みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(8点検索)】
5.《ネタバレ》 原作とTV版は知らない。この映画だけ見て思ったことをとりあえず書いておく。 まず世の中グレーゾーンがないと困ることはあるだろうが、グレーとダーク(ブラック)の境界だけははっきりさせる必要がある(普通は法律などで決まっている)。個人的感覚でいえば、劇中の引きこもり男が公園で喫煙していたあたりはいいとして、生徒に危害を加えようとした時点でこの男に共感しようとする気が完全に失われた。この男の言っていた“真面目な人間が損をする”というのも単なる屁理屈で、現実には真面目かどうかより主体性のない愚かな人間が不利だというだけのことである。愚かなこと自体は罪ではないが、愚かなことを理由にして罪が許されるわけではなく、どういう事情があろうがやってしまったら終わりである。最後に教員が声をかけた場面は、紙一重の差を分けてしまったことを強く印象づけるものになっていた。 ちなみに教員の性的な妄想もグレーゾーンの範疇だろうが、この男が一線を超えることは決してないはずだ。 また選挙に関していえば、そもそも民主主義などグレーゾーンだらけであり、誰がどういう意図で投票したかなどわかったものではない。劇中で言われていたように候補者を真に支持する票と看做すほかないわけで、当選者には有権者の負託に誠実に応えようとする義務が課せられる(有権者にも結果責任が課せられる)。その点で、劇中の当選者は単なる「不満分子」ではなかったようで、新会長としての最初の提案は結構泣かせるものがあった。 ところで自分は学校教員をやったことはないが、劇中の教員が「世界を変える」と言っていたのは共感できることで、終盤で女子生徒に声をかけられた場面はかなり感動的だった。たとえわずかずつでも、自分の行動が世界を変えていくことにつながると考えなければ教員などやっていられないだろうし、またそれは教職に限らず社会に生きる人間全てに通じることではないかと思われる。こういう映画が作られているのを見ると、本当に世界は少しずついい方向へ変わっているのかも知れないと期待を寄せたくなる。 なお演劇は人が生きるための役に立つ、という主張は別のところでも見た気がするが、これに関する劇中の教員の語り口も悪くなかった。またキャストとしては、土屋太鳳以外にも未来穂香、小野花梨といった人々がそれぞれ所を得ていた感じだったが、個人的には三浦透子という人の雰囲気が好きなので、もう少し前面に出てもらうともっとよかった。 【かっぱ堰】さん [DVD(邦画)] 8点(2016-11-15 20:52:48) 4.《ネタバレ》 原作への尊重と、映画という媒体への導入という作業を両立させることの難しさがうかがい知れる。 原作漫画のメッセージ性はそもそも行間に含まれた意図が複雑で、さらにいうとこの漫画でテーマになっているような側の人間にとってことさら痛い物だ。教育者というキャラクターを使うからには、その周辺の分野も取材したのであろう事が覗われ、その成果が出ていると言える。精神医学的なことや発達学などの心の構造を上手に作中にも表現方法にも反映していた。 この映画にも、表面的な面白さと、行間の構造両面での試行錯誤が幾つも発見できるのだが、恐らく受け手全員がそれを発見できる、あるいはそれを快く思うかは分からない。 感受性の維持や、ステレオタイプを切り替える事、自分だったらこうした。と言うような事は人によってはその能力の維持が難しい事だ。だが、そうした事の低下に気がつかなければ色々な映画の表面的な部分しか理解できずスカスカに見えてしまう事だろう。この映画はそうした危険性を気にせず作られている様に感じたが、読み取る事が出来なかさそうな人には見てもらわなくても良いような仕掛けをどこかで設けるべきではなかったかと、テレビ東京に感じた。 が、ここは映画の出来とはまったく関係無く、むしろ色々な人がちゃんと見られれば問題ないところではある。 【黒猫クック】さん [映画館(邦画)] 8点(2015-06-14 02:38:51) 3.《ネタバレ》 連続ドラマ版の「鈴木先生」があまりにも面白かったので、それと比べてしまうと、だいぶん見劣りしてしまうんですが、単体の映画としてみれば、十分すぎるクオリティがあったと思います。ただ、導入部の妄想はいらなかったし、後半の事件はうまく機能していなかったですね。小川が屋上から飛ぶシーンとか、本当にこの映画に必要なのか疑問です。しかし、それ以外の部分は、やはり鈴木先生らしいロジカルなメッセージに満ちていて、とても面白い。「選挙の投票率を上げよう」なんて、現実の大人の世界でも未だにやってるんですから。世の中、いかに無考えな人間が多いか・・。「逃げ場を残す」というテーマも、いろいろなシチュエーションにうまく絡めてあって、見事でした。この映画で興味を持った人は、ぜひ連続ドラマのほうを観てほしい。ドラマは、さらに深く、面白いですから。 【コウモリ】さん [DVD(邦画)] 8点(2014-12-30 14:59:35) 2.何の予備知識もないままに見始めたので、この作品がふざけた学園コメディなのか、真面目な教育ドラマなのかすらわからず観賞していましたが、とても面白かったです。 序盤のコメディ部分に関しては、登場人物の背景などよくわからない部分もあったけど、結構笑えました。 奥さんや復帰した女教師の設定を自分なりに想像しながらでしたが、いろいろあったんだろうなぁって感じで笑えました。 中盤くらいから単なるコメディ作品じゃなさそうだぞって雰囲気が漂ってきて、真面目を通り過ぎて、やや不謹慎なくらい踏み込んだ教育論が展開されて興味深かったです。 今更ながら、ドラマの方も見てみたいと思いました。 【もとや】さん [DVD(邦画)] 8点(2014-05-14 17:52:55) 1.《ネタバレ》 毎日公園のベンチにやって来て、なんとか支え合っている2人の若者の行き場のない姿にまず泣けました。どうしても許せないことに対して、なんとか正当な方法で反旗を翻そうとする男子生徒の若さゆえの痛々しいまっすぐさにも泣けました。理想を追い求めて、それでも皆に解ってもらえるわけではなく、狭い部屋で煙草を吸っている鈴木先生にも泣けました。同じように理想を追い求めて、理解不能なものはシャットアウトすることで自分を保ち、最後に「私をおやりなさい!」と言って犯人の前に進み出る足子先生にも泣けました。 古沢良太の脚本と風間俊介目当てで行きましたが、ドラマを見逃したことを後悔しました。ラストは綺麗事のようでもありましたが、世の中、綺麗事を言わなくなったら、ダメになっちゃいますものね。 人には皆居場所が必要だけど、それは自分で見つけるべきもので、無いなら作っていかなくてはいけない、ということなのでしょうか。「鈴木先生の教え子は、みなそれぞれの場所で頑張ってるんだよ、きっと」という女子生徒の言葉に、最後またもや泣きました。 しかし、風間君の演技は、もはや違和感を感じないところがすごい。振り回した鎌が小川さんを傷つけた時の一瞬の表情は、見事の一言です。 【showrio】さん [映画館(邦画)] 8点(2013-02-21 10:52:39)
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