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【クチコミ・感想(8点検索)】
3.《ネタバレ》 本作のキーワードは、「世界の法則を回復せよ」。それは、今は“法則が失われた状態”であるということ。生ける者全てが従うべき大原則、生態系における決まりごと。それが「法則」。「弱肉強食」、「己が生きるために他を殺すこと」。人間も生物であるならこの法則に従うべきなのに、現実にはそうではありません。人間はこの法則の範疇外にいます。本作で比喩的に提示されるカリスマVS森林の構図は、個VS集団と捉えられます。猿が高度な社会生活を営むに至って人間となった。種の主体性を個から集団にシフトさせ、法則を捨てる代わりに集団生活のための別の規則(役所=刑事は規則の典型)を手に入れたのです。つまり「法則を回復せよ」を言い換えるなら、「個に戻れ」ということ。桐山が言うように藪池がカリスマであるなら、その能力は木のカリスマと同じ。ラストカットの燃え盛る市街地は彼が引き起こした「社会の崩壊」。藪池の言葉を借りるなら「なすがまま」。以上が本作のテーマ部分の解釈です。次に作品の外郭的な解釈。本作の舞台となるのは、何処か分からない森林、廃墟となった施設、教授の家。どこか変です。キノコを生で食べ、簡単に発砲する藪池。2代目?カリスマの発現の仕方。枯れかけの木に大金を出す男。謎の2つの巨大アンテナ。これら不合理なことを全て説明できる解釈があります。それは“この世界は藪池の夢”。冒頭から2回繰り返して眠る藪池を登場させていることから想像できます。本作の出来事が“夢ではない”という保障はありません。でもこれだとちょっとつまらない。もうひとつの解釈は、“この世界は地獄”。中曽根(大杉漣)が最後に言った台詞です。2回も出てくる“火”と“トラバサミ”。集団で押さえつけ頭をハンマーでつぶす様は、まるで鬼の仕業。社会と隔絶され、金を積んでも抜け出すことが出来ない場所。燃え盛る市街地。まさに「地獄」。こんな解釈も可能だと思いました。想像する余地のある作品は好きです。 【目隠シスト】さん [DVD(邦画)] 8点(2006-10-21 18:38:25)
2.最初の1/3は意味不明でしたが、そこからは、けっこう面白く見ることができました。、、、でも日本の映画が、みんなこんな映画になったら、映画は博物館とか国立劇場とかで、能や歌舞伎を見るみたいになっちゃいますね。、、、、だから監督も、たまに、好きなようにこういう映画を撮るのはいいけど、いつもこんな映画撮っていたら、それこそ自分の首を絞めるようなもので、莫迦のそしりをまぬかれないでしょう。、、、、、多くの人が、低い点数をつけるのは当然のことだと思います。、、、、、、とはいいつつも、最初にも書いたとおり、そこそこ自分的には楽しめました。、、、、、最後のシーンなんて、殆どツァラトゥストラが山から降りてゆくところみたいで、大風呂敷、そのくせ子連れ狼風のシルエットなので、笑っちゃいました。、、、、、車のフロントグラスを写すシーンが三度ほどありましたが、映画全体の構図を象徴しているように思えました。二人の顔に意識を集中するとグラスに映った木々と空が消え、木々と空に集中すると人の顔が消え、、、、、、要するに、図と地の関係です。カリスマという木をめぐる対立も同じ。カリスマを生かそうとする側、殺そうとする側、どちらが狂気でどちらが正気なのかわからない。片方を狂気とすれば、片方は正気となり、逆もまた真実。その辺はフーコーとかを思い出せば良いわけです。、、、そこで役所広司は、「両方を生かす道はないのかなぁ」と問う。、、、、だが、両方を生かすということは、どちらかを狂気と決めつけて回転している日常を破壊する力を秘めている。あるいはそれは聖なるものを復活させることを意味する。(カリスマという言葉自体、聖なるものとの連関を予想させます)、、、その力を秘めた役所広司は、最後に山を降り、下界に向かい、人々を解放する。、、、、、とか解釈しましたが、どうでしょう。、、、、、まあ、こういう映画は、好きに解釈して楽しめばいいのです。(どんな映画もそうかもしれませんが、、、、) 【王の七つの森】さん 8点(2005-01-30 23:36:48)
1.傑作。全ての映像が完璧。台詞も全く無駄が無い。唯一、CGがいただけない。 【藤村】さん 8点(2004-02-12 21:19:33)
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