みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(8点検索)】
12.《ネタバレ》 この映画を観る前に、「沈黙の勇者たち」という、第二次世界大戦下で自らの危険を顧みずユダヤ人を匿った人たちの本を読んだのだが、それにぴったりはまっていて妙な縁を感じた次第。 ユダヤ人の少女に結局恋してしまう少年。 匿うという正義の行為に恋愛が絡んでしまうが、当時も少なからずそういうことはあったんだろうなと想像できる。 ヒトラー崇拝の少年が現実に目覚めていく様は、後半に畳みかけてきて観ていてつい引き込まれた。親友の眼鏡の少年も、だめなナチスの大尉も素晴らしかった。映画を楽しみながら世界の負の歴史について考える。 いや、いい映画。 【roadster316】さん [インターネット(字幕)] 8点(2024-02-11 10:28:20) 11.《ネタバレ》 米製作であり、いつまでたってもイジられ続けるドイツ国。そこを現住民の方々はどう捉えられているのでしょう。少し気の毒な思いがいたします。 だが考え方によってはその見方も変わります。いくらイジられようがそれはチョビひげ総統時代のお話です。過去は過去、もう開き直るしかないのでしょうね。がんばろうドイツ。差し当たってジョジョ君に非はない。開き直って子ども目線のコメディファンタジーとして楽しみましょう。 元はどうであれ、良き方向に向かってゆくファンタジー。 この作品を機にタイカ・ワイティティ監督やスカーレット・ヨハンセン嬢の生い立ちなど知る事に興味を持ちました。その上で、スカ嬢のご出演にも相当納得が出来ました。そしてあのチョビひげ役を自らやりきってしまったタイカ・ワイティティ監督はもはやスゴイとしか言えません。 【3737】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2022-02-15 19:22:11)(良:2票) 10.《ネタバレ》 面白い! ナチにも人間味のある将校はいたわけで、それが少年兵を指導する彼だったわけだ。 最後の、ジョジョを守るための芝居は泣ける。 普通、映画等でユダヤ人の受けた史実を知っていれば、ドラマとしては、憂鬱な展開だ。 ヒットラーに憧れる少年兵の家に、ユダヤ人の少女が匿われてたわけだから。 でも戦争が終りに近づいてきてるという話の流れで、ホッと一息できる。 10歳の彼と、ユダヤ少女の交流。 そして、そこにいきなりゲシュタポが来る展開。 そこで将校の粋な、知らん顔がいい。 しかしお母さんが殺されるのは痛い展開だ。 しかし、一気にドラマは、ドイツの敗北へ。 心の友であったヒットラーは、母を殺した人間でもある。 そして彼は心の友を捨て、少女への愛へと傾く。 ドラマなら、この後、大変な苦労があるだろうと予測されるが、コメディなので、これでいいのだ。 ナチの太った女性指導者が、ラスト、機関銃をもって、突撃していくのが、スゴイ・・ 才能の片鱗を見せる場面がいくつもあり、今後、スゴイ監督になっていくのでは。 【トント】さん [DVD(字幕)] 8点(2021-02-20 20:34:40)(良:1票) 9.10歳少年のヒトラー総統とユダヤ人への疑いの無い思い。「違うんじゃないのだろうか」疑念が確信に変わる過程での出来事に胸が締め付けられます。キャリアを考えて尻込みするような役柄を自らが演じた監督に拍手。そして子役のローマン・グリフィン・デイビス君のルックス&演技力に大拍手であります。 【The Grey Heron】さん [DVD(字幕)] 8点(2021-02-05 04:05:24)(良:1票) 8.空想上のヒトラーと仲良しで、 ナチスを崇拝するドイツ少年のお話。 この少年がどう転がっていくのかが見所。 前半は割とコメディ的に進んでいくけれど、 後半になるとマジメな話になってきます。 思ったよりも良い映画でした。 監督自ら扮するヒトラーもとても良かった 【愛野弾丸】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2021-01-03 22:11:53) 7.《ネタバレ》 「ハーイ、ヒットラー」。愛を知らぬ、熱烈なナチ教徒のガキんちょ。その敬愛ぶりは、何だかユルいヒトラーのオバケがくっつくほど。そんな一途なオイラだけど、屋根裏に匿われたユダヤ人のおねえちゃんと出会い、徐々に心ときめいちゃう。らしくねえと思いながらも、大好きな肝っ玉母ちゃんを亡くしてからは恋に本気モード。オバケのヒトラー吹っ飛んじゃえ。真面目に語ると重苦しくなるような戦争ドラマだけど、コメディ調で面白可笑しく紡がれて好印象。映画館観賞において久々の傑作。 【獅子-平常心】さん [映画館(字幕)] 8点(2020-12-31 18:18:20) 6.《ネタバレ》 ユーモアとシリアスを巧みに織り交ぜた、素敵な寓話的映画だった。子役たちのキュートな演技もさることながら、美人で肝っ玉なお母さんを演じたスカーレット・ヨハンソンの好演が光る。少年と母親との愛情あふれる、ユーモラスなやり取りを経た上での(だが一方で母親は息子のナチスへの熱狂ぶりを警戒しているというのがいい塩梅になっている)、後半の靴のシーンは大変衝撃的で、まさに肺腑を抉られるようだった。ぶら下がる母親の足に縋りながら、涙する少年の悲壮な表情は痛ましく、涙が出そうになった。 少年と年上の少女との交流も微笑ましい。感受性が強く、純粋ゆえに残酷でもある少年が、少女との交流でそれまでの偏見を捨て去っていく過程は印象的だ。特にゲシュタポが憎悪と偏見に溢れた少年の日記を朗読したときの、少年と少女の視線のやり取りが秀逸。ゲシュタポの醜悪な笑い声、かすかに涙ぐむ少女、少年の痛切なまなざし。少年はここにおいて、自分の行いがいかに少女を傷つけたのかを知ったはずだ。少女の身元が割れてしまうかもしれないという緊迫感ある場面だが、同時に少年の残酷な仕打ちが明らかになって、少年が反省と成長を見せるという、非常に高度な展開がここではなされている。 完成度の高い本作だが、ケチをつけるとしたら、主に二点。他の方も指摘されているが、BGMの使い方がややあざといところがある。I wanna hold your handのドイツ語ver、ラストのデイビッドボウイ(しかもベルリン三部作からの選曲)など、選曲があまりに安直過ぎるのはいかがなものか。また、重要なシーンや戦争の悲惨さを感じさせるシーンではお決まりのように映像がスローになり、マイナー調のバラードを流す演出も一本調子でどうかとは思う。ここも音楽の使い方があざといと感じた。 さらに違和感を感じたのが、ヒトラーの細かい描写だ。少年の妄想だから、どれだけ奇天烈でも荒唐無稽でもいいとは思うのだが、この時代のヒトラーは喫煙をしないはずだ(むしろ嫌煙家であり、周囲に禁煙を勧めていた)。本作は寓話的ストーリーなので、リアリティは二の次というのは理解できる。ただ、悲惨な時代を背景に、ナチスの蛮行を描いた作品であるからこそ、悪役を担う存在にも丁寧な考証に基づく描写があってもよかったのではないか。 全体的には伏線が非常に巧みに張られた映画で、ユーモラスな世界観に、過酷な時代情勢を盛り込み、伏線も素晴らしい、という傑作と呼ぶべき作品だった。 【nakashi】さん [ブルーレイ(字幕)] 8点(2020-07-06 10:46:59) 5.《ネタバレ》 まあまあ良い映画という感想です。 予告編見て、コメディなのかと勘違いして見に来たら、少し違いました。予想より重い内容のお話でした。 使われている楽曲が、実際の40年代ではなく 60年代以降のポップスなのが変ですが、戦争を知らない世代の 拒絶反応を和らげる効果はありそうです。 10歳の少年の目線で描かれる戦時下の生活。レジスタンス狩りの恐怖を、他人事から身近な現実へと変化する中、 母親がユダヤ人の娘を匿っていた事で、主人公に降りかかる辛い出来事。 しかし、どうなんでしょうか? ちっとも暗い映像にはならない・・。天気のいい日ばかりだし、ゲシュタポも 殺気が感じられないし、どこか呑気な感じがする。多分、戦争は終盤で、敗戦間近の為、市内のユダ狩りどころで は無くなってなっていたのだろう。 母親の出演シーンが少なくなって、少年が突然その死体と対面するシーンは、母親の靴しか映ってないので、勘が 悪い自分は、誰の靴にしがみついて泣いてるのか理解が遅れました・・。ユダヤ人やレジスタンスの縛り首の死体は 見せるが、母親の死体は見せない姿勢は、どうなんでしょう。もう少しヒントくれてもと思ってしまうが・・ 少年は多感な思春期で、異性を初めて意識する年頃。そして、存在してはイケない秘密の家族との接し方は、迷走を 極めてしまい、相手を突き放したり、必死に関係の修復を図ったり。 少年あるあるのエピソード。 尊敬して崇めていたヒトラーへの思いは、身近な現実で段々と否定されていき、母親の死によってついに対極に至る。 最低の奴かと思っていた少年兵団の訓練教官は、実はイイ奴だったというのが救いでした。実際救われている。 戦争が終わり、ついに外へ出る少女。何を叫ぶでもなく、開放感をかみしめるように踊る姿で終わる物語。 これからの生活がそんなに容易なものではないのだが、つかのまの幸福感で観てる側も満たされました。 背中に爆弾付けられて突撃させられる子供も居たり、笑ってはイケないシーンが少なくないのですが、終戦後に 生き残った親友との再会シーンがイイ。「早く帰ってママにハグされたいんだ」に頬が緩みました。 いろいろと不思議な映画です。 最高かどうかはワカラナイけど、過去に例がないし魅力も多い映画でした。 【グルコサミンS】さん [映画館(字幕)] 8点(2020-02-05 21:35:39) 4.ジョジョの内面が詳細に描かれていました。 しっとりと良いお話し。 ヒットラーを取り上げた作品は多いけど、ドイツ人市民からの視点が新しい。 少年ジョジョの、分からない、理解したいという気持ちはヒシヒシ伝わる。 でも、母親や少女の気持ちや関係が私には分かりにくかった。 2人の女優が熱演だけに、惜しいと感じた。 【たんぽぽ】さん [映画館(字幕)] 8点(2020-02-05 13:39:00) 3.《ネタバレ》 久しぶりに素晴らしい映画を観賞したな~と思いました。ストーリー自体はよくあるものかもしれませんが、一人の少年の視線を通した「狂った時代」の残酷さを美しい映像と無駄のない脚本で丁寧に映像化していたと思います。「狂った時代」では命や日常がなんの理由も前触れもなく簡単に奪われていく。母親の死さえも。母親の息子に対する思いは「愛」と「恐怖」の混じった複雑なもの(愛する息子であると同時に、レジスタンである自分をいつ密告するか分からないナチなのですから)ですが、ヨハンソンは見事に演じていました。大尉の言動ですが、彼が同性愛者であった事を考えるとよく理解できると思いました。恋人はおそらく常に付き添っていた部下でしょう(羊飼いのシーンで示唆されていました)ナチス政権はユダヤ人の他に同性愛者や障害者も虐殺していました。大尉自身、自分を偽って生きる事を強要されていた一人だったのです。だから勇気をもってレジスタンス活動をしていたジョジョの母親を心の中で尊敬していたと思うのです。最後の戦いで恋人(部下)と死ぬ覚悟で挑むも、恋人だけが死んだのではないでしょうか。だから勇敢に戦って処刑された尊敬すべき女性の息子を命がけで助けたのだ、と思います。大人は子供を守るべきなのに、子供に平気で爆弾を付け、銃を渡すドイツ女性との違いを鮮明に感じました。最後にジョジョの親友が生きていて本当にほっとしました。 【果月】さん [映画館(字幕)] 8点(2020-02-02 11:59:00)(良:1票) 2.戦争の悲惨さを理解しきれていない少年を主人公に、夢や希望や愛情や勇気や悲しみを、豊かに描いていました。見ているこちら側は、登場人物たちを見守る目線になったり、一緒に喜び悲しみを共にしたり、とても心が温かくなりました。こんな映画は久しぶりな気がします。実はこの映画のこと、全然知りませんでした。オスカー候補になったので見ておくか、程度のつもりでした。すっごく得した気分になりました。 【shoukan】さん [映画館(字幕)] 8点(2020-01-31 22:54:27) 1.《ネタバレ》 コミカルな側面を前面に出した宣伝がされていた様に思うが、コミカル要素が無くてもヒューマンドラマとして完全に成立する話の内容である。むしろ本作のコミカル描写は全て、戦争の狂気を具現化するものとして描かれている(ホロコーストをはじめ、子供までを体制賛美と殺戮に駆り立てていることそのものが笑えない喜劇だという)。本作が真に描き出さんとするものはもっと静かで、真摯だ。その意味では普通に結構マジメな戦争系ヒューマンドラマだった。 ただ、こういった重い題材をテーマにしながらも、生活感や種々の生々しさを極力排除&状況設定も単純化・抽象化したどこか寓話的な雰囲気に、表面上のコミカル要素を足し込んで、子役の無邪気さ・可愛さをミックスして練り上げた作品全体の空気は、実にポップで何とも楽しいのだ。それはきっと、本当に伝えたいものを(例えば子供にも)苦しむことなくすんなりと飲み込んでもらうためのオブラートのようなものなのではないかと思う。その意味ではとてもポジティブなアプローチだなと率直に感じた。 そして、そうは言ってもこの題材の映画を現代的でコミカルでポップ、かつテーマはマジメに仕上げるなど、常人に可能なワザとは思えない実に卓越した仕事だと言って間違いは無いだろう。そもそも、ホロコーストを描いた映画をビートルズで始めてボウイで終わるって、音楽感覚ヤバいでしょ。やはりこの監督には、底無しのセンスを感じる。 【Yuki2Invy】さん [映画館(字幕)] 8点(2020-01-26 11:43:33)(良:2票)
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