みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(8点検索)】
4.《ネタバレ》 私が生まれる前のお話で、今回が初見。 色々メッセージ性が強い映画だが、当時と今(というか私)の見方・捉え方は違うような気がしつつの鑑賞。 働く場を失う職人の父(黄門様だったのか)。せっかく紹介された新しい働き口も、自分の我儘で辞めてしまうダメなオヤジ。そんな夫に強く言い返せず、ずぶずぶと貧乏暮らしを受け入れ、居酒屋でホステスのような仕事をする母。 この二人は敗戦後の日本人の象徴だろうか?朝鮮戦争で鋳物職人は相当稼いだと思うけど、新しいこと(工場の機械化や労働組合の参加)を受け入れられず、飲み代とギャンブルに金を使い、無計画に子供を作ってしまったんだろうな。 最後はタナボタで労働組合に助けられ、何の努力もせず旨い酒を飲む。古い日本人ってダメだな。ってことかな? 自分の進学費用を稼ごうとパチンコ屋で働くジュン。貧しい家の事情を考えると、高校進学どころか修学旅行すら行って良いのか悩める中学三年生。同調圧力か見栄か、修学旅行のお小遣い増額希望に弱々しく手を挙げる姿が痛ましい。 先生の力添えで修学旅行に行けるとなった時の笑顔。その笑顔のまま在日朝鮮人の友達ヨシエが北朝鮮に行く話を聞く時の「あら!そう!良かったわね!じゃ!」みたいケロッと関心なさそうな態度が、悲しそうなヨシエと対照的に見えた。壮行会での涙より、こっちが気になったけど… 当時の北朝鮮帰国運動は、希望に輝く開拓地、未来の楽園へのチケットのように書かれている。でも現実は過酷な労働と同胞差別への片道切符だったようだ。ヨシエもサンキチもとっても良い子たち。希望と祖国愛を持った前向きな朝鮮人は、率先して北朝鮮に行ってしまったのかな。なんて? 母(一目でわかった菅井きんさん)は北朝鮮に行かないばかりか、とっとと再婚してどこかに行ってしまう。ホント最低だな古い日本人。でも結果論、行かないで良かった。 タカユキは貧乏に負けずたくましく生きる当時の現代っ子。サンキチが差別されるとトコトン庇ったり、仕事を辞めた父親に「俺高校行くから学費頼むぜ」とプレッシャー掛けたり、男気がある。 牛乳配達の少年のエピソードは見てるこちらもシュンとしてしまう。タカユキはこうやって善悪を実体験で学んでいく。 ジュンは全日制高校を諦め、就職と定時制学校への道を歩みだす。古くて貧しくてどんよりしたキューポラの街・川口に住むジュンやタカユキ、隣りの面倒見の良い労働組合のお兄さんら、みんなの若い力がこれからの日本を作っていくのだ!! 当時は今以上に手探りで進む時代だったと思う。この映画に共感して、進んで社会の歯車になった若者も多かったろうか?手探りながら前を向いた結果、高度経済成長、バブル経済と繋がっていく。凄いパワー。 続編があるとのことで見てみたいが、これほどの有名作の続編が、キャストも引き継いでいるのに無名なのが不思議。余程の出来栄えなのか? 余談だけどこの時代の邦画は声が聞き取りにくい。一部字幕が欲しいと思った。 【K&K】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2020-11-29 12:00:57) 3.《ネタバレ》 原作は高校生の時に読みました。シリーズ五巻全部。細かい点は覚えていませんが、労働運動や安保問題に正面から取り組んだ、思想性の高い、しかもかなり面白い小説でした。映画化に当たっては、そのあたりはさすがに弱められています。「ふつうの青春映画」という感じ。当時の風俗がよく出ていますが、最終的に「どんな状況であっても学び続けることはできる」という点に落とすことで、普遍性を獲得しています。これがあることによって、傑作たり得たと思います。ただ、主人公のジュンよりも弟タカユキの方が、魅力的でしたが。加藤武の先生も、出番は少ないがいいですね。 【アングロファイル】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2011-07-05 21:43:59)(良:1票) 2.浦山桐郎の監督デビュー作品で吉永小百合の代表作のひとつ。本作で18歳の史上最年少ブルーリボン賞主演女優賞を受賞したという作品でもあるらしい。貧しくても強く明るく一生懸命生きる少女...吉永小百合の作品はこの手のものが多いけどその原点的な作品なのかなと。当時の日本と北朝鮮がよくわからないので理解しにくいところもあるが、どっちでも変わんないみたいに言われてるシーンがちょっと怖い。今の日本と北朝鮮考えるとさらに怖いです。続いて吉永小百合の代表作のひとつ「愛と死をみつめて(64)」見てみます。 【バカ王子】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2006-01-13 23:30:54) 1.中学校で見せられました。私の義兄Aは普通科に進みたかったが父親の一方的な意見で嫌々商業科へ。義兄Bは子どもの頃新聞配達をしてて「(新聞が厚く重い)元日の朝だけは上り坂の所でお袋が自転車の後ろを押してくれた。この時だけは、親やな、と思たわ。」と話していたが、こんなことはよくあることだったのだ。今見ると、彼女(小百合サン)の決心は、いかにも教科書的な感じが否めないけれど、こういう時代があったことも今の子どもたちに知ってほしいと思う。貧しくても胸を張る姉弟を映すラストシーンのなんと生き生きしていること!いつ見ても自分の甘さを反省させられ、励まされ、一緒に手を振る。 【かーすけ】さん 8点(2004-10-30 18:38:12)(良:2票)
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