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【クチコミ・感想(8点検索)】
3.互いに理解し合えない男と女。
永遠のテーマとも言える題材を、卓抜な演出で描いたゴダール作品。
夫婦間の心の内の変化を軸に、ギリシャ神話「オデュッセイア」のオデュッセウス、ペネロピ夫妻のエピソードを絡め、アンニュイな雰囲気、美しい映像、独特の色彩感覚で仕上げています。
安直なラストだけは「?」だったけど、その他の見所は、妻役を演じるブリジット・バルドーの魅力。それ以外では、「メトロポリス」(1926)の映画監督、フリッツ・ラングが本人役で出演していたことに驚きました。
ドラマチックな展開はいっさいなし、絵画的、芸術的、前衛的な作品なので、この手の映画が苦手な方はご注意を。 【MAHITO】さん [DVD(字幕)] 8点(2015-04-15 11:59:04)
2.《ネタバレ》 まずモラヴィアの書いた原作小説がある。これは男女間の混沌とした感情を確かな筆致で描出した素晴らしい小説であったが、芸術観・人間観において驕りを見せる主人公をモラヴィアは否定するどころか擁護した、という重大な欠点がある。そしてその欠点を見事に解決したのがゴダールである。映画監督役にラングを起用することにより、主人公より上の境地に達している人物を配置でき、主人公の横暴さを包み込む役目を果たさせたのだ。ラングの「非論理が論理に反するのは論理的である」「死は結末となりえない」などといった台詞は主人公を、より上位の次元から絶えず牽制した。主人公の滑稽さを認めたゴダールはやはり信頼に値する映画監督だ。さらに、凄まじいまでの魅力を放つバルドー(その肉体、笑顔、瞳……!)や、愛の幕引きという軽石のように空虚な絶望を画面に定着させることに貢献した色彩と音楽には、手放しの賞賛を送りたい。そしてなによりゴダールの映像表現力だ。小説ではなく映画でなければならない、という必然性を感じさせるシーンの数々に思わず顔がほころぶ。映画の終盤、カミーユという魔性ともいえる女が死ぬ。「愛ある笑顔よ」と優しく笑うカミーユ。その直後「本当はもう愛してないの。もう無理なのよ」とカプリの断崖を思わせる拒絶を見せるカミーユ。しかしカミーユは魔性の女ではなく、自立した意識体系を持つ一人の人間にすぎない。それを理解できなかったのがピッコリ演じるポールである。最後に一言、ランボーの「永遠」はこの映画のラストにこそ挿入してほしかった! 【吉田善作】さん [DVD(字幕)] 8点(2012-12-06 21:56:02)(良:1票)
1.(なんで?なんでそーなんの?俺が何したっちゅーの?ぜんぜんわからん!)こんなことを言ったことがあるような気がする。(イヤやったらイヤって言ってくれたらよかったやん。なんで言ってくれへんの?不満があったら、そん時言ってくれたらすむことやん!)こんなことも言った覚えがある。そんな私は当然この作品に痛い痛いノスタルジーを感じ、共感してしまう。そしてアンナ・カリ-ナに対するゴダール本人の葛藤を共感できるという凄い経験までさせてくれる。〔ヒロイン、ブリジット・バルドーが金髪(だったかな)を隠したショートヘアのカツラを男が似合わないと言うシーンがあるが、あの髪型はまさしく前作『女と男のいる舗道』のアンナ・カリ-ナ。〕男にとってはなんとも理不尽なこの現象を、ゴダールはラスト、映画の中において復讐をする。しかし「死は愛を失うだけ」という言葉どうり、それが空しいだけのことだとゴダールが一番知っている。同時に映画造りにおけるメッセージも載せる。露骨に商業主義のプロデューサーを批判しながらも、その中で果敢に自分の作品を造り続けたフリッツ・ラングにゴダールの敬意を感じる。 【R&A】さん 8点(2004-03-31 12:01:37)(良:1票)
マーク説明 |
★《新規》★ | :2日以内に新規投稿 |
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★《更新》★ | :2日以内に更新 |
《更新》 | :7日以内に更新 |
【点数情報】
Review人数 |
21人 |
平均点数 |
7.00点 |
0 | 0 | 0.00% |
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1 | 0 | 0.00% |
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2 | 1 | 4.76% |
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3 | 0 | 0.00% |
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4 | 0 | 0.00% |
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5 | 0 | 0.00% |
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6 | 3 | 14.29% |
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7 | 12 | 57.14% |
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8 | 3 | 14.29% |
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9 | 1 | 4.76% |
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10 | 1 | 4.76% |
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【その他点数情報】
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