みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(8点検索)】
5.《ネタバレ》 もう直ぐ10月2日、世界で最初に全身麻酔の薬を作り、乳がんの手術を成功させた一人の男、華岡青洲の命日てことらしいけど、そんな訳で借りてきた。これは本当に物凄い女と女の戦いだのし!我が息子を愛するためにと息子の実験台になろうとする母、そんな母に対して自分こそ実験台にと訴える嫁、この二人の戦いが壮絶!の一言ではとても済まされないのし!とにかく主演の二人の女優、高峰秀子と若尾文子の演技が凄いでのし!大石先生とはまるで別人の如く、どこまでも嫁に対して厳しく接する姿には人間として、母親としてのプライド、嫁の加恵(若尾文子)への嫉妬、これは間違いなく女同士のバトル!しかし、そこにあるのは単なる嫉妬を超えた愛情の裏返しとでも言うべきか?二人の演技の凄さも当然のことながら市川雷蔵もこれまた素晴らしでのし!すいません!のしって言葉が頭から離れなくなりそうです。ひたすら医者としての使命を全うし、目的のためなら容赦なしに二人に薬を飲ませて実験を行なうというその凄まじさ、冷酷さ、こういう冷酷な人間こそまるで男の身勝手さを表しているようで、女の愛情だけでなく男の身勝手な部分まで同時に描ききるという恐るべき演出、それにしてもあの薬の実験によって、酔っ払ってしまった猫、あんな映像を容赦なしに描く。それこそ増村保造っていうこの監督の凄まじさを感じる。好き嫌いはともかく人間の持っている悲しさ、身勝手さというものを何だか見せつけられてしまったみたいで、とにかく色々と考えさせらる凄い映画だ!一度は見て損のないそんな作品だと思います。 【青観】さん [DVD(邦画)] 8点(2007-09-28 21:53:55)(良:3票) 4.《ネタバレ》 世界初の全身麻酔手術の成功を支えた嫁姑の物語=それは女としての確執から生まれた偽りの「美談」であった。監督増村・脚本新藤なので高峰秀子と若尾文子(様)のバトルはもちろん凄まじい。ただそれ以上に私には華岡青洲を演じた市川雷蔵が印象に残り、極私的彼の演技ベストファイブに入れても良いと思う。『夫に尽くすという事・理想的な妻/母であるという事は時として夫の「我が侭/エゴイズム」に女性がしたがっているだけであって、そこには女性としての幸せや生きる意味はない=女性に隷属を強いる男の狡賢さ』という(私Nbu2が考える)有吉佐和子原作小説の主題を見事に体現している演技だから。リメイクにおける竹脇無我や三浦友和、最近の谷原章介は単に「麻酔研究に情熱を燃やす医学者」華岡青洲であって、そこに雷蔵が示した「理想や成功の為に妻や母を犠牲にしたエゴイスト(しかもそういった嫁姑の協力に甘えている?という感を出すのがまた凄い)」華岡青洲は、見えない。母親於継の死がナレーション(補足:杉村春子は文芸座でこの於継役をもち役としてます。)のみで片づけられたのも青洲の名声にとっては小事でしかない+女主人の座を得た様に見える加恵も最終的にはそんな小さな扱いで終わってしまう、という意図を込めてるのでしょう。うだうだと書いてしまいましたが少なくとも最近のリメイクよりはこっちの方が迫力等上。機会があればぜひ堪能してほしいのし! 【Nbu2】さん [映画館(邦画)] 8点(2013-06-13 21:39:33)(良:2票) 3.《ネタバレ》 先日観た成瀬の「娘・妻・母」での高峰秀子VS原節子のバトルは、自分としてはかなり消化不足だったので、今回は若尾文子との唯一のバトル作品をチョイス。こりゃ凄いわ・・・全編息をつかせる暇もなく、堪能させてもらいました。両実力派女優二人が、それぞれ受けの芝居、攻めの芝居を攻守交替しつつ、存分に演技合戦を楽しんでいるっていう感じ。このお二人にかかっては流石の青洲=雷蔵氏も影が薄い。初めて息子青洲と寝床を共にする嫁加恵(若尾)を見送る、横たわる母於継(高峰)の嫉妬の視線の怖い事怖い事・・・。基本的にエゴイストなこの息子を間に挟みさえしなければ、この嫁姑二人結構ウマがあったんじゃないかと思わせるところに宿命的な悲劇を感じますね。少女時代からの憧れの人に見込まれた時の歓び、やがて嫁として肩を並べ、追いつき追い越していく女の成長を的確に演じる若尾文子ももちろん申し分ない。後半の「私を、いいえ私を使って!!」と人体実験を雷蔵氏に二人が申し出るシーンがこの映画のクライマックス。その後の於継の慟哭も含め、凄まじい葛藤シーンの連続。ひとつだけ残念だったのは、於継が亡くなるシーンがなく、何故かナレーションだけで済ませてしまった事。これを描かなかったのは片手落ちだったのでは?於継臨終シーンでの加恵との最期のやり取りが観たかった。 【放浪紳士チャーリー】さん [DVD(邦画)] 8点(2008-03-01 11:04:52)(良:1票) 2.見応えありましたのし!!今では当たり前のように、あらゆる治療に用いられる麻酔薬ですが、身内による決死の覚悟での人体実験あっての賜物で、この時代の医学においては画期的な発明でありました。テーマとなっている嫁と姑の関係ですが、これだけは今も昔も同じで仕方のないことです。 【白い男】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2011-09-21 00:09:22) 1.《ネタバレ》 華岡青洲という人は知れば知るほどすごい医学者だ。なぜこれほどまでの人の存在を、学校で教えられなかったのだろうかと不思議に思う。 いくら医学を学び、手術をするのに麻酔が必要だとしても、「麻酔」という言葉すらなかった時代である。麻酔薬を調合して作ってみたところで、人体で実際に使ってみなければ効果はわからない。それを嫁が、母が、「是非私に」にと申し出て競い合う。一つ間違えば命すら保証できないというのに・・・。 このあたりの感動というか、感想というか、私は言葉でうまく表現できない。それほど強烈である。何事も初めて物事を成し遂げるということは、とても勇気が必要とされよう。手術を行った青洲も、実験台になった嫁も母も・・・。 じつに見応えのある映画だと思う。 【ESPERANZA】さん [映画館(邦画)] 8点(2011-05-08 12:53:51)
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