みんなのシネマレビュー

ザ・バンク -堕ちた巨像-

The International
2009年【米・独・英】 上映時間:117分
ドラマサスペンス
[ザバンク オチタキョゾウ]
新規登録(2009-03-09)【マーク・ハント】さん
タイトル情報更新(2023-02-08)【イニシャルK】さん
公開開始日(2009-04-04)


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監督トム・ティクヴァ
キャストクライヴ・オーウェン(男優)ルイ・サリンジャー
ナオミ・ワッツ(女優)エラ(エレノア・ホイットマン)
アーミン・ミューラー=スタール(男優)ウィルヘルム・ウェクスラー
ウルリク・トムセン(男優)ジョナス・スカルセン
ジェームズ・レブホーン(男優)New York D.A.
ベン・ウィショー(男優)ルネ・アンタール
ローラン・スピルヴォーゲル(男優)
ジャック・マクギー(男優)美術館にて撃たれた仲間
ルカ・バルバレスキー(男優)ウンベルト・カルビーニ
ブライアン・F・オバーン(男優)コンサルタント
木下浩之ルイ・サリンジャー(日本語吹き替え版)
岡寛恵エラ(エレノア・ホイットマン)(日本語吹き替え版)
藤本譲ウィルヘルム・ウェクスラー(日本語吹き替え版)
田中正彦ジョナス・スカルセン(日本語吹き替え版)
浦山迅(日本語吹き替え版)
金尾哲夫(日本語吹き替え版)
御友公喜(日本語吹き替え版)
水内清光(日本語吹き替え版)
音楽ラインホルト・ハイル
ジョニー・クリメック
トム・ティクヴァ
撮影フランク・グリーベ
製作ロイド・フィリップス
チャールズ・ローヴェン
ヘニング・モルフェンター(共同製作)
製作総指揮テレンス・チャン
ジョン・ウー
配給ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメント
美術ウリ・ハニッシュ(プロダクション・デザイン)
衣装ナイラ・ディクソン
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【クチコミ・感想(8点検索)】

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7.《ネタバレ》 観終わったら、エライコト知ってしまったという感じになって、夜、DVDを返却しに行ったら、自分も追われている気がした。タイトルがさえない為、期待せずに観たので、これは掘り出しモノだと思った。面白いよ、この映画。映画センスある、と思う。それにしても原作もないのに、ここまで重厚感のある話がよくできたね。銀行がどこまで悪いことしてるかは知らないけど、この映画のようなことも有りうる、と言えばあり得るんじゃないかなあ。ここまで企業が大きくなるとねえ。だから原題が「インターナショナル」か・・・この作品の監督、今まで知らなかったけど(名前も読みづらいし)、撮った作品、どれも高得点。これから要チェックの人です。最後、途中まで一緒に事件を追いかけていたサラが出世して、新聞に出ていたのは嬉しかった。 トントさん [DVD(字幕)] 8点(2009-10-08 22:36:51)(良:1票)

6.《ネタバレ》 美術館へ辿り着くまでの尾行、そして美術館での銃撃戦は見事としか言いようがない。真っ白で螺旋状の内壁に次々と撃ち込まれる弾痕。クライヴ・オーウェン演じるサリンジャーと殺し屋のやりとり。建物の形状を完璧なまでに駆使したカット割り。素晴らしい。
それ以前に、サリンジャーが殺し屋を追い掛けるシーン、キャメラは必死に走るサリンジャーを横移動で追っかけ、それと平行モンタージュで逃げる殺し屋の車を見せ、サリンジャーが大通りに出ると、キャメラは横位置から一気にクレーンアップして俯瞰構図となり、犯人の車が赤信号で停止している車の大群に混ざっているという一連及び最後のクレーンショットがまた素晴らしい。
人物の会話の殆どが人入れ込みの切り返しショットで処理されているのが少し物足りないというか、逆にしつこいかと感じる。サリンジャーが氷水の中に顔を突っ込み殺し屋らしき人影を思い出すインサートカットや、屋上での殺し屋はこうしていただろうという推論の回想映像は必要なのだろうか。殆どを無闇矢鱈に説明せずに見事なまでに簡潔に展開しているのに、この2点だけ過剰に説明していると思える。無くても理解できるから余計無駄だと感じる。
しかしながらこの映画は見事だ。ナオミ・ワッツ演じる検事とさよならしてからこの映画は急に晴れ晴れとした青空の中に舞台が移される。それは中から外へ出るという機能が働いたからだ。システムの中=法に司られた社会の中にいては解決できないのだが、システムの外=法を無視した世界に出て行けども決して辿り着けないという「どこかにある答えが見つかりそうで、どこにも答えがない」という<世界>にやはり着地してしまう。そこに至るまでを逮捕権のないインターポール職員とニューヨークの検事局員が追うことで、「答えが出そうで、出ない」という柵が更に主人公たちに絡み付くからいい。
ファーストショットのサリンジャーのクロースアップ(この次のショットは駅でなく、本当は車であるべきだったと思うが)はどこかにある答えを見据えていたが、ラストショットのサリンジャーのクロースアップはどこにも答えがないと盲目的になっている。それは幾らでも置換可能な現実=この近代社会のシステムを目の当たりにしてしまったという嘆きの表情だった。 すぺるまさん [映画館(字幕)] 8点(2009-04-12 20:55:12)(良:1票)

5.《ネタバレ》 主人公が戦う相手であるところの悪の組織が「銀行」、ってのが、なかなか不思議な設定でピンと来ない部分もあるのですが、実在した銀行をモデルにしてるもんだから(これをちょっとモジっただけの劇中の銀行名からも明らか)、仕方ないっちゃあ仕方ない。というより、そういう社会派っぽい複雑な背景を匂わせることで、複雑な事件の解明よりも、「何が起きるかわからない」という雰囲気作りに軸足が置かれており、これがサスペンスとアクションにうまく繋げられています。国際犯罪らしく、舞台が世界各地を転々とするのも見どころ。
冒頭の車内でのミラーを介したやりとりによる不穏な空気、事件の証人の突然の死。これまた突然ナオミ・ワッツに襲いかかる犯人のクルマ。中盤の暗殺シーンなど、狙撃の描写自体の緊迫感だけにとどまらず、事件を二段構えの構造で描くことで、事件の謎の深さ、悪の根深さ、みたいなものも感じさせます。
そして何と言ってもあの、美術館における壮絶極まりない銃撃戦。それまでの静かな緊張感との対比、まさに空気が一変、いや、激変。その修羅場の中でも、映像アートが淡々と流れていて、対比を際立たせます。
正直、社会派作品に対する期待をもって本作を観てしまうと、あまりしっかり整理されておらずに肩透かしの印象を持つことになるかも知れないですが、むしろ、社会派の枠組みだけを利用して、巨悪の持つ不気味さを描いている点、「上手い」と言ってよいのではないでしょうか。
エレベータ内のシーンでは、カメラが主人公たちを正面から捉えたその奥には鏡があって、背中から鏡に映った彼らの前には(そこにあるはずの)カメラではなく、「エレベータの閉まったドア」が確かに存在している。こういうのも、なかなか心憎いです。 鱗歌さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2020-11-21 17:48:52)

4.2013年には、日本国内で常識を疑う事件が2つ発生しました。ひとつは、某メガバンクが暴力団に融資を行っていたこと。もうひとつは、某餃子チェーン店の社長が、プロの殺し屋と推測される犯人によって殺害されたこと。この2つの事件からは、表社会と裏社会の距離は我々が思うほど遠くはないということを認識させられ、少なからず戦慄させられました。。。
本作のモデルは、1991年に経営破綻した国際商業信用銀行(BCCI)。独裁者を顧客に抱え、麻薬取引・武器輸出への関与、各国の諜報機関との関わりなど、出るわ出るわの悪行三昧。裏社会の組織ならともかく、世界78カ国に400拠点を構え、表社会で営業活動を行っていた金融機関がこれだけの悪事に手を染めていたということには、大変な驚きがありました。。。
本作は、そうした現実社会のトピックをエンターテイメント化すると同時に、熱い男のドラマとしてもまとめられており、さらには目を疑うほど素晴らしい銃撃戦もあり、非常に見応えのあるサスペンスアクション映画として仕上がっています。多少やりすぎな点もあるにはあるのですが、その辺りは「実話をベースにしております」という免罪符を使ってうまく言い訳しているので、致命傷にはなっていません。全体としては70年代風の骨太アクションであり、甘い要素はゼロ。主人公・サリンジャーは超絶美人の地方検事と行動を共にするも、両者が恋愛関係に発展することはありません。それどころか友達ですらなく、目的を共有し、かつ、仕事ができる相手だから一緒にいるのだという関係性は最高にクールでした。。。
また、敵方のブレーンであるウェクスラー大佐とサリンジャーの関係も激熱です。秘密警察での職務に人生を捧げたウェクスラーは、サリンジャーの将来の姿。職務のために尽くしてもそれが報われることはなかったという虚無感が現在のウェクスラーを支配しているのですが、悪を倒そうとまっすぐに生きるサリンジャーとの出会いによって、彼は再び「自分が信じるもののために戦う」という気概を取り戻します。他方、サリンジャーもまた、ウェクスラーから影響を受けます。まっすぐに戦うだけでは巨大な敵に勝つことができないということをウェクスラーから教えられ、そのことが、ラスト近くでの決断に繋がっていくのです。ドライな語り口の中に、以上の熱いドラマを忍ばせた本作の演出には、完全にノックアウトさせられました。 ザ・チャンバラさん [ブルーレイ(吹替)] 8点(2014-01-06 00:58:02)

3.《ネタバレ》 フィクションといえる内容だが、実際の事件を元にしているためか、100%フィクションと感じさせないリアリティのある仕上がりとなっている。
実際に本作で描かれているものに近い銀行があったにせよ、本作に描かれている荒唐無稽さを“荒唐無稽”と感じさせない点が本作の良さではないか。
社会派映画のテイストにエンターテイメント要素やヒューマンドラマ要素を上手く混ぜ合わせて、質の高い映画となっている。
テンポも非常に良く、緊張感も常に保たれている点も評価したい。
本来ならば、辟易するようなムチャクチャともいえるグッゲンハイム美術館の銃撃戦もこのような仕上がりのためか、何故かムチャクチャさを感じさせず、逆に感動モノの仕上がりとなっている。
また、この手の作品としては、ストーリーもかなり分かりやすく整理されており、初見でも全く問題なく付いていける。
ラスト辺りの展開はややリアリティから外れていくが、どこかでオチを付けざるを得ないため仕方がないところがある。
ややトーンダウンしているところはあるが、個人的には逆に上手くオチを付けたとも感じられた。
男としての生き様や美学が込められているのではないか。
“正義”のために法の外に出ようとしても完全には出ることができない男の“悲哀”、“正義”のための行動をしたとしても“強固なシステム”に対しては、一人の男のチカラの“無力さ”などを描くことによって、「チャイナタウン」のような虚無感を漂わせている。
行き場がなく出口のない“怒り”を放置する辺りは製作者の思い切りの良さも感じさせる。
クライヴ・オーウェンもかなり熱演している。
法の外に出ることを決意したオーウェンとワッツが向き合うシーンでのオーウェンの“眼”が非常に印象的だ。
“眼”や“雰囲気”だけで演技できており、改めて高い演技力を感じられる。
本作によって、オーウェンとワッツを高く評価したくなった。 六本木ソルジャーさん [DVD(字幕)] 8点(2010-12-28 23:33:38)

2.《ネタバレ》 「真実とは何か?」
その問いについてノンフィクションではないこの映画を見ながらずっと考えていました。
「見えやすい事実と見えにくい事実」その両方をもって「真実」を暴き出そうとするストーリーには真実味があったように思います。この映画の辿り着いた「真実」に居心地の良さはありませんでしたが、主役サリンジャーのその後の人生がとても気になる締め方でした。 liverpoolさん [ブルーレイ(字幕)] 8点(2010-02-13 19:46:52)

1.《ネタバレ》 銀行を悪役にしたサスペンスなわけだが、捜査対象は武器売買で、殺し屋がわんさかと群がり、グッゲンハイム美術館を半壊させるという派手さ。銀行がここまで過激な悪役を演じるというのも、時代の流れというヤツか。いやいや、その点に異存はないのだが、ここまで悪辣だと、昨今の金融危機と関係があるんだかないんだか。武器売買に要人暗殺とか、もうモラルの欠如とかいうレベルではないからね。パンフによると、企画は6年前から存在しており、実際の事件をモデルにしているという。まあ我が国でも銀行と地上げヤクザの関係とかあるし、別に目新しいことではないのだろう。そもそも原題が「The International」で、銀行を中心とした金融というシステムを介した、国際的な陰謀といったニュアンスだと思うのだが、すっかり金融危機に便乗している。その割に日本での興収はイマイチだな、きっと。一転して敵の冴えない殺し屋と一緒になって戦うという展開に超萌えます。ここだけのために観る価値があると思う。善と悪、表と裏が荒々しく交錯する、作品と時代を象徴するようなシーンだ。主人公の名前も「ライ麦畑」の作者みたいでいい。 わいえすさん [映画館(字幕)] 8点(2009-05-22 22:47:51)

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マーク説明
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【点数情報】

Review人数 37人
平均点数 6.16点
000.00% line
100.00% line
200.00% line
300.00% line
4513.51% line
5718.92% line
61129.73% line
7616.22% line
8718.92% line
912.70% line
1000.00% line

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 4.50点 Review2人
2 ストーリー評価 5.60点 Review5人
3 鑑賞後の後味 5.25点 Review4人
4 音楽評価 6.00点 Review2人
5 感泣評価 3.00点 Review1人

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