みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(8点検索)】
3.《ネタバレ》 白夜による明るい日差しと北欧の美しい風景の中、映画の中身はカルト団体による洗脳の実践ドキュメンタリーで、閉鎖・薬物・感情の揺さぶりと共感…うむ、お見事!とりあえず「やなもの見たなぁ…」感の圧がスゴかったですね(汗)。余談ながら学生たちが【処女&ビッチ・戦士・学者・愚者】というホラーの定型だったのにちょっとニヤリ。 ところで…断崖のシーンで【トドメハンマー】が登場した時には「飛び降り方を失敗したヤツがいるんですよぉ~」「ぬわぁにぃ~?やっちまったな!」という掛け合いが脳内で聴こえたのは俺だけ?(笑) 【幻覚@蛇プニョ】さん [インターネット(吹替)] 8点(2022-02-18 13:29:20) 2.《ネタバレ》 これまでのホラーの文法がことごとくハマらない演出が目を引きます。暗さは必須。なので夜に何かが起きることが定番でしたが、本作はほとんど昼間に事が起き、というか白夜の北欧が舞台なのでそもそも「夜の暗さ」をハナから排除しています。 廃墟とか不潔感が一切なくて、明るく清潔。色とりどりの花も木々の緑も人の笑顔も(一見)美しい。この白さ、光源の多さが暗がりよりもいっそう鮮血を禍々しく見せてしまうアンビバレンツ。 ヒロインも絶叫しません。恐怖で声が出るのは、‶それが怖いものだ”と「瞬時に」悟るからなのですね。今作ではF・ピュー演じるダニーは冒頭からじわじわと精神を追い詰められてゆきます。彼氏が信頼に足る人間ではないのではないか、参加者が減っている、変だな変だなと思いながら叫ぶ機会を逸しているのです。 そう、叫ぶというより慟哭する場面が終盤にあります。彼女の嘆きに共鳴する女たち。この芝居がかった正常とは思えない共感反応。親切そうな彼女らが実はガチでヤバイ、と気づいたときはすでに我々もダニーも時遅し。ラスト、完全に精神がぷっつりと逝ってしまったダニーの表情をなすすべなく見つめるしかありません。 監督はかの「ヘレディタリー」で趣味の悪さを明らかにしていますが、今作ではさらに見せ方が洗練されました。美術も一級です。 F・ピューは素朴な顔立ちで下半身がしっかり体型の、ぱっと見骨太健康女子です。それが北欧の白く華奢な腺病質ぽい連中に取り巻かれて、さしもの健康な肉体がじわじわと殺されるように見えました。フローレンスの起用は残酷さを際立たせるのに上手く機能したように思います。 アリ・アスターはもちろん「観なきゃ良かった」系の映画監督ではあるけど、テーマは抽象的ではなく分かり易いホラーです。観る者にやな思いをさせたあげく、自己満足のみの哲学系作品よりはよほど親切と言えるでしょう。現代ホラーの最高点に置くことのできる監督と思います。嫌だけど。 【tottoko】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2021-09-10 23:58:50)(良:1票) 1.《ネタバレ》 不幸な出来事により一夜にして家族全員を失ってしまった女子大生、ダニー。以来精神安定剤が手放せなくなるほど不安定な状態になった彼女は、彼氏や友達に誘われるまま、スウェーデンへと二週間のバカンスに旅立つことに。目的は、北極圏に近い地域で自給自足の生活を続けている閉鎖的なコミューンを訪れるため。長い間外部との接触を絶ち、独自の文化と風習を継承してきたそのコミューンに、ダニーたちは戸惑いながらも徐々に受け入れられてゆくのだった。だが、二日三日と過ごすうちに彼らは拭いようのない違和感を覚え始める。みな同じ民族衣装を着てみな同じような笑顔を見せる住民たち、いたるところにある立ち入り禁止区域、明らかに幻覚作用のある物質を含んだお茶……。いつまでも太陽の沈まない白夜を迎えたこの季節、コミューンでは約90年ぶりとなる祝祭が開かれるという。なしくずし的に祝祭へと参加させられるダニーたち。やがて彼らは知ることになる。このコミューンには恐るべき秘密が隠されていることを――。長編デビュー作となる前作『へレディタリー 継承』で強烈なインパクトを残してくれたアリ・アスター監督待望の新作は、そんなカルト集団たちの恐怖を独自の手法で描いたサスペンス・スリラーでした。いやー、この監督独特のもう身悶えするようなねちっこ~~~い描写は相変わらず健在でしたね。とにかくこの世界を覆う異常なまでの白さはもう見れば見るほど気が狂いそうになりますわ。どこまでも連なる山々や緑あふれる草原、木造の掘っ立て小屋に少女たちが冠る花かんむりと、普通に見ればなんとも牧歌的な世界なのになんなんでしょう、このいやーーーな感じは。「アルプスの少女ハイジ」に完全に喧嘩売ってますね(笑)。このなんとも禍々しい世界観は男性より女性の方が嵌まるんじゃないでしょうか。倒れるまで踊り続ける少女たちやクマの毛皮を着せられた彼氏など、もはやメルヘン・ホラーといった趣きです。最後、全身花で飾られた衣装を身に纏った主人公が満面の笑みで迎えるラストシーンは、あまりにも狂気染みていて鳥肌ものでした。ただ、多少長いかなってのはありましたけど。もう少しコンパクトに出来たような気がしなくもない。それでも僕は充分楽しめました。なかなか癖が強いので観る人を選ぶとは思うんですけど、この監督の作品はこれからも要注目です。 【かたゆき】さん [DVD(字幕)] 8点(2021-02-20 00:51:10)(良:2票)
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