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【クチコミ・感想(8点検索)】
3.《ネタバレ》 アンゲロプロスは、現実の場所に寓話性を見出し、それを見事に映画化してしまう、凄い監督。先に「こうのとり」を観たが、あそこでも、国境の川を見事に政治映画にしてしまう、その手腕は見事。ここでも港湾にその感性を発揮。どこの国にも、困った人というのはいるもので、この映画は、このお爺ちゃんがそう。生まれが難民だったと劇中、説明があるが、その根なしぶりは、革命活動中にも3人の子どもをつくってしまうところにもうかがわれる。結局、こういう人は、地域にも警察にも国にも、困った人で、挙句の果てには、「国際区」という海に浮かぶ小さな箱みたいなとこに押しやられる。こういうのが実際、あるかどうかはともかく、これが非常に寓話性に満ちてて、映画的に面白い。アンゲロプロスの対談を読んだが、役者に無理な注文したり、嫌なジジィという感を受けたが、案外、この監督の目には、世の中、詩情たっぷりで、楽しい世界に映ってるのかもしれない。見事な政治映画を創る手腕は、もっと乱世の世に発揮されたほうが評価高まったかもしれない。ここにはクリストッツァの「アンダーグラウンド」のような怒りは、感じられなかった。静かな、幸福な映画だった。これも。 【トント】さん [DVD(字幕)] 8点(2015-02-12 00:11:27)
2.花売りの老人が幻影であれは実際の父親なんだという見方と、花売りの老人を主人公にして作った映画だという見方と、二通り出来て、そのどちらにも収まりきらない曖昧さに、慎重に宙吊りにされている映画。冒頭のプラネタリウムからして、嘘の宇宙と捉えるか、本物の宇宙を縮小したものと捉えるかで分かれちゃうわけだし。老人の32年後の挫折を、こんなに美しく歌っていいのだろうか、もっとトツトツと語るべきなんじゃないか、という気もし、それはこの映画の構造を「逃げ」ととるか「絶妙な仕掛け」ととるかという判断にもよる。難しいところだなあ。この構造によって、後半旧港のシーンが浮わつかなかったというメリットはあった。映画としての緊張度は断然前半のほうが優れていたが、港の不思議な寓話性は、そのままリアリズムの話で続けられたらちょっとシラけただろう。最初からオハナシかもしれない、という用意がしてあることでスンナリ入れたけれど、これは考えようによってはズルイと言えなくもないわけで、うーん、難しいなあ。けっきょく現実からも理想からも裏切られ、彼が得たのはあの長方形の国だった、という厳しい突き放しを、こんなに美しく描いてしまう監督って。 【なんのかんの】さん [映画館(字幕)] 8点(2011-04-13 10:02:30)(良:1票)
1.この映画が好きと言ったら友人から「あなたってスノッブねえ」とせせら笑われた。そうか、そういう位置付けなのかアンゲロプロスは。 【mimi】さん 8点(2004-02-08 21:47:38)
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【点数情報】
Review人数 |
11人 |
平均点数 |
7.09点 |
0 | 0 | 0.00% |
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1 | 0 | 0.00% |
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2 | 0 | 0.00% |
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3 | 0 | 0.00% |
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4 | 1 | 9.09% |
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5 | 2 | 18.18% |
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6 | 1 | 9.09% |
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7 | 1 | 9.09% |
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8 | 3 | 27.27% |
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9 | 3 | 27.27% |
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10 | 0 | 0.00% |
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【その他点数情報】
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