みんなのシネマレビュー |
|
|
|
ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(8点検索)】
4.《ネタバレ》 スコットランドの世相は、いろんな映画を観てきたがいつも不景気で大変だ。若者の失業率の高さ、はびこるドラッグ、天気まで悪い。実際、階級社会であるところのかの国で、社会の底の方にいるとそれはそれは這い上がることがキビシイそうだ。わが国と比べて社会構造がずっとシビアなのだと聞いたことがある。 ケン・ローチという人は、そういう苦労している階層の人々に寄り添う作品を撮る監督だが、今作はまたかなりの力技に持ち込んでいて、一種のカタルシスみたいな感興もわきます。 ”自然と無くなる”2%のウイスキーを天使の分け前とは美しいネーミング。たかが酒樽に、とてつもない額を出せる人間がいる。そんな人たちにとっては ほんのわずかの”分け前”を頂いたところで、それこそ天使の采配のうちでありましょう。頂いた”ギフト”を元手に、それぞれが健全な道をゆくことを祈る気持ちでいっぱいだ。 世話になったハリーに一瓶進呈する律儀さ、半分を”うっかり”で失ってしまう奥ゆかしさ、ケン・ローチのこんな演出が好きだ。 ロビーがこの先醸造所で働いて、障害を負わせた相手に少しでも償おうとしてくれればなあ。してほしい。 【tottoko】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2015-07-07 00:11:53)(良:1票) 3.《ネタバレ》 表面的なストーリーはハートフルなんですけど、結局は主人公たちのような労働者階級の人間は、人並み外れた才能と宝くじに当たるくらいの運がなければ「負の連鎖」が渦巻くコミュニティから中々抜け出せないというイギリス社会の問題点が背景に隠されていて、さすがケン・ローチだなと思いましたね。 この作品の本当の主役は、実は主人公のロビーではなく彼を取り巻く人々の方ではないですかね。で、ロビーのサクセスストーリーもどこか違和感を伴うものとなっていて、その違和感が何なのかを我々に考えさせることがケン・ローチ監督がこの作品を作った狙いなんじゃないかと思ってしまいました。 まあ、やり切れないラストよりも一応ハッピーなラストの方が好きですけどね。 【TM】さん [DVD(字幕)] 8点(2013-12-23 23:59:29)(良:1票) 2.ある新聞で記者が「ケン・ローチって辛気臭くて嫌いだったが、本作品は例外的に面白く好き」と書いていた。「え~っ!?」と思って、「辛気臭い」を広辞苑(第五版)で引いてみたら「思うにまかせずくさくさした気分である。じれったく、いらだたしい」とある。これは、第五版だからか? で、ネットで他辞書を調べると「気がめいるさま」というのがあった。多分、前後の文脈からして記者のいうのはこれだろうな、と思うし、私の中での「辛気臭い」の日常的な認識もコレだ。で、やっぱり「え~っ、、、」なんであるが、よく考えると、広辞苑のいう意味では、確かにローチ作品は「辛気臭い」のかも知れないな、とも思った。人が思うようにいかない現実に悩み、葛藤する様を描き続けているのだから、まぎれもなく辛気臭いのだろう。だけれど、だからといって、決して見ている者たちを滅入らせる作品ではなく、そこには必ず希望や救いがあるのだ。だから、記者の言う「辛気臭くて嫌いだった」というのは、やっぱり共感できないのである。・・・で、本作だけれども、ローチはやっぱりローチだった。ローチ作品を見ていると、逆境から抜け出すのは、本人の意思+「人の力」が欠かせないと言いたいのがよく分かる。人生や世の中には「どうにもならないこと」「不可抗力」は必ずある。それを跳ね返すのは、結局自分自身でしかないけれど、それをほんの少しだけ支えたり見守ったりする周囲の人の小さな力が欠かせないのである、ということを忘れてはいけないと改めて教えられる。「運命論なんか嫌いだ」と言い放つエリートより、「人生はままならん」と一見くたびれた風の、肩を落としながらも踏ん張れる人の方が、よほど魅力的。・・・しかし、これで、本当に「銀座テアトルシネマ」は閉館となってしまった。本当に哀しい。自分で思っていた以上に今、寂しさを感じています。ああ、ミニシアター、頑張れ! 【すねこすり】さん [映画館(字幕)] 8点(2013-06-02 15:54:17)(良:1票) 1.ケン・ローチ「明日へのチケット」以来、久々の大ホームラン!!大満足。 【白い男】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2014-11-12 15:25:03)
【点数情報】
【その他点数情報】
|
Copyright(C) 1997-2025 JTNEWS