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【クチコミ・感想(8点検索)】
2.《ネタバレ》 どもる少年というとタルコフスキーの『鏡』が思い出され、そのせいか後の展開でも、タルコフスキーの空気をベースに感じていたみたい(テーブルにミルクのコップが置かれていると、静かに振動しだすんじゃないか、と思ってしまったり…)。どんな文化圏でも、ああいう過度に目を凝らさずにはいられない映画が生まれているってのは嬉しいことだ。目だけでなく耳も澄まさなければならない。最後のタイトルのとこでは、読めない言語の国のでは倍速にしてしまうこともあるのだが、今回はずっと耳を澄ましながら森の音に聞き入っていた。鳥や虫の声、風が葉を揺するささやき、遠雷、そして遠くの枝のしぜんに折れる音、それらを縫って少年の息が聞こえている(たぶん)。これはこの映画のエンディングとして完璧な装置で、作品後半で湧き上がった興奮をゆっくり沈澱させてくれているような心地よさがあった。トルコの生活にうとい私は作品にちりばめられているあれこれの寓意をほとんど理解できていないだろうが(ミルクと蜂蜜はイスラム教と関係がありそう)、そんなことはどうでもよくなる。一つ一つのカットの光と影に、意味以前の陶酔が備わっている。どもる少年もただ弱者なだけではない。宿題のノートを隣の子と交換してしまうずるさも持ち、褒美のバッジを貰えば嬉しがる普通の子どもだ。父の不在の不安を、電気を点けたり消したりするいたずらでまぎらしている普通の子どもだ。その子が父の死をこれから受け入れていく前に、しばし森の自然のどもらない音の中に逃げ込んでいる、というラストと見たが(肩をかすめて飛ぶ鳥!)、そこに聖なるものが包み込むように感じられてくるのが素晴らしい。 【なんのかんの】さん [DVD(字幕)] 8点(2012-03-03 12:29:16)
1.《ネタバレ》 本作関係者・ファンの皆様には申し訳無いが、たまたま時間が合ったから観賞。
当然、予備知識は皆無。
過去、ここまで完璧に何も知らない状態で映画を観たのは初めてかも知れない。
そんな背景ながら、本作には8点を献上したい。
主人公ユスフ坊ちゃんを演じる子役の一点の曇りも無い瞳と真摯な演技。
冒頭のシークエンスを別にしても、なぜか常に死の影がつきまとう父親の朴訥とした雰囲気と素朴且つ重厚な演技。
そして何よりも、絶対にセットでは表現する事の出来ない絶対無比なトルコの森林を初めとする自然環境の描写。
アカデミー賞を初め本作は幾つかの栄誉に輝いた作品だそうだが、それも納得出来る。観賞するきっかけは偶然の産物でしかなかったが、今となってはその偶然に感謝している。 恐るべしトルコ映画。 これだから映画鑑賞はやめられない。 【たくわん】さん [映画館(字幕)] 8点(2011-08-22 13:05:11)
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【点数情報】
Review人数 |
5人 |
平均点数 |
7.00点 |
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1 | 0 | 0.00% |
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2 | 0 | 0.00% |
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3 | 0 | 0.00% |
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4 | 0 | 0.00% |
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5 | 1 | 20.00% |
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6 | 0 | 0.00% |
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7 | 2 | 40.00% |
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8 | 2 | 40.00% |
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9 | 0 | 0.00% |
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10 | 0 | 0.00% |
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