みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(8点検索)】
9. 大変申し訳ありませんが、二人の間に愛はありません。 これはストックホルム症候群に引き戻された女性が、昔とは立場の逆転した男が再び固執してくる中、意識せず当時の自分と同じ状況である飢えと死の恐怖に男を陥れ、自分諸共死へ向かっていった物語です。 近年、子供が被害者となる事件を耳にすると、この映画を思い出します。 自由を謳歌するはずだった時間を奪われた人々の心の傷は、想像を絶する程に深く、癒しえないものなのでしょう。 【ぱいなぽ】さん [地上波(吹替)] 8点(2016-05-09 11:31:40) 8.ずいぶん前から知っていた映画で、批評やあらすじを読むことも多く、そのせいか私にとっては禁断の映画になってました、でもついに観てしまいました。 まず「嵐」ではないですね、残念な邦題です。愛を表現、語っているとも思えませんでした。愛とひとことでいっても色々ありますけどね。 「猫のようなルチア」もうコレしかないです、いつでも逃げられる体制をとりながらこっちをじーっと見てる、お腹がすいてるのに媚びない猫、アレなんですよ。 サディスティックで優位に見せながらどんどん溺れていくのは男で、だんだん冷静になっていくのは女、そんなことも思いました。「僕の天使」なんて言うあたりが子供ぽく、はしゃいでるみたいだ。 今だからそう感じるのかもしれないけど、性描写は衝撃というよりも観てるこっちが色々想像を掻き立てられる、背徳的な気分にさせられ、それがなんかイイ気分なんです。 映画としては、そうですねーカメラワークがあんまり良くないかな、だから淡々というよりダラダラ感になっちゃうような気がします。 なんといってもダーク・ボガードとシャーロット・ランプリングを得たことが大きいと思う。 もうこの二人、存在そのものが淫靡で耽美、ウィーンの街は退廃的、そして密室。体が覚えてしまった刻まれてしまった感覚、生か死かといったら死。エロティシズムだわー観てよかったです。 【envy】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-08-29 21:21:19) 7.《ネタバレ》 この作品におけるイメージ作りの巧みさは、芸術の域に達してはいまいか。看板となっているシャーロット・ランプリングのいでたちは勿論のこと、親衛隊員である男が収容されたユダヤ人少女に纏わせる淡い薄物のドレス、軟禁状態の中で飢えたルチアが貪る赤いジャム…女の彫像に似た透徹した美貌も男をして「この女でなければ」と思い込ませるに足るものだ。登場人物も舞台となる場所も限定され、次第に強まっていく閉塞感も凝縮に繋がっていく。夜明け前、死装束を身に着けた二人が表に姿を表し橋の袂で撃ち倒されるシーンも、悲惨さよりも呪縛からの開放を感じさせ、鮮やか。(こんなお耽美で歪んだ愛にもついつい惹かれちゃうんだな~余談ですが、LZのJPは77年のシカゴ公演でシャーロットのあのカッコ真似してると思います。あちらも一公演の衣装にもかかわらずフィギュアになってるほど有名なものですけれど、これとの関連性について指摘したものを目にした事はありませんが、絶対マネしてると思う…) 【レイン】さん [映画館(字幕)] 8点(2009-06-22 03:12:08) 6.《ネタバレ》 何はともあれ、シャーロット・ランプリングの兵隊コスプレダンスと名前忘れたのですが青年のバレエは本当に必見です。これだけで観て良かったと思いました。 このシーンを当時のあまり規制がなかったであろう映画館で、タバコの煙がたゆたう小汚なさそーな映画館で観た人がいるなら、激しく嫉妬します。羨ましい。 話としては、2人の出会いには常に死が近くにある極限状態での愛、本能で感じる愛を描いていてそりゃあメロドラマです。 他人は殺しても自分は死にたくないダーク・ボガード演じる男は、シャーロット・ランプリングと共に結末を迎える。その結末を贈る男の意味ありげな表情・・。その意味はこういう愛を経験すればわかるのかな。 【晴朗雪月花】さん [DVD(字幕)] 8点(2007-07-11 01:32:53) 5.《ネタバレ》 展開が遅くてイライラするが、思想としては深い映画。男女の閉じた2者関係である純然たる性愛は、多数の利害関係からなる社会の中に、けっして生き延びる場所を与えられない。ダーク・ボガードとシャーロット・ランプリングの性愛は、かつて収容所の中でも異物だったし、大戦後の社会でも異物になるほかない。ボガードの旧ナチ仲間にとって、ランプリングは消すしかない危険な証人なのに、しがないホテルの夜勤ポーターのボガードは、彼女を本当に愛しているんだ、なんてガッカリするような世迷い言を言う。ランプリングは、今では著名な指揮者の妻という恵まれた境遇なのに、再会したボガードに魅入られたようにつき従ってしまう。ボガードにとってもランプリングにとっても、性愛は、自分の生きている状況から自分を弾き出してしまう異常な力として出現してくる。けっして育てることの出来ない性愛、というコンセプトは、日本では、心中物という形式を与えられている。愛を讃える西洋でも、同じコンセプトが生きていることが分かる。原題の「Il Portiere Di Notte/ The Night Porter」は、「夜を運ぶ人」という意味にもなる。ボガードとランプリングが運んでいる夜は、この世に場所を持たない性愛という心の闇。で、二人は殺されるしかなかったわけ。映画として傑作とは言いかねるけれど、テーマの深さに敬意を表して8点。 【哲学者】さん 8点(2004-06-22 14:56:49)(良:1票) 4.♪「何が望みか訊かれたら」……この二人は「幸せ」だったの?でしょうね。 当時タイムリーに観てたら、エロいなーと興奮しただけかもしれない(エマニエル夫人 の前だし・・すいません!ジャンル違いすぎます不謹慎)。 ダーク・ボガードは、いろんな意味で可愛い男性です。ランプリングは、歌うシーンは勿論ですが、食べ方・歩き方が忘れられません。 観ているとこちらまで気分的に墜ちる感じが好き、せつない音楽のせいでもある。//フランス映画大丈夫で、結婚生活の長い熟女様には、50代にして今なお魅力的なランプリングの「まぼろし」もオススメです。 【かーすけ】さん 8点(2003-11-19 13:58:56) 3.ストーリーは何ともヒドイ話なんですが、これでもかと選び抜かれた構図によって、異常なまでの緊張感に裏打ちされてるので、グイグイ引込まれてしまいます。単なる扇情的なコケオドシ映画ではなく、計算された不健全さみたいなものがあって、これが独特のアブノーマルな世界を形成していて、問題作と言われる所以でしょう。私にとっても「好きな映画」というよりはむしろ、「印象的な映画」「気になる映画」といったところです。 【鱗歌】さん 8点(2003-08-09 20:48:18) 2.彼らの間の”愛”というより、世間の常識、しがらみを超えてどうしようもなくひかれてしまう”業欲”にひきこまれた。 【さ】さん 8点(2003-05-04 18:00:43) 1.デカダンですね。ユダヤ人がナチ将校の前で退嬰的ムードを撒き散らしながら気だるく踊るシーンはかなり有名。本作のシャーロットランプリングは両性具有的な危うい魅力があります。確かに背徳的な印象を残す映画ですが、男女の情実沙汰はイデオロギーを超えてしまうということでしょうか。うーん・・・ 【ヨアキム】さん 8点(2002-12-26 12:55:40)
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