みんなのシネマレビュー |
|
| |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
|
ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(8点検索)】
4.《ネタバレ》 「自転車泥棒」デ・シーカ監督のネオリアリズム映画。 公務員勤め上げた老人の年金額の不足による、もの哀しい映画。 家賃滞納のなか、年金日までどうやって暮らすかという切なさが来る。 老人とペットといえば、アメリカの「ハリーとトント」を思い出す。 あちらは、元気にやっていたが、こちらは戦争前のイタリア。 ただでさえ、戦争に敗けたイタリアのモノぐるしい空気が手厳しい。 自分に身を置き換えて観てしまう。 現代に置き換えるなら、ケンローチの「ダニエル・ブレイク」だろうなぁ。 寒い。うぅ・・ 【トント】さん [DVD(字幕)] 8点(2023-11-07 22:03:14) 3.《ネタバレ》 ヴィットリオ・デ・シーカのネオレアリズモ映画。 戦争も、不景気による国の政策の転換も、いつも弱者にしわ寄せがいく。 年金の減額と、それによる困窮。決して昔話とは思えません。 「自転車泥棒」では主人公の男にはまだ小さな息子がいた。 本作の老人ウンベルトも一人ぼっちのようでもあるけど、ついて来てくれる可愛い愛犬がいる。 どちらの作品も1人ではない、寄り添ってくれる者と一緒のラストを迎えます。 いつも心配してくれる心優しいマリアの存在も良かった。 どうしようもない現実の厳しさはありますが、デ・シーカという人の優しさが感じられます。 【とらや】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2017-03-16 22:37:07) 2.《ネタバレ》 念願かなっての鑑賞で、シネマヴェーラ渋谷にて鑑賞した。 恩給で生活している社会の一線を退いた老人が主人公で、生活の頼みの綱であるその恩給が、不景気にともなって減少し、老人達の生活を逼迫していくという、現代日本においては実に現実感のあるお話である。 その老人は、ブチ模様をした小さな犬を飼っている。 妻も死に、孤独を癒す唯一のパートナーだ。 居を構えていた古アパートは、次第に売春宿と化していき、昔から住んでいたというのに、その老人は追い出しの圧力を受けている。 僅かな額の恩給では、アパートを出たとしても生きていくアテもない。 経済的に窮地に追い込まれた老人には、もはや生きる希望も失い、死を考えはじめる。 そこで唯一の心残りは、愛犬のブチ犬で、自分の亡き後に面倒をみてくれる場所を探したりもするが、全くアテがみつからない。 そこで、老人はブチ犬と無理心中を思いつく。 犬は当然嫌がり、怖がる。 寸での所で死を免れた老人とブチ犬であったが、犬の方は飼い主に恐れをなし、かつてのようになつかなくなってしまう。 必死に、ブチ犬の興味をひこうとする老人。 最後には、ブチ犬は老人にシッポを振ってついていき、その二人(?)の後ろ姿で「FINE」の文字。 いやぁ、なんて心温まるラストシーンだろう。 犬好きにはたまらないラストだ。 いったん飼い主である老人を避けるが、今までのご恩を思い出したんだろうか、また老人になつくまでの過程を描いたラストは、名作に相応しい出来栄えである。 ヴィットリオ・デ・シーカと言えば、『自転車泥棒』と『靴みがき』辺りが代表作かもしれないが、本作こそ、デ・シーカの最高傑作に推したい。 イタリアン・ネオ・レアリズモの名手として、現実の厳しさをうったえつつ、そこに人間と飼い犬(伴侶や家族に当てはめて考えてもよい)との絆を描いてみせた本作は、バランスもよく、まさに名作に値する。 【にじばぶ】さん [映画館(字幕)] 8点(2010-02-27 23:34:37) 1.ウンベルトの金銭的な問題だけでなく孤独も描かれているから不安にさせられます。社会的弱者となると居場所すら不安定であり周囲の理解も得られない哀しみ寂しさ恐怖を味わいます。将来への不安が募る現代日本社会を思うと他人事ではすまされない悲惨な状況が刻々と描き出され悲痛な心持になります。それでも完全に悲劇的でなく希望を存在させたことが救いとなっています。人間は一人で生きていけるほど強くはないが、何であれ支えがあれば生きていくことが出来る。デ・シーカ監督は本作で「自転車泥棒」と「靴みがき」の二作で描かなかった救いを描いています。愛犬フライクが実に愛らしいです。 【ミスター・グレイ】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2006-04-12 17:23:55)
【点数情報】
【その他点数情報】
|
Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS