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【クチコミ・感想(8点検索)】
3.《ネタバレ》 山下耕作監督が手掛けた「昭和残侠伝」シリーズの一本。このシリーズ自体を見るのがまだ二本目で、しかもかなり久しぶりだったのだが、見ごたえがあり面白かった。山下監督ならではの美しさや障子の影なども丁寧にしっかりと作り込まれていて、監督の代名詞ともいえる花もここぞというシーンで印象的に使われていて、重厚さを感じさせる作風も山下監督らしい。主演のふたり、高倉健演じる花田秀次郎と池部良演じる風間重吉もカッコよく、義理と人情の葛藤がうまく描かれているが、中でも風間の葛藤が印象深く描かれている。山下監督の「戦後最大の賭場」で主人公の妻を演じていた小山明子がヒロインを演じているのもやっぱり新鮮な感じがする。それに千恵蔵演じる親分も存在感があり、いい味を出していてよく、とくに殺されるシーンの静かな演技が印象に残る。そのほかの脇役たちもそれぞれイキイキとしている。そんな脇役たちの演出がしっかりとしているからこそ主演のふたりがひきたつのだ。クライマックス近くで風間が組を抜け、秀次郎とともに殴り込みをかけるシーンも美しさがあり、たまらないし、「死ぬときは一緒だ。」という秀次郎のセリフに秀次郎の風間に対する深い思いを感じられるし、殴り込みで負傷した風間に「死ぬときは一緒だっていったじゃねえか。」と声をかけ、風間に肩を貸し、二人去っていくシーンも美しさやぐっとくるものがあり、感動的だった。 【イニシャルK】さん [DVD(邦画)] 8点(2016-01-23 14:39:21)
2.丁寧な風俗描写、あるいは薄暗い賭場のシーンの美しさ、障子に映る影。やはり一級の満足感を与えてくれる作品だ。義理と人情の葛藤はどちらかというと池部良のほうにあるわけで(もちろん健さんも「急所をはずしなすったね」はあるけど)、それだけこっちのほうが印象深い。仁侠映画内での任侠の道徳律は、すじを通す・カタギに迷惑をかけない・女を売るようなことはしない(→利益追求を第一にするのはみっともない)といったところで、現実のヤクザの対極としての「そうであるべきはずだったヤクザ像」なわけ。『仁義なき戦い』の暴力団より歌舞伎の白波ものに近い。唐獅子牡丹の1番と2番の間で合流するってのも、もう様式としての決まりになってるし。時代劇でチャンバラが始まるとけっこう退屈することも多いんだけど、仁侠映画ではまず引き込まれる。音楽が鳴らないストイシズムもいいんだろうな。 【なんのかんの】さん [映画館(邦画)] 8点(2009-10-03 11:50:26)
1.「昭和残侠伝」シリーズ六作目にして山下耕作が唯一手がけた作品。シリーズを通して観ていくと、それぞれ監督の個性が出てて面白いです。例えば佐伯清の作品は善玉と悪玉を強調し過ぎ、また高倉健にばかり焦点を当てていて物足りない気がするのだけれど、本作はほかのキャラクターもきちんと描かれているし、昔の恋人に対する表に出せない想いや渡世の義理で恨みのない相手を斬ってしまったという慙愧の念、つまりは「不条理に翻弄される人間の哀しみ」が漂っていて、とても重厚なドラマに仕上がっています。さらに、お約束の殴り込みシーンも佐伯演出・マキノ演出とも違う雰囲気で(どこがどう違う、というのはうまく言えないのだけれど)引き込まれます。なんというか、良い意味で「手堅い」作品。 【ぐるぐる】さん 8点(2005-01-04 17:25:20)(良:1票)
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【点数情報】
Review人数 |
5人 |
平均点数 |
7.40点 |
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1 | 0 | 0.00% |
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2 | 0 | 0.00% |
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3 | 0 | 0.00% |
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4 | 0 | 0.00% |
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6 | 1 | 20.00% |
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7 | 1 | 20.00% |
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8 | 3 | 60.00% |
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9 | 0 | 0.00% |
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10 | 0 | 0.00% |
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【その他点数情報】
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