みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(8点検索)】
9.《ネタバレ》 人類史上かなり大きな出来事を可能な限り思い入れを排除して色をつけず淡々と描いた作品。一言でいうと地味だがそれがよい。 一つにはいわゆる「宇宙もの映画」というと大抵の場合遊園地の絶叫もののような恐怖を観客に与えるのが使命というかお約束的なところがあって、それにいろいろと「争い」「葛藤」など緊張感を高める要素がありつつも結局「感動的な」結末にたどり着くというのが常態化しているので、このように淡々と描かれていると却って新鮮な感じがするし、あくまで事実を下敷きにした物語としても真実味が増す(どれぐらい史実に近いのかは調べてみないと判定できないけれども)。主役の表情を押し殺した演技もよい(仲間が亡くなった時ですら取り乱して叫んだりしない)。最後に二人が一言も会話せず終わるところもよい。山ほど語ることはあったろうに。……一つだけちょっとだけ気になったのは、火災の場面。最後爆発があるとき外からのカメラに変わって少し煙が出てくるという演出はアニメなどで余りにもよくみかけるため(タイム〇〇〇とか)ちょっと気になった。船内で爆発して終わった方がよかった(と思うが、アメリカ人がタイム〇〇〇知ってるわけではなし……)。 【空耳】さん [インターネット(吹替)] 8点(2022-09-10 03:09:44) 8.正直、この映画を見る前までは月面着陸捏造説を信じていたので、どんな映画かと思って見ました。 今ですらロケット打ち上げが失敗することがあるのに、50年も前にとても成功したとは思えなかったのです。 そしてこの映画を見て、一つの結論が出ました。 やはり、人類は月に降り立っていたのだと。 そんな風に感じさせてくれる映画でした。 この映画を見終わって、調べずにはいられなくなり、いろいろと月面着陸について調べました。 実際に着陸、月に降り立つシーンは、ボヘミアンラプソディーばりに、 本当のシーンを再現しているということがわかりました。 これで十数年前にワシントンの国立航空宇宙博物館でさわった、月の石が本物だったんだとニンマリしました。 【シネマファン55号】さん [インターネット(字幕)] 8点(2020-06-18 15:35:00) 7.悲しいことがあの裏にあったからこそ強いのか、空白の10分の説明になるのか。見てからずっと静かな感動に浸っていられます。初期のiPhoneほどの計算能力もなかったロケットに命を預けた男の挑戦。アポロ11前後の出来事は沢山映画化されていますので、どれも重要な歴史の一片で変わらない。 ドラマ「ザ・クラウン」でフィリップ王配がニールたちに会いガッカリするくだりがありますが、ニールたちの立場をこの映画の角度から窺い知れるのは貴重な機会です。(奇しくもクレア・フォイの次のシーズンのお話しでしたが。) CGの消し忘れ?が一箇所あったような気がします、大きい画面でもう一度見てみたいです😊 【HRM36】さん [インターネット(字幕)] 8点(2020-02-26 11:42:52) 6.《ネタバレ》 いやいや、すごいね! いろんなところがすごいよ、ジェミニ計画・アポロ計画当時のものを再現してるだけでもスゴイ!(時代考証の面はちょっとアレなので詳しくはわからないのですが…w) 月面着陸の場面とか、ちょっとマジでスゲーーって(感心)まぁ近年の映像技術の進歩もあるとはモチロン思いますが、フィルム感もしっかり感じさせる配分の塩梅が素晴らしい。そして、の、ライアン・ゴズリングですよ。全般的に抑えた演技ながら静かな中にもしっかり「芯」のあるアームストロング船長を見事演じていたと思います。イヤーーー見応えあったなーーー、満足でゴザイマスハイ 【Kaname】さん [インターネット(字幕)] 8点(2019-12-06 22:22:58) 5.《ネタバレ》 客観的には6〜7点ぐらいなんだけど、ちょっとオマケして8点つけようと思います。 非常に抑えた演出で、ライアン・ゴズリングも内に秘めた表情をずっとしてて、夫婦もまた淡白で、 一つ一つのエピソードもわざとかと思うくらいさっぱりさせてる。 だから一歩間違うと退屈な映画になりかねないと思うけど、おそらくニール・アームストロングさんの人となりをリアルに描く意図としてこうなってるのかなと。 彼は自分を英雄視せず、常に周りの人のおかげで偉業がなされたと言っていたそうだから、そんな性格をシナリオに落とし込んでるのかもしれません。 本作で特筆すべきはやはりリアリズムで、宇宙へ飛び立つ船内での音、飛び交う光からの漆黒、まさにVR的な共体験が味わえました。 特に、宇宙船が途方もない勢いで回転を始め、気を失いそうになるシーンは、見てるこっちも死を覚悟する感覚を味わいました。 そして月面着陸のシーン。まだ誰も足を踏み入れたことのない地に最初の一歩を記す、その足跡の意味合いを強く感じました。 子供をなくす辛い経験から始まって、未踏の地で存在意義を見出すという感じですかね。 宇宙ものは、SFロマンな描写になりがちですが、本作はそういう訳でもなく、 外宇宙へ向かっていきながら家族とかパーソナルな、内なる心象へとオーバーラップしていて、 それによって宇宙開発の意義がより際立っているように感じました。 【あろえりーな】さん [ブルーレイ(字幕)] 8点(2019-08-04 20:50:01) 4.《ネタバレ》 IMAXにて鑑賞。セッションの監督ということもあり、少し身構えて臨んだが、想像していた以上に手堅い映画だった。 インターステラーに影響を受けたと思われる、CGになるべく頼らないフィルムの映像は、手ブレが激しい場面も多いが、フィルム独特のざらつきも相俟って1960年代のアナログな雰囲気を上手く作れていたと思う。劇中に登場する飛行機や宇宙船の、現代からすると極めてチープで古めかしい計器が衝撃で激しく唸るシーンや暗く狭い操縦室に閉じこめられるシーンの恐怖感は素晴らしかった。IMAXだと手ブレが激しい場面も逆に臨場感があって、そこまで悪印象はなかった。ボーンシリーズ等で手ブレ映像に慣れていれば、本作のそれも特に問題ないとは思う。ダンケルクに続く体感型の映画であると個人的には思っていて、ロケット飛行シーンなどは大画面・大音響のIMAX環境で鑑賞するといいと思う。 物語は淡々としているが、それでいてツボを押さえた造りだった。アポロに乗り込む場面の緊張感と高揚感は素晴らしかったし、クライマックスの月面での涙や奥さんとの再会シーンも、多くを語らず、役者の目と表情で語らせる演出は非常に好みだ。言葉はなくとも娘や奥さんへの愛情が伝わってくる。 華やかな歴史と思われがちな宇宙開発競争や月面着陸だが、本作は非常にシビアな目線で描いている。莫大な予算を注ぎ込みながら、犠牲を出しながらも、国家が宇宙開発をを続けるのには、東西冷戦でのソ連側への対抗意識が背景にあった。60年代は東西冷戦が最も先鋭化した時代でもあり、宇宙開発でソ連の後塵を拝するばかりで、何としても宇宙開発競争でソ連よりも先に偉業を打ち立てようと、轟々たる非難もなぎ倒して突き進んでいくアメリカの狂気を本作から感じることができた。主人公ニールも幼い娘の死や同僚の死によって喪失感を抱えており、その喪失感を埋め合わせようと、危険な任務にのめり込んでいく。ニールの狂気とアメリカの狂気がリンクするように映画が作られていて、興味深かった。そして辿り着いた、寂しく侘しい月面で、ニールは亡くなった娘に会えたのだろうか。もしくは娘への愛を月に置いていくことができたのだろうか。解釈は観客に任されているが、こういうハードボイルドな演出が目立つ秀作だった。 【nakashi】さん [映画館(字幕)] 8点(2019-02-14 13:26:11) 3.これは褒めているのだが、想像よりもずっと陰鬱で、地味な映画だった。 人類史に残る「偉業」と共存していた“心の傷”と“孤独”。光と闇を等しく抱えたまま、「偉大な一歩」を残した“最初の男”の人生そのものを、俯瞰するようなシビアな目線で、リアルに映し出していた。 「アポロ計画」を題材にした映画作品といえば、筆頭として挙げられるのは「アポロ13」だろう。絶望的なトラブル(=ミッション失敗)からの奇跡的な生還を描き、王道的な感動で世界を包み込んだ1995年の傑作は今尚色褪せない。 普通に考えれば、歴史的成功をおさめた「アポロ11号」を描いた今作は、「アポロ13」以上の“大感動”を与えてくれそうなものだ。 だがしかし、その安易な想定は全くの見当はずれだった。「失敗」を描いた「アポロ13」の華々しい達成感に対して、「成功」を描いた今作がこれほどまでに重く苦しい映画に仕上がっているとは。 その意外な後味が、何とも興味深かった。 ただ、よくよく考えれば、その苦々しい後味は至極当然のことだ。なぜなら今作は、デイミアン・チャゼル監督の映画なのだから。 「セッション」、「ラ・ラ・ランド」と立て続けに、映画的な熱量と、人間のほとばしる情念に溢れた作品を生み出し、一躍ハリウッドのトップに駆け上がったこの若き名匠が、ストレートに感動的な伝記映画など撮るわけがないのだ。 「人類史上初の月面着陸」という偉業を描くのではなく、ニール・アームストロングという現代の偉人の半生と、彼のインサイドを深く深く抉り出すようなアプローチにより、この映画は極めて繊細で、危うさを秘めた作品に仕上がっている。 一人の男を描いたストーリーテリングの中で刻み付けられたのは、明確な「死」と「喪失」の連続だった。 幼い娘を亡くし、志を共にした仲間を亡くし、ミッションに向き合い、緊張と恐怖が深まると共に、主人公は盲目的な使命感と際立つ孤独感に苛まれる。その様は、誰よりも勇敢ではあるが、何とも心もとなく見え、痛々しさすら感じる。 そんな彼の生き様を映画を通じて追想することで、50年前の偉大な冒険が、いかに危険で絶望的なものだったかを思い知った。 ラストシーン、地球に帰還した主人公ニール・アームストロングは、感染予防のため隔離された部屋のガラス越しに妻と再会する。 今生の別れを覚悟した夫婦の再会シーンなのだから、もっとわかりやすく感動的に描けたはずだが、ここも極めて抑えたトーンで描き出される。 それは、月に辿り着き帰還したことで、この二人が抱え続けてきた喪失感が、少しずつ埋まり始めたことを噛み締めているようにも見えるし、全く逆に、一度離れ始めた心と心はもはや簡単に重なり合うことは無いということを示しているようにも見える。(因みにこの夫妻は38年の結婚生活を経て離婚しているそうだ) ふと思う。苦々しく、辛らつな後味の正体は、あまりに普遍的な或る夫婦の物語だったのではないかと。 【鉄腕麗人】さん [映画館(字幕)] 8点(2019-02-11 21:47:02) 2.《ネタバレ》 アポロ11号が月面着陸に成功するまで何人ものパイロットが亡くなっていることは知らなかった。というか関心がなかったのかも。月面着陸は当時10歳の少年だった自分がリアルタイムで見ていて無事帰還することが分かっていたこともあり、エンディングとしては少々期待はずれだった。娘のブレスレット(?)を月に置いてきたのは本当かな? 【kaaaz】さん [映画館(字幕)] 8点(2019-02-10 10:56:38) 1.「セッション」「ラ・ラ・ランド」とミュージカル、音楽系の素晴らしい作品を連発してきたチャゼル監督。 その最新作は人類史に残る英雄を1人の人間として描いた良作でした。 本作の主人公であるニール・アームストロング。 人類史上初めて月面に降り立った英雄という評価が1人歩きしているようでもありますが、 そんな彼も仕事を離れると妻や子どもがいる、いち家庭人。その喜びや悲しみ、 国家を挙げてのプロジェクトの主人公である彼にかかる非常な重圧。その人間ドラマに想像以上に軸足が置かれた作品。 彼と家族の関係や、妻や子ども達が彼を宇宙に送り出す際にかかるストレスなど・・・。 家族のパートの際に多用される不安定にぶれる映像。見やすくはないですがその意図は分かるような気がする。 しかし時間と残り燃料との闘いでもあった終盤の月面着陸と神々しい月面シーンは見応え十分。音楽も実に効果的に作用しています。 作中にも描かれたように批判も巻き起こった、当時のアメリカが宇宙開発に注ぎ込んだ莫大な予算。 時は冷戦真っ只中。米ソが先を急ぐように加熱する宇宙開発競争の陰で命を落とした仲間たち。大変な思いをさせた家族。 様々な犠牲の末に偉業を成し遂げた彼に笑顔はなく、無事帰還して歓喜の輪に包まれたり、成功を称える記者会見の場でもなく 台詞も無い妻と2人きりのひっそりとしたラストもまた本作を象徴していたと思います。 【とらや】さん [映画館(字幕)] 8点(2019-02-08 17:28:45)
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