みんなのシネマレビュー |
|
| ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
|
ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(8点検索)】
42.《ネタバレ》 本作品は、黒澤監督が世界に認められた作品ではあるが、 いつもとちょっと違う。 三船と志村の演じる人物の対比がない。 そして京マチ子の出演である。 妖艶な京マチ子がここではあどけない女性のような表情を見せる。 筋も面白い。 芥川の「藪の中」を黒澤風に料理している。 鬼才黒澤の世界からの祝福は、日本映画史に残る大きなポイントだろう。 【トント】さん [ビデオ(邦画)] 8点(2020-06-14 19:58:15) 41.《ネタバレ》 原作未読。 雨の羅生門と猛暑の藪の中、そして検非違使での告白と3シーンにおける、今でいうところのシチュエーションミステリー。 特に京マチ子が顔に汗を浮かべながらの妖艶な演技が印象に残る ある強姦事件を当事者たちが全く違う視点で供述を展開し、さて真実はいかに…という展開がユニーク。 しかもその全員が自分に都合のよい解釈(つまり都合悪い点を改変している)で告白するわけだが、恐らく最も真実に近い告白をする志村僑(事件の目撃者)ですら、自分に都合の悪いこと(短刀のこと)を隠している。 興味深いのは、結局多襄丸と武士との決闘もお互い「へっぴり腰」だったということ。 本作は戦後まもない時期の作品だが、恐らく戦争での歴史や回想というのも似たようなもので、大本営発表の例を持ち出すまでもなく、また一人ひとりの戦地での回想も自分に都合よく、そして自分に都合悪いことは語られなかったであろう。 しかし、最後はそうした人間の暗部を認めつつ、それでも人間に希望を示して終わるエンディングもよい。 本作は戦後という時代背景も踏まえ、人間存在の本質を焙り出して見せた黒沢監督の力量が光る名作。 【田吾作】さん [地上波(邦画)] 8点(2020-04-27 12:01:02)(良:1票) 40.《ネタバレ》 舞台は、藪の中、羅生門、検非違使への証言の場という、3つだけ。登場人物も少ない。それでも、動きと光を巧妙に捉えた演出と、表情豊かな演者の存在感に魅了され、目が離せない。作り手の工夫が詰まっている。 【カワウソの聞耳】さん [インターネット(字幕)] 8点(2020-01-29 08:50:11) 39.《ネタバレ》 最初見た時は、分からなかった。でも、そういう話。有名な太陽を撮ったシーン。土砂降りのシーンなど、見所多し。京マチ子が妖艶だが、それ以上に三船がエネルギッシュでセクシー。 【にけ】さん [映画館(邦画)] 8点(2019-01-13 09:27:49) 38.人間のプライド、恥、欲、優しさ を見事に描いてた思います。 俳優の演技はもちろん、演出もすばらしい。 ちなみに、以前レンタルした、DVDは、音声も聞き取りにくく、字幕もはいなかったので、途中挫折しました。 VODで再鑑賞。セリフも聞き取れ(イヤホンのおかげ?)、字幕も入っていたので、わかりやすかったです。 【へまち】さん [インターネット(邦画)] 8点(2018-01-21 12:01:16) 37.《ネタバレ》 殺人事件が起こったが、当事者全員(イタコを介して霊界からお話している被害者当人を含む)が「殺したのは自分だ」と主張しているという、なんとも不可解な裁判。 多襄丸:真砂を巡って金沢と正々堂々決闘し、自分が勝った。 真砂:多襄丸に傷物にされて自分を見る夫の目が変わったため、後追い自殺をするつもりで金沢を殺した。 金沢:多襄丸の女になろうとした真砂の裏切りに失望し、自害した。 しかし、第三者が目撃していた真相とは、レイプで傷物になったことを金沢に責められた真砂が逆上し、二人の男を煽って決闘させたが、決闘に不慣れな侍と盗賊はへっぴり腰の泥試合を演じた後に、ギリギリ多襄丸が勝利したというものでした。 本作が優れているのは、通常は無罪を主張して当事者達がウソをつくという法廷劇の構図をひっくり返し、全員が「我こそが犯人」と主張するという捻じれた物語を作り上げたことと、その風変わりな構図から、人間には罪を被るという実害よりも優先したいほどの強力なプライドがあるという普遍的な物語を描いたことでしょうか。 さらに、本作は俳優陣の熱演もあって登場人物3人が誰もウソをついているようには見えず、各当事者にとっては、本当にそのように物事が見えていたのかもしれないという解釈も残します。人は、自分にとって都合の良いように物事を認識し、記憶するという性質を持ちます。多襄丸は豪快な盗賊としての物語を、真砂は最後まで夫に忠実な良妻としての物語を、金沢は妻を守れなかった自分の落ち度を隠す(=そもそも真砂は守る価値のない女だった)物語を求め、それぞれの物語に合うように事実を歪めて記憶していたのではないか。そうした解釈の余地が、さらに本作の意図を深めています。 本作を最初に見たのは中学生の頃でしたが、正直言って当時は全然ピンときませんでした。内容の複雑さに加えて、セリフの聞き取りづらさもあったのですが、今回はリマスター版で音声も改善された上に日本語字幕による援護射撃もあって、「この映画はこれほど高尚なことを語っていたのか」とひたすら感心させられました。 これは黒澤映画全般に言えることですが、録音機器の問題でセリフが聞き取りづらい上に、口語では分かりづらい難解な表現も多用されるため、日本語での鑑賞がかなり困難という厄介な代物となっています。本作や『七人の侍』が国内よりも海外で評価されたのも、字幕で鑑賞している外国人には、原語で見ている日本人よりも的確にセリフの意図が伝わったからではないかとすら思ったほどです。 あともう一点難を言うと、「レイプされた女は自害すべき」という価値観が登場人物全員の口から出てくる点には、ちょっと馴染めませんでした。これは時代の問題でもあるのでしょうが、第一の被害者であるはずの真砂の扱いがあまりに酷すぎないかと。 【ザ・チャンバラ】さん [インターネット(邦画)] 8点(2017-11-10 18:43:47)(良:3票) 36.《ネタバレ》 カッコつけたがりの多襄丸タイプ、プライドだけは人一倍の侍タイプ、女としてのイメージと自分の都合が大事な侍の妻タイプなど、現代にも、似たような人たちがたくさんいますよね(笑) 人間って、社会や時代背景によって考え方や価値観が変わったりしますが、本質は昔も今も大差ないってことですね。 死体が発見され、殺したのは誰かを明らかにする取調べシーンでは、3人(死んだ人も含めて)とも証言がバラバラ。「自分がやったのではない!」ではなくて、みんな「自分がやった!」と言い張ります。何のために・・・? それがこの映画の主題である「人の心が信じられなくなる恐ろしい話」なんですね。 その救いの意味を持たせようとする、ラストの捨て子をめぐる三人のやりとりは蛇足のような気がしましたが、小説の面白さを映画的な面白さへと変換させた脚本は素晴らしいと思います。 始まってすぐ、内容もまだよくわからない段階で、いきなり音楽にやられちゃいました! 木こりが森にたきぎを切りに行くシーンで、ボレロ・羅生門バージョンですかー!(笑) 個人的には、これだけでこの映画に満点を差し上げたい気分でした♪ モノクロ映画だから、という理由なのか、森の中の光のコントラスト、かなり意識して作った感じですね。これも黒澤監督のこだわりなんでしょうね。 また、三船敏郎といえば、多襄丸のような「豪傑!」タイプのイメージがありますが、この映画の終盤、女にタンカを切られてツバかけられて「トホホホ・・・」という表情、これは最高でした! この作品を含めて、昔の日本って、かなりの映画先進国だったのでは? 今の時代からは決して生まれてこないような、骨太の作品がたくさんあるように思います。 【ramo】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2017-10-03 22:08:50) 35.《ネタバレ》 ずいぶん昔の白黒映画ですが、当時としては大変前衛的で斬新な演出方法や作品展開だっただろうなと想像させられました。 多襄丸が木陰で寝ていて枝葉の影が揺らめくシーンはちょっとしたことですが黒澤監督の作品を作り込む情熱が見えます。京マチ子演じる妻が所持していた短刀の顛末もとても面白く、重要な伏線になっているにもかかわらず、短刀の存在を思い出せる程度の演出に留めていることが凄い。あと森雅之の冷めた目の演技もインパクトが凄い。 またストーリーについて。人間は嘘をつく。海外でも評価されているのを見るに、これは国や人種を超えて普遍的なことでしょう。そういったテーマで言及しているのも面白い。人間が自己の都合の良いように話をするのは、現代でもしばしば見られることで、時代を超えても楽しめる作品なのは間違いない! ただ、これだけ嘘をつく人間を見たら、坊主を演じる千秋実の言う通り人を信じられなくなる。私などは未だに志村喬が無事に赤ん坊を育てていることに疑問を持ってしまっている。恥ずかしいことだとは分かっているのだが…。 【さわき】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2017-09-24 06:54:45) 34.《ネタバレ》 登場人物も少なくシンプルな構成だけど見応え十分。1950年制作というかなり昔の作品ながら古さを感じさせないのは、やはり人間の本質に問う何かがあるのであろう。とっても良作だとオモイマス 【Kaname】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2014-09-16 08:38:04) 33.《ネタバレ》 必ず勝つと信じてアメリカと開戦したのに、蓋を開けてみれば完膚なきまでに叩きのめされ、それまでの価値観や常識のなにもかもが灰燼に帰してしまいそうな危機的状況にあった、敗戦後の日本。当時のそんな状況にあって、若き日の天才・黒澤明がまるで時代の要請に応えるかのごとく作りあげた古典的名作。芥川龍之介の作りあげた殺伐とした平安期を舞台に、隠された藪の中で織り成される、3人の男女の陰湿な愛憎劇。各々に秘められたエゴとプライドを照射するかのように降り注ぐ日の光が、今にも何かが狂ってしまいそうな美しいモノクロ映像となって炙り出されていく。そこにあるのは、まるで見栄とプライドと欲望のために、誰も責任をとらぬまま始めてしまったあの戦争の愚かさと同じものだ。それでも、最後に提示される今にも消えてしまいそうな微かな希望は、時代を経た今でも決して色褪せることはない。 【かたゆき】さん [DVD(字幕)] 8点(2013-08-10 19:27:16) 32.《ネタバレ》 人間の本質に迫る黒澤映画の代表作の一つ。 普遍的なテーマを扱っているので、今観ても古くは感じない。 最初に予備知識なしで観たときは、あれ?これって芥川の「羅生門」というより「藪の中」だよねと疑問に思った。 元々の脚本が「藪の中」をベースにしたもので、それが短いので「羅生門」の設定等を加えて仕上げたことを後で知って納得。 事実としてはっきりしているのは、武士の死体とその妻が強姦されたということ。 その事件の真相が証言が食い違って、誰の話が真実なのか判然としない。 意図的にウソをついているのか、それとも無意識にバイアスがかかっているのか。 一つのはずの真実が人間を通すと何通りもの虚像を伴って描き出されてしまう。 今でも裁判でこんな感じになることもありそう。 芥川の小説では突き放した感じで終わっていたけど、映画は赤ん坊をめぐって救いのあるラスト。 【飛鳥】さん [DVD(邦画)] 8点(2013-07-29 22:55:55) 31.'08.5/3 3回目鑑賞。何といっても強烈な印象は忘れられない。京マチ子の美しさ。 森雅之、三船敏郎の個性豊かな風貌と演技。でも唯唯緊張感の連続で観るたびに疲れる。何度も観たいとは思えないのが難点(ー1点) 【ご自由さん】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2012-10-17 11:29:24) 30.《ネタバレ》 多襄丸が武士の妻を手籠にし、武士が死んでしまうという事実に対する当事者三人の三者三様のアプローチ。多襄丸目線、武士の妻目線、武士(巫女が代弁)目線のそれぞれの『真実』、どれも自分に都合のいいようなストーリー、でも、わからない、だれが正しいか。それこそが原作のウリであり『藪の中を』読んだ時は、こんなこと(あえて言うなら投げっぱなし)があるんだ!と感心したものです。ところがこの映画では三人の告白のあとに杣売り(事件の目撃者)が事の顛末を語り、それぞれの醜いやりとりを白日のもとに晒してしまいます。そして人間のエゴを糾弾する杣売りもまた、後ろ暗さを抱えている…が、最後の最後は希望をもたせたラスト!という流れで結ばれています。この脚本はともすれば原作の主旨を大きく逸脱しているともとれなくはないですが、映画というエンタテインメントの視点からみれば、実によくできた脚本ともいえると思います。小説には小説の余韻、映画には映画の希望がありました。 【ろにまさ】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2012-04-20 10:03:46) 29.《ネタバレ》 「大変な受賞歴のある作品」という先入観で視聴してしまったが、間延びしたシーンが多く、また女が泣きむせぶシーンが何回も繰り返されて、さすがに途中から(これはちょっとおかしいかも?)と身を引いてしまった。ラストは芥川龍之介の原作どおり辛口で締めるべきだったし、客観的な事実をつけたしていたのにはびっくりした。事実がわからないからこそ、視聴者(読者)の想像の領域が無限に広がるのに。個人的には羅生門にいた3人は好きではない。むしろいない方がいい。夫婦が曳いていた馬が空馬となって羅生門にぽつんと現れる、というラストの方がよかった。 しかし、登場人物たちの存在感の大きさには驚かされる。全員の表情がエゴでぎらぎらとたぎっているところへ、木漏れ日の白い光が降り注ぎ、力強い生のエネルギーが卍どもえににうずまいている。また、ラストの羅生門の演出が印象的だった。半分は無残に崩落しているが、残り半分は堅固なままだ。人間の悪と善、業の深さと誠を象徴しているように思う。 【tony】さん [DVD(邦画)] 8点(2012-04-07 01:00:47) 28.《ネタバレ》 黒澤は『虎の尾を…』から『夢』まで屋外でのドラマを好んだが、とりわけ本作は徹底していて、おそらく屋根の下に座っているはずの取調べ役人は姿を見せず、調べの庭のみを映していく(このときの塀ぎわに控えている証人たちの姿の美的正確さ)。あとは森の中。屋内の停滞している空気を本質的に嫌ったのだろう。流動している空気と一緒に呼吸していたい気持ち。そういう空気の流れの中に多襄丸も侍も妻も投げ込まれ、それぞれの証言を演じさせられる。ちょっとした気流の違いで、証言は大きく変わっていく、屋外にいるとはそういうことなのだ。それまでに映画の起承転結の文法はいくつかの型を生み出していて、いわばソナタ形式のような定型が生まれていた。黒澤はそこに変奏曲形式を付け加えた。同じテーマが変奏されていく面白味。もちろんアイデアを生んだのは芥川だが、それを映画に持ち込めると判断したのは監督だ。本来記録する装置だったフィルム、無意識に信頼を寄せていたフィルムだからこそ生じる変奏の面白さは格別である。うるさいぐらい音楽が鳴り続けるのも、その4つの変奏を強調したかったんだろう(4つめは音楽抜きでかえって印象深い)。大きな門というモチーフも忘れてはならない。監督は繰り返し映画に大きな門を登場させ、そこを人が通過する物語を描いた(『赤ひげ』ではそこに青年が入るまでの、『影武者』や『乱』ではそこを老人が追放されるまでの、『隠し砦の…』ではそこを突破するまでの)。これもラスト、子を抱いた志村喬がその非情の大門を通り抜けたようにも見えるのだ。おそらく封切り当時、捨て子や通りすがりの強姦はもっと生々しく受け止められるモチーフだったろう。黒澤の作品の中では理知的で異色作だが、彼の表現様式が十全に提示された名作だと思う。 【なんのかんの】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2011-12-05 10:19:01) 27.どのシーンを切り取っても絵になるような素晴らしいカメラワークが印象に残る。ただでさえ重苦しい題材が力強く、かつ泥臭く撮られているので、鑑賞後に「引きずる」タイプの作品のような気がする。 【wood】さん [映画館(邦画)] 8点(2010-05-08 17:20:01) 26.これこそリメイクしてほしい。そうですねえ、キャスティングは・・・ 女=松たか子 きこり=温水洋一 タジョウマル=あえて香取慎吾 巫女=ベッキークルーエル 【no_the_war】さん [DVD(邦画)] 8点(2010-02-21 02:20:18) 25.まず冒頭の大雨の中に不気味に映し出される朽ちた羅生門に心を鷲掴みにされた。 映像がとにかく素晴らしい。 荒廃した世界のシンボルとして羅生門が描かれているように感じた。 黒澤映画の中でもある程度黒澤映画に慣れてきた人が観る映画だと思った。 玄人向けな作品かもしれない。 それぞれの人間のエゴが剥き出しになって、真実がどんどん曖昧になっていく。 登場人物が少ないが、先が気になる展開の仕方もお見事。 必要以上に冗長な部分があるのと、少し説教臭いのはご愛嬌。 黒澤映画はどの作品も人間描写に力を入れていてとても好みだが、この作品は特にそれを濃く感じた。 役者が少ない分、ひとりひとりの素晴らしい演技を集中して堪能することが出来る。 印象に残っているのは鬼気迫る殺陣シーン、狂ったような京マチ子の演技、表情で見せるラストの志村喬。どれも素晴らしかった。 そしてこの映画全体の雰囲気を決定付ける映像と音楽(ボレロを気味悪くしたような)。 色んな実験がされているからか、他に類を見ないミステリー作品に仕上がっている。 見る度に新しい発見があるような、そんな作品だと思った。 【おーる】さん [DVD(邦画)] 8点(2010-01-19 05:35:42) 24.ラストは人それぞれの解釈になるんでしょうね。案外、その人の人間性が出るかも?あー、自分は暗黒面バリバリっすわw 【Junker】さん [DVD(邦画)] 8点(2009-02-14 01:25:35) 23.映像が美しい。 特別面白い話ではないけど、引き込まれたのはなぜだろう。 【eureka】さん [DVD(邦画)] 8点(2008-03-14 01:28:27)
【点数情報】
【その他点数情報】
|
Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS