みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(8点検索)】
8.今日のコンプライアンス重視の風潮をあざ笑うかのようなパワハラの嵐。よく言えば船長の夢と執念と冒険の物語ですが、裏返せば無謀と狂気と強制の連続。無理やり付き合わされる船員はお気の毒でしかありません。自分の上司には絶対なってほしくないそんな船長を、往年の好青年であるグレゴリー・ペックは見事に演じていたように思います。 ただし現実的なことを言えば、こういう狂気のリーダーがいてこそイチかバチかの大勝負ができて、ときにはそれが大きな成果をもたらすのかなと。実際、最終盤はすべての船員が一致団結するわけで。あまりコンプライアンスばかり気にしていると、小さな仕事しかできないんじゃないでしょうか。個人的には小さな仕事で十分ですが。 なお今日の「スターバックス」がこの作品の「スターバック」に由来するのは有名な話。たしかに唯一、船長にもの申す冷静な常識人の役回りでした。少なくとも「エイハブス」にしなくて正解かなと。 いずれにせよ、どうやって撮影したかは知りませんが、映像にはたいそうな迫力がありました。今日的なゴリゴリCGよりずっとリアルだったように思います。 【眉山】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2023-07-06 23:54:03)(良:1票) 7. 優れた映画文学と言いたくなる秀作。実写と特撮の融合が見事で、白鯨の巨大さ・重量感に圧倒される。暗い画面での特撮が迫力アップに効果的。 公開当時はG・ペックをミスキャストと論じる向きもあったと聞くが、半ば狂気ともいえる執念の荒々しいエイハブを、彼は的確に演じたと思う。スターバックの理性とエイハブの執念のせめぎ合いが物語に奥行きを与え、スターバックさえ最後はエイハブに同調するという、人間の持つ魔性が深い。 白鯨とエイハブが互いに引き寄せ合い、最後は一体化する顛末に自然への畏怖が感じられる。 【風小僧】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2023-04-30 19:55:01) 6.《ネタバレ》 盛り上げ方がとても巧い。旧約聖書を下敷きにした挿話を盛り込み、神の存在感の大きさ、畏怖を感じさせる。神か悪魔か、善か悪か、復讐するのは誰か、裁くのは誰か、神による救いはあるかなど、重厚な内容に酔いしれながら鑑賞すべし。①雷の閃光に一瞬映る船長の後ろ姿。あとはなかなか姿を現さない。②船長の名前エイハブは旧約聖書の神を捨てたイスラエルの王アハブ。だから呪われた名前。③牧師のヨナの説教。予言者ヨナは神に逆らったので巨大な魚に飲み込まれたが、後に救われた。④港で預言者の言葉。「島がないのに島の匂いがするとき、船長は死ぬ。だがすぐに甦り、皆を手招きするだろう。一人を残して全員が死ぬ。」⑤何百頭もの鯨の群れを狩っている最中に白鯨の消息を聞いた船長は作業を中断させ、白鯨を追う。⑥副船長が船長に反逆を起こそうをするが誰も耳を貸さない。⑦見張りが海に落ち、行方不明。それから何日もベタ凪。⑧インディアンの銛打ちが占いをして、自らの死が近いのを悟り、棺桶を作らせ、絶食をする。⑨白鯨とファースト・コンタクト。逃げられる。⑩他船から白鯨に襲われた船を探すようの頼まれるが断る。⑪船長が鍛冶屋に巨大な銛を作るように命令。水の代わりに血を使う。⑫嵐に遭って帆が破れるが、船長は嵐は白鯨に追いつくための神の贈り物だと主張し、強行を命令。⑬副船長はマストを切ろうとするが船長にさえぎられる。⑭セントエルモの灯が出現。船長は白鯨への道案内だと主張し、灯を手で触る。セントエルモの灯は船乗りの守護聖人である聖エルモの火で、これが出現すると嵐が収まると信じられていた。⑮副船長が船長を殺そうとするがためらう。島の匂いがして、白鯨とセカンド・コンタクト。死闘を繰り広げる。【感想】一言でいえば船長の復讐譚だが、その由来が少ししか描かれておらず不満。最大のサプライズは、終始白鯨への復讐を否定していた副船長が、船長の死を目にした途端、船員に白鯨を追うように命令したこと。善良なクリスチャン船員が呪いにかかった瞬間だ。その呪いは神のものか、悪魔のものか、白鯨のものか、船長のものか。どんな人間にも魔が訪れる瞬間があり、運命には逆らえない存在だ。そんな恐怖を体験できただけで満足です。白鯨は何の暗喩か?考えるのも楽しい。ちなみに日本の捕鯨では鯨が逃げないように音を出して囲み、弱った鯨によじのぼり手刀包丁で鼻をそぎとどめを刺す。 【よしのぶ】さん [DVD(字幕)] 8点(2011-09-10 13:45:45) 5.《ネタバレ》 子供の頃にテレビで見たのが最初の鑑賞です。乗組員が腕を振るエイハブに招かれ、助かるはずのない戦いに向かうシーンに戦慄を覚えたものです。白鯨の特撮はなかなか良くできていると思います。日本語吹き替えも子供にわかりやすく良かったです。原作を読みましたが、読むのに骨が折れる大作です。その大長編を原作に非常に忠実によく映画化したと思います。ぼくは銛打ち名人クイークェグが好きでした。 【ジャッカルの目】さん [地上波(吹替)] 8点(2011-02-28 00:26:59) 4.《ネタバレ》 古い映画ですが、これもまた掘り出し物でした。 退屈で固いんじゃないかと思っていただけに、予想を裏切る面白さでした。 笑えるところもきちんとあるし、見せ所のパニックアクションは、ジョーズをしのぐと・・ ジョーズは何度も見ていて評価をまだつけていないので、もう少しお待ちくださいね。 そのジョーズに匹敵する、いや時代からしたらしのぐんじゃないかと思いました。 まじめな文芸作品、でも単純でそして深いドラマです。 ただ単に仕返しの鯨退治じゃあないのです。 私はこの船長はもしかしたら白鯨、そして白鯨もまた船長と思います。 同じ敵同士でその時を待っていたかのように・・ この映画もまた他の洋画の例にもれず、キリスト教の教えがあります。 単純なストーリーですが深い深いものがあります。 途中に出てくる船員の言葉、「鯨を捕って油を売るのは人様のためになり神も喜ぶ」 「けれども復讐のために鯨を殺すのは神にそむく行為だ」こんなような言葉・・ うまいこと言ったものだと納得しました。 あの白鯨は守り神なのかもしれないし、殺された鯨の怨念かもしれない。 船長の言葉も「この船では私が神だ」のような言葉を言いますが、 あの驕りは前者の言葉とリンクしているような・・ 最初に主人公が出会う預言者の言葉が怖いです。 ひとりを残してみんな死ぬ、船長は手招きして呼ぶ・・そんな風な言葉。 見終わるともう一度すぐ見たくなる。 すべて登場人物から言葉からつながっています。 あまり古い役者は知らないのですが、教会の牧師がオーソン・ウェルズだった。 とにかく暴れまくる白鯨のすごい迫力に圧倒されます。 たまに海が船と色があってなくて合成技術の甘さは感じるものの、 それでもこれだけの無駄のない面白い作品が作れるんですね。 今の映画のアラは気になりますが古い良質の映画のアラは気にならない。 ラストのあるモノが浮かび上がりたったひとり生き残った人物は・・ そのあるモノにも深い意味があるんですよ。 後味は普通悪いものなんですが救われました。 私はどの人間になれるのだろうかと少し怖かった。 ある意味宗教がかっていて、ホラー感覚も味わえます。 小説で読んだ人にも映像が迫力あるのでおすすめ! 【アルメイダ】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2005-05-20 04:38:07)(良:3票) 3.なんていうか、あっという間でした…。目が離せなかった。独特の世界にすっかり魅了されてしまいました。エイハブ船長、格好良いです。恐いと思いつつも惹かれてしまう…。というか、この映画自体がそんな感じですね。恐いもの見たさで、目が離せなくなるんです。 【M・M】さん 8点(2005-03-17 13:14:50) 2. ジョン・ヒューストンの力業的映像に脱帽ッス。モビー・ディックが作り物丸出し?当たり前だろう。本物の鯨が演技できるわきゃなかろーが!それでもイシュメール以外全滅に追い込む白鯨の迫力に無理矢理酔え!ただ難を言えばペックはミスキャスト。一生懸命演じてるんだけどねぇ。メルヴィルの描くエイハブのイメージとはアイスランド島とエロマンガ島くらい懸け離れていると思うぞ、個人的に。 【へちょちょ】さん 8点(2002-12-24 20:23:06) 1.この映画が初めて、原作を読みたいと思った映画です。今見ると、細かいところで注文つけたくなるけど、全体の雰囲気とか白鯨との死闘、ラストの虚空というのは凄いと思います。 【奥州亭三景】さん 8点(2001-08-17 23:59:34)
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