みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(8点検索)】
5.《ネタバレ》 侵略戦争の中身は、人の物が欲しいという見境の無さだろうか。自分ならもっと上手く使ってみせるから今すぐ欲しい。だから奪った。ちょっとそれは可視化しすぎだろと言われそうだが、そう言う側面の大きさが質量の多くを占める。 そう言う汚らしさが、大人の社会で取引や職業を介して行われる所まで浄化されて初めて繋がりが新しい様々な物を産出する美しさが産まれるはずなのだが、この時代にはそれが具体的な認識をされていなかった。 そして、その時代はあとほんの四半世紀ほど経つと100年前の戦争になってしまう。恐らくこの時代では、この話が描いた友情が生んだ悲劇への怒りはきっと戦争では無く、処刑作業をしっかりと確認しなかった作業者へ向かっただろう。 現代でははっきりと、侵略戦争への憎悪と狂った思想への警戒心がこの映画のテーマに同調する。描かれていないが、この後父親はいったいなにに対して怒り、なにをするかを想像させる事で更に戦争への嫌悪感を増大させる事に成功している。 で、ちょっと考えて欲しいのは、実効支配や軍で国家を恫喝し場合によっては非軍属の他国民を殺害することも止むを得ないという主張を続け、それに疑問を抱かないでいる塊。排他と自尊と自己顕示の、ナチスやモンゴル帝国の様な狂気を感じる。 欧米圏ではこの映画のように非常に洗練された映画が作られているのに。残念でならない。 【黒猫クック】さん [DVD(吹替)] 8点(2012-12-06 16:13:15) 4.《ネタバレ》 まぁ、粗があることはたしかでしょう。あんな簡単に収容所に入れるはずはないし、母親や祖母がユダヤ人迫害に反対しているようなそぶりも、英米的価値観(希望的観測?)から来ているようで違和感を感じます。が、それを差し引いてもすぐれた映画であると思います。先の言葉と矛盾するようですが、人物配置が絶妙。特に、家庭教師の言うことを素直に信じる、優等生タイプのお姉さんを置いたことが成功していると思います。ブルーノがシュムールのことを尋ねられ、「知らない」というあたりも、記憶のどこかにあるような事柄で共感できます。 本作は反ナチの立場で作られていますが、さらにグローバルな視点からも見ることができると思います。先入観なく相手と対峙すれば、お互い人間であるということがわかるでしょう。そうなれば、互いを理解することも可能なのではないか。地球上では現在でも、価値観の違いから争い、殺し合う事態が続いていますが、謙虚に相手を見つめて人間同士であるとわかれば、愚かないさかいも少なくなるかもしれません。その可能性を示したことが、21世紀に本作が存在する意義であるように思われました。 【アングロファイル】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2012-04-24 21:56:19)(良:1票) 3.《ネタバレ》 監督曰く「悲劇を繰り返さないために子供たちに見てほしい映画」だそうで、ホロコーストものでありながら惨い描写はかなり抑えられている、そういう意味では「シンドラーのリスト」や「戦場のピアニスト」より見やすいのは間違いないが、ラストは大人が見たってショックなわけで、シャワーの意味が分かっている子供はこの映画が心に残り続けるんだろうな~。監督の狙い通りってことで・・・。 【リーム555】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2010-10-29 18:21:57) 2.《ネタバレ》 見る前に予想される予定調和的な悲しく感動的な展開というのを超えて、最もこうなって欲しくないという結末を静かにガツンと叩き付けてくる映画です。ただの縞模様の服一つが人の運命を左右してしまうという物語は、その服の背後にある民族や国境に対する行き過ぎた拘りがいかに愚かな事かをハッキリと示しています。民族、国家の象徴としての家族という集合体。子供を育てるという事がどれだけ大切か、重要なのか。親の責任が民族、国家の責任にも繋がる、だからこそ、親は思想、宗教、国家の下で正しい選択をする義務があります。今は(少なくとも表面上は)自由であるがゆえ、彼らを襲った悲劇を回避する事が可能なのだから、再び誤った道を進まないよう努めなければならない、そんな一般市民一人一人の義務について描いた映画だと思いました。二人の子供の表情が素晴らしく、また、いつもはやかましいジェームズ・ホーナーの音楽も今回は綺麗に鳴って、人の闇の歴史を印象的に浮かび上がらせるのでした。一つ難点を言えば、映倫が付けたレイティングPG-12。確かに親による解説は必要かもしれません。でも、PG-12って子供は見ちゃダメって映画のように思われてしまう感があります。残酷な描写や激しい流血はありません。むしろ、ぜひ親子で見て語って貰いたい映画です。 【あにやん🌈】さん [映画館(字幕)] 8点(2009-09-16 17:20:12)(良:2票) 1.《ネタバレ》 ネタバレになってしまうかもしれませんが、とりあえず頭をハンマーで殴られたかのような大きな衝撃を受けましたね。マーク・ハーマンが監督だとか、ポスターの雰囲気とかから、ちょっとビタースイートな少年映画かと思ってたのですが、まったく違いましたね。 この映画が伝えようとしているのは、ホロコーストはもちろんですが戦争という名の殺し合いの現実の中にファンタジーなんてものは全くもって存在しないということ、そしてその現実から目を背けても事態は決して良くはならないということではないかと感じましたね。 【TM】さん [映画館(字幕)] 8点(2009-08-23 00:12:03)(良:1票)
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