みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(8点検索)】
3.『グラン・トリノ』を見た時の感動、というのは、これがきっと最後の監督・主演作になるだろう、という予感ゆえに感動したのか、それとも感動したがゆえにそのような予感がしたのか。今となっては渾然となってよくわからないのですが、はっきりしているのは、その予感は外れて、間遠になったとは言えその後も、現時点で2本、監督・主演の兼業をこなしている、ということで。なんという映画への情熱とバイタリティ。老人、おそるべし。 この主人公は、煮ても焼いても食えない奴だ、と思ったら、自分で主演やるんですかねえ。頑固者のイメージ。それが、自らの老いた姿とともに、映画の中に焼き付けられています。今回の主人公も、推定年齢200歳くらい(?)のジジイ。カウボーイの生き残り。かつて南北戦争でも戦ったことがある、と言われても驚かないような、そんな人。 この物語の主人公がこれほど年老いている必然性があるのか、と言われるとよくわからないけれど、とにかく、イーストウッドは「今の自分」をさらけだし、「今の自分」を主人公に重ね合わせる。御年、90歳。乗ってたクルマが不調で、車体の下をのぞき込む、そんな仕草だけでも、ゴクロウサマと言いたくなる、そんな光景となっています。 しかししかし、映画たるもの、カメラがあれば、肉体の衰えなど乗り越えた動きのあるシーンも作り出すことができる。ニワトリを追いかけるシーンの張り切りぶりなどは、映画に動きを与えるとともに、どことなくユーモラス。 少年と旅をするロードムービー、のようでいて、実はそんなに旅をしていないような気もするのですが、イーストウッドはとにかく、若い人に何かを伝えたがっている、という雰囲気が伝わってきます。何を伝えたがっているのかというと、このマッチョ教の教祖のような人が、今さらになってではありますが、マッチョだけじゃいかんのよ、と。 というか、チキン(臆病)もマッチョも、紙一重。大事なのは、勇気を持つこと。 などと言ってしまうと安っぽくなるけれど、だからこそ、言うのではなく、それを映画で表現してみせる。体現してみせる。 イーストウッドは例によってカウボーイハットを目深にかぶり、陰になった目元がよく見えないのだけど、帽子を脱いでその目元が露わになると、妙に可愛らしい瞳がそこにあって。 ジイサン、すっかり丸くなった・・・のかねえ。 【鱗歌】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2024-03-16 04:54:32)(良:1票) 2.《ネタバレ》 この作品もそうだが、「グラン・トリノ」や「運び屋」などクリント・イーストウッドの監督作品を見て感じるのは、こういう歳の取り方をしたいなぁという憧れだ。若い頃の成功や、挫折、屈折、愛する人との死別、家庭不和などの辛い経験を経て、晩年と言われる歳になった時の何に対しても達観しつつもこだわりを持った想い。気持ちを抑えて無理はしないが、逃げたりはしない。約束は守りながらも、困難に直面する者へは積極的に関わって助けていく。淡々としつつも信念を持った生き方。それにしても、イーストウッドにはカーボーイハットが似合う。このシーンを見ると、ああ、イーストウッドの作品だなぁという安定感がグッと醸し出されるから不思議だ。とはいえ、演技とは思えぬ背中を丸めた歩き方などは、老いには勝てないなぁとやや寂しさも感じた。 【戸沢一平】さん [インターネット(字幕)] 8点(2023-10-15 17:55:14) 1.《ネタバレ》 時代背景が1980年。舞台はメキシコ。 少年と老人の、男くさい成長譚。 国境の向こうに行った少年は、父親がどんなヤツでも、自分を見据えてしっかり育つだろうと思えました。 土曜の夜の食卓にマッチョが出される事が無いよう祈るばかりです(笑)。 もしもサム・ペキンパーが長生きしていたら、晩年は丸くなってこんな映画を撮っていたかも。 【こんさん99】さん [映画館(字幕)] 8点(2022-01-16 11:42:48)
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