みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(8点検索)】
2.《ネタバレ》 なかなかの意欲作であった。音楽特にピアノが好きな人には必見の一本。 3年に一度開催される芳ヶ江国際ピアノコンクール(浜松国際ピアノコンクールがモデルになっている)。この大会の予選から本選の模様を、4人の若きピアニストを通じて描いている。 その4人とは。 栄伝亜夜(松岡茉優)20歳。かつて天才少女と呼ばれていたが、母の死をきっかけに活動を休止。今回7年ぶりの再起を期しての出場。 マサル・カルロス・レヴィ・アナトール(森崎ウィン)19歳。天才の評判高い。亜夜とは幼馴染。 風間塵(鈴鹿央士)16歳。ピアノの大家ホフマンに見いだされた無名の少年。強烈な才能を秘めている。 高島明石(松坂桃李)28歳。妻子持ちのサラリーマン。「生活者の音楽」を追求する。 話は単純。予選から本選を丁寧に追うだけだから。映画というよりは、ドキュメンタリー番組を観ているかのような気分になってくる。石川監督の演出は全体に丁寧に行われているが、多少余計な部分もある。僕が時に気になったのは、幻想的な馬のシーンと片桐はいり演じるクロークの女性。はっきり言って蛇足。 本作のテーマを一言で表すと「才能とは何か」だと思う。4人のピアニストのうち、高島だけは普通の人で、あとの3人は明らかに天才。両者を隔てる圧倒的な壁が存在するのだ。映画はその残酷な真実を突き付ける。それもあって、高島を演じる松阪桃李がとても良かった。本選に進むことが出来なかった彼がインタビューに答えるシーンがとても印象的。演奏部分以外では一番の見せ場だろう。 僕はクラシック音楽には疎いので、彼らの演奏する楽曲の知識も無いし、ピアノのテクニック的なこともわからない。が、演奏シーンは充分以上の見応えと聴き応えがあって、あたかも自分がコンサートホールの中にいるかのような錯覚を呼び覚ます。その意味では、映画鑑賞料金がかなりお得に思えてしまう。 主演の亜夜のピアノ演奏を担当したのは河村尚子である。メイキング的に言うと、もちろん河村の演奏は撮影前にすべて録音済であり、それに後付けする形で松岡茉優が亜夜という役を作っていくわけだが、今回も松岡茉優は安定した演技力を示した。 ただ亜夜と高島の2人は良いとして、あとの2人の人物設定がかなり珍妙なことに違和感を覚えた。マサルは原作では、日系三世のペルー人の母とフランス人の貴族の血筋の父を持つという設定になっているようだが、それだと刺賀にわかりづらいからか、映画の中では単に「アメリカ人」となっていた。風間塵は、父親が養蜂の仕事で欧州を転々としているという設定。タイトルの「蜜蜂」はここから来ているのだが、彼は経済的にかなり貧しいのか、ボロボロの靴を履いているのはともかく、自宅にピアノすらない。音の出ない木製鍵盤で練習しているのだ。こうなると天才というよりは宇宙人という気がしてくる。「巨人の星」みたいな昔のスポコンマンガみたいな設定だな・・ 【キネマト】さん [映画館(邦画)] 8点(2019-10-05 17:19:36)(良:1票) 1.《ネタバレ》 原作未読です。 幼い頃からピアノの英才教育を受けたサラブレッドの天才、生活者としてのピアノにこだわる努力家、七年前に突如姿を消し今回のコンテストで復活をかける天才少女、そして「ピアノの神」が残した異端児。この四者四様の若きピアニスト達がしのぎをけずる演奏場面を見れるだけでも眼福もの。いや耳福とでも言うべきか。面白い映画でした。私には楽器を奏でる才能はまるでありませんが、ピアノが弾けたらいいな、あんな風に弾いてみたいなと思わせられる作品でした。感情を乗せて表現できる道具があるって素晴らしいですよね。 個人的には最後の本戦の優勝者は栄伝亜夜、準優勝は風間塵、第三位はマサルでした。まあ盛り上がる順番に見せられたそのままの流れで魅せられてしまったというだけかも知れませんが。でも風間と栄伝の、自分の抱えている感情を全てぶつけきって粉々になるまで表現しきったようなあの激しい演奏には心が震えました。 カデンツァや本戦のようにそれぞれがそれぞれの趣の曲を演奏するのも良いんですが、同じ曲を別々のピアニストがどんなふうに表現するのかの違いなんかも見たかったですね。サントラ買おうかな。 映画としての映像の見せ方も良かった。演奏前に曲名紹介の字幕が入ったり、鹿賀丈史さん演じる指揮者の登場で、ちょうど英語で彼のことを「第2の刺客」と呼ばわっていた時にその字幕が彼の真下に出るように演出したり。 ただの音楽映画ではない、映像としての作り込み・奥の深さも感じられました。良作です。 【TANTO】さん [インターネット(邦画)] 8点(2021-07-28 19:51:13)
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