みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(8点検索)】
20.《ネタバレ》 オープニングは私立小学校の面接から始まる。ある一家が面接を受け、可愛らしい子どもが行儀良く質問に答えている。面接後、父親である主人公が「キャンプになんて行ってないよな?」と聞くと、子どもは「塾でそう答えるって教えられたから……」。父親は「お受験塾もよく考えるよなぁ」と単に感心している。この映画はそんな嘘の家族像から始まる。 そんなオープニングとは対照的に、映画のラストで主人公は何もかもをさらけ出して我が子の前に立つ。やっと本音を伝え本当の家族となった父子を観て自然と涙が出てきた。結局映画の始まりと何ら家族構成は変わらなかったのに、これだけ感動させられると言うのは矢張り主人公の描き方が優れているからだろう。 この主人公の嫌な感じの描写がとにかく素晴らしい。単に嫌味なヤツ、最低野郎などではなく、ギュッと絞ると自然に滲み出る様なヤな感じなのだ。例えば、樹木希林演じる義母に「(同じく子どもを取り違えられた夫婦が)どんな人だった?」と聞かれ、主人公は一言「電気屋だった」と答える。相手の人となりを見ず、相手を社会的地位や経済力で判断する主人公の感じの悪さが上手く現れている。また『ガリレオ』シリーズと同じく完璧人間を演じる福山雅治が実に良くその役柄に合っている。 「本当に父親らしいとはどういう事なのか?」というありきたりなテーマで、結論も「しっかりと子ども触れ合い、真剣に愛する」というありきたりな物なのですが、監督の手腕の高さで一級の人間ドラマに昇華されている。名監督に題材の平凡さは関係無いという好例だと思います。 【民朗】さん [映画館(邦画)] 8点(2013-10-10 23:04:18)(良:3票) 19.《ネタバレ》 知らぬが仏とでも言えば良いのだろうか。 言うだけ言って、選択を委ねる病院は無責任だ。 4人の親が全く異なる性格の持ち主であるのが面白い。 気の強い真木よう子、おちゃらけていてるリリフランキー、気難しい福山雅治。 そして静かに苦難を受け入れる尾野真千子。(個人的には彼女のキャラクターが一番すきだった) 様々な個性と考えがぶつかり合い、最後には子供だけでなく親たちも成長している。 一方で、斎木家の描写をもう少し観てみたたいとも思った。 リリー・フランキー演じる斎木雄大もなにかバックストーリーを持っているはずだ。 最後風呂の中で慶太くんが静かに見つめる雄大のタトゥーがそれを暗示している様に感じた。 そして、父になるというタイトルのセンス素晴らしい。 最後双方がどちらの選択を取ったのか観客の我々には分からないが、 どちらの選択をしても今後苦難が待ち受けているのは間違いない。 それでもどちらの家族も応援したい。そしてどちらの家族もその苦難を乗り越える事ができるだろう。 そんな風に思わせてくれるちょっと悲しいけど爽やかな映画だった。 【鈴木】さん [インターネット(字幕)] 8点(2017-08-27 19:26:35)(良:2票) 18.《ネタバレ》 去年の6月にテレビで見たらしいがCMが多くて変なCM入りだったとあるので地上波かな。 プロットは割と単純で、出生時に取り違えになった男の子ふたり。 父親二人は、片方(福山)はエリートで多忙で嫌味、もう片方(リリー)は貧乏で奔放で暇。 ちょうどエリートのほうは、なんで自分の子供なのにこんなにできないんだ?と思っていたところ、という。 ここまではまあまあよくある話なんだが、ここからの味付けで本当に才能に差が出るなぁと。 まぁ、ただ、嫌味に見ればこれは逆算の映画かな、と。 最初にたぶん福山ありきで持ち掛けられた話じゃないかなと。 そこで監督は思いつくわけだ、そうだ、福山を嫌な役にしようと。 福山といえば大体いい役だから、そういう「役職」の「いやな性格」に、 その逆といえばで意表を突いたと言えるのがリリーだろう。 以降リリー=貧乏父さんというイメージが付いて回るわけだが。 なんにせよこの話の気持ち悪いところは、誰にでも共感できるところだろう。 子供を自分の子供じゃないと思うのは男親だけかもしれないが 子供がこの親本当に自分の親なのだろうかと考えるのは人生に一度くらいはあるだろう。 親がよく冗談で言う「(元から)うちの子じゃない」「橋の下から拾ってきた」の延長とも。 それにしても元々俳優である福山の演技はお世辞にもうまいとは言えないのが 元々漫画家だった演技のうまいリリーとの対比で、福山の演技も許せるかなぁと。 この見せ方も明らかに監督の計算だろうのは言うまでもないのでやはりうまい。 そして何よりこのタイトル、これは明らかに福山が演じる父親に100%かかっている。 リリーの演じるほうではない、というところだろう。 【にんじん】さん [地上波(邦画)] 8点(2019-08-21 03:42:27)(良:1票) 17.《ネタバレ》 母ではなく父に焦点を絞ってるのがよーくわかりました。母の持つ強さを父が持っていると思ったら大違いだよと。 福山のような父親はたくさんいると思いますし、仕事重視でもいいお父さんの方だと思います。でも福山はおおいに不条理な選択を迫られます。悪いのは子どもを入れ替えた看護師なのに。受け入れがたいことをなんとか受け入れようと努力してます。福山を悪者と思って映画を観ることはできませんでした。リリーフランキーは確かに良い父親です。でも2人の父親を対比するのは福山に悪すぎて…。 私も父親ですが、今となっては子どもに会わせてもらえない父親になってしまいました。離婚。もう最初からえぐられる思いで鑑賞しました。福山ー。私の方が悪い父親だよー。福山ー。がんばれー。福山ー。お前なりによくやってるよー。家族として機能してるじゃん。応援してるよー。林を作ってセミがやってくるまで15年もかかるんだよー。まだまだ大丈夫だよー。いけるよー。私なんてぐちゃぐちゃだったよー。てな感じで観ましたσ(^_^;) ラストはどうなるんでしょうか?すっごいところで映画終わるなと。 でも、ハッピーだと信じたい。 【JF】さん [DVD(邦画)] 8点(2015-06-24 16:39:33)(良:1票) 16.《ネタバレ》 本当の子供とは血の繋がった子なのかそれとも共に過ごした子なのか、そしてどちらを選ぶのかを問う映画では決してなく、まさしくタイトル通り「父になる」、父とは何かを問う映画だったと思います。福山雅治はどちらの子にも失格の烙印を押され、父親の責任、意義、そして素晴らしさを子供達から学んだように見えます。こんな僕が父になっていいのか?でも、父になりたいと切に願う僕にとって胸を打たれるような映画でした。結局父とは何かは分かりませんでしたが、もしいつか我が子を授かう日が来れば生涯をかけてちゃんと我が子を愛せているのか、ちゃんと父として務めているかを、そして父になるとは?ということを自分の心に常に問うて生きていかなければと気持ちを新たにさせられました。 【うー】さん [ブルーレイ(邦画)] 8点(2015-02-06 15:46:10)(良:1票) 15.《ネタバレ》 確かに映画は進化してる。役者の演技らしからぬ演技を引き出す是枝さんの演出。内容もとてもいい。最後までどうなるか、分からないストーリー。仮に子どもの交換だって、今の時代、なんか平気でやりそうな大人ばかりだ。だから、どんな最後でも、あ~そんなもんか、そんなもんだよね、って言ってしまいそうになる。映画が生まれてから、創られた映画の中で一生懸命、人間ってそうじゃないよね、って映画人がずっと叫んできたのに、時代はますます非人間的になってきてる。それでも言い続ける映画が、映画人が僕は好きだなぁ。 【トント】さん [DVD(邦画)] 8点(2014-04-26 09:56:29)(良:1票) 14.《ネタバレ》 自分なら迷わず育ての子供を選びますが。 やっぱり子供物はダメだね。 この歳になると涙が出らあ! 【kontiki】さん [ブルーレイ(邦画)] 8点(2019-09-24 08:05:05) 13.私も男の子の母親なので、母親達のリアリティある演技に自分を重ねました。 尾野真千子さん真木よう子さん、それぞれのキャラクター良かったです。 大人も子供も悶々とした気持ち、私にもずしっと重い。 実に辛いです。 子供たちそして親の幸せを願うばかり。 【たんぽぽ】さん [地上波(邦画)] 8点(2018-11-07 16:19:19) 12.絵に描いたような白々しいスーパーヒーローではない福山を、おそらく初めて見ました。(出演作をすべて見てきたわけではありませんが。)いつもとは調子が違うせいか、いささかぎこちない感じもしましたが、けっこう熱演だったように思います。 それにしても重い話です。しかも現実にある話だから、恐ろしい。しかし6歳にもなっていきなり交換するというのは、さすがにナシだと思いますけど。どういう道を選択するにせよ、スッキリ解決とはならないわけで。どこかで覚悟を決めて割り切るしかないのでしょう。 それはともかく、派手なドンパチがあるわけでもなく、豪華スターがズラリと勢揃いしているわけでもなく、安っぽい笑いでごまかすわけでもなく、それでも固唾を呑んで見守りたくなるような映画でした。「大人の鑑賞に堪える」とは、きっとこういう作品を指すのだと思います。 【眉山】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2017-09-27 23:51:05) 11.《ネタバレ》 ピエール瀧&リリー・フランキーってコンビ?まさに凶悪? いや、フランキーさん、いい役。 「大事なのは一緒にいる時間だよ。」いいセリフ。 最後は・・・ご想像にお任せします的だったから、嫌いかな。 主人公と父親、血のつながった子供、よっぽどうまくいかない。 風吹ジュンさんが後妻で2人を育てたこと、 子供をわざと取り替えて、守ってもらった息子も血のつながりは無い。 (馬は血だ、犬猫でも交換は・・・だの、そういう発想は置いといて) 途中、流れるバッハの「ゴールドベルク変奏曲〜アリア」が痛かった。 ここでこの選曲はすごい。 ハンニバルレクター的★ 【新しい生物】さん [DVD(邦画)] 8点(2016-09-26 01:19:04) 10.子供を取り違えて育てるなんて。なんて残酷な映画なんだ。親の葛藤、子供の葛藤をあるあるで上手く表現出来てる映画であり、感心しました。また、自分の子供に対する見方も考えさせられた。ウチのは間違いなく自分の子なので、こんなに平凡な暮らしが出来ているって感じです。 【SUPISUTA】さん [地上波(邦画)] 8点(2016-08-29 08:41:45) 9.《ネタバレ》 6年間過ごした(取り違えの)子供がそれまで通りの元サヤにもどるのか、どちらとも取れる場面で終わる。 病院側は交換する前提で最初から話を通そうとするが現実はそうならないでのはないか。 きっちり結論を描くバージョンがあってもそれはそれで興味深く、見てみたかった気がする。 【MASS】さん [地上波(邦画)] 8点(2015-08-24 13:49:28) 8.福山雅治が熱演する冷たい主人公にも共感するところが多く、思わず今迄の自分の父性を振り返ってしまいます。子等とじゃれ合うシーンにぎこちなさを感じますが、結構涙腺の緩む作品でした。 【ProPace】さん [地上波(邦画)] 8点(2015-02-17 22:28:48) 7.《ネタバレ》 どちらも悪くないし解答がでてこないストーリー。 嫌いではないです。子供が一番辛いですね。一番いいのは一年単位で田舎に遊びに行く的なやりとりが一番なのかなぁ。 【とま】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2014-12-29 12:36:01) 6.《ネタバレ》 凄く良い映画ですね~。まずなによりも脚本が素晴らしい。血を選ぶのか、これまでの時間を選ぶのかって、正しいとか正しくないで判断出来ない、正解のない、割り切れないテーマを持ってくるわけですから。そんでまたそのテーマが人類普遍なもんだから、外国で好評だったのも頷けます。福山雅治、尾野真千子、真木よう子、リリー・フランキー、みんな良い演技してたけど、でも子供たちの演技が一番素晴らしかったかも。とっても自然で、真に迫ってました。印象深いシーンは多いけど、カメラに撮影された写真を発見して涙ぐむシーンがやはりぐっときました。丁寧で、そして1シーン1シーン丁寧に撮られていて、ハード的にも巧かったですね。 【あろえりーな】さん [ブルーレイ(邦画)] 8点(2014-06-30 21:55:47) 5.《ネタバレ》 とても丁寧な作りで、ドラマへの没入感は半端なかったです。対照的な親子を登場させることで、主旨も非常に分かりやすくなっている。福山雅治側にだけこだわって作ったのも、正解だと思う。多くの観客はリリー・フランキーの人懐っこい父親に共感するはず。なのにあえてそちらサイドのエピソードをそれほど盛り込まず、あくまでも福山雅治側に焦点を絞ったことは高く評価したいです。ただ、離婚かと思わせるほど険悪になってもなぜ別れないのか?その辺りの奥さんの心理描写が少し描かれていると、彼のキャラがもうちょっと掘り下げられた気もします。それから写真。子供が知らないうちに撮っていた写真。その写真を見て良き父親として急に目覚める。で子供を交換。あれ?リリー・フランキー側の気持ちは?そこがちょ~っと強引過ぎかな。まぁそれらを差し引いても心にグッとはきたので、いい映画としましょう。「父親だって取り返しのつかない仕事だろ!」一番グッときたセリフです。 【Dream kerokero】さん [DVD(邦画)] 8点(2014-04-29 18:15:37) 4.とにかく、間が良かったです。子供を交換した後の家族と子供の間が変わり、違和感や気まずさが生じているのが伝わりました。それだけ6年間を埋めるのは難しい。 写真の使い方もとてもうまかったです。 【Yu】さん [DVD(邦画)] 8点(2014-04-25 17:25:05) 3.血の繋がりを取るか、心の絆を取るか?父として考えさせられる作品。福山一家とリリー一家が対照的に描かれており、リリーパパの振る舞いが非常にリアルで共感持てました。 【tonao】さん [映画館(邦画)] 8点(2014-01-08 12:27:09) 2.《ネタバレ》 帰省して母親と地元の映画館で鑑賞。 観始めたらなんと舞台地が身内が出産経験した土地、隣には母親。 泣く為の舞台演出はばっちりでしたw 母親でなく父親を主人公にしたのがよかったと思う。 「もし自分の子供が取り違えだったら交換する?」と聞かれたら 「絶対返さない、返すわけがない」と多くの母親は脊髄反射で答えるのではなかろうか。(子供のいない私でもそう答えるし、母親もそう答えた。) いわゆる「女って生き物は感情で語る」が如実に現れるケース。 ここで「いま子供可愛いだけでは済まされない現実問題がこれからどんどん出てくるんですよ? いま対処しないでいつやるの?今でしょ(これももう古いか)」 と冷静かつ合理的思考に基づき言えるのが男という生き物なのかもしれない。 それが苦渋の決断のうえで発した言葉ではなく、いままで子供を直視してこなかった 関係の希薄な父親が言うだけにより冷血無慈悲に映る。うまい。 こういうジェンダーの違いをはっきりさせ尚且つ社会的に成功していても家庭内では肝心なところが欠落している主人公が成長していくさまを淡々とたくみに見せるという作品はベタだが私は好きなのである。 実はこの監督作品を観るのは初めてで、それも「誰も知らない」は下地の事件を先に知っていたのでその陰惨な実情が感動作品にすりかえられる事に反発していたのがある。ノンフィクションが下地になっているのは「そして父になる」も同様で、実際の当事者達はもっとどろどろと愛憎入り乱れて苦しみぬいたと思う。そういう点ではエンターテイメントに落とし込んで綺麗にまとめすぎた感は否めないけどこれはこれでドラマ劇としてアリなのかなと感じた。 余談だが、この映画はシニア世代の多そうなときは鑑賞は避けたほうがよいかと思われる。完全に孫か、かつての我が子を見る眼で鑑賞するものだから子役がスクリーンではしゃぐたびに「かわいい~!かわいい!」と感嘆しクライマックスではあちらもこちらもおばさま達の嗚咽まみれになった。あの世代にはクリティカルヒットなので静かに落涙なんてとてもできない。かくいう私の母も同様で、周囲の皆様お騒がせしました…申し訳ない。子供を撮らせる事に関しては随一の監督というのもうなずけた。 【どぶん子】さん [映画館(邦画)] 8点(2013-10-15 00:35:34) 1.スピルバーグが惚れ込むのもよく頷ける、父と子のドラマである。 映画祭での評価は、勿論そんなテーマがどうのこうのといったものではあるまい。 テーマなら小説ででも語ればよいのだから。 デジタルカメラの再生画像を見る福山雅治の横顔。 その頬を涙が伝っているのか、いないのか、微妙な自然光の加減が素晴らしい。 列車の座席で二宮慶多に「どこかに行っちゃおうか」と語りかける尾野真千子の横顔。 ふと影が差し込み、画面は暗転。その表情は判然とせず、 彼女の思いつめているだろう輪郭だけがうっすらと浮かびあがる明暗が素晴らしい。 スピルバーグはこの慎ましくも豊かな光の表現に触発されたはずだ。 リリー・フランキー、真木よう子が子供たちと触れ合う身体表現もいい。 河原で尾野の肩をやさしく抱き、勝手口の上がり框で二宮を抱きしめてやる真木。 その相手を受け入れる手の動きが、そしてそれに応える二人の手のリアクションが 豊かな表情となっている。 黄升炫が詫びながら顔を覆う手のいじらしさも忘れられない。 【ユーカラ】さん [映画館(邦画)] 8点(2013-10-09 22:48:26)
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