みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(8点検索)】
14.《ネタバレ》 当作品は、私にとって【日本テレビ放送版:昭和63(1988)年6月10日、金曜ロードショーにて】に馴染みがあります。以下、“日テレ版”と呼称し、その吹替えでの言葉を引用して書かせていただきます。 実は、日本で劇場公開された昭和60(1985)年当時、私は事前にSF雑誌を読んで「設定が複雑でわかり難そう」と敬遠してしまったのです。 約3年後、日テレ版を鑑賞。当時は我が家にもビデオレコーダーがあったので、録画もしました。すると「初めて観る視聴者に配慮してくれている」と感心しました。 まず、映画評論家の水野晴郎さんが、皇帝・アトレイデス家・ハルコーネン家の関係を、イラストで説明してくれた上でスタート。 本編では、イルーラン姫が語り手となって展開しますが、TV放送用として、台詞の無い場面に姫のナレーションを追加した箇所がありました(録画を観直した際、二か国語の主音声・副音声を聞き比べて確認しました)。一例として、ナビゲーター達一行が皇帝に会いに来た場面での「当時、宇宙空間の輸送を全て司っていたスペースギルドの力は、皇帝をも凌ぐものがありました。突然のギルドの訪問に宮廷は緊張していました」が挙げられます。 さらに【TVでの映画放送の慣例】として、各キャラクターが最初に登場するとき【ポール・アトレイデス - カイル・マクラクラン】というように【役名 - 役者名】のテロップが出るのも、人物を把握する上でプラスだと思いました。 このように、ごく大雑把ながら、設定などを理解できたおかげで【無念の死を遂げた父の仇討ちという、定石に則った物語】として楽しめました。 あれから30余年…当サイトで、当作品及びヴィルヌーヴ版のレビューを拝読するうちに、頭の中で当作品のテーマ曲が巡るようになり、かきたてられるように押し入れへ…埋もれていたビデオを発掘できました。 こうして日テレ版を再見。しかも勢いでDVD(劇場公開版)もレンタルして観比べたところ、やはり、わかりやすかったです。 特に放送用にカットしたドラマ部分(正味10分+α)は、大勢に影響がない箇所ばかりでした。日テレ版を作成したスタッフさん達に、あらためて敬意を表します。 敢えて言うなら、30余年前に観たときも感じましたが…フェイドとラバンの最初の登場シーンにおける「ハルコーネン男爵の甥にして後継者のフェイドは、冷酷無比な性格で権謀術数を好む若者でした。クイザッツ・ハデラックを善の超人とするなら、フェイドこそまさに悪の超人。ポール・アトレイデスの宿命のライバルです」という“追加ナレーション”は、その後の展開と照し合せると、残念ながら的外れかと…。 以下、作品自体にもう少し言及すると… まず、ブライアン・イーノ氏によるテーマ曲は、シンプルなメロディーの繰返しで印象深く、私は好きです。おかげで上記のようにビデオも発掘できましたし…(笑)。 クラシカルな味わいのある美術も独特で、特にハルコーネン男爵の描写に象徴される“グチャッ、ジュルジュルッ”と形容できそうな演出は、観る人によって好みが分かれそうです。 しかしグロテスクな演出ばかりでなく、ポール達が皇帝軍に勝利したとき【妹のアリアが酔いしれるような表情を浮かべる姿】は、ごく一瞬の映像ですが、リンチ監督の美的センスが光っていたと思います(この映像については、他のレビュアーさんも言及して下さっています)。 なお、スティルスーツが黒なのは、砂漠を背景にしたとき、人物が映えるよう意図したのかもしれませんが…“水分の濾過装置と熱交換システム”が備わっているはずもなく、砂漠のロケでは、灼熱の太陽光を吸収し、役者さん達は大変だったと思います。実際、日テレ版では水野晴郎さんも「連日40度という暑さ続きで(中略)皆さん、バタバタバタバタ倒れてしまったんだそうですね」と解説しています。そのため私は「たとえ失敗作と評されようとも、とにかく完成できたことは、過酷なロケの苦労が報われたと言えるのでは…」と考えたいです。 さて、採点ですが…まず、鑑賞環境は地上波(吹替)とさせていただきます。「日テレ版がポピュラーになり得たなら、日本ではもっと親しまれていたかも」と思いつつ、①確かに劇場公開版はわかり難い、②独白やナレーションなど言葉での説明が多く、特に後半は急ぎ足で、全体的に総集編的…という【2つの点】は、私も否定しません。 しかし個人的には「膨大な情報量の原作でありながら、よくぞ、公開にまでこぎつけた」「当作品があればこそ、TVドラマ版(2000・03年)、ひいてはヴィルヌーヴ版へとつながったのでは…」と思うのです。そのため、上記【2つの点】のみを差引き、大甘とは思いますが8点を献上させて下さい。 【せんべい】さん [地上波(吹替)] 8点(2021-12-06 21:24:01)(良:1票) 13.HDリマスター版が出たので購入!(追記:ブルーレイが発売されたのでこちらも購入) 久しぶりの鑑賞でしたが、リンチ監督が醸しだす独特の 世界観はやはり唯一無二の存在。今観ると古めかしく感じますが、スルメのように噛めば噛むほどいい味わいなんですよね。 登場人物の際だった容姿と個性、そして衣装や建築物、兵器、醜悪かつ奇妙な 生物など異彩溢れる細かいディテールが何より見ていて興奮します。 当時は最悪の赤字映画など酷評されましたがそもそも万人受けしそうにない 難解な物語で、そして脈絡を掴み辛いまま終盤へ流れこむ。商業映画としては成立し難い尺と構成。 コアなSFファン向けでしょうね。 【シネマブルク】さん [DVD(字幕)] 8点(2017-02-24 00:56:23)(良:1票) 12.皆さんの評価が低くってびっくりしました。 確かに、デビッド・リンチ好きが観る映画じゃないと思うし、SF映画ファン好みじゃないんでしょうね。 でも、私は大好きです。 映像が凄かった。メカ、衣装等のデザインが良かった。音楽も良かった。 カイルマクラクランも良かった。 ありがちな中世歴史物語的SFや救世主伝説物語が 鬼才デビッド・リンチのお陰?で異色のFS映画へ、 私はその怪しい世界にどっぷり、どっぷり引き込まれました。 ゼメキス、バーホーベン、ジョージルーカスには出来るまい。 (っていうか、こんな映画作りたくも無いんでしょうがね。) 【うどん】さん [映画館(字幕)] 8点(2010-08-07 23:34:34)(良:1票) 11.《ネタバレ》 あらら評価低いですね。この映画の世界観、大好きです。戦闘訓練マシーンとか暗殺メカとか、これ男子にはたまらんのでは。声で撃つ武器のショボさには苦笑しますが。 【noji】さん [地上波(吹替)] 8点(2009-01-31 13:40:02) 10.見やすく分かりやすいTV版は悪くはない。でもあれを見ると逆にグロテスクで悪趣味なリンチ版が愛しくなる。陰謀渦巻く銀河中世世界での希少なスパイスとアクアに操られるかのような人々の弱さ、そして強さ。恐ろしげなナビゲーター、異形の宇宙船、腐臭漂わせるバロン・ハルコネンとは対照的に白い薔薇の固い蕾のようなアトレイデスの王子ポウル=カイル。温室育ちのプリンスは砂漠の風に吹かれ変貌を遂げていく。オレンジに染めた髪のフェイド=スティングも「クァドロフェニア」と同じく存在感だけを叩きつける。重苦しく鈍重な印象さえする作品だけれどもリンチ作品では一番好きかもしれない。ポウルをめぐるチャニやイルーラン皇女ら女性陣はS・ヤング、V・マドセンという美女を揃えているのに印象薄く、ここに関しては彼女らが生気を見せるTV版が優るように思えるが、公平を規すならば特別篇(未見)と比較すべきなのかも知れない。この版でのリンチの女性への視線はポウルの血族である母ジェシカや妹アリアにより強く注がれているように見えるのだ。F・ハーバートが生んだ数々の造語も異世界に引き込む力となって砂塵のなかに響く。 【レイン】さん [映画館(字幕)] 8点(2006-05-27 08:10:56)(良:1票) 9.何度か観てもストーリーがよく解らず、それでも映像と独特の世界に魅了され、あの長大・難解な原作まで読破する羽目になった作品。興行的にコケたのはよくわかる。これがヒットしていたら世の中おかしい。しかし高校生をしてフランク・ハーバートの世界に引きずり込んだ魅力はたしかに、ある。 カイル・マクラクランとユルゲン・プロフノウのアトレイデス父子は、生まれた時から貴族という人間はこういう顔をしているものかと思わせる説得力があった。後に原作を忠実に表現したTVシリーズがあるが、この二人のおかげで安っぽく感じてしまった。 個人的には9点。でも他人にはとても薦められない(笑)。TVシリーズの方は原作ファンにはお薦め。とくにこの映画の後の話のシリーズが素晴らしい。 【tubird】さん 8点(2004-06-11 13:57:16) 8.《ネタバレ》 最近ビデオで借りてもう一度みました。原作も読んでみました。 SFXは、今ではちょっとちゃっちくみえますけれども、公開当時は、すごく衝撃的でした。印象的なシーンは、たくさんあります。とりわけ、主人公の妹がナイフを持って、恍惚とするシーンは圧巻ですよね。 【PIAZZA!!】さん 8点(2004-02-21 00:18:58)(良:1票) 7.いいよね~この映画。いや、欠点だらけだってのはわかってるんだけど・・。ストーリーは原作に任せちゃって、ひたすら映像的な快楽のみを受け持ったような潔さがたまんない(笑)。きっと何処かにこういう世界が存在するに違い無いと思わせるような、綿密に構築された世界観とよく練られた美術。まるで大河ドラマのようです。小道具のクラシカルなデザインが秀逸。 【トマシーノ】さん 8点(2004-02-04 01:16:14) 6.結構、好き。リンチにしてはストレートでわかりやすいスペース・オペラ(?)に仕上がってると思ったのは私だけ?でも、カルト色全開でらしいといえば、らしいのかなあ。 【としこふ】さん 8点(2004-02-02 22:03:11) 5.リンチが変態シーンとフリークスにむちゃくちゃ力を注いでいるのがわかりますね。後はどうでもよかったんだな。ビジュアルは気持ちいいです。 【拇指】さん 8点(2003-11-22 00:39:13) 4.リンチの変態的SF。確かにこれを評価するのは、なかなか勇気のいることだ。まぁ、これも後の傑作群へのひとつの布石とでも考えておこう。 【onomichi】さん 8点(2003-10-13 15:28:47) 3.フランク・ハーバートの原作は読んだことないけれど、ストーリーは非常に(リンチの映画の中では)わかりやすかったし、何より航宙士などのクリーチャー、宇宙船、衣装などのいかにもリンチっぽいビジュアルが好き。でもどちらかというとホドロフスキー版のほうが観てみたかった(笑) 【パピオン】さん 8点(2003-04-15 18:29:20) 2.かなり笑かしてもらいました。公開当時大赤字だったのがよ~く分かります。こんなSFこの先2度と作られることはないでしょう。そう考えると貴重な作品ですが、リンチ好きでないと観れないですね。個人的に8点。(本当は4点・・・) 【カエル】さん 8点(2002-10-15 21:22:46) 1.ジョン・ハリスンのDUNEは知らないですが、今日もCATVのDUNEをみてすっきりしたところです。でも終わり方が悪いよな~(何回見ても)。原作は読んでないのですが。 【b-bar】さん 8点(2002-09-23 16:13:16)
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