みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(8点検索)】
17.《ネタバレ》 殆ど笑顔を見せる事のなかった登場人物と、素敵ながらも寂しさがこみ上げてくる音楽が醸し出す、えもいえぬ空虚感に戸惑った。映画を楽しめたのか、考えさせられたのか、未だによく分からない。この映画最後のシーンで、仮にユーイチがティーチャーを撃墜して帰ってきたとしたら、全く意味の無い映画になっていただろう。戦死してはまた別のキルドレがクローンとして現れてくるが、過去や感情までは引き継げない。輪廻転生はあるかも知れないが、いまの自分という存在は唯一無二であるという事を再認識させられる。恵まれた環境の中、日々ルーチンワークをこなしながら生きている。オレらもある意味キルドレなのかも知れない。代わり映えのしない毎日を淡々と過ごしている人々に、自分の存在価値を再認識してくれ!、と強烈に訴求している様に感じてならない。声優陣に関しては賛否両論だが、個人的にはアニメの無機質な雰囲気に見事にマッチしていると感じた(とくに菊池凛子)。グラフィックはさる事ながら、臨場感たっぷりの音響が特に素晴らしい!これは是非映画館で観てほしい映画。久々に、とても気に入った映画に出会えた。 【けっけ(硝子の心を持つ少年)】さん [映画館(邦画)] 8点(2011-05-23 15:44:12) 16.《ネタバレ》 押井作品に関しては、『天使のたまご』は見ているものの『ビューティフル・ドリーマー』は見ていないという中途半端なフォローしかしていませんので、この作品にコメントをするのもおこがましいとは思うのですが、あくまで「この作品を見た限りにおいて感じたこと」として、レビューをさせてもらいたいと思います。 まず個人的な感想として、「明らかにこれまでの押井作品と比べて、前進しようとする『意志』は強く感じられる」と思いました。誰しも「日々の生活の『ループ感』」と言うのは、程度の大小こそあれ感じることだとは思うのですが、「それを耐えられるようになってこそ大人なんだ」という風にばっさりと切り捨てるのではなく、ドン・キホーテ的な無益さを承知の上で「そうではない」とはっきり言っているところに、押井監督の「真剣さ」といったものを感じました。この点に関しては、僕は何も言うつもりはありませんし、無条件で敬意を表したいと思います。 しかし僕が気になるのは、そういう「ループ感」に捉われている人々の描写と言うのが、あまりにも「その状況に耽溺しすぎている」という風に見えてしまい、それがまた劇中BGMの切なさも相まって何とも甘美に感じられてしまう点です。具体的に言うなら、前~中盤のそういう「状況に捉われた」描写が、「結局は何をやっても負け戦になる」という前提になっているように見えてしまい、それゆえに終盤のあの展開に否応なく「敗者の美学」みたいな、何か危険な「甘さ」のようなものが付いて回るように見えてしまうのです。 ここからは完全に(未経験な若輩者である)僕のわがままになってしまうのですが、せめて映画の中では(と言うより現実をはるかに飛び越える可能性もある映画の中だからこそ)、そういう「甘美さ」を抜きにして、「敗者になること」を前提とした勝ち目の無いものではなく、せめて拮抗しているか、あるいはそういう「勝ち負け」をポンと飛び越した状況を経た上で、「人間性の勝利」みたいなものが垣間見える瞬間を見てみたいのです・・・と言うより、今現在の僕の個人的な嗜好として、製作者自身も「何とかそういう方向を手放さずに格闘する」ような作品をより多く見てみたいと思います。 (とは言え、こういう種類の「甘さ」と言うのは、僕が見てきた数少ない押井作品の数々(とりわけ『天使のたまご』)の中からも感じられた、言ってみれば「押井作品の持ち味」と言っても良いものなのかもしれませんが・・・) そういう意味では、この作品は僕にとって「決して駄作ではないが、かといって無条件に礼賛するのも危険な作品である」という位置づけになります。 しかしそうは言いながらもこういう「甘美さ」には、個人的に抗いがたい魅力を感じますし、また最後まで見てみれば、この作品が決してそういう風に「耽溺する」つもりで終わっているわけではない事も窺えます。従って僕自身は、この映画に備わる「甘美さ」に関しては、ごくたまに味わう高級なお酒みたいなものとして捉える事にし、ラストに存在する「前進する意志」だけを、極力心に留めておきたいと思いました。 そういう「前進する意志」という意味において、ラストでスイトが煙草を吸わなかったシーンが大変力強く印象に残ります。それまでの「日々のルーティン」から意識的に抜け出し「煙草を吸わなくなった」上司として、この後新たにカンナミの後任に就いた人物に対して、彼女が一体何を言おうとするのか、想像したくなります。 【マーチェンカ】さん [ブルーレイ(邦画)] 8点(2010-08-17 22:57:39)(良:3票) 15.《ネタバレ》 映画を観終わって、・・・と切ない気持ちになったのは久しぶりです。「攻殻機動隊」も魅力的な主人公を無残な姿にさせちゃうし、この映画も感じのいい主人公の青年に、こんなラストを迎えさせるし。押井さんは登場人物に愛情もたないの?と思っちゃう。でも、いい映画だと思います。ただティーチャーに向っていく時、あの静かな主人公の表情を絵でどう表現したか、観たかった。マンガみたいに「うおおおお!」って感じじゃないことは確かだろうけど。きっと眠そうな表情で、どっかしらけた気分で突っ込んでったんじゃないか?それにしても何と寂しい世界であることか・・・他に若者はいないのかな?ボーリング場はガラガラだし。ミートパイの美味いアメリカのファミレスみたいな店も年寄りばっかりだし。 【トント】さん [DVD(邦画)] 8点(2009-05-22 21:13:29) 14.この時代に、この映画を観れたことを感謝します。そんな映画なんでしょうね。さぁ、この映画、100年後まで残るのでしょうか。わたしゃ、あと30年くらいしか、確認できないでしょうが、もしかしたら、この映画、願わくば、このカキコ、100年残って欲しい。 【オドリー南の島】さん [DVD(邦画)] 8点(2009-04-07 22:39:10) 13.いっさい食べているシーンはないが、無性にミートパイを食べたくなった。 【馬】さん [DVD(邦画)] 8点(2009-04-02 16:35:46) 12.《ネタバレ》 SFながらも現代の若者を描写した名作だと思う。無気力で生命力が感じられない。 惰性感。 ところが、それでも生きていかなければならないという。 なにかがおかしい、どうにかしなくてはならない。人によっては「ソレ」 に気付くものもいる。いるがどうしようもできない。待ってるのはまた同じ日常の 繰り返し。表面はのんびりしてるが彼らは相当ストレスを受けもがき苦しんでる。 それすら気付かない、いや、気付いても気付かないふりをしてるのだ。 意識してしまえば、おかしくなってしまうから。 通り魔事件やらなにやら、あの種の犯人たちは気付いてしまった人たちなのかもしれない。 しかし、気付かなくても、気付かないふりをしても、 その反動は必ずひとそれぞれなにか形を持ってあらわれる。 この作品、日本禁煙学会から抗議されてるようだが(笑) なぜあんなに煙草を吸うのか。輪廻転生の伏線だけではない。 それがわからない人はこの作品のせつなさなんか理解できないかもしれない。 自分はもう若者とはいえないが、彼らの思いが痛いほどわかる。ものすごくせつない映画だ。 「キルドレには戦死によってしか死ぬことができない。」それはある意味残酷なウソだった。 戦死でも「自分という存在は」転生していく。 最後主人公はなにかを買えようと、いわば特攻していくが・・・ 帰らぬ主人公にちょっとはみんな悲しむが・・・・ やはりなにも変わらない。世の中も。そして「自分も」なにもかも! これは地獄のようなもんです。 ところが。押井監督の手法は・・・肝心の若者には伝わらないんじゃないだろうかと危惧しています。ストレートな手法じゃないゆえに。 むしろ中年以降の人がみるとぐっとくるかもしれないです。 【うさぎ】さん [ブルーレイ(邦画)] 8点(2009-03-06 10:14:39)(良:1票) 11.《ネタバレ》 「アニメーションには表情が欠けている。」とは小栗康平監督の卓抜な指摘である。実写映画にある「人間の表情の深み・多義性」が、アニメ映画においては決定的に欠けている。通常は欠点とされるべきこのアニメ映画の特性を、逆に利点とする方法があるとすれば、それは「表情のない人間」を描くことだろう。押井監督は、このアクロバットな手段を使いこなし、物語を紡ごうとする。繰り返される日常の退屈を紛らわせるために行われる娯楽としての戦争、成長しないキルドレ、すべてのモチーフが「表情の欠如」とリンクしている。もちろんそれぞれのキャラクターには声色があり、物語における役割も与えられている。しかし、そこにやはり表情はない。もしも、現代がだんだんと表情を失っていく時代であるとすれば、この映画は、表情を失うというある種の絶望のあとに開ける、わずかな希望を表明しているとも言えるかもしれない。 【wunderlich】さん [映画館(邦画)] 8点(2008-10-17 18:01:47) 10.《ネタバレ》 空の表現と音がきれいなぁ、というのが第1印象でした。さすがスカイウォーカー! 戦闘シーンの描写もよくできているとは思いますが、機体が何となく浮いてしまっている感じに見えたのですが、私だけかな・・。 声についてはいろんな見方があると思いますが、こども・無機質という表現を考えるならあれでもいいかな、と思いました。(よくいわれる「侮辱するな!」の部分はあれ?と思いましたけど。) 映像・音響のことを考えれば、この映画はやはり映画館で見るべき作品でしょうね。あとは・・・やはり、エンドロールが終わって上映が完全に終わるまでは席を立たないこと、ですかね。最後のあのシーンを見ると見ないとでは、作品に対する印象が変わってしまいます。 【雷電為五郎】さん [映画館(邦画)] 8点(2008-09-29 00:56:06) 9.《ネタバレ》 それほどいつもみたいなマニアックなつくりになってなかったので、押井信者としてはちょっと物足りない感じがするが、これはこれで良し。 ただパト1とかのような、万人にお勧めできるほどのバランスのよさってほどでもなかったが。 映像は相変わらずすばらしい。特にOPの空港への着陸シーンなどは、鳥肌物である。戦闘シーンも最高。文句のつけようが無い。ただ、CGと2Dの融合した場面では、やや不満。もうちょっとがんばってほしいかな。 音楽は相変わらず良い。今回のメインテーマは押井作品の中でのメインテーマ曲の中では一番好きかも。 声優は・・・まああれもあり、なのかなぁ。 過去に似たような話があった、戦争論を語るシーンで思わずニヤけたのは俺だけやないはずw。 話は微妙に退屈なところもあり。全体的にゆる~いテンポで進むから。 なので、今回も万人にはお勧めできません。 ちなみに原作既読ですが、覚えてない。雰囲気はこんな感じだったような気がする。 【みーちゃん】さん [映画館(邦画)] 8点(2008-09-13 13:34:04) 8.《ネタバレ》 ヴェネチアで記者から何故実写で撮らないのかという批判めいた質問があったようだが、それは全てのアニメ作家に投げかけるべき質問であり、私は押井アニメこそ比較的アニメであることに価値があるアニメだと思う。本作の映画全体で描かれる青空や雲は登場人物の心情などという単純な言葉では表せない静かで陰鬱な精神世界をストーリーと一体になって表現している。私の美的センスを批判されても知ったこっちゃないが、あれは本当に美しいと思う。/監督は根本的には人間ドラマを描くのが苦手なのかもしれない。しかし、人間的になれない人間を描き、せいいっぱいの人間性の表出をすくい取ろうとしているような姿勢には誠実さがある。本作ではあがくように空を這うキルドレたちの姿を冷酷に描きながら優しい視線で見つめている。殺したい、殺されたいと相手に自らの生死を委ねる程の愛は観念的だが、いつも同じ道を通るだけの生に耐えられない者ならそんな愛を望むかもしれない。そういう思考実験的シチュエーションの中、幼くて危うい2人によるラブシーンは痛いくらいの狂おしさがあった。いつも通る同じ道も景色は同じじゃないという主人公だが、彼は愛する人のため新しい道を切り開こうとする。立ちはだかる障害は社会全体で仕組まれたシステムにより倒せないことになっている敵だ。その不条理に無自覚に挑んでいく主人公は残念ながら愚かとしかいえないのが切なくてたまらない。/平和を実感するためのショーとしての戦争という設定自体個人的に変だと思うし、他に不満もあるし、別に押井監督が好きなわけでもないが、本作には好感が持てる。ポニョよりこちらが上だと思う。ただ、空(3D)と地上の描き分けに対する視覚的な違和感はやはりどうしてもぬぐえず、そこはどうにかならないものか?と思った。 【しったか偽善者】さん [映画館(邦画)] 8点(2008-09-05 08:46:41) 7.《ネタバレ》 ビジュアルは文句なく、ストーリーも良く、しかも何かを考えさせるようになっており、非常に満足できる作品に仕上がっている。 世界や海外を意識したためか、自分の追求するスタイルを少々捨ててはいるが、自分のコアな部分はきちんと投影されている点は素晴らしい。 自分の世界観を分かりやすく伝えるのもプロの監督の仕事だ。 あまり彼の作品は観たことはないが、やはり押井監督はプロフェッショナルな監督だと感じさせる。 チカラを相当に注いだと思われるビジュアル面では他の追随を許さない圧倒的な美しさには驚かされる。 単に美しいだけではなく、空や雲の空気感・飛んでいるような感覚までをも描きこもうとしている。 ある意味では“芸術”ともいえる領域だ。 キルドレについては、現代の若者をイメージしているのだろうか。 空の多彩な表情とは変わって、能面のような表情が実にいいコントラストになっている。 感情的にならないドライな若者たちを非難しているようには感じない。 現代の若者を上手く捉えており、彼らに非常に分かりやすくメッセージを伝えたと思う。 本作ではキルドレの代わりがいくらでもいるという設定になっているが、現代の若者たちに対して「それでいいのか?」と問うているのではないか。 「オマエらは人形じゃない」「代わりなんていない」「この世界はゲームじゃない」ということを監督は伝えたがっているように感じた。 また、描くことが難解な微妙な部分を上手く演出している点を評価したい。 冷めているようで、ほんの少し熱い部分もある。 感情を表に出さないが、内面には秘めたる部分もある。 諦めているようで、何かを変えようともがいている部分もある。 逃げているようで、立ち向かおうとしている部分もある。 このような微妙な感覚を上手く演出しているのはプロの仕事だ。 菊地凛子の起用の成否の判断は難しいが、恐らく押井監督はギャンブルに出たのではないか。 彼女よりも上手い声優はいくらでもいたと思うが、彼女の下手くそさ(しっくりこない違和感)が良い意味で個性的な味わいが出たような気がした。 栗山千明のように悪くなくても印象の残らないよりも、冒険を犯して印象に残すということに主眼を置いて勝負したと思われる。 菊地凛子は好きではないが、そういう意味においては彼女の起用は当たった。 【六本木ソルジャー】さん [映画館(字幕)] 8点(2008-09-04 00:32:56) 6.山之辺マサトは孤独な神となり、リューズには永遠の苦しみをもたらした「不老不死」も考えて見れば「忘れる」ことさえ出来ればどうってことのない「日常」なのかもしれない、私自身40年以上生きているが、実感があるのは「今」だけで、昨日も去年も10年前も「記憶」という「知識」でしかない(私だけかも知れませんが・・・)そして「忘れることが出来なかった」のが草薙であり、そこにはやはり手塚治虫やら松本零士がかつて描いたのと同様の「悲劇」が存在した、って解釈で正しいのかな?(ちょっと自信が無いw)まぁそのあたりはいいとしてこの作品の欠点を上げるとしたらそれはズバリ「絵」だと思う、「宮さんを凌ぐ」と豪語した空中戦も超リアルなプラモデルにしか見えず、浮遊感やらスピード感を全く感じさせない、ナウシカや豚やらの足元にも及ばない、それどころか押井本人の演出であるマッハ軒のハリアーにも及んでいないと思うのだが・・・ 【るね】さん [映画館(字幕)] 8点(2008-08-31 00:19:53)(笑:1票) 5.ジブリ系の癒しだけでは物足りない方はこちらへ。~圧倒的な映像美・ほとばしるメッセージ~押井芸術は更なる高みへ! 【つむじ風】さん [映画館(邦画)] 8点(2008-08-25 02:11:05) 4.《ネタバレ》 原作は未読。ただ、時代背景など設定やストーリーはチェックしてました。全ては語られずに終わって行く内容でしたが、予備知識のお陰で(本筋もしっかりしてたし)足りない部分はすんなりと、自分なりの解釈をしつつ見れました。与えられる情報だけに納得するのではなく(過去の押井作品では、小難しい世界観に自分は追い付けなかったです…画だけ楽しんでたかも?)、“考える”ことのできる作品でした。必然と各人最後に残る思いも強く、そして様々かと。個人的には「草薙」「ジンロウ」「人形」「オルゴール」「バセットハウンド」…、たまたまでしょうが押井カラーが散りばめてあったような?川井音楽ももはやしっくり、すばらしい。声優陣は、加瀬亮はとっても良かったと思います、無表情な感じが。あと榊原良子さん、貫禄ですね。(南雲隊長が懐かしい) そして、特筆すべきドッグファイト。映像は圧巻。冒頭では、キルドレと言う存在は抜きに、残酷な戦争のほんの一瞬でも、痛烈に描けていたと思う。そして“それ”だけじゃなくて良かった。「ショーとしての戦争」は、自分には共感できなかったです。請負企業があっての、あくまで“ショー”でしょ?と言う感じにしか受け止められなかった。モニターの中の出来レースを見て、自分のポジション、つまり“平和”とか“安全”を改めて確認できるのかな?と。(自分の身に降りかかることが無いと分かっての戦争(ですよね?)があって、人が死んでいると言う事実だけでいいの?)せめて、平和に浸っている世界の日常が欲しかった。キルドレが何の為に戦って、不条理に生を繰り返しその意義に葛藤をしているのか?その存在がもっと、悲しいけどこの世界には必要なんだって言う、比較対象があればなと…。監督は(「言ってしまった…」と言う表現をされていたが)「若者に伝えたいことがある」と仰ってたましたね。この現実で、薄らいだ“命”の重さについて、でしょうか?映画が終わって退館する際、同じ回を見た大学生位の方でしょうか?10名程が盛り上がってました。「帰ってエースコンバット(ゲーム)しようぜ!」だって。色んな受け取り方があって当然、悪いことじゃない、と思う。けどさ…、そんな見方はね…。この映画にはもったいない。 【乳時雨】さん [映画館(邦画)] 8点(2008-08-19 18:31:31)(良:1票) 3.《ネタバレ》 切ない・・・その一言です。エンドロールの最後まで見終わって、冒頭のカミュのネタは「不条理」の暗喩だったのかと合点がいきました。「異邦人」ではなく「シジフォスの神話」の方かと。ただ、映画的には最後の付け足し部分はやはり蛇足になるので、本編の方でスマートに表現して欲しかったと思いました。マッチの軸を使うしかないかも知れませんが。 【karik】さん [映画館(邦画)] 8点(2008-08-13 23:53:13) 2.《ネタバレ》 平和になった世の中、ショーとしての戦争をするために作られたキルドレ。子供のまま成長することなく、戦死しても直ぐに生まれ変わるクローンであり繰り返しの人生を送っている。それを繰り返し何人も見ている水素や周りの大人は何を思っているんだろうか? そのキルドレである函南優一は自分の存在意義を感じ取り、何かを変えようと勝ち目の無い敵軍エースであり大人のティーチャーに戦いを挑み戦死。勝てない存在に挑んで散った優一を見て、無感情を装いながらも鬱積した感情を持っていた水素は真っ直ぐ生きる糧を得たわけだ。 終わりの無い繰り返しの物語。今の時代の無気力に生きている若者への「抗って生きてみろ」というメッセージ。それとも絶対的な強さを誇る駿に挑む自らを描いたか。 「やる前から負けること考える馬鹿がいるかよ」by猪木。今の世は打算を働かせてから動く人が多いからなんとも言えませんが、「当って砕けろ」の精神が好きだな。砕けてもなんかしら見えるんじゃないかと。 作画は悪くないけどCGとキャラデザがイマイチ。川井憲次の音楽は相変わらず素晴らしいわ。 【ロカホリ】さん [映画館(邦画)] 8点(2008-08-07 01:02:10) 1.やべぇ!押井作品なのに普通に見れた。 50代も半ばを過ぎてだいぶ棘が取れてきたかなぁ。 キルドレという設定がスゴく面白い。 人々に平和を感じさせる為のショーとしての戦争なんて 考え様によっちゃあ物凄くエゴイズム。 考えてみれば現世もエゴイズムの塊りだ。 キルドレという永遠の命を授かった子供ならそんなエゴに思い悩むだろう。 普通の人間以上に。 存在としての意義、人としての意義、戦争の意義、そして平和の意義。 そんな普遍的で誰もが唯一答えが見つからない問いに ガチに向き合い捻じ伏せる力量はやはり押井作品ならではだ。 【sting★IGGY】さん [映画館(邦画)] 8点(2008-08-02 22:01:09)
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