みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(8点検索)】
4.《ネタバレ》 こちらでの評価が芳しくなかったので期待していなかったのですが、予想以上によくできていました。 ドラマとして誇張されている部分はあるにせよ、このご時勢に見ると絵空事とは思えません。 大都市が廃墟みたいに荒廃しちゃっているのはやりすぎだと思いますが、病院内の様子っていうのはこれに近い状態があるのではないでしょうか。 感染源疑いのある人への差別。非難。学校でのいじめ。院内感染。買占め。軽症者は自宅療養。命の選別。ブレイム病棟の専属スタッフは家にも帰れない。ワクチンも治療薬もないので、対症療法しかできない。 この映画ではすべてフィクションとして描かれていたことが、コロナ禍においてそのほとんどが現実のものとなってしまいました。もしこの映画の公開当時に見ていたら、『そんな馬鹿な』と一笑に付していたかもしれないです。 映画としても非常によく出来ています。 まず冒頭のフィリピンでの新型鳥インフルエンザがミスリードとして効いています。これによって、中盤明かされる真実に少なからず衝撃を受けることになります。 劇中感染症で亡くなる人物に規則性が無いことも重要。夫、父、母、恋人、医療従事者と多岐にわたります。そしてそれぞれの家族の悲しみがそのたびに映し出されます。こういったひとつひとつの家族のドラマを描いている点は高く評価できます。 パニックものとして誇張しすぎている部分はありますが、買占めに殺到する人々の様子はやけにリアルで恐ろしい。 感染源の調査や主演二人のラブストーリーに時間を割きすぎたせいで冗長になってしまった感は少なからずあります。 余計なものを排して純粋なパニックものとして2時間以内にまとめていたら、歴史に残る傑作になっていたかもしれないです。 【たきたて】さん [DVD(邦画)] 8点(2021-04-26 01:12:53) 3.《ネタバレ》 たんなるパニック映画にとどめたくないという意志が感じられるけども、「ウイルスやがん細胞の存在意義は?」とか「自然破壊の罪」とか「明日地球が滅びようとも、今日僕はリンゴの木を植える」とかの大々的な命題を持ちこんでしまうと少々説教くさくなってしまった。 だけども、パニック映画にすることなく、死にゆく意味、生き残る意味を煩悶する姿勢は感じられた。 <2020年追記> 10年前に観たときに感じたことと同じこと感じた。これは「パンデミックパニックムービー」という衣をまとった、「死生観の叙述」。すなわち、命とは何か、我々はなぜ生きるのか、どこから来てどこへ行くのか。 例えばこんなセリフ「ウイルスは宿主を殺すと自分も死んでしまう。矛盾してる。ウイルスと仲良く生きていくことはできないだろうか。」実はウイルスの原因が、人間の乱開発による未知の病原菌との接触なわけで、人間がやってることもウイルスと同じ。 そしてラストに現れるセリフ「例え明日地球が滅びようとも、今日君はリンゴの木を植える。」 こうした倫理の授業のようなセリフを味わうためにも、 血まみれの病棟や、人がいなくなった東京の街並みよりも、(パニックなのに東南アジアに行っちゃう妻夫木隊よりも)、いっそ密室劇のように、病院の中だけでほぼ撮ってしまったほうが、瀬々監督の持ち味(説教くささ)を発揮できたと思う。 あと妻夫木くん、田中裕二の奥さん看護師が絶命したときに、彼女のガラケーで幼い娘さんに、代わりにああやって返信しちゃうのは、絶対やっちゃまずい。気持ちはわかるけど、それはやっちゃだめ。そもそもヒトのケータイいじっちゃアウト。 「トリアージ」という言葉も使われていた。当時の僕には分からなかったけど、今なら分かる。 トリアージの葛藤は、映画として描くには充分なテーマだろう。人工呼吸器のやりとりのシーンで、助かる見込みの無い患者から取り外し、助かる見込みのある患者に取り付ける。結果みんな死亡という最悪の結果に、医師や看護師が一人また一人と「もう嫌だ!」と去っていく。 こういうのを瀬々監督はもっと撮りたかったに違いない。 そのために、田中裕二の奥さんも助かる見込みが無くなって、妻夫木くん自らが彼女から人工呼吸器を外し、その結果彼女が心肺停止っていうシーンを設けても良かった。命の選別。ところどころに登場するキリスト教モチーフも活きてくるだろう。 【no_the_war】さん [DVD(邦画)] 8点(2020-03-23 15:41:15) 2.《ネタバレ》 どうもわたしは、理不尽な不幸に対して、前向きに戦う人間のドラマに弱いようです(^_^; その意味で、この「感染列島」はわたしの心にスットライーーークでした(^_^; もう助かる見込みのない患者から人工呼吸器を外し 少しでも助かる見込みのある患者に苦悩しながらそれを付け替えるシーン 結局、どちらの患者も死んでしまう理不尽さ。 けれども、現場の医者は戦うことをやめない。 この感染爆発の原因が、海外で現地の人間のために、 それこそ自分の命をなげうってまで戦った医師が帰国したことにある理不尽さ。 その事が公になることが怖く、話すことができなかった医師の娘が、 最後には救いになる。 こういった、理不尽→それに非力ながらも対抗→最後には克服(いくつかの悲しい結末もあり)というストーリーには まるで、某漫画誌の「努力・友情・勝利」みたいで単純に感動させられてしまいます。 確かに、たとえ医師とはいえ、感染爆発を起こしている国の人間が簡単に海外に行けるのかとか 最後には、科学的に根拠のない血清療法に頼るところとか ちょっと納得できない部分はあるのですが、全体的には ぼろぼろと泣かされてしまいました。 個人的にはとても楽しめたので8点献上します。 わたしも今日リンゴ木を植えたい。 【りけい】さん [映画館(邦画)] 8点(2009-03-01 23:02:41)(良:1票) 1.《ネタバレ》 まず「感染爆発(パンデミック)」という題材を扱うという着眼点は素晴らしいと思う。実際にO-157に始まり、新型インフルエンザやSARSなど新型ウイルスによる恐怖は現在も刻々と迫っているわけで、この映画で描かれていることが実際に起きても何ら不思議ではないわけだ。確かに荒廃した渋谷などの映像はかなり誇張していると思うが、呼吸器を付け替える決断をしたり、血清療法を自分の体で試したりなど、極限状態における人間描写を映し出しており、本当にこんな事態が起きたらどうなるんだ、という緊迫感を身近に感じられた。更に良いのは、ウイルスに感染した人間がほとんど命を落としてしまうという現実の描写。安易なお涙頂戴によるご都合主義に走らなかったのは好感が持てる。ところで、劇中でのテロップの多用や置ききれなくなった遺体を都市に並べるシーンなどには「復活の日」を思い出した。あれは細菌兵器だったからちょっとアプローチは違うが、本作はそのリメイク的な話だと考えればなかなか興味深い。少々甘いかもしれないが、パニックものとしてはこれぐらいの点数はあげたい。 【ドラりん】さん [映画館(邦画)] 8点(2009-02-16 01:58:41)(良:1票)
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