みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(8点検索)】
4.《ネタバレ》 8月6日に広島の映画館にて鑑賞。 この日は広島にとっては特別な日。広島に生まれて暮らす私にとっても特別な日。 夏のこの時期には、広島市内のミニシアター系の映画館で、原爆にまつわる映画が毎年上演されている。 「原爆の子」は、広島のその後を描いた物語だが、復興半ばの広島と、傷を抱えたまま生きていく人々の姿は、言葉にすることが難しい哀しみをたたえている。 哀しみと怒り。 その怒りを飲み込んで、過ちを二度と繰り返さぬことを願い、訴える被爆者の方々の祈りが届くことを願う。 【roadster316】さん [映画館(邦画)] 8点(2024-10-10 18:01:29)(良:2票) 3.《ネタバレ》 原爆が落とされた広島、そんな広島で生まれ、広島で育った新藤兼人監督だからこそ余計に戦争というものの辛さ、あの時代の子供達の健気さ、そういうものがひしひしと伝わってきます。子供達に対する石川先生の「みなさん、お休み中はうんと遊んで勉強して丈夫な子供になってください」という台詞に込められた力強いメッセージの中に生きる希望というものが見えてくる。この映画の中の子供達を観ていると今の子供達は子供らしさというものに欠けてしまっているような気がしてならない。子供が子供らしく外で元気に遊んでいるというようなものは最近はあまり見かけない。この映画の中の子供のようにもっともっと外で遊んでこそ子供なのだと思う。新藤兼人監督による現代の人達、大人と子供達全てに対して人間は希望を捨ててはならない。未来を生きようとする全ての人達へのメッセージ的な映画という意味でこの映画の持つ存在価値の高さは観るに値する。そして、二度とあんな原爆による被害というものがあってはならない。そういう監督の熱い思いが伝わる映画です。 【青観】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2011-08-16 22:07:20)(良:2票) 2.《ネタバレ》 原爆は日本人全体の奥深いところに傷を付けたのだと思います。この映画は原爆によって直接もたらされた悲劇ではなく、終戦後も続いてゆく悲劇を描いています。親を失った子供、後遺症によって命を奪われようとしている子供、生活の全てが破壊され、何もかも失い、僅かな希望だけを頼りに生きる老人。原爆によって破壊された広島の街は、現実にフィルムに焼付けられた廃墟と瓦礫と、そして復興の兆しを見せる世界。悲劇に対比するように、原爆とは無関係な世界を生きているような人々の姿も焼付けられてゆきます。しかし、目を背けてもその傷が消える事はありません。この映画が撮影された終戦7年後と違い、今は61年もの歳月が経過し、その傷は消え去ったようにも見えますが、実のところ永遠に消える事はないのだと思います。その悲劇の上に今の生活が成り立っているということ、それを忘れる事で悲劇は繰り返されることを、この映画は力強く示しています。飛行機の音に不安げに空を見上げるラストシーンは、その不安が的中しなかった訳ではなく、今もまだずっと続いているものなのですね。 【あにやん🌈】さん [DVD(邦画)] 8点(2006-08-15 00:41:34)(良:2票) 1.《ネタバレ》 1951年10月文集『原爆の子』出版。1952年4月28日平和条約発効によりGHQの占領終了。アサヒグラフ同年8月6日号に広島原爆の被害写真が初めて掲載。同年8月6日映画「原爆の子」公開。という流れ。広島でのオールロケで、まだ残る焼け跡の様子等、資料的価値が高い。瀬戸内海の島に住む学校の先生が、かつて教えた園児を訪問するという物語。最初に訪問した男子の家では原爆症の父が死ぬ。次に訪問した女子は原爆孤児で、教会の施設で死にかけている。ケロイドのある“原爆乙女”の合唱姿が痛々しい。次に訪問した男子は原爆で両親を亡くし、姉が嫁ぐ日だった。原爆禍で足が不自由になった婚約者を見捨てず、五年後に結婚を果たすという実直な男の話に希望が見える。そして使用人だった岩吉爺さんと再会する。再会場面で、ボートに乗った若者の姿から岩吉の顔にパンする映像が印象的だ。ボートは復興の象徴で、岩吉は復興から取り残された原爆被害者の象徴。その両者を1ショットで撮るセンスに感心した。モンタージュの手法で描く原爆被災の描写は鮮烈で異彩を放つ。朝顔、向日葵、乳房、監督の生命へのこだわりが感じられる。一方でナレーションが入るのは興ざめだ。原爆と戦争に対する怒りや憎しみは最小限にして、最後は見えない飛行機でいつまた戦争が始まるかという不安を表現するという慎み深い演出で、この題材にして、鑑賞後感は意外に悪くない。 【疑問点】冒頭、校庭で体操をして、そのまま終業、夏休みという不自然さ。孝子が幼稚園の先生から小学校の先生に転職したり、一家全滅したのに何故孝子だけ助かったのか等の説明がなく、人物像が希薄だ。最も不自然なのは、岩吉爺さんの自殺だ。自分が自殺すれば、孫が島に行くことに同意すると考えてのことだが、孝子は岩吉も一緒に来るように誘っている。他人様の世話になりたくない気持ちはわかるが、降ってわいた僥倖に乗らない手はないと思ってしまう。また誘う方の孝子だが、自分の家でもないのに、二人の面倒を見る等と安請け合いをしてよいのかという疑問がある。不気味な面相の岩吉は忌避されるという展開なら分り易かった。婆さんが炎上する家から爺さんを助け出すのは安っぽい演出だ。あっさり丸焼けになった方が悲劇が劇的に際立つ。登場人物がみな善人で、苛酷で陰惨な現状とはかけ離れているように思う。それでも「みんな見てもらいたい映画」だ。 【よしのぶ】さん [DVD(邦画)] 8点(2014-01-18 01:19:28)
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