みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(8点検索)】
8.《ネタバレ》 東京国際映画祭で観客賞と審査員賞のW受賞した作品です。期待して見に行きましたが期待以上の素晴らしい作品でした。4歳の子も一緒にいったのですが前半部分のブタと子どもたちや先生とのシーンでは実に楽しそうに見ていました。(後半の子どもたちの討論シーンでは理解できず暴れてました・・・汗)食育,命を頂くということについて本当に考えさせてくれる良作ですね。すべての小,中学生に見せたいと思う映画です。教師役の妻夫木さんの演技もさわやかで嫌みがなく人間性が出ているというか,いいキャスティングだったし,子ども達の演技力もすごかったです。というか演技している感じが全然なくて,ものすごいパワーを感じましたね。おすすめです。特に小学校や中学校の先生や子どもにおすすめです。 【なかがわ】さん [映画館(邦画)] 8点(2024-01-26 06:29:20) 7.《ネタバレ》 観る前はバカにしていたが、実際観てみると、予想外にもかなり泣かされた映画だった。 冒頭、教頭が言う。鶏じゃダメなんですか? うん。じつにまともな意見だ。 観始めてすぐから主人公の先生が、やたら罪作りなやつに見えて来る。 例えば、台風の日にPちゃんの世話をしにくる子供たち。名前を付けた上、こんなに世話してたら、もはや絶対に喰ったりなんかできないだろうなあ。 小学六年生の議論が続く。これは学園紛争の映画だ。 Pちゃんがいなくなる。見つけた時には捕獲のひと等によって連れ去られようとしていた。いちご白書が脳裏をよぎる。 足にしがみついて阻止しようとする男の子たち。その中にはPちゃんを食べようと言い、ついさっきまでPちゃんがいなくなってよかったと言っていた男の子も交じっていた。うを! ラストにもう一発衝撃的な場面が用意されていた。 食肉センターのひとたちにとっては、子供たちが愛したブタではなく、たんにこれから肉として加工される豚。 衝撃的だった。 せめて肉屋(クラスの中に肉屋の息子がいる)の親爺くらいの人物であってほしかった。 ブタは生き残るもんだと勝手に思い込んでいた。この場面に出くわすまで、どこで反転するんだろうと思っていたくらいだから、この場面には俺自身がうちのめされた。 そして荷台にブタの載ったトラックを追って走る子供たち。うーむ。さよなら、僕の友達。 なるほど、これはいい映画だった。 いい映画に対して評論的なことを言うのは差し控えたいが、撮り方のうまさなのか、26人もいる子供の区別がついたことは、驚嘆。 けっきょく学園紛争の闘士たちは、(ファッションだったやつ9割を除けば)この映画に登場する子供たちと同じで純粋だったのだ。 劇中で「正解はありません」などと小ぎれいなことを先生が言っているが、それはめくらましに過ぎず、正解はあらかじめ決まっていた。 「食べるってことは命を受け継ぐってことなんだ」などといった舐めたセリフ等によって、「命あるものを頂くという意味」を問う「重いテーマ」を持った映画だと誤解した人が多いみたい。 作り手はそんなこと考えてない。元からニュースになったりドキュメンタリーになっていたらしく、おそらく便乗しただけだ。 俺は単純に、悲劇として、かなりの感情移入をもって観た(おそらく甘利花を通して)。 それは、だいたいこんな感じだ。 自分は畜産農家に生まれた。初めて自分がメインで育てた家畜。名前も付けて一所懸命育てた。喜びも悲しみも共にした。でも。 売られちゃった……。 けっきょく、そういう衝撃(純粋で小利口じゃなく初体験だったから、衝撃になった)を登場人物や舞台設定を変えて、現代風に描いた映画だった。 その意味で希望(子供にだけ許される無邪気かつ理想的な希望)を打ち砕かれる映画だったし、歴然と悲劇だった。そして悲劇であるがゆえに! 俺はこの映画をとてもいい映画だと思ったのだ。 うん。じつにいい映画だった。 (売っただけで、自分たちで食べるという当初のゴールは達成しなかったはずだ。クラスの半分が食べたくないと言っているから。つまり食肉に加工してもらって(この場合は加工賃を支払う)戻ってきたわけではない。単に売っただけ。その点において、まさに農家と同じだった。そして売り上げ金はブタの法的所有者だったはずの先生の懐に入ったはずなのだ。これは先生を批判している人の批判の内容が的外れであることを意味する) 【おら、はじめちゃん】さん [DVD(邦画)] 8点(2023-04-23 06:12:24) 6.微妙な内容ですが実話らしい自然な出来栄えに涙腺が刺激されました。 【ProPace】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2016-02-27 00:24:19) 5.《ネタバレ》 最初こそコメディタッチを装っているが普段人が目を向けない事をテーマにした完全にシリアスな方面に振り切れた映画で、中々他では味わうことのできない怖さを味わわせられた。完全に予想外の映画だった。子供達は一生懸命で無垢な存在だが、やはりこんな残酷な問題に曝されるのは多少不憫さを感じた。即ち、子供達はずっとPちゃんの行く末について議論をさせられていたが、その導きが全くない。最後の方で先生の無責任をついてくれるセリフがあって当時はスカッとしたが、しかし同時に「完全に自主性に任せたからこんな議論ができた」というセリフも否定には至らない。つまり、自分は教育とは誰かの導きが必要(特にこんな難しい問題扱うときは先生はぶれちゃだめだろ)と思ってたが、そもそもこの問題に答えは無いというのがこの映画のスタンスであり、一般的にもその通りだからそもそも考えることから始めましょうという思惑にハマっていた訳だ。その意味で入りやすいガッコウとブタは最適だったが、やや冗長だったね。言いたいことが無いならもっと短くしてくれた方が後味は良いw■最後に→誰かの父がKREVAに激似だったのがワロタ。貴重な生い立ちぽかったからもう一言欲しかったが。あとたまに出てくる絵。これは何か勘違いしているw小6の絵はもっとうまいぞww最後の最後に。ここのレビューを見るのを楽しみにしてました。同じような意見も個人的には多く見受けられて嬉しい。けどこの映画をこき下ろしている人(12、13の方etc)の話は特に興味深い。やはりここに書き込む人は相当に知的な方が多い。そんな自分はやはりこのようなテーマから目を背けて生きてくのが精一杯でありますが、今日これを見て少しだけ何かを考えただけでも及第点としよう。 【liptonton】さん [DVD(邦画)] 8点(2013-02-21 06:35:02) 4.《ネタバレ》 作中で豚を食べるのか、生かすのかという形上の決着は出ましたが、どっちがいいかという本質的なところでは結局結論は出ずでしたね。しかしそれでいいんだと思います。最終的な結論や立場は違えど、一匹の豚の生命に対して真正面から向き合って考えるという最高の教育はできたのではないでしょうか。どっちの立場の子供も、今後スーパーで豚肉を見ても今までのようにただの売り物の食糧とは見なくなってるのではないでしょうか。 ペットとして愛情を注ぐか、自分たちが生きるための糧として見るかは大人でも意見が分かれる問題かもしれません。しかしそんな葛藤を通じてあの子たちは豚に限らず、自分たちが頂く命に対して真剣に向き合えるのだと思います。映画として多少大げさな誇張やゲタ履かせはあったかもしれませんが、それを飲み込んで充分満足な作品だと思います。現実にあそこまでうまくいくかどうかは別として、子供たちの討論の様子に心打たれました。良作★ 【TANTO】さん [DVD(邦画)] 8点(2011-06-24 23:56:22) 3.《ネタバレ》 (途中からでしたが、つい観入ってしまいました 昨晩9時からの地上波放送で。) 最後、悲しかったから 見終えた後でソッコーでふて寝した。フロも入らず、着替えもせず、電気も消す事なく自分の部屋に立て篭もりふて寝した。(ガキか自分。) 勝手、試練を与えられた僅か1クラス分の(気の毒な) 生徒たち6年生。 または、引き継いでもらいたかったのに引き継いではもらえなかった理不尽な思いにさらされてしまった3年生。 6年2組の子ども達26名と一部3年生の顔が自分としては鮮明に焼きついてしまった(泣きじゃくる顔と悩める顔と怒る顔。) そんな子供達の熱い討論と護送されてくPちゃんの後ろ姿にいてもたってもいられなかった 異常な程に涙出た。 作品としては良いものだったと思うが、教育過程としてはあまりに行き当たりばったりで、これが研究授業の一環だったというのなら、一担任教師の指導任せにしておくのはあまりに危険ですね 多感な時期の子ども達のハートを痛め過ぎる危険が大。到底良い事だったとは思えない。 【3737】さん [地上波(邦画)] 8点(2011-06-18 23:42:42) 2.《ネタバレ》 人間は偽善者だと私は思います。口蹄疫に感染した宮崎の農家にとって、牛は我が子。 せめて病気になった我が子を処分する前に最高の餌を与えたいと涙を流す。 これをみて我が子を売る商売でいいのかよ!という人はあまりいない。 なぜならば農家の人が必死で育てた牛は、人間に食べられることが本望だというのが人間の考えだからである。もちろん子供にはまだ分からないことです。すべての人間は生きるために「偽善」を抱えており、 そしてあらゆる偽善者が自分を棚に上げて、別の偽善者を批判する。これが世の法則なり。この映画を見て、観客である偽善者が、あのセンコーは偽善者だと叫ぶことも「法則」なのです。いずれ子供はそれを知ることになる。あの先生がその真実を早く教えてくれた。私の嫌いな妻夫木のナミダビームも今回は許そう。飼っていた豚も、海に乗り上げて苦しんでいる鯨も、矢に刺さった鳥も、全部大切な命だ、助けなくてはいけない。その一方で猟銃の免許をとってスポーツ競技として鳥を撃ち殺す人間の真実よ。吉野家の豚丼を、かわいそうだと言って涙を流して食べる人間など皆無である。豚は牛よりちょっと安くてお得だな、と思うぐらいだ。子供たちは別の知らない豚ならば美味しく食べて「ごちそうさま」と礼儀正しく手をあわせる。良い子なのだ。子供とは無知ゆえに純粋さを保持できるのだと思う。我々人間は吸血鬼だ。誰かを殺して血を吸って生きる生き物と同等なのだ。己の罪を自覚すること。業を知ること。これが作品の主題だと考える。あの先生はじつに偉い。まるでダークナイトにおけるジョーカーのようだ。性悪説の伝道師よろしく一貫した哲学を持っている。目をそむけるな!見ろ!聞け!知れ!そう必死で叫んでいる。映画は不愉快だと面白くない。しかし人生は不愉快を感じることで真実を学ぶことができる。 【花守湖】さん [地上波(邦画)] 8点(2011-06-18 23:11:11)(良:1票) 1.《ネタバレ》 彼らは学級会の外でもことさら意見を交わす。なんで食おうと思えるの?みたく。ここで食う派の小学生は決定的なセリフを漏らす。 「おれだって、Pちゃんには長生きしてほしいけど・・・」 これだ。このセリフが泣ける。男子だけでなく、女子も同じように漏らす。Pちゃんに長生きしてほしいという考えは賛成派も反対派も共通しているようである。しかし、「長生きしてほしいけど・・・」の続きに来る、業が突き動かす本能を表現する語彙力を小学生は持っていない。 当然「長生きしてほしい。よって屠畜はしない。」という意見は正しい。しかし「長生きしてほしい。だけど殺して食う。」ということも正しいのである。われわれは一定ライン穢れることによって生きている。小学生たちはそのことに気づき、自らの穢らわしさを自覚し涙を流す。しかしそんな彼らを映画は祝福する。いや、Pちゃんが彼らを赦したのだ。 これは、一匹の畜生がトラックによって小学校からどこかへ連れられて行く姿を描くことによって、人間の業を赦す。この映画を観て小学生らと一緒に煩悶したら、少しは肩の力をぬいて食事してもいいよ、という、いわば免罪符的映画。 【no_the_war】さん [DVD(邦画)] 8点(2009-05-25 00:57:51)
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