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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(8点検索)】
9.《ネタバレ》 まずなによりも「緋牡丹のお竜」へのオマージュでスタートしたこと。この作品の通奏低音は富司純子つまり藤純子だってことです。そのうえに、なんと緋牡丹博徒の主題歌以降絶対に歌わなかった富司さんに歌わせたのがすごい、よくOKしたな。この2点だけで評価は上がりますね。個人的に「ムーンライト」のシーンがMGM(たとえば「雨に唄えば」とか「バンドワゴン」に特徴的)というか、クレージーキャッツ映画的で素晴らしかった。配給が東宝だから似たのかな?このシーンに出てた大原櫻子は逸材だと思います。ちょっとトロくなるとこもあるけど、よろしいんじゃないでしょうか。もっと「ピグマリオン」でもよかったかも知れない、ラストの台詞がちょっと浮いてるから。京都弁ネイティブ二人と、京都の学校と撮影所に通ってた富司さんだから言葉的な破綻がなかったのは見事。主演の娘は掘り出し物だとは思いますが、この先がむつかしいね。舞台方面に行っちゃうしか日本では活躍の場がない気がするけど、少し背が足りないから舞台映えしないんじゃないかな? 【shintax】さん [映画館(邦画)] 8点(2014-09-18 17:04:03)(良:1票) 8.《ネタバレ》 この映画には二つの大きな軸があります。一つは京都の芸者、舞妓のジャンル映画としての側面。もう一つは方言ギャップコメディとしての側面。それにミュージカルを加えて、かつ違和感なくどちらの要素も充分に描いている、これは大変凄いことだと思います。丁寧な脚本じゃなきゃ絶対にどちらかがお座なりになるか、どちらも半端な出来になることでしょう。 私は濱田岳演じる大学院生と同じく舞妓さんも所詮は水商売の一つと思っていて、キャバクラや接待など、仕事が介在する酒の席は正直気苦労しか感じたことがないので、所謂芸妓さんの世界には興味も憧れも無かったのですが、舞妓さんのお稽古の大変さ、男衆という芸妓・舞妓の身の回りの世話・着付けをする専門の職業があること、なぜ一見さんは断られるのか、舞妓さんのアルバイトを雇わないといけない状況、等舞妓さんにまつわる薀蓄は初めて知って面白かったです。 またミュージカルでありながら、着物でお遊びをする芸妓さん・舞妓さんの美しさはキチンと描いている点が非常に好印象でした。着物で現代的なダンスをする舞妓さんも面白かったけど、要所要所で入る舞妓さんの舞踊の美しさも忘れていない。特に富司純子さんは素晴らしい立ち回りで、その舞踊の一挙一動の艶やかな動きには惚れ惚れしました。まるで上村松園の美人画を見ている様で眼福でした。歌舞伎もそうですけど、ああいった舞踊ってキメがあって見栄を切るから、独特の美しさがありますよね。現代的なミュージカルシーンに安直に混ぜず大正解。 ちょっと残念だったのは主演に抜擢された上白石萌音さんが大変歌が上手であるのに、その歌の尺がやや物足りないこと。特に長谷川博己演じる言語学者への恋を自覚した時に、花街の真ん中で歌うシーン(照明が実に良かった!ただの街がいきなり舞台に変貌する感じ!)は物語上でも重要な筈で、そのスコアも良かったのに結構あっさり終わってしまう。もう少しじっくり歌を聴かせてほしかった。 後はややストーリーが予定調和に進み過ぎる感もありますが、真っ当な青春映画としてはこれくらいが丁度良いかも知れません。芸に厳しい人はたくさんいるけど、真の悪人が一人もいないというのも良かったですね。舞妓さんの魅力を今に伝える良作だったと思います。 【民朗】さん [映画館(邦画)] 8点(2014-09-14 22:48:21)(良:1票) 7.《ネタバレ》 舞台となる下八軒は京都五花街の一つである上七軒のもじりですね。つまり架空の花街なんですが、ファンタジーを基調としたミュージカルですからセットで撮影されるミュージカルとしては完全に人工的な夢世界の設定でもあるわけです。周防正行の今までの作品には、劇中でのバック・ミュージックの使い方のセンスにはミュージカル風味が感じられていたので、ついにミュージカル映画を手掛けたということには驚きはあまりなかったが、タイトルが『マイ・フェア・レデイ』のダジャレとはびっくり。内容もまさにイライザとヒギンズ教授のストーリーを京都の花街の舞妓に兌換するというアイデアはなかなか奇抜ですな。「京都の雨はたいがい盆地に降る」なんて『マイ・フェア・レデイ』の“スペインの雨”をパロったような歌もありましたが、だんだんと独自の世界線が展開されていたと思います。やはりこの映画は800人の中からオーデイションを突破した上白石萌音の存在無くして成立しないでしょう。その後に紅白歌合戦にも出場したぐらい歌手としても活躍していますけど、その歌唱力は半端ありません。あのテーマソングは、初めて聞いた時から頭から離れない中毒性があります。長谷川博己を始め他の出演者の皆さんもほんとお上手、もっとも高嶋政宏だけはほとんど怪演でしたけどね(笑)。まだ芸能界デビューして間がない頃の上白石は仕込み時代の春子の野暮ったさが似合っていたけど、舞妓になってからの可憐さは思わず瞠目してしまいました、まさしくアイドル誕生です。こういう観る者を愉しませてくれるミュージカル映画がもっと日本映画には必要なんじゃないでしょうか。 YouTubeにアップされている京都花街の動画を観ると、「ここは本当に日本なのか?」と絶句するぐらい外国人観光客であふれかえっています。みんな舞妓や芸妓が現れると群がって写真を撮りまくり、でも彼女らは誰も視界に入っていないかの様に凛とした歩みでお茶屋に入ってゆきます。今や彼女らはファッションモデルで、京都の小路はランナウェイなんだなと感じた次第です。 【S&S】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2023-11-15 23:42:14) 6.《ネタバレ》 面白かった♪ 着物でミュージカルという発想がいい。 しかも着物といえば、舞妓さん、芸妓さん。 彼女らに躍らせるなんて、日本の映画として、どうして誰も今まで撮らなかったのか? この難しい映像を見事に裁く周防監督も只者じゃない! 日本の文化遺産の、京都の舞妓をこう残してくれた監督に感謝! しかも着物の似合う女優として、この人以外ありえないという富司純子! 姐さんがいなきゃ! 追伸)芸妓さんのパフォーマンスは東京オリンピックでも見てみたい♪ 【トント】さん [DVD(邦画)] 8点(2018-07-28 18:38:29) 5.《ネタバレ》 周防正行監督が「シコふんじゃった。」以来、久々に手掛けた青春映画で、「マイ・フェア・レディ」を下敷きにひとりの田舎臭い少女が京都で一人前の舞妓になるまでを描いている。周防監督がいつか「シコふんじゃった。」と対になる青春映画を作りたくてようやく実現した映画だというが、男性だけの世界である相撲に対して女性だけの世界である舞妓に目をつけるのは着眼点がいい。ミュージカル仕立ての映画で、そこはまさしく「マイ・フェア・レディ」を意識しているようで、何よりもまず、見ている人にこの映画を肩の力を抜いて楽しんでほしいという周防監督の思いも感じられ、最近は社会派映画も手掛けているが、やはりこの監督は硬派な社会派映画よりもこういった軽い感じの娯楽・コメディー映画のほうが合っている気がするし好きだ。主人公の少女を演じるのがそれほどの有名人ではなく、これまで周防監督の映画に主演した役所広司や加瀬亮と同じようにオーディションで選ばれたほぼ無名の若手というのもよく、ここも周防監督らしい。主人公・春子を演じる上白石萌音は本当に素朴な感じでいかにも田舎っぽい雰囲気がよくハマっていて、本作はこの主演女優の存在が大きく、何もわからないまま飛び込んだ世界で成長していく主人公の姿と、本作で初主演に抜擢された上白石萌音の姿がうまく重なっている気がする。春子に言語学者(長谷川博己)が京都弁を教えるくだりはまさにイライザとヒギンズそのままなのだが、若い娘が頑張る姿は応援したくなる。極度のストレスで声が出なくなり、それが治るシーンも春子の気持ちをうまく表していて良かったし、ラストシーンの後味もいい。もう少し書かせてもらえれば冒頭の草刈民代の登場シーンで「緋牡丹博徒」の主題歌のメロディーが流れ、女将を演じているのが富司純子なのはニヤリとさせられる。主な登場人物の大半が歌っているが、その富司純子も何曲か歌っているのはサプライズで、ひょっとしたら周防監督は若いころ藤純子や「緋牡丹博徒」シリーズのファンだったのかもしれないとつい思った。それに周防監督の映画で竹中直人を見るとなんだか安心する。次回作はまた社会派映画かもしれないが、周防監督にはまたいつかこういうカラッとした明るい映画を作ってほしい。 【イニシャルK】さん [DVD(邦画)] 8点(2016-05-07 17:59:49) 4.《ネタバレ》 なんでミュージカルなんだろうと思っていたら、そうですか、マイフェアレディへのオマージュですか。映画タイトル含めて納得です。主役の上白石萌音さんは、とても難しい役を上手に演じていました。田舎娘感満載で津軽弁と鹿児島弁のミックスを違和感なく操り、京都弁を徐々にモノにしていく過程はたいしたものです。あと、上白石萌音さんに限らず、舞妓顔よりも素顔の方が断然魅力的だ、と感じるのは私だけですかね?これまで舞妓顔を綺麗と思ったことが一度もないのですが。 【la_spagna】さん [DVD(邦画)] 8点(2016-04-25 00:11:59) 3.《ネタバレ》 日本映画は平成になって見たこともなく、ましてや日本人が歌うミュージカルには全く興味が湧かなかったのですが、なぜかこの映画を観てしまいました。 そしてなぜが、春子が置屋で正座をして舞妓になりたい気持ちを初めて歌い出したとき、はからずも涙腺が緩んでしまいました。 後はもう孫娘の成長を見る思いで映画を観ていました。作品中に使われる楽曲のクオリティの高さはさほどでもないと思うのですが、京都の町と文化の中で歌われる曲はあまり違和感もなく入って来ました。 春子が京野に恋心を抱く伏線が丁寧に描かれていないところが唯一の不満でしたが、総じて満足する映画でした。テレビの小さい画面ではなく、映画館でまた観たいです^^ 結局富司純子の存在がこの映画にメリハリを与えていたように思います。 【karik】さん [映画館(邦画)] 8点(2014-10-08 15:43:23) 2.スペインの雨は平野に降って、京都の雨は盆地に降る。これぞまさしく「マイ・フェア・レディ」をもじった「舞子はレディ」 ヒギンズ教授が若くてハンサムな言語学者になってしまうけど、歌有り踊り有りのコメディ・ミュージカルは何と言っても私好みで大変おもしろかった。鹿児島弁と津軽弁の女の子も良かったけど、竹中直人さん歌はまさに役者のミュージカルだ。そして監督夫人の草刈さん、踊りは本職だけどここでも見事、おまけに富司純子さん顔負けの諸肌ぬぎ。YS11からペーパームーンと京都の風情だけでなく印象的シーン満載。 【ESPERANZA】さん [映画館(邦画)] 8点(2014-09-16 17:23:40) 1.《ネタバレ》 前作であれ?もしかして?周防正行監督は第二のスピルバーグでも目指してるのかな?娯楽映画だけでは物足りなくなった?社会派の映画だってやれるんだよて感じずにはいられなくなり、「それでもボクはやってない」は評価できるけど前作は評価できない。そんな中での新作は舞台が京都でしかも舞妓さんのお話し、それをミュージカル風にとなると期待せずにはいられなくなり見てきましたが、この監督はやはりコメディがよく似合う。目の付けどころが良い。よくこんなにも田舎の雰囲気十分な素人さ全開な女の子見つけてきたなと驚かされます。上白石萌音、この新人さんあってこその映画である。京都弁を一生懸命に覚えようとする姿に頑張れ!て応援したくなります。稽古の場面で叱られて泣くシーンで、声が出なかったのが治る時のあの涙、泣き声は少女の気持ちがよく解るシーンとして上手く描かれている。沢山の人に見守られながら本当の舞妓さんへになる少女の成長物語として楽しむ事ができた。最後にもう一度だけ言わせてもらうけど周防正行監督は今の日本映画界にあって数少ない娯楽映画をきちんと撮れる監督だと思ってる。これからもまた面白い映画を撮り続けて欲しい。間違っても誰二のスピルバーグ化やオリバー・ストーンみたいな説教臭い監督にはならないで欲しい。 【青観】さん [映画館(邦画)] 8点(2014-09-15 20:19:12)
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