みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(8点検索)】
7.《ネタバレ》 ゴヤは一貫して、その時のありのままを描く人だったのですね。 終盤が非常に印象的でした。 ロレンソが死刑台を前に、悔い改めようと(再び神の道へ戻ろうと)しなかったシーンは、様々な解釈が出来ると思います。 そしてラストシーン。 個人的な解釈としては、イネスはゴヤが天使の顔のモチーフとしているように、このシーンでのイネスは「天使」として、ロレンソを神のもとへ手引いて行ったのだと思っています。 ハビエル・バルデムの演技力は相変わらず素晴らしいですが、本作のナタリー・ポートマンの演技、存在感は本当に凄まじいものがありました。 ありきたりな時代モノ映画では全く無く、宗教問題、革命などから生じる社会全体の混乱をしっかりと分かり易く描きつつ、主軸となるのはあくまで濃密な人間ドラマ。 予備知識が全く無くても楽しめるとても質の高い作品だと思います。 【おーる】さん [DVD(字幕)] 8点(2010-03-31 19:41:44)(良:2票) 6.《ネタバレ》 一粒で何度でも美味しい作品。まず、コスプレ。中近世の映画はこれがあるから見たくなります。そして、信仰心のまったくない人間にとっては宗教という不可解極まりない世界。ましてや今回は異端審問。これが陰惨さを演出しています。また、ストーリーも面白く展開も速い。それから、何といっても、オープニングとエンディングで流れる出血大サービス気味のゴヤの作品の数々。いわく付きの「巨人」も出ていましたね~。いやはや、もうフルコースでお腹一杯って感じです。ただ、作品中のゴヤの絵は、イマイチというか、かなり??ですね。もうちょっとゴヤっぽくして欲しかったなー。『ノーカントリー』ではほとんど喋らなかったハビエル・バルデムという俳優さんの笑顔まで見られて、この人笑うんだー、と当たり前のことにオドロキ。ロレンヅォ、捕まるまでほとんどサイテー野郎でしたが、そんな彼の遺体に手をつないで寄り添って歩いて行く狂ったイネスの姿が切な過ぎました。悲惨なオハナシなのに、エンタメ要素満載で、これぞ映画、って感じです。 【すねこすり】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-06-26 15:55:08)(良:1票) 5.《ネタバレ》 ゴヤの絵が善も悪も美も醜もすべてあからさまに描いたものとするならば、この映画はゴヤが生きていた時代のスペインをあからさまに描いた映画だと言える。スペイン教会の腐敗ぶり、拷問という名の尋問、スペイン王室の虚飾、ナポレオンによる侵略と解放などどれをとっても見てもすごい。中でも神父を閉じこめてサインさせるシーンには、びっくりたまげるし、拷問を受けたナタリーポートマンの変わり果てた姿にも驚いた。 【ESPERANZA】さん [DVD(字幕)] 8点(2012-03-18 23:58:39) 4.《ネタバレ》 ミロス・フォアマンは「アマデウス」「恋の掟」がそうであるように、悲劇的な要素を含む時代物でも悲愴にはせず娯楽的、スペインの歴史を仮託した15年以上に及ぶ内容を2時間以内に収め理解しやすい話運び。 若干駆け足気味でも勿体ぶった気取りもなく、物語としてきちんとまとまっている。 ゴヤ役のスカルスガルドは重要な役を目立たずかつ上手に演じる人、北欧の透ける容姿も風貌だけで人目をひくバルデムと好対照。 時代のフォト・ジャーナリスト的な存在であるゴヤの私生活を見せないのは、イネスの庇護者としての立場をやりやすくするためもあるのだろう。 変身を遂げる破戒僧ロレンソは終盤で意地を見せ、彼もまったき極悪人というより時代に翻弄された小悪党なのだと思わせる。 不運なイネスは美しさも正気も失っても求めるものは変わらず、父の黒髪と母の美貌を受け継いだアリシアは変わり果てたイネスの代替の如く映える。 「アマデウス」は皇帝のつたない演奏に家臣がお追従を並べていたけれど、国王カルロス4世(似てるぅ!)のこれまたお上手でない演奏による自作の曲をゴヤが賞賛させられる箇所があって、フォアマンはこういうのがお好きなよう。 高貴な身分でも才には乏しき王族に迎合せざるをえない家来の茶番寸劇。 王妃マリア・ルイサの内面をはからずも暴いた肖像画は、本質を見抜くゴヤの異能の片鱗。 本物のゴヤ作品は末尾に上下二分割で見せる凝りよう。 哀しいはずのラストシーンは何ともいえない美しさ、最後はみごとに芸術的。 子どもらの戯れ歌も祝歌のように聴こえ、イネスは幸せなのかもしれない、欲しかったものをようやく二つともその手にできて。 【レイン】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2011-08-10 07:00:07) 3.結局、当時の人間に幸せな人なんて誰もいなかったんだな。いやな時代だ。ゴヤの絵は、その凄惨さを少しも描けていないのではないか。真実はもっと苛烈で残酷で、やり場のない怒りが満ち満ちている。 【no_the_war】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-12-18 22:23:18) 2.原題「ゴヤの幽霊」とは一体何なのか、悲喜こもごもの80年の人生を全うした天才画家がなんで「うらめしや・・・。」と化けて出たのか(笑)と不思議に思いつつ手にしたDVDで実は幽霊とは・・・。ネタばれにチェックしたくないのでかって勝手な決めつけ書きませんが、「ゴヤは見た」という邦題が期せずして原題よりも内容をよく語っているかもしれません。(こういうケースはまれです。)DVDのケースの裏の説明が褒めちぎっていたハビエル・バルデムの役柄はタイトル・ロールではなくロレンツォ神父でした。僧衣をまとったいやらしいおじさんからフランス革命かぶれでフランスのファッションをまとってナポレオン傀儡政権の手先となるまで迫真の演技でした。ゴヤもよかったけれども、こちらはあくまでも「見る人」に徹していました。職人(=商人)の息子ゴヤは芸術家といっても結構計算高くて肖像画を描きまくって金儲けでも成功したことで有名ですが、一方で真実を描こうとする芸術的欲求も強くて、生活の糧としての活動と芸術的活動をうまく組み合わせていたようです。私たちはこういう生活態度をロレンツォのような偽善者といっしょにはしません。でも、そのロレンツォに「おまえは金のためなら何でも描く。」ととっちめられたりして・・・。ゴヤが(確か)5人の子持ちでありながら次々と子供をなくし、一人しか成人させることができなかったというのも(確か「黒い服を着た女」のモデルにもなっていたはずの)イネスとゴヤとの関係を解き明かす鍵かもしれません。「確か」を二つも並べてすみません。これからご覧になる方、以上のような内容に疑問符をつけてエンドロールの最後の最後までしっかり鑑賞してください。 なお、スペイン語のタイトル「時代の肖像画(Retrato de epoca)」が何となく一番作品に合った題だと思います。 【かわまり】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-02-03 15:33:15) 1.《ネタバレ》 サンペンス性の高いおもしろさがあった。少女は助かるのか?神父は罪に問われるのか? その一方で、主題は異端審問を中心とした激動の時代に翻弄された人々の姿にある。観客の目はあくまでゴヤであり、彼は傍観者で記録者だ。セットや衣装も豪華で、ファアマンの演出の力強さを堪能できた。 【カワウソの聞耳】さん [映画館(字幕)] 8点(2008-11-09 19:17:33)
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