまで面白くなるのかという見事な例だと思う。 このような作品を鑑賞していつもおもうのだが、予算の制約が大きい邦画界もこういう良品を見習って欲しい。プロダクション、TV局や広告代理店主導の売らんかなマーケティングの安っぽい「○○ザ・ムービー」のようなものよりも、工夫とアイデアを凝らした本作のような小品に活路があると思うのだが。 ロイ・ニアリーさん [DVD(吹替)] 8点(2010-12-08 02:04:09)(良:2票)

6.《ネタバレ》 この監督、デヴィッド・ボウイの息子なんですね、とても長編第一作目とは思えない、今後が楽しみな才能です。低予算だろうなあと思われますが、SF的な発想は優れていてサム・ロックウェルのほとんどひとり芝居でここまで濃密なドラマを創ったのは大したもんです。 確かに月面を動き回るメカのミニチュアワークなどにはローバジェットぶりが漂いますが、かえってジェリー・アンダーソンの『謎の円盤UFO』の特撮を思い出させてくれてなんか懐かしさを感じてしまいます。あのガーティのキャラと予想を裏切る行動は、なかなか良いアイデアですよ。そしてその声をケヴィン・スペイシーが担当しているというのが泣かせます。この新しい才能を助けるために一肌脱いだという彼の男気に感動です。ただラストの株価がどうたらというところは余計でした、必要なかったと思います。 S&Sさん [インターネット(字幕)] 8点(2010-10-26 01:24:33)(良:2票)

5.近年はこうした作品がなかなか映画にならなかったのだけど、久々に面白いのが出ましたね。 最近のSF映画というと、やたらとアクションでみせたり、異性人との第3種接近遭遇を見せたり、CGで派手にみせたりするばかりで、内容的に非常に重さを感じるSFって少なかったですが、これは物凄くテーマ性のはっきりとした、面白い映画ですね。 低予算であったから、逆にこうしたものが出来たのかもしれません。 非常に感心したのはガーティというサポートロボットだよね。物凄く無機質でありながら、彼の発する言葉や彼の行動というのは、非常に人間的であり、ガーティ自身のカメラの動きが人間の表情を思わせるような動きを表現するのは、この映画の面白さなんじゃないかと思います。普通に観ていれば、同時に、同じ人間と考えれば当たり前なんだけども、クローン同士の感情の持ち方というのは、ヒューマニズムを感じさせる面白い表現になっていたと思います。 低予算だからこその工夫なんだろうけど、派手さなんか無くとも、十分に面白いと面白い映画になっているし、SFファンなら、この映画は是非とも体験して欲しいと思う映画ですね。 奥州亭三景さん [映画館(字幕)] 8点(2010-09-06 12:17:44)(良:1票)

4.月世界の静寂の中で響く繊細な旋律が印象的な映画だった。 美しく響き渡る音色が、殊更に映画世界に満ちる“孤独感”を際立たせた。 月の裏側で唯一人、貴重な地下資源の採掘業務に従事する男。 孤独と望郷の念に耐え続け、3年間の任期終了まであと2週間に迫った時からストーリーは始まる。 主要キャストは、主演のサム・ロックウェル“一人だけ”だということは認知していたので、果たしてこの性格俳優の「一人芝居」でどのように映画を転じさせていくのか。 もしかすると、物凄く地味で独りよがりな映画なのではなかろうか、という疑念も持ちつつ、映画の「試み」に対して非常に興味深かった。 しかし、その想定は数奇なSFスリラーの展開により、良い意味で裏切られた。 アイデア自体は「奇抜」という程では無いのかもしれないが、“驚き”への導き方と見せ方がとても巧い。 一人の男の淡々とした描写から、突如スリラーの渦に放り込まれる感覚。そのストーリーの転換を、決して映像や音響の急激な変化に頼るのではなく、一つの「視点」の変化のみでさらりと、だが劇的に成している。 そして、このSF映画が素晴らしいのは、ストーリーにおける“驚き”が映画のハイライトではないということだ。 “驚き”はスパイス的な一要素に過ぎず、そこから始まる悲哀に溢れたドラマこそが、この物語の核心となる。 主人公に課せられたあまりに残酷な運命。 それを受け入れる様、それに抗う様、相反する“二つの姿”の在り様こそが、この挑戦的なSF映画の深さであり、面白味だと思う。 SFとは科学的空想であり、だからこそ、そこには人間の心理描写が不可欠だと思う。 人の精神と科学が結びつき交じり合い、無限なる世界が創造される。 手塚治虫の「火の鳥」や、藤子・F・不二雄のSF短編漫画を彷彿させる、広大な奥行きを備えたSF映画だ。 鉄腕麗人さん [ブルーレイ(字幕)] 8点(2010-08-30 00:05:23)(良:2票)

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【点数情報】

Review人数 104人
平均点数 6.91点
000.00% line
100.00% line
200.00% line
310.96% line
421.92% line
51211.54% line
61918.27% line
73836.54% line
82322.12% line
965.77% line
1032.88% line

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 7.21点 Review14人
2 ストーリー評価 7.43点 Review16人
3 鑑賞後の後味 7.26点 Review15人
4 音楽評価 7.36点 Review11人
5 感泣評価 6.63点 Review11人

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