みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(8点検索)】
31.《ネタバレ》 「オスカー獲るほどの映画か?『ソーシャル・ネットワーク』の方がいいじゃん」という批判があったことは承知してますけど、まあこれはこれで良かったんじゃないですか。作品賞はともかくとしても、演技賞は三人とも受賞すべきだったのは間違いなしです。とくにジェフリー・ラッシュ、なんか怪しげなところもあるライオネル・ローグを絶妙な演技で表現していて、脱帽です。コリン・ファースが手に汗握るスピーチをしている前で、始めはまるでオーケストラの指揮者の様に奮闘していたラッシュが、最後には王の言葉に打たれて畏敬の念を示してゆくのはホント名シーンでした。そしてバックにベートーベンの交響曲七番第二楽章を流されては、もう泣くしかありませんでした。 余談ですが本作の日本版予告編は予告編史上に残る大傑作だと思います、これだけで泣けます。 【S&S】さん [DVD(字幕)] 8点(2011-11-16 20:54:41)(良:4票) 30.《ネタバレ》 役者の演技と、堅実な構成が見事。 言語聴覚士や、実際に障害のある方が勇気をもらえることも間違いないでしょう。 吃音の方は、「どもらないようにとあせる」「失敗しないようにと緊張する」ことが、さらなるどもりを生むケースが多いようです。 バーティが吃音を克服できたのは、ライオネルの治療が優れていたこともあるでしょうが、気兼ねなく、緊張せずに話せる相手がすぐそばにいたことが大きかったのだと思います。 ひたすら地味な映画ですが、じんわりと心に響く感動を提供してくれました。 ◆日本版の広告にある「英国史上、最も内気な王」というのはちょっと違うと思います。 内気と吃音障害は全くもって別のものですし、映画を観ると主人公は内気でないばかりか、むしろ感情を抑えきれない激情の人物です。 それとは関係はありませんが、他にも「自閉症」という言葉もよく「ひきこもり」と勘違いされるケースが多くありました。 広く宣伝をする方たちが、誤解を与えるような表記をするのは止めてほしいものです。 【ヒナタカ】さん [映画館(字幕)] 8点(2011-03-03 19:12:16)(良:4票) 29.《ネタバレ》 個人的な話で申し訳ありません。忘れもしない、小学五年生の始業式。新しいクラス替えの自己紹介の際、当時からめっちゃ緊張しぃだったせいで思いっきりどもりまくって、何言ってるか自分でもわかんなくなってしまった経験があります。教師からは、「お前、言語障害か?」と、皆の前で心無い言葉を浴びせられ。まだ「言語障害」という単語も知らず、帰宅して国語辞典で調べました。以来、このトラウマで「人前で話す事」が嫌で嫌で「また、俺どもるんじゃないだろうか・・・」って不安といっつも格闘してました。これはそんな暗い思春期を過ごした、自分とオーバーラップするような、気弱なイギリス国王ジョージ六世の物語。予告編を見た時から絶対観たいと思ってた作品。とにかく、コリン・ファースの、役者として円熟期を迎えた演技にまず圧倒されます。王族としての誇り高きプライド、父親としての娘への愛情、唯一弱さを見せられる存在である妻への甘え、兄王への複雑な思い・・・。彼の一挙一動は、この国王のキャラクターをあざとくなくごく自然に、余すところなく表現していましたね。一番肝になるクライマックスの「スピーチ」後の、バルコニーに立つ彼の表情には国王としてのみならず一人の男として、確固たる自信が漲ってました。いやいや、ここは感動した~カッコ良かった~。自分の恋愛映画№1作品『追憶』でも、「ウィンザー卿とシンプソン夫人との結婚」ネタが効果的に使われていましたが、へえぇ~こういう事情だったのかと、改めてイギリス王室近代史のお勉強をさせてもらった気分。脇のジェフリー・ラッシュとヘレナも含め、役者の演技を堪能する映画ではあるんですが、どうも演出が役者の演技水準までに達していないという印象も。各カットごとに、もう一呼吸欲しいと感じた箇所が幾つか。自分も、もともとの左利きを、幼少時無理矢理右利きに変えさせられたクチ。だもんだから、あの頃「どもり」に悩まされたのかあ・・・と。場数を踏み、いつしか「どもり」は克服はしたものの、私の緊張しぃは今現在でも変わりませんが・・・(汗)祝!!アカデミー最優秀主演男優賞受賞、コリン・ファース! 【放浪紳士チャーリー】さん [映画館(字幕)] 8点(2011-02-28 10:56:45)(良:4票) 28.《ネタバレ》 王族の話、しかも実在したジョージ六世の伝記映画と聞くと平民には分かりにくそうな話の気がしますが、実際に観てみるとストーリーが一種の主人公の成長物語となっており非常にオーソドックスなお話で大変面白かったです。なんせ主人公のジョージ六世は吃音症に悩まされながらも、あの歴史上でスピーチの天才の一人に数えられるであろうヒトラーに打ち勝たなければいけないんですから。そうでないと国民の士気はどんどん下がり、戦争にも不利になってしまう。そんな吃音症を患うジョージ六世をコリン・ファースが熱演、アカデミー賞受賞に恥じない名演技でした。また個人的には彼の吃りを治療するローグを演じた名優ジェフリー・ラッシュのいつも人を食った様な演技が素晴らしかったと思います。彼がアカデミー賞を獲れなかったのは非常に残念です(調べてみたら獲ったのは『ザ・ファイター』のクリスチャン・ベールだったんですね。ものすごいレベルの高い助演男優賞争いだったんだんですねえ)。とにかくその位、役者の演技が魅力の作品でした。では演劇的なシーンばかりかというとそんなことは無く、広角レンズで下から撮ったり、吹き抜けの家を真上から映したり、ジョージ六世が踊りながらスピーチの練習をするシーンはカメラも一緒に回ったり。カメラの面白さの極致はハイライトとなるスピーチの場面。ジョージ六世とローグを交互に映しながらスピーチは進みますが、殆どの画面には必ずスピーチの象徴であるマイクが画面前面に写り込んでいる。つまりこの場面は必然的にテイクをバラバラに撮ったことになりますが、全くそんな編集を感じさせないスピーチになっていました。凡庸な監督なら一つのセンテンスを纏めて適当にパンでもしながら撮っちゃいそうなものです。そんな風に画面の動きを楽しめる部分も多く、監督賞をトム・フーパーが獲ったのも納得でした。監督としてはまだ年齢では中堅ですのに、これだけの名優のコントロール、カメラワークの面白さ、効果的な音楽の使い方。次回作の『レ・ミゼラブル』への期待が高まります。 【民朗】さん [DVD(字幕)] 8点(2012-11-23 19:31:22)(良:2票) 27.《ネタバレ》 国王としての地位が、一種の職業と考えれば、望んで就いたか否かは別にして、その職におけるプロとしての自覚があったかが評価の分かれ目となる。戦争に臨んで、国民の気持ちを一つにすることがリーダーの勤めの一つであり、国民に直接語りかける演説はその重要な手段である。演説と言えば、ニュースフィルムで流れるヒトラーの演説を観て、娘達でさえ上手いと評価している。方やジョージは残念ながら見劣りしてしまう。今の我々が見ても、確かに生まれ持っての才能の差はいかんともし難いと思うほどだ。しかし、この作品は、表面だけで物事を判断してはいけないと語る。国王としての自覚を持ち、ハンディを克服する努力をし、準備を怠らなかった彼こそが、真のプロフェッショナルなのであって、だからこそ、国民はその演説に感動したのだと。誠実さ、謙虚さ、ひたむきさこそが大事であり、自らの立場に真摯に向き合う姿勢こそが人々を感動させるのだ。 【パセリセージ】さん [DVD(字幕)] 8点(2012-05-09 22:30:45)(良:2票) 26.《ネタバレ》 役者それぞれの魅力がとても発揮されてたんじゃないでしょうか。バーティーとローグの掛け合いは楽しく、時に心の友の様にバーティーの子供時代の話を聞くしっとりとした場面もとても良かった。ヘレナ・ボナム・カーターのお茶目で可愛らしい雰囲気もすごく良かったし、こういう伝記映画は敬遠しがちだけど退屈せずに見れましたよ。吃音でろくにスピーチも出来ないという、普通に喋れる人達からすればそう大した問題ではなさそうだが、ラストのあのスピーチは散々訓練して、困難を乗り越えた後に訪れた最大の山場だったのでとてもドラマティックでしたね。見応えありました。 【miki】さん [CS・衛星(吹替)] 8点(2012-03-27 22:11:30)(良:2票) 25.吃音ってもぴんときにくいけど どもりだよね 日本ではこれが元で金閣が燃えたそーな 米国?ではスキャットマンが誕生したんだとかそーでもないんだとか これのどこが大変かってーといまだに原因不明 だいぶよくなったと思って油断してたら突然ひょっこり顔出してNGワードができたり なんつってもおもしろいこと思いついてドキドキしちゃったらいいタイミングで言えなくなる そしてクールなキャラ気取るしかなくなってくんだよね まぁ そんなこんなに 王妃の『素敵な吃音 きっと幸せになれるわ』 ぐっときたぜっ! 最後のスピーチはロックだった 歌はうまくなくていいんだよ 坂本九が我が子に言ったらしい うまくないからこそ伝わるものがある 必死だった 戦争が始まる それの重さじゃない どもりであるが故の必死さが偶然にも人々の心を打つ演説になった 感動もするがなんともドラマチックな話 けど どもり持ちな僕には王妃のあの一言が何よりもよかった 【おでんの卵】さん [DVD(字幕)] 8点(2012-03-27 02:19:50)(良:2票) 24.能力があれば誰でも王になれるわけではなく、またなりたくもないのに王にさせられる人もいる。 エリザベス女王の父ジョージ6世は「悲運の代理王」のイメージだったけれども、それを大きく覆す作品。 自分に不相応と思える場を与えられた人誰もが感じるであろう戸惑いと陰の努力を描いて衒いなく、洒脱なユーモアをまぶして踏み外さない。 インディーズでそれほど豪勢に金がかけられていないのも「しょせん王族の話」との冷ややかな見方もされにくいだろう。 父ジョージ5世がいみじくものたまうように王室という場所で仕事をする人の話。 コリン・ファースはどちらかといえば寡黙な役が多かったように思え、それゆえバーティが必死に言葉をつぎしゃべろうとする姿は新鮮に映り、最後のスピーチは感動的で新たな代表作に。 ともすれば自虐に陥りやすい王を友人として理解し導くライオネル(彼も舞台俳優として挫折を味わっている)のジェフリー・ラッシュは見せびらかすことなく巧み、始めは王が平民の自分に歩み寄ることを求め、最後には自ら一歩退くライオネルには引き際を知る人の清しさがある。 クレジットではファースとラッシュの名が横に並び、この二人三脚の映画にふさわしい。 芸暦長いヘレナ・ボナム=カーターは近年のバートン作品とは違う顔を見せ、愛情深く聡明な王妃。 王と療法士が親しく呼び合うのを内心快く思わぬ彼女が最後にライオネルを名前で呼ぶのは、深い感謝の表れ。 「高慢と偏見」でファースの相手役をつとめたジェニファー・イーリーが、ライオネルの妻として姿を見せるのも嬉しい。 映画の中で幼い王女として登場するエリザベス女王も鑑賞され、愛する父がこのように描かれたことに懐かしさと共に誇らしく思されたのではないかと思う。 【レイン】さん [映画館(字幕)] 8点(2011-03-10 02:01:46)(良:2票) 23.《ネタバレ》 『人前でしゃべれない王様が笑いあり涙ありで困難に立ち向かっていく』と言う、ヒューマンドラマとしてはベタな内容を予想。まぁ流れ的には大体合っていたが、完成度の高さは予想以上だった。 まず話のメインとなる主人公の悩み(スピーチはもちろん自分の子供と話す時も口籠ってしまう)からラストの演説までに起こる出来事や事件が1つ1つバランス良く組み込まれており、ダレる前に次のお場面に飛び、なおかつ描写不足になったり唐突な展開になったりもしないので最後まで集中して観れました。 また登場人物もメインとなるのは主人公夫妻と医者の3人なので、顔も覚えやすく掘り下げるための尺もしっかり取れているので好感が持てます。 特に主人公の王様(王位に就いたのは中盤ですが)。無理矢理王位に就かされてしまった上ドイツとの戦争も濃厚と言うプレッシャーに耐えきれず泣き出してしまいますが、それまでの描写や台詞、俳優の演技なども相まって、いかに彼が『真面目で国民の事を思う優しい王様』かと言うのが伝わってきます。 そしていよいよスピーチの時、若干しどろもどろになりながらも友の身振りや口パクで辛うじて原稿を読み上げます。そして次第に喋りが滑らかになっていき、最後は友も何もせず見守る形でスピーチを終えます・・・・・ああ、思わず涙が。 脚色の程度は分かりません。また際立って素晴らしいと言う部分も表現しにくいのですが、とにかく全体としての出来が良い『ハイアベレージ』な作品でした。笑いの表現ンも全体的に面白く、作品の雰囲気を壊さず程良いさじ加減で投入されているのも○。 少なくても前回の受賞作品に比べればアカデミー賞候補としてうなずける内容でした。 追記:受賞おめでとうございます。 【ムラン】さん [映画館(字幕)] 8点(2011-02-27 03:27:02)(良:2票) 22.《ネタバレ》 兄エドワード8世の「愛する女性の助力無しに、国王の公務は成し遂げられない」という言葉が非常に切実に感じられた。たとえ相手が王妃にふさわしくない女性であったとしても、彼にとっては、かけがえのない女性だったのだろう。王として、私を捨て去ることを求められ、それを拒む兄と、望まぬ戴冠を国民のために受けようとする弟の苦悩は、「平民」の我々には想像を超えた葛藤なんだろうな。 王と対等な立場での治療にこだわるローグは、たとえ売れない役者でも誇りを持って生きていることを、身をもって王に教えているように感じられた。圧巻は、ウエストミンスター寺院でのリハーサル。ローグの素性を知った王が彼を詐欺師だと糾弾する場面で、王座に座るローグ。 「たかが椅子だ」。 鳥肌が立つ程の緊張感が漂い、二人の名演が光るシーンだった。 余計な説明をしない、品格のある映画だった。 【roadster316】さん [インターネット(字幕)] 8点(2019-04-06 01:48:52)(良:1票) 21.《ネタバレ》 音響や映像が洗練されていることは勿論なのだが、なにより登場人物の掘り下げ方がよかった。際立つのはローグの持つ温かみ、安心感。表情から発する言葉全てが温かみを持ち、終末シーンのスピーチのときの言葉「私に向かって話してみなさい」がとてもそれを象徴している。同時に、エリザベスやローグ夫人といった女性の登場人物も、それぞれの夫を一番の理解者として支えている姿が涙もの。特に、王位継承直後の自宅のシーンでジョージ6世が書類に目を通しているシーン。それまでに精神的に磨り減ったすえに言ったジョージの言葉"I'm not the king." ここで自分も涙してしまった。その後のエリザベスの寄り添う姿が本当に素敵。また、ジョージとローグが朝に散歩をして口論して別れたシーンの後で、事情を知らないローグ夫人が全てを悟ったかのように適切なアドバイスをローグに与える。このシーンでも同時に夫を支える夫人の器の大きさに感動した。言語障害(どもり)がテーマの1つになった映画だが、その症状を通して見る者にこれだけの愛を伝えてくれた映画。 【カジノ愛】さん [DVD(字幕)] 8点(2015-06-28 03:00:03)(良:1票) 20.《ネタバレ》 英国王室が舞台・・・堅苦しくて脇役が誰がだれなんだか混乱するかなと思っていたんですが、全くそういうことはなく、とても観やすく馴染みやすい作品です。 風景やセット、カメラもイギリス映画のそれで、無駄な派手さや演出が無くて良いです。 そのままエリザベス1世時代が舞台になってもOKなキャスト、ウォルシンガムもいるしね。 コリン・ファースはイングランド人だし、上品な顔立ちが貴族的で国王役にぴったりです。元々イギリス文芸物、コスチューム物には欠かせない俳優さんですね、ほんとブリティッシュジェントルマンというイメージにぴったりです、声もイイ。 大英帝国の衰退、ナチス、戦争、そういったものが背景にはあるものの、ジョージ6世の成長とローグとの信頼関係と友情の成り立ちが中心なので後味も良いです。 「アナザー・カントリー」から気にかけていたコリン・ファース、TVシリーズ「高慢と偏見」のミスター・ダーシー役でイギリスで最もセクシーな男と認められ、「ブリジット・ジョーンズの日記」のマーク・ダーシー役から俄然目立ってきた、そしてイギリス作品のイギリス国王役でオスカー主演俳優受賞となりました、なんかドラマチックです。 ローグの奥さん役、なんとなく見覚えがあると思ったら「高慢と偏見」のエリザベスじゃないですかぁ、ミスター・ダーシーとめでたく結婚する。イギリスではコリン・ファース=ミスター・ダーシーというのが相当根強いと見た。 しかしなんですね、時代物はあっちもこっちもみんなエリザベスで、男はジョージかヘンリーでここんとこが混乱の素です。 【envy】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2014-11-20 11:43:07)(良:1票) 19.王室継承とか戦争スピーチなどは好きではないが、伝記物映画としてはなかなかの感動ものだった。吃音症の国王役コリン・ファースはもとより、治療に当たった言語療法士のジェフリー・ラッシュが良い味を出していたし、支えになった王妃役のヘレナ・ボナム=カーターもまた良い。演技達者な俳優陣が揃って良い映画になっていたと思う。 【ESPERANZA】さん [DVD(字幕)] 8点(2014-02-05 08:28:50)(良:1票) 18.《ネタバレ》 史実として観るのか、それとも、エンターテイメントに振ったモノとして観るのか、、、そこらへんは評価の分かれるところかと思います。少なくとも、「王室」の壁を越え、一友人として国王に仕え、支えた気持ちは十分に理解できたかと。ラストのスピーチへ持っていく展開は、ある意味ハラハラドキドキで、重い責任とその責任感を果たせた安堵感は間違いなく共有できたかと、感じています。国家を背負う重圧と一個人としての葛藤を、力演したコリン・ファースは賞受賞にふさわしい。そして、それを支える素晴らしいキャスティングにイギリスの誇りを伝える監督の手腕はお見事でゴザイマシタ 【Kaname】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2013-03-18 22:24:32)(良:1票) 17. もしかすると、テンポがないとか、暗いとか、いろいろ批判もあるかと思います。しかし、一人の人間が欠点を克服していく姿、そしてそれを献身的に助けていく姿は心打たれます。いい映画を見ました。 【海牛大夫】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2012-12-25 17:00:36)(良:1票) 16.これぞムービーってな気がいたします。良い意味で。ただし、理解しておきたいのはコレ、既に歴史的認識の高い専門家から事実とはかなり違うと指摘なされているように、私ら客人に向けてかなりエンターテイメントな方向にアレンジ・脚色されているものだという事は知っておくべきでしょうね そう思います。例えば、アルバートの吃音のひどさはかなり誇張されている だとか、例えば、アルバートとライオネルの出会い時期がかなり変更されていた事だとか、アルバートと兄貴:ジョージ5世との関係が実際の関係よりもドラマ性を持たせるために敵対的に描かれていた点だとか、まあ仕方がないとは思えるんですがね エンターテイメントムービーなんで。ただし、その辺、歴史的作品という括りでお取り扱いされる事が予想された以上、フィクション or ノンフィクションという在り来たりの表示だけではなく〝この物語は事実とはかなり異なりますと〟という表示をきちんと万人に分からせる必要があったのではないのかな なんて思ってみたりしています。 【3737】さん [インターネット(字幕)] 8点(2012-12-07 21:22:30)(良:1票) 15.《ネタバレ》 “王”たる者にとって周囲の人間とは「臣民」・「臣下」それに「家族」の三通りしかいないのではなかろうか。「友人」は存在し得ない。神から遣わされた絶対君主に、対等な相手など認められないのだから。しかし時は20世紀、キングであっても平民のドクターに力を借りなければならない時代なのだった。「友人」という前例の無い関係を築くにあたって、それはそれは骨の折れる精神作業だったことでしょうなあ。王にとってもローグにとっても。王族の生まれとはいえ、そこは人間、けっこうなかんしゃく持ちだったり、突如迫ってきた王座のプレッシャーに耐えられなかったり、コリン・ファース演じるジョージ6世はしごく生々しい人間くささをあらわして、畏れ多くも共感できる。妻を相手に「重大な間違いだ。私は王なんかじゃない。」と弱音をぼろぼろこぼすジョージ6世。ああ、弱いところを見せられる相手がいて良かったなあ、と思った。その王妃を演じるヘレナがまた上手い。背中まわりの肉付きのよさにトシを感じてしまうけれど、それがまた王妃たる貫禄になってもいる。ラストのスピーチにはまんまとほろりとさせられた。一言一言、王様が単語を発するたび、次を促すべくローグとともにリズムをとる自分がいた。それにしても、これから戦争だという緊張のほかに、王のスピーチのつつがなきことをも祈らなきゃならなかった関係者各位の気苦労を思うと・・大変だったろうなあ。 【tottoko】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2012-06-12 00:05:12)(良:1票) 14.今までこの話が映画化されていなかったことが意外。 【akila】さん [DVD(字幕)] 8点(2011-09-20 20:15:11)(良:1票) 13.《ネタバレ》 歳を重ねても役者をやり続けたかったライオネルが、最後表舞台に立つ王の後姿を覗き込む姿が大変印象的でした。彼の叶わぬ想いと、父の「王は役者」という台詞もあったとおり、王の吃音症の克服と共に自分(ライオネル)の願いを王へ投影している描写がなんとも言えません。王も友人と認め、ライオネルも陛下と認め合って本当の意味で障がいを克服するシーンも印象的でした。物語りは淡々と進みますが、思った以上に人の感情を丁寧に描ききった良作だと私は感じました。 【honeydew】さん [映画館(字幕)] 8点(2011-03-27 22:27:06)(良:1票) 12.《ネタバレ》 アカデミー賞作品賞受賞作ということで、最近のアカデミー賞は微妙なのが多いという不安も抱えつつ見に行った。だが、そうした不安は解消してくれるいい出来栄えで、また中身がきちんとある映画だった。 ■ストーリーは「吃音という障害を抱えながら、国民に語りかけるという役割を負う国王にならざるを得なかった男の話」という言ってしまえばありがちな感じなのだが、しかし作品中では「吃音の克服」に対してはさして描写は割かれていないのはポイントだろう。結局「幼少期のトラウマ」が「吃音」という形で表れているわけで、本作では「吃音の克服」は同時に「過去の克服」でもある。さまざまなしがらみや人間関係を乗り越えていくところにこそ、「努力」は現れている。 ■そして、「国王」という仕事が、自らの望むと望まざるとに関わらず、さらにいえば向き不向きにもかかわらず、家系によって強制的に「させられる」仕事であるというのは相当なことなんだなぁと見ていて思う。普通ならば話すのが苦手なら話さなくていい仕事を選ぶしそうすべき(ローグも最初そう言っていた)。しかしジョージ6世は選べない立場なのである。冒頭のスピーチは本当に苦境だったであろう。 だが、他方で兄がその立場を蹴って女を選び、王位を降りたという事実も忘れてはならない。本作では兄は迷惑な存在というポジションで描かれているが、彼の行動の方がよほど「一般市民」に近いし、またそうなりたがるのは納得できるところである。運命を受け入れてその中でもがくか、運命自体をどれだけ批判されようとも打ち破りに行くか、そういう対比でもあろう。 ■ここのレビューでは、カメラワークの凡庸さが批判されているようだが、ハリウッドではない、ヨーロッパの作品はこういう静かな映しが多いと思う。むしろ、ローグの診療所での練習シーンでの壁へのズーム&アウトや、卑猥な用語を連発するときに突如ジョージ6世の周りを回転するように映し出す方法は、カメラの写しの軽重とジョージ6世の心情のレベルとをうまくリンクさせていて、なかなか面白い手法だと思った。 【θ】さん [DVD(字幕)] 8点(2011-03-19 00:58:02)(良:1票)
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