みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(8点検索)】
5.《ネタバレ》 一緒に観に行った友人は、「微妙だな…」と言っていた。しかし、デビュー作の『裸足のピクニック』から矢口監督の作品を観ている自分にとっては、かなりツボだった(作中にわざわざ嘔吐シーンを入れる監督は信用できる)。正直、『ウォーターボーイズ』以降の作品は「らしくない」という印象だったが、今回はまさに本領発揮、矢口節全開だ。ロボットの中に爺さんを入れてしまおうという、そもそもの発想自体がいい加減。その爺さんを演じるのがミッキー・カーチス。周囲からは認知症と疑われ、家族からも若干疎まれ気味の孤独な老人だ。しかし、そんな彼が、ロボットを「演じる」ことで、ある種の生きがいを見出していく様は感動的でさえある。彼と共犯関係になる三人組のロボット開発者たち、そしてロボットに恋する女子大生。みんな不器用で孤独で、限りなく優しい。久し振りに良質の日本映画を観た。 【フライボーイ】さん [映画館(邦画)] 8点(2012-01-20 00:42:01)(良:2票) 4.《ネタバレ》 群像劇を得意とする矢口史靖監督の作品、と云う事で、封切日早々、観に行った。期待通り、巧みなプロットで、観る者を引き付ける、笑わせる、そして頷かせる。 ヒト型ロボットなんて作れる筈が無いから、手っ取り早く、人に入って貰って急場を凌ごう、と云う発想をする男3人組と、奥さんには先立たれ、地元老人会に顔を出すだけが社会との接点の、何処にでも居そうな初老の男性主人公。この意外な組合せが、秀逸な展開の鍵。 展示会だけなく、駅前でもロボットをお披露目しろと社長に云われ、窮地に陥る3人組と、世間で評判を取ったロボットだけど、実は中に入っていたのはこの俺なんだよ、と云っても、誰も信じず呆けとしか受け取って貰えない不器用な主人公が、駅前交差点で遭遇する。このシーンは素晴らしい。瞬間、人の愚かさと哀しさが喜劇を生む。困った3人組を一瞥するや否や、状況を察し、不本意ながら協力することを決意するのを物語る主人公の一瞬の表情の演技に、正直、可笑しくて涙が出た。 ここからの展開は急ピッチ。先を読めない4人が、あたかもシリアスな事態になろうかというラストに向かって、行動がエスカレートしていく。ここら辺から登場するロボットお宅の女子大生の存在も良い。実は彼女も、4人同様、周りが見えないというか、深く考えずに大胆な行動を取るタイプの人間だ。この共通性が、ラスト近くのクライマックスで、そして正にラストシーンで、本領発揮する。 根幹は優しさか。立場もあろうが、無理難題を受け入れるお人好し3人組。彼らを助ける主人公は孫思いのおじいちゃん(ロボット姿で娘宅に行く?!)。ロボット騒ぎに振り回されている4人の立場の大変さを最後は慮る女子大生。皆、呆れる程、優しい。 ラストシーンの主人公の表情も最高。困った4人組(3+1になっている)を、あたかも待っていたが如く、歓待するが如く、ニヤっと笑って受け入れる。 一種、ファンタジーだけれども、また観たいと本気で思う。 【Postef】さん [映画館(邦画)] 8点(2012-01-16 19:32:07)(良:2票) 3.ソニーのアシモなど人間型ロボットのスムーズな動きに「着ぐるみ!?」とつい間接部分を注目してしまうアトム世代には嬉しい出来栄え。ちょっと怪しい動きが気になりだした頃に行った大学でのロボット工学の講義シーンが一気にリアリティを生み出したし、何より「ニュー潮風」という、まるで洗濯機や冷蔵庫のような白物家電風なネーミングがキュート。「鉄腕アトム」じゃないけど、やっぱりロボットは人類を幸福にさせるものなんだと再認識。大いに楽しませてもらった。 【Q兵衛】さん [映画館(邦画)] 8点(2012-02-08 10:18:04)(良:1票) 2.まずは、濱田君とチャン・カワイと、もひとり、誰だか知らぬが地味なノッポを交えた三人組がリアルで面白くてそこがツボ。 そこに年金ジジイが絡み、吉高が絡み、ダメダメ女子の定番:田畑の智子さんが絡んできたりするもんだから さらにツボ。 小野武彦社長の一方通行ぶりがまたリアル過ぎるんではないのか さらにツボ。 竹中直人の3秒出演 あれでギャラいくら?(笑) 想像通りで期待通りの内容で楽しませてもらった。 スタッフロールとエンディングソングまでびっしり楽しませてもらった お後もよろしい。センスいい~♪ 【3737】さん [DVD(邦画)] 8点(2013-01-01 23:55:35) 1.レンズ越しの主観ショットが様々に変奏される。 まずは序盤で老人会の劇を撮るホームヴィデオカメラの慌てた揺れが醸し出すユーモア。手振れ画面というものを映画に活かすなら、こうあって欲しい。 ロボット頭部内でレンズの焦点調整するショットのチープな感覚の楽しさ、 盗撮の望遠カメラが捉える五十嵐信次郎の佇まいの孤独感もいい。 (窃視によることが、いっそう素の人間性を感じさせる。) おてもやんを踊り、ぎっくり腰で担架に乗せられ、工作アームに振り回されるロボットの可笑しさはいかにも矢口印だが、被り物による外見が内部を想像させるという点を見事に笑いに活かしている。つまり、見えないことが映画的強みとなっている。 「歩行」のアクションひとつで人間味を醸し出すことにも繋がっており、その成果も上々だ。 そして、吉高由里子と五十嵐信次郎との間に交わされる手と手の接触がチャップリン『街の灯』の感動を淡く呼び覚ましてくれる。 バンと並走しながら、投げキスする吉高由里子のコメディエンヌぶりも楽しい。 【ユーカラ】さん [映画館(邦画)] 8点(2012-02-05 16:36:37)
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