みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(8点検索)】
4.《ネタバレ》 みんなひょろっと背が高くて潜水艦乗りには見えないのはおろか軍人にもまったく見えないというのは時代の流れで日本人の体格が変わったのだから文句言っても始まらない。 もう受け入れるしかない。 それにしても軍服似合わなさ過ぎ。 というよりもっとぴったり合った衣装を用意してあげれば良いのに。 だぼだぼでまさに借り物という感じだった。 回天をうまく映画の中で生かしていてクライマックスのトリックなんかなかなか感心したけど、実を言えばあれはありえないことだ。 回天は母潜水艦の甲板に設置してあるだけだから乗り込んだり操作したりするにはまず浮上しなければならない。 潜水中に発艦は不可能。 でもそれを言ったらこの映画は成立しなくなってしまう。 製作する側だってわかっていてあえてうそをついたと解釈したい。 それともみんなそんな事知らないだろうと高をくくっていたのか。 そういったことにはとりあえず目をつぶって(本当に目をつぶったら映画を観られないけど)、これはおとぎ話なんだと思ってみれば良い。 [追記: 浮上して乗り込みというのはごく初期のことで後には交通筒と言う通路が設置されて潜水中にも移乗可能になったそうなので、これは「ありえる」設定でした。 とはいえやはり基本はおとぎ話的作品という思いは変わらない。 戦争映画だけどほとんど人が死なないのが良い。 艦長が海軍軍人らしからぬ口調だけど玉木宏らしくて良い。 実は指揮者になりたかったんだ、なんて冗談で言っていたけどこれは「のだめカンタービレ」を意識してるんだろうな。 米軍側の演出もみんなまともな台詞で良かった。 最近の潜水艦戦争映画ではへっぽこだったローレライを思い出すがこちらのほうがずーーーっと好ましい。 特撮もずっとましだった。 昔の映画としては当然ながら「眼下の敵」を思い出す。 「真夏のオリオン」は明らかに「眼下の敵」の影響を多大に受けている。 さまざまなエピソードが使いまわされている。 製作側も「眼下の敵」が「真夏のオリオン」の原点であると書いている。 希望ある終わり方をしてくれたのが何よりも後味が良かった。 だからこそおとぎ話として受け入れられる。 【称えよ鉄兜】さん [ビデオ(邦画)] 8点(2010-05-02 17:40:16)(良:3票) 3.《ネタバレ》 見る前は潜水艦モノの死闘を期待というか予想していたのだが、よい意味で裏切られたかな。「指揮者になりたかった」でフザケタ、緊張感のない作品である事が確定してしまうし、玉木の貫禄のなさにも違和感は拭えない。が、密室劇としてはよくできてると思うし、敵との心理戦みたいなものもまあまあよく描けていたような。で、見ているうちに玉木的なリーダーシップもアリかなと思えてくる。突っ込みどころは満載だし、結局は戦争ファンタジーではあるのだが、ガンガン人が死んで「戦争もう嫌」的な戦争否定でもなく、日本人は立派に戦ったんだという戦争美化的肯定でもなく、戦争そのものへのメッセージ性を抑え、淡々と戦争を描きつつ、それでいて密室での人間ドラマは充分堪能できた。こういう戦争映画をもっと見たいと思う。 【東京50km圏道路地図】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2014-05-28 11:16:29) 2.《ネタバレ》 太平洋戦争を題材にした現代の邦画っていうと、どうしても現代の価値観が入った描き方をされてしまい、違和感を覚えてしまうことが多い。 もっとも、全く現代の価値観が入ってなかったら、「それは映画ではなくドキュメンタリーだろ」ということは、自分もイイトシなんで頭では分かってるつもり。 でも、体がついていかないとでもいうか、多少知識がある分、どうしても最初から「ケチをつけたい」という気分で見始めてしまう。 さて、この映画も、もちろん現代の価値観が入っている。 艦長の言葉遣いとか、部下への接し方とか。それと髪型も。 さらに最大の「現代の価値観」は、人間魚雷・回天を艦長が「使いたくない」と思っているところ。 これはない。こんな非人間的な兵器でも、使うために多くの人が苦労して載せているんだし、使うのが命令だし。 でも、これが意外と気にならないんだよね。 終戦間近だし、「戦後を見据えて、こんな考えになった軍人さんがいたかも」と思わされるだけの説得力がある。 妙に日本海軍に甘いアメリカ軍の艦長も、ありえないのかもしれない。 クライマックスで自分は「浮上した瞬間に白旗揚げろ!じゃなきゃ撃たれる!」って心の中で叫んでたけど、そうはならなかったし。 でも、「当時の史実とは違うけど、こういう軍人がいてもいい・いてほしかった」というこの映画のメッセージを受け取れた気がして、自分は最後、結構感動して見終わることができた。 【まかだ】さん [DVD(邦画)] 8点(2013-08-12 01:23:56) 1.《ネタバレ》 玉木宏のせりふ回しがよい。他作品では聞き取りにくい時もあるが、ここでは全くない。その理由は、艦長のイメージを掴もうとして玉木が知ったことにある。「声を張って、大きく、早口で」ではなく、「大事な命令であればあるほど、抑えてゆっくりと」「ゆっくり、ちゃんと自分の中で消化してから言葉にする」方が人には伝わる、ということ。命令をせりふに置き換えても同じだ。「上げ舵、20、急げ」は場面にふさわしかった。 後は、よく言われる「玉木の語尾の息漏れ」の問題。例えば「敵、駆逐艦、艦尾方向(フッ)、深さ50。急げ(フッ)」の(フッ)は、なかった方が艦長にふさわしいと思う。息が漏れてイイ時、漏れた方がイイ時、そして、漏れない方が好い時を演じ分けたら、凄い役者になる。漏らさない時は口を閉じればよいだけの事だ。 半藤一利著「昭和史」を読んでいるときに届いた。それで「帰り道を見失わないように」という一句がやけに胸に残る。始めた戦争をどう終わらせるか、侵攻地点からどう帰るかを考えることなく戦争を始めてはいけなかった。 本から窺える中枢部が観念論を振り回す様と、この映画が描く、潜水艦内という小さな現場の冷静さ。“昭和の歴史は多くの教訓を私たちに与えているが、しっかりと見なければ見えない”と半藤は言う。確かに、私たちはまだ昭和をきちんと学び終わっていない。 “艦長の方針に疑問を持ちながら従う航海長”を吹越満が上手く演じたと思うが、それを「頭脳派の航海長」と言う必要はあったか? 「海中の天才」「海上の知将」も同じだ。大げさなキャッチフレーズを使ったことはこの“地味な”映画(戦争下で、極力パニックを起こさずに動いた組織を描けば、地味以外、在り様がないだろう。)ふさわしかったか? 方向違いの期待を観客に持たせて、作品への共感を薄めたのではないか? もったいない。 【TAMAKIST】さん [DVD(邦画)] 8点(2010-03-23 14:59:00)
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